発泡スチロール減容機

発泡スチロール減容機とは

発泡スチロール減容機とは火や溶剤を用いることなく、搭載された熱源によって発泡スチロールを溶かし元の容積を減らすための機器です。

炎や溶剤を使わずに発泡スチロールを溶解するので、不完全燃焼した際の一酸化炭素や溶剤から発生する有害なガスが発生しないので安全に発泡スチロールを溶かすことができます。

また、高温の熱処理や溶剤などで発泡スチロールを溶解すると熱・溶剤による劣化のためにリサイクルしにくくなりますが、発砲スチロール減容機であればそういった劣化がほとんどないのでリサイクル利用することが可能になります。

発泡スチロール減容機の使用用途

発泡スチロールは日常の至る所で魚介類・農作物の容器や緩衝材、保温・保冷のための容器、また耐水性のためクーラーボックスなどの内容器に使用されています。

発泡スチロールはポリスチレンなどの樹脂の中に気泡を混ぜ合わせたものなので軽量にもかかわらず容積が大きくなり、廃材としての発泡スチロールをまとめて輸送する際に非常にコストがかかります。

そのため発泡スチロール減容機で発泡スチロールの容積を減らせば大幅に輸送コストが削減でき、また燃焼するよりも低温で発泡スチロールを溶解するのでリサイクル利用することが可能です。

発泡スチロール減容機の原理

発泡スチロール減容機による主な処理工程は破砕・溶解・冷却成形の3段階の工程からなります。

まず処理する発泡スチロールを内蔵の破砕機によって細く砕きます。こうすることでより効率的に発砲酢スチロールを溶解させることができます。

砕かれた発泡スチロールは電熱ヒーターや特殊形状の円盤の回転で発生しる摩擦熱または温水によって比較的低温(〜摂氏140度)で溶解され、その際に発泡スチロール内の空気が除去されます。空気が取り除かれることで発泡スチロールは最大で元の体積のおよそ100分の1まで縮小されます。

溶解した脱泡樹脂は棒状またはインゴット状に成形されます。このような形状により場所を取らずに処理した発泡スチロールを保管できます。

発泡スチロール減容機は平均的な大きさのもので1時間あたりおよそ40〜50kgの発泡スチロールを処理することが可能で、消費電力も通常の熱・溶剤処理をするものと比べてやく4分の1にまで削減できるので非常に省エネ・環境問題対策に配慮したものとなっています。

参考文献
https://www.elcom-jp.com/products/compactor/styros
https://lplanners.jp/products/styrol-compression/
http://www.replanning.jp/toriatsukai/371/

環境試験機

環境試験機とは

環境試験機

環境試験機とは、試験対象の環境による変化などを測定するために様々な環境条件を疑似的に作り出す装置です。

各種機器に実装する部品や材料の信頼性を確認するために、環境試験がおこなわれています。そして、環境試験機は、環境試験の試験環境、部品や材料がさらされる可能性がある様々な環境を人工的に作り出す装置です。

環境試験では、この環境試験機で作り出した環境下での部品や材料の変化や耐性を測定しています。例えば、部品であれば所定の環境下にさらす前とさらした後で動作を確認し、環境に対する耐性に問題がないかを確認しています。

環境試験機の使用用途

環境試験機は、各種部品や材料の環境に対する耐性を調べるための装置であり、様々な分野で使用されています。環境試験は各種部品の使用時の耐性を調べる以外に、開発時などに各種部品の設計面や製造面での不具合を検出する目的でも使用されています。

また、品質保証にも環境試験の結果が必要です。さらに、各種部品の使用時の環境耐性の結果は、顧客が購入時に製品を選択する目安にもなっています。

各種機器や部品には、使用される環境や製品の特性に応じて守るべき各種規定があり、国内規格はJIS (Japanese Industrial Standards:日本産業規格) です。グローバル規格はIEC (International Electrotechnical Commission:国際電気標準会議) 規格です。これらの規格では、各種機器および使用条件毎に定める規定があり、規定の中には環境試験も含まれているため、環境試験機は規格の合否判断にも使用されます。

環境試験機の原理

環境試験機には、温度や湿度の条件を変える温湿度試験機や水を吹きかけたりする耐水試験機などがあります。ここでは、主な環境試験機を解説します。

1. 温湿度試験機

温湿度試験機は、試験対象である各種機器や部品、材料を温湿度試験機の中に入れて試験を行います。そして、製品の仕様や規格で定められた上限や下限の温度や湿度に装置を設定し、一定周期で上限と下限の温度と湿度の条件に切り替えて試験します。

試験前に機器や部品の動作を確認して試験終了後に再度確認し、試験前と同様もしくは所定の範囲内の動作確認ができれば試験は終了です。

2. 熱衝撃試験機

熱衝撃試験機での試験は、温度設定を低温と高温を短時間で切り替えて機器や部品の変化を見る試験です。環境温度が急激に変化すると、部品や機器の個々の構成物に熱膨張と熱収縮が生じます。接合部や表面にクラックなどの不具合が生じ、これは個々の構成物の熱膨張係数の違いによるものです。この不具合の度合で、試験の合否が決まります。

