渦流量計についての概要、用途、原理などをご説明します。また、渦流量計のメーカー10社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。渦流量計関連企業の2023年5月注目ランキングは1位:株式会社オーバル、2位:日本エマソン株式会社、3位:株式会社鷺宮製作所となっています。
渦流量計と関連するカテゴリ
渦流量計は、カルマン渦を利用した流量計です。
カルマン渦とは、流体の流れの中に置かれた物体 (渦発生源) の下流に発生する渦列を指します。物理学者であるカルマンが理論的に解明したことから、「カルマン渦」という名前が付きました。
渦流量計は構造が簡単で堅牢です。精度がよく、流量範囲が広く、多種類の流体に対応していることが大きな特徴です。
渦流量計の主な使用用途は以下です。
渦流量計は気体・液体・蒸気を測定できるので、あらゆる流量計測シーンに使うことができます。
注意点は渦が発生しないと測定ができないため、渦発生のための適切な口径を選定することです。低流量範囲ではカルマン渦が発生しなくなり、流量を測定することはできません。
渦流量計はカルマン渦を数えることで流量を測定します。
カルマン渦の周波数は流速に比例するので、パイプの中に渦発生用の障害物を設置して発生する渦を数えることで流速がわかります。
具体的な数式を用いた説明は以下の通りです。
渦周波数をf (Hz) 、渦発生体の代表長さをd (m) 、流速をv (m/s) とすると、
f = S・v/d
という式が成立します。ここで、Sは、ストローハル数と呼ばれる比例定数です。渦発生体の形状や寸法で決定される数です。
流量Q (m3/s) は、管の断面積をA (m2) とすると、
Q = A・v = A・f・d/S = K・f
で、あらかじめ流量と周波数の比例定数Kを求めておけば、周波数から流量を求めることが可能です。
実際の渦発生体の形状は、三角形状、平面形状、台形形状などがあり、台形形状が最も正確性が高いと考えられています。渦の検出方法は、渦によって生じる力をセンサ (圧電素子か半導体歪ゲージ) で電気信号にして検出し、変換器で増幅しパルス信号またはアナログ信号として取り出されます。
配管内の流体の流量を測定する計器としては、他にも差圧式流量計やコリオリ式流量計などがあります。差圧式流量計はシンプルな構造ですが、測定精度がやや低いことがデメリットとなり、コリオリ式では使用できる流体が限定されることがデメリットとなります。
一方、渦流量計は、検出部に設置されている渦を発生させる物体の下流で生じたカルマン渦による圧力変化を測定し、流量へ変換します。渦流量計は液体・固体・気体のいずれも測定ができ、機器がシンプルであることが特徴です。
多くの流量計に言えることですが、流量測定をより正確に行うためには測定器の上流側配管の直管部はある程度長さが必要になります。渦流量計では、配管内での旋回流や流速分布が不均一である場合は、測定に影響を及ぼします。従って流体は層流であることが必要条件となります。
以上より、流量計の上流は整流としなければならず、バルブや温度計、圧力計などが配管内に突き出ていないようにしなければなりません。なお、必要な直管部の長さは配管の設計によって異なります。
蒸気の流量測定に差圧式流量計が使用される場合も多いです。差圧式流量計は仕組みは簡単ですが、流量精度は他の流量計と比較すると劣ります。
その際、蒸気の測定に渦流量計を用いると精度良い流量の測定が可能です。
蒸気の場合は、温度・圧力によって密度が異なります。渦流量計では流量の測定精度が高いだけではなく、質量流量への換算ができるように温度センサーが付属している計器もあります。
また、主にボイラーでは蒸気は湿り蒸気となっているため、差圧式よりも渦流量計が最適です。しかしながら、この湿り蒸気の温度・圧力・乾き度による影響で渦式流量計においても精度が低くなることがあります。
蒸気用の渦流量計は検出部に乾き度センサーを内蔵しており、質量流量の換算ができるように工夫されています。
参考文献
https://www.keyence.co.jp/ss/products/process/flowmeter/type/karman.jsp
https://www.oval.co.jp/techinfo/keisoku/vortex.html
https://www.tokyokeiso.co.jp/techinfo/magazine/pdf/flow5.pdf
