周波数カウンタについての概要、用途、原理などをご説明します。また、周波数カウンタのメーカー7社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。周波数カウンタ関連企業の2023年10月注目ランキングは1位:株式会社エー・アンド・デイ、2位:テクトロニクス、3位:アンリツ株式会社となっています。
図1. 電気信号波形の3つのパラメーター
周波数カウンタは、電子回路で発生している周波数を計測するためのデジタル機器です。
電気信号は、周波数、振幅、位相といった3つのパラメーターで表現できます。また、周波数の逆数によって周期を求めることが可能で、周波数計測は電気信号の基本的な測定において重要なパラメーターです。
周波数カウントの他に、デューティサイクル測定やパルスの立ち上がり時間やタイムインターバルなど、複数の機能を追加したものをユニバーサルカウンタと呼びます。
周波数カウンタは、電流計や電圧計のように電気信号計測における基本的な測定機器として使用されています。周波数カウンタ単体としての製品もありますが、デジタルマルチメーターやオシロスコープ、光スペクトルアナライザなど、多くの機能を持った機器の一部の機能として、周波数カウンタの機能を持つ製品が多く開発されています。
周波数カウンタは、原理が非常にシンプルである点が特徴です。自作することも可能であることから、キットなども販売されています。周波数カウンタのキットは、数十MHzであれば各社から販売されていてます。理由としては、ダイレクト方式の周波数カウンタは複雑な動作をしないという特徴があるためです。
また、マルチテスターの中には、周波数計測が可能なレンジを搭載したものもあり、これらのタイプは手軽に扱うことができるため、大きな測定装置を運び込めないような現場などで、特に重宝されています。しかし、手軽というメリットがある一方で、高い周波数や有効数字を多くとるというような用途には不向きな点がデメリットです。
キットはLSI化されているものがほとんどであるため、構造のすべてを学習することはできませんが、気分を味わうことはできます。
図2. 周波数カウンタの原理 (ダイレクト方式)
周波数カウンタは、波形整形回路、ゲート、水晶発振器、計数回路によって構成されています。
入力された信号を「パルス列」に変換しています。
決まった時間幅を持ったパルスを生成します。先程のパルス列を測定するためのタイムウィンドウ (ゲートタイム) を生成し、タイムウィンドウは周波数の測定を行うための窓の役割をします。 (図2-a、図2-b参照)
タイムウィンドウに含まれるパルスの数を数えることによって、もとの信号の周波数を測定しています。周波数測定の分解能を決めているのが、水晶発振器で生成したタイムウィンドウの時間幅です。例えば、タイムウィンドウが1秒であれば1Hz単位での表示が可能で、タイムウィンドウが0.1秒であれば10Hzと、分解能はタイムウィンドウの時間幅の逆数に比例します。
周波数カウンタにおいて、最も誤差が発生するのはパルス列を生成するところで、特に入力信号にノイズが含まれていると、パルスの立ち上がりが不安定になったり、本来は無いはずの余分なパルスを生成したりします。 (図2-c参照)
誤差の発生を防ぐための工夫として施されているのが、繰り返し計測を行い、ノイズ成分を平均化する方法です。これにより、パルス列を生成するときに発生する誤差を低減させることができます。
図3. 周波数カウンタの方式
周波数カウンタは、入力信号の周波数を計測し、その結果を表示する機器です。測定方法は、実現が容易なため昔から利用されている「ダイレクト方式」と、高価ですが高い有効桁数を得ることが可能な「レシプロカル方式」の2通りがあります。
ゼロ点クロス測定
ダイレクト方式の周波数カウンタは、入力信号の周波数がゼロ点でクロスした回数を計測する方式です。入力信号がサインカーブであれば、ゼロ点を下り、もしくは上りのいずれかでクロスする回数を計数します。ダイレクト方式の周波数カウンタのメリットは、ハードウェアだけで容易に実現できることです。そのため、この方式は昔から利用され、その1秒当たりのゼロ点クロス回数を周波数の測定値として表示します。
ダイレクト方式の周波数カウンタでは、機器の内部で正確な基準クロックを作っており、その時間だけタイムウィンドウを開けてゼロ点をクロスする回数を計測するのが特徴です。
測定有効桁数
ダイレクト方式の周波数カウンタにおける有効桁数は、タイムウィンドウの時間幅と入力周波数によって決まり、例えば、入力周波数が1GHzでタイムウィンドウが1secの場合、計測値は1x10^9で有効桁数は10桁です。入力周波数が1kHzの場合では、有効桁数は4桁になり、どちらも分解能は1Hzです。
ここで、タイムウィンドウ時間幅を長くすると分解能は上がり、例えば、タイムウィンドウ時間幅を100秒にすると有効桁数は1kHzで6桁となって、分解能は0.01Hzとなります。しかし、1回の測定に最低100秒もかかってしまうのは現実的ではなく、作業性が著しく低下してしまいます。また、計測値は±1の量子誤差が必ず発生するということを理解して使用する必要があります。
高周波信号の測定だけであれば、ダイレクト方式の周波数カウンタで問題なく測定が可能ですが、ダイレクト方式で精度を上げるためには、タイムウィンドウ時間幅を長くする必要があります。しかし、ダイレクト方式でタイムウィンドウ時間幅を長くすると、1回の測定時間も伸びてしまうため、極端に効率が悪くなるというデメリットが生じてしまいます。このような状況下での選択肢となるのが「レシプロカル方式」の周波数カウンタです。
