マイクロプレートについての概要、用途、原理などをご説明します。また、マイクロプレートのメーカー17社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。マイクロプレート関連企業の2022年7月注目ランキングは1位:株式会社パーキンエルマージャパン、2位:AGCテクノグラス株式会社、3位:フナコシ株式会社となっています。
マイクロプレートは、主に生化学実験で使われる実験器具です。透明なウェルと呼ばれる多数のくぼみがついていて、各ウェルをちょうど小さなシャーレのようにして用います。
8×12の96ウェルプレート(96穴プレートとも呼びます)がよく使われますが、その他に6, 12, 24, 384なども用いられ、最もウェルの多いものでは9600にもなります。
同時に複数条件のアッセイを検討し、比較して観察及び分析を行うことに適しており、目的用途に合わせてウェル底の形状・色・容量・表面素材やコーティングを選択することが重要です。
マイクロプレートは多数のウェルを同時に用いることができるため、細胞株や微生物を同時に培養して条件検討に用いたり、希釈系列を作って測定する実験など、同条件下で多くのデータを取る実験などの用途に向いています。
マイクロプレートリーダーと組み合わせて使用することで、吸光検出・蛍光検出などが可能であり、微量試料を高感度で定量測定する用途にも使用できます。また、顕微鏡などを用いて直接試料を観察したり、細胞イメージングに用いることも可能です。
特に、生化学・臨床検査の現場ではELISA法(酵素結合免疫吸着法)における使用が多い他、創薬の現場ではHTS(ハイスループットスクリーニング)で化合物ライブラリーから薬効をスクリーニングにかける際に使われます。
マイクロプレートの表面には用途に合わせて異なった表面素材コーティングが施されており、試料の吸着・固定化を行うことができます。まず、表面処理されていないポリスチレン表面は疎水性のため、抗体など疎水性部分のある生体分子と相互作用して固定化することができます。疎水性分子との結合性を強化した高結合表面コーティングの他、逆に親水性表面(ポリエチレンオキシド様)コーティングによって、分子間相互作用を最小にするようにしたものもあります。
その他、試料の特定の官能基と共有結合して固定化するような分子構造を表面にコーティングしたもの(マレイミド基やヒドロキシ基など)もあり、これらは特定の生体分子を方向づけて固定化することが可能です。
また、プレート素材には、ポリスチレン、ポリプロピレン、ガラスなどがあるため、使用したい薬品に合わせて薬品耐性のある素材を選択することができます。
色は、透明の他、白・黒などがありますが、黒は光の散乱を抑えるため蛍光のバックグラウンドが抑えられる、白は逆に反射するため発光のS/N比を増幅する、など、それぞれ検出における特徴があります。
ウェルの形状は、平底、丸底、V底などがあり、平底はウェル底部から測定するプレートリーダでの使用と細胞培養に適しており、丸底はサンプル回収を行いたいアッセイを行うことが容易です。
マイクロプレートを最も汎用するELISA法では、マイクロプレートに直接ないしは吸着抗体を介して吸着させた抗原に対し、特異性の高い抗原抗体反応によって抗体を結合させます。この抗体には予め発光する酵素を結合させておくため、酵素の反応に生じた発光をマイクロプレートリーダーで検出することが可能です。微量試料でも定量的に感度良く測定でき、また放射線曝露などもない安全な検査方法であるため、生化学や臨床検査の分野で非常によく用いられている実験原理手法です。
参考文献
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S019697811500131X
Metoreeでは各社カタログを無料で一括でダウンロードできるので、製品比較時に各社サイトで毎回情報を登録する手間を短縮することができます。
マイクロプレートのカタログ一覧はこちら企業
株式会社島津ジーエルシー*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2022年7月の注目ランキングベスト9
順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | 株式会社パーキンエルマージャパン | 23.8% |
2 | AGCテクノグラス株式会社 | 19% |
3 | フナコシ株式会社 | 14.3% |
4 | コーニング | 14.3% |
5 | 日本ジェネティクス株式会社 | 9.5% |
6 | トーワラボ株式会社 | 4.8% |
7 | シーエステック株式会社 | 4.8% |
8 | サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社 | 4.8% |
9 | 和研薬株式会社 | 4.8% |
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2022年7月のマイクロプレートページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
Metoreeに登録されているマイクロプレートが含まれるカタログ一覧です。無料で各社カタログを一括でダウンロードできるので、製品比較時に各社サイトで毎回情報を登録する手間を短縮することができます。
DELFIA Yellow Plateは時間分解蛍光法であるDELFIA測定により、蛍光バックグラウンド値がかなり低い原料に最適なマイクロプレートです。
ウェル内壁には、タンパク質が吸着しやすい加工がなされているため、微量サンプルの測定にも活用いただけます。
また、使わないウェルは取り外して保管し、アッセイに必要な数だけをウェルフレーム装着して使用するため、測定時間のロスを減らすことができます。
DELFIA以外にも、吸光測定や発色基質を用いたELISAなどにも適用可能です。
コロナ・マイクロプレートリーダ(MTP-310シリーズ)には、96ウェルマイクロプレートの主要メーカー約100種類のプレートが登録されています。
単光路および上方照射下方測光を用いて、最短30秒/96ウェルで測定が完了します。
また、解析ソフトであるSF6は注釈付きボタンで簡便に操作できます。
データ解析には、目的に合わせて検量線演算式を選ぶことができ、測定データや検量線グラフはMicrosoft Excelへ出力し、USBメモリなどへ直接保存することも可能です。
Sterilinマイクロプレート(Sero-Well)は血清学的検査、微生物のスクリーニング、EIA/吸光度アッセイ、試料の保管や輸送に最適な96ウェルマイクロプレートです。
プレートの側面にはフロスト加工(すりガラス調)が施されているため、文字などを書き込むことができます。
また、ウェルごとに縁がついており、ウェル間におけるサンプルのコンタミや蒸発を最小限に抑えられるほか、プレートの一方のコーナーが丸くなっているため、プレートの向きが分かりやすくなっています。
サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社のマイクロウェルプレートで、微生物学や生化学などさまざまなマイクロ分析に適用できます。
製品には光学的に最高レベルの透明性をもつポリスチレンが使用されており、サンプルの入れ間違いなどを防ぐことができます。
また、フタの被せ間違いがないように、2か所の角がカットされ、ウェル外側のつや消しコーテイングによって読み取りエラーが起きにくい構造になっています。
さらに、ウェルの縁が盛り上がっているため、クロスコンタミネーションも防止できます。