3. 耐水試験機

耐水試験機は、試験対象である電子部品や小型電子製品などが風雨や水しぶきを受けた場合の耐水性および防水性を評価する試験機です。試験対象に散水や噴水および浸水をおこなって試験をします。

4. 促進耐候性試験機

促進耐候性試験機は、太陽光や降雨、温度と湿度などの屋内外の条件を疑似的に再現して試験対象の劣化を促進する試験機です。人工光源を使って屋内での試験をおこない、短期間で結果を出します。

5. 腐食試験機

腐食試験機は、ガスや薬品、酸性雨および塩水などの試験対象への影響を調べる試験機です。酢酸に塩化銅を加えた塩化ナトリウム水溶液を用い、腐食の度合いを測定する「キャス試験機」が有名です。

硫化水素 (H2S) や二酸化硫黄 (SO2) 、二酸化窒素 (NO2) あるいは塩素 (Cl2) などの腐食性ガスを用い、腐食を測定する「ガス腐食試験機」もよく使用されます。

環境試験機のその他情報

その他の環境試験機

環境試験機には、温度や湿度などをコントロールせずに、物性を評価する試験機もあります。

1. 振動試験機
振動試験機は、機器や部品の輸送時の振動や工場などの比較的振動が発生しやすい場所での振動を想定し、これを上回る振動条件を機器や部品に与えます。試験の前後で動作確認を行い、同様の結果が得られれば試験は終了です。

2. 落下試験機
落下試験機は試験対象を落下させた衝撃や影響を調べるため、決められた条件を繰り返し維持しながら試験品を自然落下させる装置です。重量がある貨物や包装資材の耐衝撃性を確認する際に用いられます。

参考文献
https://www.oeg.co.jp/Rel/environment.html
https://how.jp/column/tech-explanations/kankyousiken

環境試験室

環境試験室とは

環境試験室

環境試験室とは、各種機器・部品が様々な条件下において適切に動作することを確認するため、様々な環境条件・自然環境を疑似的に作り出す試験室です。

可変恒温恒湿の設備を備え、様々な環境条件を人工的につくり出すことができます。温湿度、風速、気圧、霧などの様々な自然環境条件を再現し、各種製品の性能や耐久性を検証する試験を行います。自動車、航空機、電気機器、建材、金属材料などの幅広い分野の製品を試験対象とし、様々な製品開発で役立てられている装置です。

環境試験室の使用用途

1. 試験対象物

環境試験室は被試験機器である各種機器や部品を試験室の中に入れて試験を行います。非常に幅広い分野で使用されており、下記は試験対象物の一部です。

  • 自動車・タイヤ・エンジン・バイク
  • トラック・トラクター・農作業機器・ブルドーザー・パワーショベル・掘削機
  • 船舶関係
  • 航空・宇宙産業 (航空機及びロケット)
  • 建築用のコンクリートやモルタル、外壁材や屋根材などの各種建材
  • エンジン・航空機・ロケット・金属材料
  • インク・塗料
  • 紙製品
  • 家電 (テレビや冷蔵庫、洗濯機など)
  • 電子基板・モーターを含む電機製品

2. 環境試験の目的

環境試験が行われる目的には、主に下記の3つがあります。

  • 一定の使用環境下において試験対象物の品質の変化が発生しないことを確認する
  • 高温環境や寒冷環境など、想定される過酷な使用環境における対象物の動作・機能を確認する
  • 製品を過酷な状況に置いて劣化を促進することにより、短期間で劣化の度合いを確認する (加速劣化試験) 

環境試験室は、これらの項目を確認し、製品の耐久性や安全性を担保する目的で、多くの開発現場で活用されています。

環境試験室の原理

環境試験室の試験対象である各種機器や部品は、様々な環境条件下で使用されます。環境試験室は温度・湿度・風速・日射など過酷な環境を再現することが可能です。

国内向けの民生用機器の場合、通常、真冬の北海道から真夏の沖縄までの温度条件を対象とするため、‐10度~+40度程度の範囲で試験を行います。環境試験室はこの様な条件を作り出すためにマイナス数十度からプラス50度以上の範囲での設定が可能です。

環境試験室は、上限および下限の温度および湿度の設定を行い、一定周期でこの上限と下限の温度と湿度の条件に切り替えて試験を行います。試験では、試験前に機器や部品の動作を確認し、試験終了後に再度同様の確認を行って動作に問題がなければ試験合格とされています。

環境試験室の種類

1. 規模

環境試験は、前述の通り様々な製品の開発現場で行われており、環境試験室は用途によって様々な種類があります。大きさは、実験室程度の小規模なものから、建屋や専用の電力源を必要とするものまで多岐に渡ります。住宅設備の性能を測定する環境試験室は、モデルルームを中に丸ごと一棟建設することができる大きさです。

