滅菌器についての概要、用途、原理などをご説明します。また、滅菌器のメーカー8社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。滅菌器関連企業の2022年4月注目ランキングは1位:株式会社平山製作所、2位:サクラ精機株式会社、3位:株式会社タマノとなっています。
長崎大学病院口腔外科講師
2003年九州大学歯学部卒業、歯学博士。2018年より長崎大学病院口腔外科講師。専門は口腔外科。
日本口腔外科学会指導医・専門医、日本口腔科学会認定医。
linkedin
https://www.linkedin.com/in/eiji-mitate-82506570/
リサーチマップ
https://researchmap.jp/mitateeiji/
見立英史のプロフィール
滅菌器とは、様々な製品に付着した微生物を死滅させるための装置全般を指します。特に衛生状態の確保が必要とされる現場において広く用いられています。
代表的なものとしては、高温高圧の水蒸気を用いるオートクレーブ、高温で乾燥させることによって殺菌する電気式オーブン、エチレンオキサイドガスを用いたガス滅菌器等が挙げられ、滅菌対象物の材質や滅菌コスト、環境負荷などを考慮して最適な方法が選択されています。
滅菌と似たような用語に殺菌、除菌、消毒、洗浄があります。
滅菌とは、生存している病原微生物(芽胞菌も含む)、非病原微生物を問わず、全ての微生物に対して生存する確率が 100万分の1以下になることをもって定義されます(「医療現場における滅菌保証のガイドライン2021」より)。
殺菌は単に微生物を殺すという意味で一般に広く用いられます。殺す対象や程度が含まれないため、微生物を減少させれば「殺菌」と言える。また「滅菌」は器材など物品を対象とする場合に使われ、微生物そのものを対象とするときに殺菌と言われます。
一方で、除菌とは物理的・化学的・生物学的作用により、対象物から増殖可能な細菌数を減少させることを指します。また、消毒とは人に有害な病原細菌を殺したり、病原体を不活化(死滅させること)させることだけを指します。
それぞれ、菌をどの程度減らすかによって、滅菌が必要なのか、消毒だけでいいといった対応が異なります。
滅菌器は、衛生的な状態の確保が必要な医療機関や食品製造などの現場、精度の確保が必要な研究所などを中心に、幅広く用いられています。必要とされる滅菌レベルに応じて、また滅菌するものの材質によって、最適な滅菌方法がメーカーにより推奨されています。
オートクレーブによる滅菌は、他の滅菌方法と比較してランニングコストと所要時間の面で優れているため、医療機関や研究機関などを中心に最もよく用いられています。次いで高温に強いガラス等を中心に電気式オーブン等が用いられています。また、耐熱性の低いプラスティック製品やゴム製品等については、エチレンオキサイドガス滅菌器や紫外線消毒器などが用いられています。
代表的な滅菌器であるオートクレーブは、別名で高圧蒸気殺菌器とも呼ばれます。圧力釜のような構造をした滅菌器の内部に対象器材を置き、大気圧以上の環境を一定時間保つことで、2気圧、130℃程度の高温の水蒸気を作り出します。
欧州の滅菌基準(EN13060)では、滅菌器の性能についてクラスB、クラスS、クラスNの3段階に分類されます。対象器具により、どのクラスで滅菌すべきかが異なります。
クラスBは最高レベルの滅菌が得られます。固形、多孔体、中空、非包装、などあらゆる器具に対応可能です。
クラスSはBに次ぐ性能で、クラスN滅菌対応可能なメーカー特定商品で滅菌可能です。
クラスNは非包装の固形器具に使用可能な滅菌です。滅菌後は保管せず、早期に使用しなければなりません。大多数の医療機関で使用されている最も一般的なタイプです。
大気圧下で100℃の水蒸気による煮沸消毒を行った場合、クロストリジウム菌など一部の微生物は生存しますが、120℃の高温水蒸気は高い熱エネルギーを持ち、加水分解反応を促進するためこれらの微生物も死滅させることが可能で、かつ電気オーブンなどよりも低温での滅菌が可能なため、高温に弱い素材にも利用が可能です。また、精製水を利用しているため、排出されるのは熱と水蒸気だけとあって、人体への影響が少ないことも特長です。
また、高温に特に弱い素材に用いられるガス滅菌器は、高温の代わりにエチレンオキサイドの持つ高い求核作用を利用しており、微生物をエチレンオキサイドに暴露させ、タンパク質や核酸にアルキル化反応を起こして変性させることで死滅させます。エチレンオキサイドは微生物のみならず、人体にも影響を及ぼすため、作業環境の管理、および適用する機材の選別が必要になります。
対象となる器材について、滅菌のレベル(クラスB、S、N)、滅菌する器材の大きさ、滅菌方法、導入設置費用、設置場所、ランニングコストなどから検討するといいでしょう。
参考文献
https://www.as-1.co.jp/academy/21/21-3.html
https://m-hub.jp/biology/2798/183
http://kkiki.jp/eog.html
https://amethyst.co.jp/1735/
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社