コーターについての概要、用途、原理などをご説明します。また、コーターのメーカー45社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。コーター関連企業の2023年3月注目ランキングは1位:株式会社スギイマシナリィ、2位:株式会社ヒラノテクシード、3位:株式会社SDIとなっています。
図1. コーターの種類
コーターとは、製品や材料に薬品などを塗布するための装置です。
一般的なコーターは、塗布する対象物の形状や塗布する薬品、目的によって塗布する方法が異なります。そのため、さまざまな用途に応じてロールコータやスピンコータ、ディップコーター、スリットコーターなどが用いられます。
近年では、半導体製造分野やFPD(フラットパネルディスプレイ)製造分野、太陽電池や二次電池製造分野などにおいては、精密な塗布精度が求められるため、塗布技術の向上とともにコーターも飛躍的に進化しています。
パソコン、液晶テレビ、スマートフォン、タブレットなど、特に薄型で高機能・高密度化が求められる半導体製造分野やFPD (フラットパネルディスプレイ) 製造分野では、フォトリソグラフィ工程のフォトレジスト塗布でスピンコーターやスリットコーター利用されています。
また、二次電池や太陽電池、自動車部品から住宅建材・繊維・医療などで使用される機能性フィルムやシート状製品に対しては、ロールコータやその他薄膜塗布用のコーターなどが利用されています。
図2. コーターの種類による特徴
コーターの種類は多くありますが、塗液にせん断力をかけることで薄くする塗布することが基本原理です。そのせん断力のかけ方がコーターの種類によって異なります。
また、塗布する量 (液の量) を前もって計量した分を塗布する「前計量方式」と、塗液を塗った後で所定の量にする「後軽量方式」とに分類することができます。
ロールコータは、一般的にフィルムやシートなど比較的薄く平面材料に対する塗布に用いられます。塗布する薬液の液溜まりに接するローラーの回転と、フィルムやシートなどの材料の巻取り回転を利用して塗布するグラビアコーターやリバースコーターなど塗布する薬液の性質や粘度、塗布する膜厚に応じてさまざまな塗布方法が用いられます。
ロールtoロールでの塗布が可能で、最も高速塗布に向いている方法です。これらの方法の特徴は、塗布液と被塗布対象物の間でビードを形成し被塗布対象物、または被塗布対象物とロールの両方が移動したり回転したりすることで、塗液にせん断力をかけ薄く塗布することです。このビードを安定化させることが高品質な塗布には不可欠です。
スピンコーターは、一般的に回転するテーブルと薬品を塗布する機構で構成されています。主に回転するテーブルには塗布される製品などの材料が待機し、製品などの材料に薬液を吐出後、テーブルが回転する遠心力で製品などの材料全体に薬液が広がり薬液膜が形成されます。最も薄く塗布できる手法ですが、複数枚の塗布や連続生産ができないため大量生産には不向きです。
ディップコーターディップ方式と呼ばれ、ディップコート液に浸けて引き上げる塗布に用いられます。対象物の形状は問わず、塗布液のロスが少なく均一な薄膜を形成することができるのが特徴です。
スリットコーターは、スリットの入ったノズルから塗液を吐出することで塗布するコーターです。ダイコーター、スロットダイなどと呼ぶこともあります。被塗布対象物はテーブルの上に載せられ、薬液ノズルから薬液を吐出しながら製品などの材料をスキャンすることで薬液膜が形成されます。
ロールtoロールの塗布にも用いられることがあり、搬送されるフィルムやシートに対して一定の塗液を吐出することで、スリットコーターでの塗布が可能です。塗液が空気と触れることがないため、最も品質の高い塗布やストライプ状など複雑な塗布に最適です。
図3. コーティング欠陥の代表例
どんなに高性能なコーターにて塗布を行ったとしても、塗液や塗布条件によっては綺麗な塗布面が得られないことがあります。ここではコーティングの欠陥の種類とその対処方針について簡単に説明します。
1. 塗布によって発生するもの
欠陥の種類 | 原因 | 対策 |
空気同伴 | 被塗布物に塗液を塗布する際に、空気が逃げ切れないため。 | 塗布速度を低下させる。 |
リブスジ | 塗布部に塗布方向に対して逆圧力勾配ができるため。 | 塗液の粘度や塗布速度を低下させる。 |
気泡混入によるスジやホール | 塗液中に泡があるため。 | 泡抜き対策を施す。 |
横ダン状のムラ | 主にリバースグラビア方式であるため。 | 被塗布物の振動抑制やグラビアの回転速度を変える。 |