環境試験室の維持には大きさに合った電力や水などが必要であり、定期的な校正や保守も必要となるため、あまり大きすぎるものを選択すると費用対効果が釣り合わない結果となります。用途に合わせて適切なものを選択することが必要です。

2. 機能の種類

個別の種類としては、例えば自動車用途では、車両の車体フレームに関連する性能試験を行うシャーシベンチ室、エンジンに関する性能試験を行うエンジンベンチ室などがあります。動的な気象環境試験を行うことができる大掛かりな環境試験室では、降雪、降雨、霧、日射、気流などの試験機能と恒温室機能とを組み合わせて試験を行うことが可能です。

また、音に関する環境試験を行う環境試験室としては無響室、残響室などがあり、宇宙開発用途では閉鎖環境に適応するための訓練設備も環境試験室の一種に分類されます。輸送環境試験装置は、輸送過程における振動や衝撃を再現する環境試験室です。輸送の安全性を確認・検証することができます。

参考文献
https://www.oeg.co.jp/Rel/environment.html
https://how.jp/column/tech-explanations/kankyousiken

熱量計

熱量計とは熱量計

熱量計とは、カロリーメーターとも呼ばれる装置で反応熱などを測定する装置です。

化学反応で生じる熱量や燃焼時に発生する熱量、相転移時に発生する熱量などを測定することが可能です。熱量計は断熱型熱量計、等温壁熱量計、等温熱量計の3種類に分けられます。

製造業においては非常に大きなスケールで原料の加熱、薬品の混合、反応などを行うため、プロセスの途中で発生する熱量を把握することは保安上重要です。熱量計を用いて、各プロセスの熱量を解析します。

熱量計の使用用途

1. 保安防災データの取得

熱量計は化学反応を行うメーカーにおいて、保安防災データの取得に用いられます。メーカーの製造現場では非常に大きなスケールで化学反応を行うため、プロセスで大きな熱量が発生すると暴走反応を引き起こす可能性があります。懸念がある反応やプロセスで熱量測定を行い、危険性を評価します。

2. 材料の熱分解温度の解析

その他の用途は、高分子や無機材料の相転移、熱分解時に発生する熱量を示差走査熱量計 (DSC) での評価用途です。化合物の化学構造、結晶構造によって相転移温度は異なるため、研究開発において熱量計を用いた相転移温度測定などが行われます。

熱量計の原理

熱量計は、反応中に発生する熱量を測定する装置です。化学反応のほか、化合物の溶解、混合、相転移時に反応系中で発熱、もしくは吸熱が起こります。

測定対象の熱を熱量計内の熱容量が既知の物質に置き換えて、その温度変化を測定します。もしくは、温度を一定として、融解を受けた潜熱量などから熱量の計算を行います。

1. 断熱型熱量計

断熱型熱量計では試料から発生した熱量は外壁を伝わらず、全て試料容器の温度変化に費やされます。断熱を実現するために、試料容器と取り巻く外壁との間の圧力を10-4 Pa以下に減圧しつつ両者の温度を同一に制御しています。

2. 等温壁熱量計

熱変化を起こさせる試料容器を一定の温度に保った等温容器の中に支え、測定容器と等温容器の間は可能な限り熱交換の小さい条件にした熱量計です。

両者の間に空隙をもうけており、試料容器の熱容量が大きい場合は空気が満たされており、小さい場合は真空状態です。測定容器の外部の温度条件を可能な限り一定にし、測定容器中で熱変化を発生させます。

温度-時間曲線を描くことで、みかけの温度上昇に熱のリーク補正を加える方法で熱量を算出します。

3. 等温熱量計

相変化等温熱量計を例に説明すると、ある物質の2つの相が共存する温度において熱の出入りがあると一方の相から他方の相に移り、その際に起こる体積変化等を測定することで熱量を求める熱量計です。

熱量を算出する手法としては、発生したガスの体積を測定したり、重量の変化を測定したりする手法があります。

熱量計の種類

試験管などの小さなスケールでは、化学反応で生じる発熱が問題となることは少ないです。しかし、工場で数十、数百リットル以上のスケールで反応を行った際に大きな熱が発生すると暴走反応や爆発が起こる危険性があります。

そのため、熱量計を用いて各プロセスで生じる熱量を解析します。用途に応じて様々な熱量計が販売されています。

1. プロセス安全性評価

プロセスの安全性を評価する用途では、工場の反応釜を模した系で反応プロセスを進めて途中で生じる熱量測定を行います。

2. DSC

材料評価に用いる示差走査熱量計 (DSC) は少量のサンプルを入れて温度を変えていき、それぞれの温度で生じる熱量を測定します。温度に対する熱量の変曲点、ピークから相転移や分解が起こる温度を解析可能です。

