UV硬化樹脂についての概要、用途、原理などをご説明します。また、UV硬化樹脂のメーカー8社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。UV硬化樹脂関連企業の2023年11月注目ランキングは1位:荒川化学工業株式会社、2位:アルファ化研株式会社、3位:協立化学産業株式会社となっています。
UV硬化樹脂とは、波長200~400nmの紫外線を照射することによりモノマーやオリゴマーが重合し、液体から固体へ硬化する樹脂の総称です。
UV硬化樹脂は紫外線が照射されると、瞬時に重合が始まり、数秒で硬化します。そのため、作業効率が良く、熱を加える必要が無いため、省エネルギーです。
従来、有機溶剤を用いたものが主流でしたが、近年無溶剤型や水系UV硬化樹脂が開発され、より人と地球にやさしい材料になってきています。また、紫外線を照射するだけで硬化する簡便さと、硬化後の光沢の美しさから、DIYや自作のアクセサリー、雑貨などの用途で、一般向けにも利用されています。
UV硬化樹脂は、日常生活から工業用途に至るまで幅広い分野で活用されています。身近なところでは、POPやDM、食品ラベルやクリアファイルへの印刷用途が挙げられます。熱で乾燥させるインクが適さないプラスチックフィルムや厚紙の印刷には、UV硬化樹脂が好適です。
また、木材用の塗料やプラスチック用のコーティング材としても使われています。近年は、スマートフォンやタブレット端末や自動車外装材の傷つき防止のために使用される場合が多いです。工業分野では、電子部品用の接着剤、液晶パネルの封止材、基盤形成のためのレジスト材として活用されています。
UV硬化樹脂には、紫外線の照射によりラジカルやカチオンが発生する光重合開始剤が1~5重量%含まれています。光重合開始剤の種類によって反応機構が異なることから、UV硬化性樹脂はラジカル硬化型とカチオン硬化型の2つに大分されます。
紫外線のエネルギーにより開始剤からラジカルが生成し、アクリレートやメタクリレート、ビニルエーテルなどの不飽和基がラジカル重合し硬化します。使用可能な樹脂やモノマーが数多く存在するため、塗料設計により、硬度や耐薬品性、耐汚染性など様々な特性の付与が可能です。
硬化のスピードが速く、コストも比較的安価なことから、UV硬化樹脂の大半はラジカル硬化型です。
カチオン硬化型には、ヨードニウム塩やスルホニウム塩を開始剤として使います。開始剤に紫外線を照射すると酸が発生し、それが触媒となり環状エーテル、ビニルエーテルなどがカチオン重合し硬化します。
硬化収縮を小さくできるため、コーティングの密着性を向上させることができます。ただし、設計自由度が高くないため特性のコントロールが難しくなります。
UV硬化樹脂には、溶剤の有無、溶剤の種類によって大きく3つに分類されます。最も一般的なのは溶剤系UV硬化型樹脂です。近年、VOC (揮発性有機化合物) 規制などの時代のニーズを受け、溶剤を含まない無溶剤型、溶媒に水を用いた水性UV硬化型樹脂が注目を集めています。
溶剤系UV硬化型樹脂は取り扱いや容易で、得られる塗膜の厚みが均一であることが特長です。屋外での使用に耐え得るためにシリコン系の無機成分を含むグレードも販売されています。
有機溶剤を含んでいないため、臭気がほとんどなく、VOCの発生を抑制ができる作業者と地球環境に優しいUV硬化型樹脂です。また、有機溶剤を揮発させる必要が無く、生産ラインをシンプルにできるのも利点です。
基材によっては溶剤によって変性してしまうものもあるため、無溶剤型が選ばれています。
無溶剤型と同様に有機溶剤を含んでいません。主だった用途は建築分野で、床面の現場施工や、塩化ビニル床材のコーティングなど、VOCの発生が大きなデメリットとなるところで用いられています。従来使われていたワックスよりも、強度や耐薬品性が強いという利点もあります。
UV硬化樹脂はモノマー、オリゴマー、光重合開始剤、溶剤などを混合して製造します。これら以外にも、各種添加剤を加えることによって、UV硬化による反応性、塗膜と基材の密着性、樹脂の硬度を向上させたり、防汚性、防水性、分散性などを付与することができます。
添加剤の例としては、重合禁⽌剤、顔料、レべリング剤などがあり、目的や用途に合わせて樹脂の組成を調整します。
参考文献
http://www.djklab.com/parts/service/pdf/hikari-radical-1.pdf
https://www.orizuru.co.jp/media/technical_information/a20
https://www.klv.co.jp/technology/uv-curing-mechanism.html
https://www.jstage.jst.go.jp/article/yukigoseikyokaishi1943/33/8/33_8_634/_pdf
http://www.daicel-allnex.com/products/product07.html
https://www.kusumoto.co.jp/product/coating-sol/additives/leveling.html
https://www.jstage.jst.go.jp/article/networkpolymer/34/5/34_245/_pdf/-char/ja
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjspe/76/2/76_2_161/_pdf
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2023年11月の注目ランキングベスト8
注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | 荒川化学工業株式会社 |
29.5%
|
2 | アルファ化研株式会社 |
12.3%
|
3 | 協立化学産業株式会社 |
11.5%
|
4 | 巴工業株式会社 |
11.5%
|
5 | 三菱ケミカル株式会社 |
10.7%
|
6 | ダイセル・オルネクス株式会社 |
9.8%
|
7 | DIC株式会社 |
9.0%
|
8 | サフラン株式会社 |
5.7%
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注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2023年11月のUV硬化樹脂ページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
7 件の製品がみつかりました
株式会社タイカ
220人以上が見ています
最新の閲覧: 6時間前
液体状からUV照射で硬化するタイプのCIPD (Cured-In-Place-Damper) と呼ばれているシリコーン製の制振材です。柔らかさとダンピング特性...
注目ランキングについて: Metoreeに登録されているUV硬化樹脂製品7点の中での2023年12月8日時点でのアクセス数を元に算出しています。
Metoreeに登録されているUV硬化樹脂が含まれるカタログ一覧です。無料で各社カタログを一括でダウンロードできるので、製品比較時に各社サイトで毎回情報を登録する手間を短縮することができます。
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無溶剤UV硬化型粘着剤です。ディスプレイ部材を貼り合わせるOCA(光学透明粘着)シート原料として好適です。溶剤系粘着剤と比較し、高い生産性、環境負荷低減...
2023年9月28日
UV硬化型ウレタンアクリレート紫光(TM)はUV硬化樹脂と呼ばれる紫外線をあてることで瞬間的に硬化する樹脂の一種です。
熱硬化樹脂や常温硬化樹脂と比較しても硬化速度が速く、有機溶剤を使わない無溶剤タイプや水系タイプもあるため、環境に優しく生産性を高めることができます。
種類も豊富で、硬質、中・硬質、軟質・弾性、粘着タイプなどがあるため、用途に合わせて選択することができます。
硬質タイプは光学フィルムのハードコート、中・硬質タイプは耐候性プラスチックコート、軟質・弾性タイプは情報記録材用接着剤、粘着タイプはデバイス層間充填剤などの用途があります。