ムラ | 塗液が塗膜内で流動を起こすため。 | 塗液を改善する。 |
異物 | 塗液が凝集したり、ゲル状になったりするため。 | フィルターを導入する。 |
はじき | 塗液の表面張力が高いため。 | 界面活性剤などを添加する。 |
2. 乾燥によって発生するもの
欠陥の種類 | 原因 | 対処法 |
ゆず肌 |
乾燥速度が早すぎるため。 | 乾燥速度を弱くしたり界面活性剤を添加したりする。 |
風紋 | 熱風乾燥 |
吹き付ける熱風の速度を弱める。 |
割れ | 塗膜の収縮 | 厚塗りを避ける。 |
コーティングは、コーターと乾燥と塗液をそれぞれ適切に選択することで成立する技術です。使いたい塗液の条件や乾燥炉のスペックなども考慮して、適切なコーターを選択することが大切です。
参考文献
https://www.keyence.co.jp/ss/products/measure/sealing/coater-type/roll.jsp
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株式会社スギイマシナリィ 株式会社イー・スクエア*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2023年3月の注目ランキングベスト10
注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | 株式会社スギイマシナリィ |
8.6%
|
2 | 株式会社ヒラノテクシード |
8.0%
|
3 | 株式会社SDI |
6.6%
|
4 | 株式会社テクノスマート |
5.7%
|
5 | 株式会社康井精機 |
4.5%
|
6 | 平田機工株式会社 |
4.3%
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7 | 総武機械株式会社 |
3.1%
|
8 | 中外炉工業株式会社 |
2.9%
|
9 | 株式会社アピロス |
2.5%
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10 | 株式会社日立ハイテク |
2.5%
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注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2023年3月のコーターページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
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2023年3月17日
コーター機には、まずEBコーター機(型番:SCEB-1800)があり、これは乾燥機が不要であるため、その分経済的にできる高速型コーターとなっていて、その最大機械速度は300m/minで、基材が紙であり、基材に、EB用樹脂を、塗布してから、電子線を照射することによって硬化させていて、またその塗工部は、ダイレクトグラビアと、オフセットグラビア及び、リバースグラビアの3種類であって、このドクターチャンバーは、リバース時には、移動可能な構造となっているため、その圧胴は、スリーブ式によって、交換は簡単になっています。
また、UVフレキソコーター機(型番:SVF-1300)は、UV用の塗工をフレキソ式で対応可能にしていて、その最大機械速度は150m/minで、基材が、一般プラスチックフィルム及び、紙となっていて、ラミネーターとしても使用可能にしていて、また、その塗工部は、追い刷印刷としても、ユーザーからの要求に十分に対応でき、そのフレキソ部は、セクショナルによって駆動制御されます。
そして最後に、ホットメルトコーター機(型番:SCHM-350)は、OPPに、ホットメルトを塗工する、小型装置であり、その最大機械速度は120m/minで、基材がOPPであり、まず印字装置を、組み込むことが可能であり、そして巻取は、静止紙継を採用しているため、アキューム装置を保持していて、そしてホットメルトによって、フィードロールがサクション対応可能です。
単板ナイフコータ「βCoater」枚葉サンプルを、簡単かつ手軽に製作可能であり、「手塗りよりも、安定したサンプルを作成したい」「ロール・トゥ・ロール機での試作の前に、事前に評価をしたい」といった要望に応えることが可能な汎用テスト機です。