3. ARC

また、熱量計には暴走反応の解析に用いる装置もあります。この装置はARCと呼ばれ、分解時に発熱して暴走反応を引き起こす化合物の発熱量、発生圧力を測定します。

参考文献
https://www.mt.com/jp/ja/home/products/L1_AutochemProducts/Reaction-Calorimeters-RC1-HFCal.html

海水冷却装置

海水冷却装置とは

海水冷却装置とは近海・沿岸漁業などの漁船に搭載し、氷などを使わずに魚艙または生簀内の海水を冷却するための装置です。

魚艙内に漁獲した魚を生きたまま保管できるので鮮度が保たれます。特に暑い夏場の漁業では漁獲した魚の鮮度を保つために漁船において不可欠な装置となっています。

漁船のエンジンから直接電源をつなげることで比較的容易に設置することができ、また装置自身の大きさも場所を取ることなく漁船に搭載できます。

海水冷却装置の使用用途

魚艙内の海水を直接冷やすことで漁獲した魚の鮮度を効率的に保つことが可能になり、近海漁業では収益の増加に繋がるため漁船にとって非常に重要な装置になっています。

この装置が導入される以前は魚の鮮度を保つために氷を使っていましたが、氷を運ぶ・砕く作業なで漁業関連者の体にも負担がかかったり、魚も氷やけや氷による傷などで商品にならないこともありました。

海水冷却装置によってそういった漁業現場の悩みが解消され、漁獲した魚を新鮮なまま市場に届けることが可能です。

海水冷却装置の原理

海水冷却装置は氷などを用いずに魚艙または生簀内の海水を熱交換器や冷媒などを使って直接冷却します。魚艙内の海水を装置内の循環ポンプによって汲み上げ、熱交換器によって強制的に冷却し、それをまた魚艙内へ戻すことで冷却水を生成します。この操作を繰り返し行うことで漁獲した魚を新鮮に保てる水温にまで下げることが可能で、海水温は常温からおよそ摂氏0度近くまで下げることができます。また、循環式であるために海水をムラなく均一に冷やすことも可能です。

多くの海水冷却装置に搭載されている熱交換器にはチタン製のものが用いられています。チタンは金属の中でも熱伝導性が強く(冷却効率が高い)海水などに対して腐食しにくい、つまり有害な金属イオンが海水中に溶け出すことがないという特性を持ちます。そのため効率よく海水を冷却することができ、漁獲した魚を溶け出した金属イオンなどで汚染しないまま鮮度を保つことが可能です。

参考文献
https://www.projectk.co.jp/marine/shop/12100202.html

汚泥脱水機

汚泥脱水機とは

汚泥脱水機

汚泥脱水機とは汚泥から水分を抜くための装置です。

活性汚泥法によって下水処理をしている設備内で、余剰汚泥を引き抜き、微生物の量を適切に保つ目的で使用されます。

真空脱水機、加圧脱水機、スクリュープレス脱水機、ベルトプレス脱水機、遠心脱水機、多重円盤脱水機など、様々な種類と呼称があり、凝集剤や消石灰を使って化学的に汚泥の微粒子を固まりやすい性質へと変質させ、水分のみを絞って脱水する機能を持っています。

汚泥脱水機の使用用途

主に排水設備などの汚泥処理に使用されます。活性汚泥法によって下水処理を行っている施設の中では増えすぎた活性汚泥のことを余剰汚泥と呼び、余剰汚泥は定期的に設備内から引き抜かれなければ微生物が増えすぎてしまい、槽内で若い微生物が生まれにくい環境になってしまうことで下水の処理能力が落ちてしまいます。
    
汚泥脱水機はその余剰汚泥を設備内から引き抜くための装置です。沈殿槽と呼ばれる汚泥を沈降させる槽の真下からポンプなどを使って汚泥を引き抜き、脱水機に供給することで余剰汚泥を処理することができます。

汚泥脱水機の原理

基本的には、消石灰、凝集剤を使って汚泥の微粒子を変質させ、分離しやすい性質へと変えます。

それぞれの脱水機の種類について解説します。

1. 真空脱水機

真空脱水機の場合、まず汚泥に凝集剤を混ぜて汚泥ろ液を作ります。その汚泥ろ液にろ布で覆われた回転ドラムを浸し、モーターによって低速で回転させます。ドラムの内部は真空ポンプによって負圧の状態になっているため、ドラムの外側から空気を引き込もうとする吸引力が発生します。その吸引力によって汚泥ろ液がドラムに吸われますが、ドラムはろ布で覆われているため、水分のみがろ布を貫通し、脱水された汚泥のみがろ布に張り付きます。ろ布を貫通した水分はろ過ポンプによって排水され、ろ布に張り付いた汚泥は脱水ケーキとなって排出されます。

2. ベルトプレス脱水機

ベルトプレス脱水機には多数のロールが内蔵されており、その間を2枚のろ布が通過している構造になっています。その中に凝集剤を混ぜた汚泥ろ液を投入し、2枚のろ布の間に挟み込んでプレスすることでろ液から水分だけを搾り取り、脱水された汚泥のみを排出します。