レシプロカル方式の周波数カウンタは、入力された波形をそのまま、または分周した波形を内部の基準クロックでカウントする方式です。特に低い周波数の計測の場合、高い有効桁数を得ることができるというメリットがあります。レシプロカル方式の周波数カウンタにおける有効桁数は、内部基準クロックとゲート時間で決まり、そして、入力周波数の影響は受けないのが特徴です。
例えば、内部基準クロックが10MHzでゲートタイムが1秒の場合、有効桁数は7桁になり、同じ基準クロックでゲートタイムが10秒の場合は、有効桁数は8桁です。低い周波数域での測定において高い有効桁数を得ることが可能なレシプロカル方式ですが、カウンタ自体の動作は複雑であるため、価格が高いというデメリットがあります。
参考文献
https://www.orixrentec.jp/helpful_info/detail.html?id=53
https://www.jstage.jst.go.jp/article/lsj/39/10/39_775/_pdf
https://www.techeyesonline.com/tech-column/detail/Reference-UniversalCounter-02/
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ココリサーチ株式会社*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2023年10月の注目ランキングベスト7
注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | 株式会社エー・アンド・デイ |
23.7%
|
2 | テクトロニクス |
20.0%
|
3 | アンリツ株式会社 |
19.3%
|
4 | キーサイト・テクノロジー株式会社 |
14.8%
|
5 | 株式会社テクシオ・テクノロジー |
13.3%
|
6 | DS Instruments |
4.4%
|
7 | Phase Matrix, Inc. |
4.4%
|
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2023年10月の周波数カウンタページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
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Metoreeに登録されている周波数カウンタが含まれるカタログ一覧です。無料で各社カタログを一括でダウンロードできるので、製品比較時に各社サイトで毎回情報を登録する手間を短縮することができます。
AD-5184は、周波数測定に加え、周期、加算、RPM(1分間値) 測定が可能な1.5GHz周波数カウンターです。
ローパスフィルタ(100kHz)を備えており、ノイズをカットし高精度の測定が可能となっています。
内部基準周波数の出力、外部基準周波数(10MHz)の入力にも対応した製品となっています。
データホールド機能も装備しており、操作性、機能性の高い、幅広いアプリケーションに対応できる周波数カウンタとなっています。
MCA3000シリーズは、様々な機能が1台にまとめられた多機能マイクロ波周波数カウンタです。
MCA3040は40GHzの周波数まで対応しており、周波数分解能は業界トップクラスの12桁、時間分解能は100psを誇り、微小な周波数、時間変化の測定にも対応します。
統計測定、ヒストグラム、トレンド・プロットなどの解析モードも備えており、信号を瞬時に解析することができます。
高い周波数、時間分解能が要求される精密測定のアプリケーションに最適です。
Keysight 53200シリーズは、さまざまな周波数、インターバル測定に対応する、350MHzユニバーサル周波数カウンタです。
1秒間のゲートで最高12ビット/sの周波数分解能を実現、インターバル測定は20psの分解能で行われます。
シリーズ 全てのモデルが、解析機能とグラフ表示機能を内蔵しており、測定結果の情報を瞬時に得ることが可能になっています。
用途に合わせて3種類のモデルが用意されており、幅広いアプリケーションに対応することができるシリーズ となっています。
MF2412Cは、バースト信号のキャリア周波数やパルス幅の測定が可能な、マイクロ波周波数カウンタです。
測定結果を12桁で表示、アナログ表示機能により周波数値を視覚的に捉えられ、各種発振器のスムーズな周波数調整が可能になっています。
また、測定結果が上限・下限周波数の規格内に入っているかを判定し、その判定結果の出力を行うテンプレート機能を搭載しています。
移動通信用デバイスや回路を評価の評価などへのアプリケーションに最適です。
TT7000 (REV 5)は、RFパワーメータ、広帯域RF周波数カウンタ、RF信号発生器を1つの小型デバイス(70mm×104mm×29mm)に統合した製品です。
周波数カウンタは100MHzから7GHzの広帯域に対応しており、周波数分解能は1KHz、時間分解能は0.1sから1.0sとなっています。
小型で多機能ながらホストコンピュータは必要とせず、高い実用性と携帯性を備えた製品となっています。
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