https://www.yokogawa.co.jp/solutions/products-platforms/field-instruments/flow-meters-j/vortex-flow-meters-j/vortex-flow-meters-jj/digitalyewflo-series-products/
Metoreeでは各社カタログを無料で一括でダウンロードできるので、製品比較時に各社サイトで毎回情報を登録する手間を短縮することができます。
渦流量計のカタログ一覧はこちら企業
エンドレスハウザージャパン株式会社*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2023年5月の注目ランキングベスト10
注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | 株式会社オーバル |
14.1%
|
2 | 日本エマソン株式会社 |
14.1%
|
3 | 株式会社鷺宮製作所 |
12.7%
|
4 | 株式会社テイエルブイ |
12.7%
|
5 | 東京流機工業株式会社 |
9.9%
|
6 | エンドレスハウザージャパン株式会社 |
9.9%
|
7 | 株式会社リガルジョイント |
8.5%
|
8 | エフコン株式会社 |
8.5%
|
9 | Omega Engineering Inc. |
5.6%
|
10 | 株式会社クローネ |
4.2%
|
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2023年5月の渦流量計ページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
Metoreeに登録されている渦流量計が含まれるカタログ一覧です。無料で各社カタログを一括でダウンロードできるので、製品比較時に各社サイトで毎回情報を登録する手間を短縮することができます。
RLKシリーズ は、計測流量範囲が4〜900L/minのモデルを取り揃えた、高耐久、高精度のカルマン渦式液体流量計です。
0℃から50℃の液体の計測を想定して設計されており、電流出力、パルス出力に加え、警報出力の機能を搭載しています。
また、表示部は視認性の高いLED表示となっており、瞬時流量や積算流量を表示することが可能です。
幅広い流量範囲の安定計測が要求されるアプリケーションに適した製品となっています。
EF200-Cシリーズは、高精度計測と広い計測範囲に加え、全型式が補正用温度センサー内蔵のため発信器単体で飽和蒸気の質量流量補正演算が可能となっている渦流量計です。
使用温度範囲は-200℃から400℃と広範囲、また可動部がない単純構造を採用しているため高い耐久性を実現しています。
大きくて見やすく、日本語表示も可能な内蔵液晶画面を搭載しているため操作性も高い製品です。
蒸気配管、プロセスの蒸気流量計測、ドレン回収量の測定、ボイラー給水量の測定などに最適です。
EXデルタ IIは、液体、気体、蒸気の流量計測に対応しており、広い流量レンジと-30℃から+300℃という使用温度範囲を持つ、高精度な渦流量計です。
可動部を持たず圧力損失が低い、高い再現性を持つ、通信によりパラメータの設定や変更に加え流量モニタリングが可能であるという特徴を持ちます。
測定精度は、フルスケールの±1%となっています。
性能の高さと堅牢で耐久性に優れたシンプルな構造から、幅広いアプリケーションに対応できる製品となっています。
Rosemount 8800DF005は、センサ分離型のフランジ型渦流量計です。
センサが分離しているため、プロセスシールを破壊しなくても、流量および温度センサを交換することができるようになっています。
測定精度は、液体では±0.65%、気体・水蒸気では ±1%を誇り、「スマート流体診断」の機能を利用することで、液相から気相への相転移を検出することが可能です。
一般的な用途から過酷な環境下での用途まで、あらゆる用途に対応できる製品です。
FV-200シリーズ は、フルスケールの1%の精度で再現性の高い流量測定を実現する渦流量計です。
可動部をなくし、耐腐食性のあるプラスチック製を用いた構造により、高い耐久性を実現しています。
また全体的にコンパクトに設計されており、全ての電子機器が耐腐食性の筐体に収納されるようになっています。
腐食性の強い液体や汚染されやすい液体の高精度測定が要求されるアプリケーションに最適なシリーズ となっています。
モノタロウでチェック