3. スクリュープレス脱水機   

スクリュープレス脱水機はスクリーンと呼ばれる槽の中に円柱型のスクリューが入っており、スクリューがモーターによって低速で回転する仕組みになっています。スクリーンは排出部に近くなるほど狭くなり、回転を続けるスクリューとの間に掛かる圧力が段々と強くなっていく構造になっています。汚泥ろ液はスクリーン内に投入され、スクリューに巻き上げられて前進します。そして排出部に近くなるにつれ、強くなる圧力によって水分が脱水されます。

4. 遠心脱水機

遠心脱水機は遠心力によって汚泥ろ液から脱水を行います。汚泥ろ液を回転筒の中に投入した後、回転筒を高速で回転させることで汚泥が回転筒の内壁に堆積します。その後、回転筒の内部にあるスクリューが回転筒よりわずかに遅い速度で回転することによって汚泥が水切りされながら排出されていきます。

5. 多重円盤脱水機   

多重円盤脱水機はステンレス製またはプラスチック製の円盤を多数組み合わせて出来たろ体を上下に設置し、回転させることによって汚泥を搬送しながら脱水します。ろ体を回転させることでろ体の隙間から水分のみをろ過します。他の脱水機と比べて目詰まりしづらく、清掃がしやすく、真空や加圧の為の設備が要りません。

参考文献
https://kcr.kurita.co.jp/wtschool?t=sludge
https://www.hitachi-hps.co.jp/business/water_sewage/sewage_machinery_equipment/dehydrator_sludge/index.html
https://kenkidryer.jp/2018/04/06/multidisk-dehydrator-sludge-drying/

水処理プラント

水処理プラントとは

水処理プラント

水処理プラントとは、水の浄化や処理を行う施設です。

主な目的は人々に安全で清潔な飲料水を提供するために水を浄化することですが、工業用水や下水の処理も行う場合があります。汚水や排水にはさまざまな不純物が含まれており、これらは有害性を持つ成分も多いです。

水中の有害物質を処理せずに環境中に流したり、生活用水として利用したりすると、人体や環境に深刻な被害を及ぼす可能性があります。水処理プラントによって水処理を行うことで、これらの有害物質を除去または無害化することが可能です。環境に配慮しながら安全に水を使用するためには、水処理プラントが不可欠と言えます。

水処理プラントの使用用途

水処理プラントは、さまざまな使用用途で利用されます。主な使用用途は飲料水の確保や工業・農業用水の供給、下水処理です。

1. 飲料水の確保

水処理プラントは、人々に安全で清潔な飲料水を供給するために使用されます。原水から浄化し、濾過、消毒などの処理を行って水道水として供給されます。

2. 工業・農業用水の供給

工場や施設などの産業活動において、水は冷却や洗浄などに広く使用されます。水処理プラントは工業用水として必要な品質要件を満たすように水を処理して供給します。また、灌漑や農作物の栽培において、農業用水の供給に使用される場合もあります。

3. 下水道処理

工場排水や下水はそのまま河川・海へ放流することはできず、下処理が必要です。水処理プラントは下水を受け取った後に浄化プロセスを通じて浄水に戻し、環境への排出基準に適合する水へと処理します。

水処理プラントの原理

水処理プラントは対象物質に応じてさまざまな原理の処理方法が存在します。以下は水処理プラントの要素の一例です。

1. 濾過

原水から浮遊物や懸濁物などを除去するためのプロセスです。一般的な濾過方法には、砂ろ過、炭ろ過、マイクロフィルターなどがあります。これらによって水中の不純物が取り除かれます。

2. 沈殿

重力を利用して水中の不純物を分離するプロセスです。凝集剤や混凝剤を添加することで微小な浮遊物や微生物を凝集させ、大きな粒子を形成します。これにより、沈殿槽での沈降を促して不純物を取り除きます。

3. 化学処理

水中の物質を変化させるために、化学薬品を使用するプロセスです。pH調整剤を使用して水の酸性度やアルカリ度を調整したりします。有価値金属などを選択的に取り出す場合にも有用です。

無機物の処理には、アルカリ系薬剤が効果的です。特に重金属はアルカリ性で沈澱する傾向があります。水酸化ナトリウムなどを水に添加すると重金属が沈澱し、分離することが可能です。

4. 殺菌処理

病原体や細菌を除去するために行われるプロセスです。主な殺菌方法には、塩素処理、紫外線照射、オゾン処理などがあります。これにより、水中の微生物を無害化します。

5. 逆浸透または深層ろ過

逆浸透は薄膜を使用し、高圧をかけて水を通すことで不純物を取り除くプロセスです。微小な不純物や溶解物質を除去するために使用されます。深層ろ過は微細なろ材を使用して水を浄化します。