リニアサーボモータによる駆動と、マイクロメーターによるギャップ管理によって、手塗りの手軽さをそのままに維持しつつも、大幅な精度と再現性の向上を実現可能にします。
本体の性能は、まずPLC制御はありませんが、定盤が精密石定盤で、ライン速度は0.5~3.0m/minであり、駆動方式がリニアサーボモータであって、基材はPVC、PP、PET、不織布 他となっています。
また、その基材固定方式はサクションプレートによる吸引で、塗工巾が320mm固定であり、ブレード移動巾は400mmで、基材巾が350mmであり、参考塗工厚は20~200µm以上で、本体寸法はW770×D800×H1320mmとなっています。
CEDコーター(クローズドエッジダイコーター)は、タンクとヘッド及びポンプ部が、全て密閉されているのが大きな特徴であり、全塗工の工程を、完全密閉状態で行うことが可能なため、溶剤にチリやゴミなどの異物が混入しないだけでなく、溶剤が空気に触れて蒸発することも防げるため、希釈調整も不要になり、CEDコーターは、最新鋭のクローズドタイプコーターです。
まず、クリーンブース内CEDコーターは、クリーンパーテーション内部に、塗工ヘッドを設置することで、塗工部でのクリーン度をアップし、「発塵を極力抑えたい」という要望に対応します。
また、クリーン用カセットチェンジタイプCEDコーターは、薄膜から厚膜までの、幅広い塗工レンジに対応可能なコーターヘッドが大きな特徴であり、あらゆる塗工方法がかなうクリーンルーム用のCEDコーターとなっています。
そして、ポンプユニットは、CEDコーターに塗工液を供給するポンプユニットであり、可搬式であるため、クリーンルームの外から配管で繋いで使用可能であり、溶液の交換や清掃時に利便性を得られます。
コーターは、小規模な研究施設に向いている小型のものだけでなく、生産機までの幅広い範囲で対応可能であり、塗布方式もユーザーのニーズに合わせて、最適なものを提案可能であり、主な使用用途は、リチウムイオン電池及び全固体電池だけでなく燃料電池や、高機能フィルムなどが挙げられます。
その仕様としては、まず塗布方式は、ロールコーターと、小径グラビアコーター及び、ダイコーターだけでなく、バーコーター等であり、またロール幅は300mm~となっていて、乾燥炉も600mm~×n炉であり、テンション制御はテンションコントローラーと、トルクモーター及び、エアーフリクションとなっていて、オプションとして蛇行修正装置(EPC)と、熱ラミネートシステム及び、安全カバー等があります。
そして、研究及び試作に適している、小型のコーターであるFCコーターをSシリーズ化しており、ロールコーターヘッドと、小径グラビアコーターヘッド及び、ダイコーターヘッドを選択可能であり、また塗布ヘッドを乗せ換えて利用することも可能であり、あらゆる塗布方式に対応可能で、インフィード及びアウトフィードと、熱ラミネートや、合紙巻出し及び巻取りなどの、搬送システムの搭載を選択することもでき、乾燥炉数も自由に選択可能です。
クリーンコーターのうち、MCD(マイクロチャンバードクター)は、薄膜塗工及び、高速塗工のために開発された設備であり、液循環を密閉系にしたチャンバードクターが開発されたことで、キスリバースの方式を利用することで、薄膜塗工及び、高速塗工ができるようにしました。
主な用途は、リチウムイオン電池や、フラットパネルディスプレイと、磁気テープなどであり、塗工方式がグラビアキスリバース方式で、ドクター方式はチャンバードクター方式であり、機械速度が10~300m/minかつ、基材巾はMax.2650mmとなっています。
また、クリーンコーターのうち、C7-130は、スラリーを薄膜で塗布する事ができる、マイクロチャンバードクターを搭載し、セパレータにアルミナなどの耐熱剤を塗工する際の設備であり、塗工前にシーズニング機能を設置しており、各種シワにも対応可能であり、更に、巻取部特殊機構によって、巻取自動紙継ぎ巻芯ロス低減を実現可能にしました。
その主な用途は、セパレータにアルミナなどの耐熱剤を塗工用であり、その塗工方式はグラビアキスリバース方式で、ドクター方式がチャンバードクター方式であり、導入実績はリチウムイオン電池市場にあり、オプション表記として、コロナ処理装置と、膜厚計及び、検査装置など設置対応しており、また機械速度はMax.150m/minで、基材巾がMax.1200mmであり、乾燥温度はMax.100℃となっています。
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