ナノバブル発生装置のメーカー15社を一覧でご紹介します。まずは使用用途や原理についてご説明します。
目次
ナノバブルとは、超微細気泡と呼ばれる非常に小さな気泡のことで、ナノバブル発生装置とは、この超微細気泡を発生させることができる機械装置のことです。
ナノバブルには、殺菌能力や洗浄能力、環境浄化、成長促進、免疫力向上、細胞保護能力、などこの他にも様々な性質を持つことが知られており、これらを利用するために幅広い分野でナノバブル発生装置が使用されています。
ここで、ナノバブル発生装置の使用用途について説明します。
ナノバブルには、殺菌力や洗浄力があり、衛生管理の用途で病院や介護施設などで利用されています。
環境を浄化することが出来ることから、一般排水や工場排水などの排水処理や、河川や池や海水などの水質浄化などに用いられています。
また、生態活性化や細胞保護、成長促進などの能力もあるため、魚の鮮度を維持することや、牡蠣やエビなどの貝・甲殻類や魚類などの養殖にも利用されています。
また、揮発性が高いことから冷却効率の上昇に役立ったり、蒸発促進に用いられたりすることや、熱伝達能力を利用して、効率よく液体の温度を低下させることなどにも利用されています。
この他にも、バイオテクノロジー分野で培養などに用いられたり、医療業界で研究されるなど、活用の幅を広げています。
続いて、ナノバブル発生装置の原理について説明します。
50ミクロン以下の気泡になると、イオンの力がはたくことで気液界面が縮小して、イオン濃度が濃縮されることで、気泡内部の温度と圧力が高くなるため、様々な現象が発現されます。
ノズル式では、細孔のノズルに液体に高い圧力をかけて流すことで、水圧によってナノバブルを発生させる方法です。
超微細孔によるナノバブル発生装置では、少しの空気圧力と水流があれば多くのエネルギーを必要とすることなく、小さい動力でナノバブルを作ることができます。
この他にも衝撃波によってナノバブルを発生させたり、電解や化学変化によって発生させる方法があります。
ナノバブル発生装置は、排水や河川などの水質浄化や、魚介類の養殖での成長促進に利用されていますが、農業でも様々なメリットがあり利用が広がっています。
栄養素の集積
農業で生育を促進するために活用されている肥料には、ナトリウム(Na)や鉄(Fe)、またカルシウム(Ca)などの栄養素が含まれています。これらの栄養素になる元素はイオンの状態ではプラスの電荷を帯びるため、マイナスに電荷を帯びるナノバブルに集積することで効率良く農作物に栄養を与えることができます。
植物細胞への浸透
ナノバブルのサイズは直径1μm以下と極めて小さく植物細胞よりも小さいため、植物細胞へ容易に浸透することできます。栄養素の集積度も高く、さらに数カ月の間水中で弾けず残存することができるので、農作物は高い栄養を効率よく長期間にわたり細胞内に吸収することができます。
気体の運搬
ナノバブルは中に閉じ込めることのできる気体は空気だけでなく、酸素やオゾンなど様々な種類が可能で現在研究が進められています。農業で利用される用水はポンプで地下からくみ上げるものもあり、その場合水中の酸素濃度が低いことが問題になります。ナノバブルに酸素を閉じ込めて用水中に導入することで、不足していた酸素を植物細胞に直接届けることができます。病原菌対策として、殺菌・抗ウイルス性の高いオゾンを閉じ込めたナノバブルを活用している事例もあります。
ナノバブルの発生装置の構造はいくつか種類があり、ここでは次の3つについて説明します。
界面活性剤添加+微細孔式構造
ナノバブルサイズの微細な穴に空気や酸素などの閉じ込めたい期待を通すことで、液体内にナノバブルを分散させる構造です。界面張力を活性剤によって低下させることで、気泡の微細化を促進する原理を利用しています。
スタティックミキサー式構造
内側に突起や障害物を設置した管の中を、気体と液体を混合物を通過させることで気体をナノバブルへと粉砕させる構造です。
加圧溶解式構造
予めガスを過飽和にしておいた溶液を減圧にすることで、ナノバブルを析出させる構造です。液中のガス溶解度の変化を利用しています。
参考文献
http://anzaimcs.com/main/aboutnanobubble.html
https://kyowa-ctc.co.jp/technical_info/%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%90%E3%83%96%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%8A%E3%83%8E%E3%83%90%E3%83%96%E3%83%AB%E7%99%BA%E7%94%9F%E8%A3%85%E7%BD%AE%E3%80%8Cyj%E3%83%8E%E3%82%BA%E3%83%AB%E3%80%8D/
https://www.micro-bubble-evc.com/micro-bubble/
http://www.tec-kak.co.jp/seihin/q-and-a.html
https://ecologia.100nen-kankyo.jp/column/single075.html
http://www.landbell.jp/images/pdf/nano-gijyutu.pdf
社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
「MBLシリーズ」は、4種類のマイクロバブル発生パターンを実現した卓上型研究用マイクロバブル発生装置で、液体の種類、温度、粘度、密度など各種条件に柔軟に対応し、最適なマイクロバブル発生条件を作ることができます。
発生するマイクロバブルのサイズを数~数十ミクロン単位で調節可能であり、用途としては、各種洗浄、高効率での気体溶解、殺菌・滅菌、微生物の活性化、機能水の生成、反応促進、水耕栽培、水産養殖、その他気泡研究に適しています。
「ナノクイック®」はバイオサイエンス、ライフサイクル、メディカルサイエンスなどの研究分野に適したナノバブル発生装置で、独自のラモンドナノミキサー®技術によって、1mLあたり平均粒径約100nmのウルトラファインバブル(ナノバブル)を8億個発生させます。
水道水などが流れるポンプに本製品をつなぐことで、連続した高せん断場が形成され、ウルトラファインバブルが得られ、空気、酸素、二酸化炭素、窒素と液体を混合することもできます。
マイクロナノバブル発生装置「農事用オーラジェット」は、既存の井戸ポンプに組み込むことで、井戸水を植物の最適な水質へと変換させる装置で、酸素量の低い灌水の酸素量を飽和近くまで上げることができます。
また、マイクロバブルによる活性酸素種が植物の根に微弱な刺激を加えるため、植物の成長促進や健康維持が可能となり、病害虫への耐性獲得および農薬・肥料などのコスト削減につながります。
電気を含む動力を一切必要としないので、メンテナンスも簡単に行うことができます。
マイクロバブル発生器「泡多郎」は水と養液のみに適用することができ、空気および二酸化炭素、窒素を用いた自然吸引により、1個で1Lあたり最大100万個のマイクロバブル(直径50µmの小さな気泡)を発生させます。
本製品を使用できる温度は5~45℃、最低水流量は2L/minです。
オゾン水や水素水といった機能水の生成、水耕栽培における植物の成長促進、河川やダムなどの水質浄化、工場排水や下水の浄化処理、洗浄促進などの用途に適しています。
『YJノズル』は、水中ポンプなど一般汎用ポンプに取り付けて給水することで、ファインバブル(マイクロバブル)を含む曝気水を水中に発生させるノズルです。
汚水、廃水、河川、湖沼、海洋などで使用してもまったく目詰まりを起こさないため、メンテフリーで使うことができます。
浄水場や下水処理場におけるオゾン殺菌、野菜や部品などのマイクロバブル洗浄、ダムや地下ピットなど臭気の低減、農作物の鮮度維持などに適しています。