海水を淡水化する場合にも使用されるプロセスです。多段にすることで、不純物の除去率を上昇させることができます。

水処理プラントの種類

水処理プラントにはさまざまな種類があります。以下は代表的な水処理プラントです。

1. 浄水場

原水を取り込み、処理して飲料水を供給する施設です。ろ過、沈殿、消毒などのプロセスが使用されます。安全で飲みやすい水を広く提供することが目的のプラントであり、国営インフラである場合も多いです。

2. 下水処理場

生活排水を受け取って処理することで、環境を悪化させない水へと変化させて排出する施設です。濾過・沈殿や生物分解などのプロセスが使用されます。小規模な下水処理場としては、合併浄化槽などが使用されます。

3. 海水淡水化プラント

海水を淡水に変換するプラントです。主に逆浸透膜を使用し、高圧下で海水を濾過して塩分を取り除きます。淡水化された水は工業用水として使用されたり、さらに殺菌処理などを施して上水としてしようされたりします。

4. 工業用水処理プラント

工業用水処理プラントは、工場や産業施設のために水を処理して供給します。処理の方法は使用される水の品質要件と使用目的によって異なります。降雨をそのまま使用する場合も多いです。

また、雨水を処理するプラントも存在します。降雨や融雪水を処理して再利用可能とします。主な処理プロセスは濾過、沈殿、消毒などです。

参考文献
https://kcr.kurita.co.jp/wtschool/056.html
https://kcr.kurita.co.jp/wtschool/002.html
https://www.jstage.jst.go.jp/article/tsj1973/22/3/22_3_168/_pdf/-char/ja
https://plant.ten-navi.com/dictionary/cat04/716/

気体流量計

気体流量計とは

気体流量計

気体流量計とは、配管などの内部を流れる気体の量を測定する機器です。

測定原理や測定したい流量によって、数多くの形式や構造の製品が存在します。以前は気体に接触して流量を測定する機器が主流でしたが、近年では、気体に接触せずに測定する非接触型が多く製品化されています。例として、超音波式気体流量計やコリオリ式気体流量計などが挙げられます。非接触型は、測定の困難な高温流体や腐食性流体などを測定するのにも好適です。

気体流量計の使用用途

気体流量計は、配管内部や、特定の構造内部を流れる気体の単位時間当たりの堆積や重量を測る目的で、幅広い産業分野において活用されています。

生活に身近な用途としては、ガスの使用量を管理する気体流量計があります。都市ガスなどはセントラル供給されるため、各戸での使用量を把握する必要があり、気体流量計が使用されます。また、ボイラや炉、空調設備などの省エネ対策のために設置しているケースも多くあります。

気体流量計は、流通する気体の量を測る装置ですが、これに気体の流量制御機能を付加した流量制御器も存在します。

気体流量計の原理

気体流量計には複数の計測方法があり、測定対象の気体の性質、温度、適した測定範囲などで使い分けます。ここでは、非接触で測定する非接触型の種類を解説します。

1. 超音波式

超音波式は、近年多く利用されている非接触式の計測方式です。ドップラー効果を利用したドップラー式と、伝播時間の差を利用したトランジットタイム式があります。

トランジットタイム式の気体流量計は、一対のセンサーを気体が流れる配管の外から気体を斜めに横切るように設置して測定する装置です。一方のセンサーから超音波を発し、他方のセンサーで気体を通過してきた超音波を受信します。そして、この動作を一対のセンサー間で送受信を交互におこないます。超音波は気体を通るため、気体の流れに逆らえば超音波の伝播は遅くなり、流れに乗れば伝播が速くなります。この伝播速度の差を流量に換算して気体の流量を計測します。

非接触で計測するため、高温、腐食性の気体も測定可能です。また、非接触のセンサーを使用しているため気体を汚染することがなく、圧力損失もない点がメリットです。

2. コリオリ式

コリオリ式は、コリオリの原理を元とした計測方法です。U字型のパイプの中に流体を通しながら振動させると、流体の入口側と出口側で反対方向の変形が起き、パイプにねじれが生じます。このねじれ量は流体の質量と速さに比例するため、ねじれ量から気体の流量を測定することが可能です。

3. 熱式

熱式気体流量計では、流体を加熱できるヒーターを配管内に設置し、気体の流れる方向にヒーターを挟むように、配管の外側に2つのセンサーを設置します。

熱式気体流量計の流量測定方法には、温度差測定法と、消費電力測定法の2つがあります。温度差測定法は、ヒーターで加熱される前後の気体の温度を測り、温度差から流量を算出します。一方の消費電力測定法では、ヒーターの前後の温度差が一定になるようにヒーターの電力を制御し、その電力から流量を算出します。

極微量の流量でも計測できるのがメリットです。しかし、ヒーターを流体に接触させる必要があるため、決まった気体しか測定出来ないということや、不純物を含む気体の場合、ヒーター部が汚れて測定値の精度が下がるなどのデメリットがあります。

