ロータリーバルブ

ロータリーバルブとはロータリーバルブ

ロータリーバルブ (Rotary Valve) とは、回転によって流体や紛体の切り出し量を制御するバルブです。

紛体の切り出し量を制御する場合に多く使用されます。紛体を輸送する際は主として圧縮空気を利用した空気輸送を使用しますが、詰りなどを防ぐために定量で供給する必要があります。しかし、紛体は液体や気体と違いバルブの開度で制御することができないため、ロータリーバルブで切り出し量を制御します。

紛体業界では非常に多く使用されますが、連続的に回転させる必要があるため、重く大きくなるのが欠点です。

ロータリーバルブの使用用途

ロータリーバルブは産業装置へ用いられます。主として紛体の切り出し量制御が目的です。具体的な使用用途は、以下の通りです。

  • 石炭火力発電所の燃料調整用
  • ボイラーにおける煙灰切り出し用
  • 食品工場における食料原料切り出し用
  • 薬品工場における粉薬切り出し用
  • セメント工場における原料投入用

ロータリーバルブの使用目的は粉状物体の定量供給です。空気輸送装置のホッパー下部や、攪拌機に投入する前などに設置します。特に粉砕機などは大量の紛体が入り込むと詰まるため、ロータリーバルブなどを使用して供給量を制御する必要があります。

ロータリーバルブの原理

ロータリーバルブは、一般的なバルブとは異なった構造です。内部にはローターと呼ばれる羽根付き回転体があり、羽根間ごとに仕切られています。ローターが回転することで仕切られた部分に溜まった紛体を連続的に排出します。切り出し量はバルブサイズやローター羽根数及び回転数で制御可能です。

また、内部でローターとケースが接触すると、両者が削れて原料に混入します。これをコンタミネーションと呼びます。食品業界では大きな問題となるため、大きなクリアランスの羽根を用いるなどの対策を講じます。ロータリーバルブの下にマグネットを設置したりすることでも対策可能です。

ロータリーバルブには駆動源が必要です。その多くはモーターが使用されます。そのため、インバータなどの可変周波数機器で切り出し量を調整することができます。

ロータリーバルブのその他情報

1. ロータリーバルブの詰まり

ロータリーバルブの取扱対象物が紛体のため、詰まりが発生する場合があります。したがって、多くの場合は詰まり対策が必須です。詰まりは粉体に粘り気がある際に頻繁に起こります。また、粉体の取扱過程で吸湿したり、一次側にこびりついた塊が一度に投入されたりした場合にも詰まりが発生します。

有効的な対策は、粘度の低い原料を使用することや前処理工程で乾燥させることです。また、ロータリーバルブの一次側に粉体がこびりつかないように、バイブレーターと呼ばれる振動モーターを設置する対策も講じられます。原料が吸湿する場合は、トレス配管を設置して粉体の保温などの対策も講じられます。

ロータリーバルブの羽根間仕切りに少しずつこびりつく場合もあります。ロータリーバルブには、スクレーパーと呼ばれるかきとり翼がついたモデルがあります。これを採用することで、仕切りの中に粉体が残らないようにかき出すことが可能です。

2. ロータリーバルブの整備

ロータリーバルブの整備項目は以下のような内容が一般的です。

スクレーパーが付属されたモデルはスクレーパー軸の整備やギアの交換などがあります。

分解整備の場合は以下の劣化診断も実施します。

  • シャフトの嵌めあい部の計測
  • シャフト振れの計測
  • グランドパッキン部の摩耗状況計測

また、ローターとケーシングの隙間はメーカー設計の寸法があるため、分解前にケースから軸端までの寸法を確認することが重要です。これを誤ると、ケース・ローターやスクレーパー同士が接触してコンタミネーションの原因となります。

参考文献
https://www.aishin-sangyo.co.jp/ROTARY_top.html
https://www.aishin-sangyo.co.jp/ROTARY/ROT_shiryou01.html
http://www.fluideng.co.jp/products/feeder/rotary_valve/about_rv.html
http://plant-koujimaintenance.com/catalog/fluid.html

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