UVプリンターについての概要、用途、原理などをご説明します。また、UVプリンターのメーカー8社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。UVプリンター関連企業の2022年7月注目ランキングは1位:株式会社ミマキエンジニアリング、2位:富士フイルム株式会社、3位:セイコーエプソン株式会社となっています。
UVプリンターとは、紫外線を照射させることで硬化するUVインクを使用したプリンターの総称です。開発当初はメタルハライドランプで紫外線を照射しており、高い消費電力や発熱性、寿命が短いなどデメリットが大きくありました。しかしUV-LEDランプの登場により性能が劇的に向上し、UVプリンターの需要は増加しています。
一般的な家庭用はインクが乾燥するまで時間がかかりますが、UVプリンターはインクが瞬時に硬化するため速乾性が非常に高いのが特徴です。ただ、プリンターそのものが高価であると同時に専用のインクが必要であることがボトルネックです。
UVプリンターを用いた印刷はインクを硬化させて定着させるため、インクを浸透させる必要がありません。そのため、従来のプリンターでは困難だったさまざまな素材に印刷することができるのが最大の特徴です。ただしUVプリンターによる印刷はインクの定着方法が従来とは異なるため、そのままだと光沢感のないマットな印象を与えます。本来の印刷の上から更に透明なクリアインクによる印刷を行うと、光沢のある表現をすることができます。クリアインクを硬化させるタイミングを変えることで光の乱反射の度合いが変わるため、光沢度合いも変えることができます。
UVプリンターは木材や一般的な樹脂、皮革など硬度の高い素材から柔軟性の高い素材まで幅広く印刷できます。さらに印刷面は必ずしも平面である必要はなく、ボールなどの曲面でも印刷可能です。この幅広い適用性がUVプリンターの大きな特徴であり、一般的な家庭用プリンターとの大きな違いでもあります。最近ではスマートフォンケースやキーホルダーの印刷に使用されています。ただし、紫外線でUVインクを硬化させる際に特有のにおいが発生するため、脱臭装置の併用が推奨されています。
UVプリンターはUV硬化樹脂が硬化する原理を応用しています。UVインクに紫外線を照射するとラジカル重合が開始し、瞬時に硬化します。一般的な家庭用プリンターはインクを受理層に浸透させた後、乾燥し固定化されますが、UVプリンターの場合はインクを浸透させる必要がないため受理層の有無にかかわらず、プリントできます。そのためプリントが困難とされていた樹脂や金属、柔軟性の高い素材にも対応可能になりました。ただ、UVプリンターにもプリントが困難な条件がいくつかありますので、紹介します。
UVプリンターは、インクを浸透させる必要が無いため、これまで印刷が困難であった素材にも印刷ができることが魅力です。しかし、インクを素材表面で硬化させるという性質上印刷した箇所がひび割れを起こす可能性があります。これは特に、柔軟な素材に印刷をした場合に起こりやすく、折り曲げたり変形させたりすると印刷がぼろぼろになってしまいます。
また、UVプリンターは本体価格が高く設定されており、導入するには金銭面でのハードルが高い製品と言えます。UVインクも通常のインクに比べると価格の高いものが多くランニングコストがかかることもマイナス面といえるでしょう。
UVプリンターは、2000年以降にインクジェットプリンターに次ぐ次世代技術として、プリンター製造企業各社にて研究・開発が進められ、多くのUVプリンターがマーケットに導入されてきました。
UVプリンターの中でも、メタルハライドランプではなくUV-LEDをUV光源として使用したUVプリンターが2008年に新たに開発、市場投入されるといったように、インク乾燥光源の開発も盛んに行われています。
UVをインク乾燥光源として搭載したUVプリンターは、販売数量、機種数量ともに増加傾向にあります。
インクジェットプリンター市場全体を見ても、今後も大きな伸びが予測される分野であるため、インクジェットプリンター市場の伸長に伴いUVプリンターの市場拡大も加速していくと考えられています。
最近では、UV-LED搭載の小型UVプリンターが開発されました。
こちらのプリンター機器は、小型立体メディアに対する印刷が可能です。
この通り、現代のプリンターは紙だけではなく立体物など様々な形のモノに印刷ができるようになってきています。
印刷処理の高速化、印刷メディアの多様化、環境適合のメリットからUVプリンター市場は今後も伸長していくと考えられています。とはいいつつも、UVプリンターとインクジェットプリンターを比較したとき、全ての項目において性能が上回っているわけではありません。そのため、世界経済の低迷、印刷業界の地盤沈下の状況を鑑みたうえで、UVプリンターの拡大には下記の課題を解決する必要があると考えられています。
水性、溶剤系インクと比較したとき、UVインクは高価なモノとなっており、UV-LED専用のインクはさらに高価です。UVプリンター機器、UV光源自体のコストも高価なものとなっています。
水性、溶剤系インクと比較したとき、UVインクは発色と光沢性において見劣りします。
UVプリンターの利用拡大に伴い、インク乾燥光源はメタルハライドランプから消費電力が少なく、光源からの発熱も少ないUV-LEDに置き換わっていくことが考えられる。しかし、LED専用インクのレパートリーは少ない且つLED自体の高照度化に取り組む必要性があります。
参考文献
https://www.large-format-printer.jp/blog/uv-business/ink_structure/
https://www.rolanddg.co.jp/products/printers/how-uv-printer-works
https://www.ushio.co.jp/jp/technology/lightedge/201206/100442.html
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UVプリンターのカタログ一覧はこちら企業
株式会社シーティーケイ 武藤工業株式会社 ローランド ディー.ジー.株式会社 株式会社八興 インテックス株式会社*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2022年7月の注目ランキングベスト8
順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | 株式会社ミマキエンジニアリング | 20.2% |
2 | 富士フイルム株式会社 | 15% |
3 | セイコーエプソン株式会社 | 14.4% |
4 | ローランド ディー.ジー.株式会社 | 13.6% |
5 | 武藤工業株式会社 | 11.6% |
6 | 桜井株式会社 | 10.8% |
7 | サンハヤト株式会社 | 8.9% |
8 | 株式会社シーティーケイ | 5.3% |
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2022年7月のUVプリンターページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
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PerformanceJet PJ-2508UFは、武藤工業株式会社が製造するインクジェット式のUVプリンターです。
1250mm x 2540 mm x 100mmまでの印刷対象に対して、最大90m2/hの速さで印刷することが可能です。
印刷対象の厚みを検出しプリンタヘッドを保護するための障害物センサーが搭載されています。
静電気除去システムによりインクのオーバースプレーが防がれ、3種の大きさにインクを打ち分けるバリアブルドット機能により滑らかな印刷パターンの実現が図られています。
UJV100-160は、株式会社ミマキエンジニアリングが製造するインクジェット式のUVプリンターです。
インクのドット位置や印刷対象のフィード(送り)量を自動調節するDAS(Dot Adjustment System)を備えており、これにより印刷品質が安定します。
印刷データのパスの境界線を拡散させるMAPS4(Mimaki Advanced Pass System 4)も備えており、これにより色ムラが低減されます。
NCU(ノズルチェックユニット)とNRS(ノズルリカバリーシステム)により、ノズルの自動クリーニングや自動交換が行われ、ノズルに不良が生じた場合も印刷が続行されます。