気体流量計のその他情報

気体流量計には、先に述べた非接触型のほかに、気体に接触して測定するものもあります。

1. 差圧式

差圧式は、ベルヌーイの定理を根拠とした測定方法です。配管の中にオリフィス (絞り弁) を設置し、オリフィスを通過する前後の圧力損失を測定するダイヤフラムも配管内に設置した構造です。

安価なため、一般に広く利用されています。しかし、オリフィスを使用しているために圧力損失が大きく、流路内の流速分布が不均一な場合は測定値が不正確になるなどのデメリットがあります。

2. 浮き子式

浮子式は、流体によって上下する浮き子の位置で流量を測る方法です。構造が簡単なためコストを低くできます。また、流体が流れるエネルギーを利用しているため、電源などほかのエネルギーを必要としません。

樹脂ボール

樹脂ボールとは

樹脂ボール

樹脂ボール (プラスティック球) とは、樹脂 (ポリウレタン・ポリエステルアクリルなどの高分子化合物) でできた球状の物体の総称です。

身の回りのものから医療・工業機械の重要な部品として幅広く使用されています。大きさは用途に合わせて直径数ミリメートルから数センチメートルまで幅広いです。

プラスティックと言っても多様な素材から製造され、各プラスティック素材が持つ特性から目的・用途に合わせてさまざまな種類の樹脂ボールが存在します。

樹脂ボールの使用用途

アクリル性の樹脂ボールはその透過性の高さから、装飾やボールレンズ、玩具やゲーム機など身の回りのものに利用されています。医療・工業機器においては、ベアリングと呼ばれる回転や往復運動をする機械部品の軸受けとなる重要な部品や液体・ガスの配管中にある安全弁・逆止弁などのバルブです。

特にその絶縁性や耐摩耗性によって、電気や磁力を与えたくない医療機器、金属部品が使えない場合や薬品中 (酸・アルカリ・有機溶剤など) で使用したい場合などの特殊環境において、樹脂ボールは非常に効力を発揮します。

樹脂ボールの原理

樹脂ボールには大きく分けて熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂の2種類が存在し、それぞれ製法が異なります。

1. 熱硬化性樹脂

熱硬化性樹脂とは、成形の際に液体の樹脂 (フェノール・エポキシ・不飽和ポリエステルなど) を熱を加えることで硬化する特性を持つ樹脂のことです。熱硬化性樹脂は硬く絶縁性・耐電圧・耐熱性に優れ、溶剤に対して耐性があります。

2. 熱可塑性樹脂

熱可塑性樹脂 (ポリエチレンポリ塩化ビニルポリウレタン・アクリルなど) とは、ガラス転移温度または融点に達した時に軟化する特性を持つ樹脂のことです。加熱により軟らかくなった樹脂を冷却することで、硬化させて成形します。

熱硬化性樹脂とは異なり、熱を加えることで軟らかくなるので再度成形ができるという利点があり、リサイクルが可能です。いずれの樹脂も金属に比べ絶縁性や耐腐食性、耐薬品性に優れている点から経年劣化により鉛などの金属がボールから周囲に溶け出すことがなく、環境にも優しいです。

樹脂ボールの種類

1. ポリプロピレン (PP) ボール

ポリプロピレンは耐熱性、耐薬品性、耐摩耗性に優れたプラスチックです。PPボールは軽量かつ強度があり、一般的に低コストで入手可能です。さまざまな産業で広く使用されており、食品業界では食品容器、包装材料、調理具などが代表例として挙げられます。

化学工業や医療分野での試験管や実験装置の部品、自動車産業でのバッテリー容器などにも利用されます。耐久性があり、長期間の使用に耐えるため、幅広い用途に適用が可能です。

2. ポリエチレン (PE) ボール

ポリエチレンは柔軟性に富んだプラスチックであり、耐久性にも優れた樹脂ボールです。PEボールは軽量でありながら弾力性が高く、高い耐衝撃性を持ちます。そのため、遊具やスポーツ用品、医療機器の製造などに広く使用されます。

農業用の液体や化学物質の貯蔵容器、液体の配管などにも利用されています。PEボールは環境にやさしい素材かつリサイクル性も高いため、環境への負荷を低減する製品としても重要です。

3. ポリ塩化ビニール (PVC) ボール

PVCは一般的で広く使用されている樹脂であり、耐久性と柔軟性を兼ね備えています。PVCボールは軽量でありながら強度が高く、耐薬品性にも優れた樹脂ボールです。主に水槽の装飾品やおもちゃ、建築材料、電子機器などの製造に使用されます。

PVCは絶縁性にも優れており、電気配線や電子機器の部品としても広く利用されています。ただし、一部のPVC製品にはフタル酸塩などの可塑剤が含まれている場合があるため、環境への影響や人体への悪影響については適切な管理が必要です。

4. ポリエステル (PET) ボール

ポリエステルは強靭で透明性があり、耐久性と耐熱性に優れた樹脂です。PETボールは食品包装や飲料容器、医療器具、テクスタイルなど、さまざまな分野で使用されます。食品産業ではその透明性や耐久性から、飲料や食品の包装に広く利用されています。

医療分野では透明性や滅菌性が求められるため、注射器や医療器具の製造にも適用可能です。PETボールはリサイクル性にも優れており、環境に配慮した製品として注目されています。

参考文献
http://www.humanity-jp.com/plastic.html

樹脂チューブ

樹脂チューブとは

樹脂チューブ

樹脂チューブとは、プラスチックから作られたチューブです。

材質としてはポリオレフィンポリウレタンやフッ素系樹脂などが挙げられます。材質や厚みによってチューブの耐久性や耐薬品性、硬さなども異なるため用途に応じて適切なチューブを選定します。

樹脂チューブは医薬、化学、無機材料などの様々な製造現場で薬品の移送に使用され、また電気絶縁性にも優れるため導線の被覆などにも有用です。通常のチューブは帯電しやすいですが、製品によっては導電性を持たせた樹脂チューブも開発されています。

樹脂チューブの使用用途

1. 医療産業

樹脂チューブは、医療産業において非常に重要な役割を果たしています。静脈カテーテルや導管、ドレーンチューブ、血液検査用のチューブなどに使用可能です。樹脂チューブの柔軟性と滑らかな内面は、患者の快適性と安全性を確保し、医療処置をスムーズに行うことができます。

2. 自動車産業

自動車産業では、樹脂チューブがエンジン部品やブレーキシステム、燃料供給装置などに広く使用されています。耐久性や耐薬品性が求められる自動車部品において、樹脂チューブが金属チューブに代わる選択肢として採用されることが増えています。

3. 食品産業

樹脂チューブは、食品産業での配管や輸送に利用されています。食品や飲料の流体の移動に適したチューブであり、耐薬品性が高く、食品衛生基準にも適合しています。乳製品、飲料、調味料などの生産ラインで、樹脂チューブの使用が一般的です。

4. エレクトロニクス産業

エレクトロニクス産業では、樹脂チューブが電線の絶縁材料や回路基板のコーティングに用いられます。高い電気絶縁性や耐熱性が求められるため、樹脂チューブの特性が重要視されています。

5. 農業・園芸産業

農業や園芸の分野でも、樹脂チューブが使用可能です。水やり用の散水管や肥料の散布管として利用されるほか、農業機械の部品にも樹脂チューブが組み込まれることがあります。軽量かつ耐久性があるため、農業作業の効率向上に発揮します。

6. インダストリアル産業

樹脂チューブは一般的な工業用途にも広く用いられています。油圧装置や空気圧機器、ガス供給システムなど、さまざまな産業機械の配管に利用され、特に、軽量で取り扱いが容易なため、設置や交換作業が容易に行えます。

樹脂チューブの特徴

1. 柔軟性と曲げ性

樹脂チューブは、柔軟な樹脂材料によって作られています。この材料の柔軟性により、樹脂チューブは曲げや捻じりなどの変形に対して非常に優れた適応性を持ちます。そのため、狭いスペースや複雑な形状の場所にも容易に取り付けることが可能です。

2. 耐久性と耐薬品性

樹脂チューブは、耐久性のある樹脂材料で作られています。これにより、高い耐久性を持ち、長期間にわたる使用にも耐えること可能です。また、樹脂材料は一般的に薬品に対しても耐性があり、腐食や劣化が少ないため、化学物質を取り扱う産業分野において重要な役割を果たしています。

3. 低摩擦性と滑らかな内面

樹脂チューブの内面は滑らかで摩擦が少ないため、流体の移動がスムーズに行われます。これにより、樹脂チューブは液体やガスの輸送に適しており、エネルギー損失を最小限に抑えることができます。

4. 電気絶縁性

樹脂チューブは一般的に電気絶縁性が高い特性を持ちます。このため、電線や電気機器の絶縁材料として広く使用され、電気信号の漏れを防止する役割を果たし、電気系統の安全性を確保します。

5. 軽量性

樹脂チューブは軽量な材料で作られているため、取り扱いが容易です。特に、大量に使用される産業分野では、軽量性がコスト削減にも寄与しています。

樹脂チューブの種類

1. PVC (ポリ塩化ビニル) チューブ

PVCチューブは、一般的な樹脂チューブの中でも特にポピュラーなタイプです。柔軟性があり、低コストで製造できるため、さまざまな用途で広く使用されています。

水や空気の供給、排水、配管などの産業や家庭用途に適応可能です。耐薬品性に優れているため、薬品の移送にも使用されることがあります。

2. PU (ポリウレタン) チューブ

PUチューブは、耐摩耗性や耐油性に優れ、高い強度と柔軟性を持つ特性が特徴です。これらの特性により、空圧ツール、ロボット、自動車のブレーキシステムなど、高い信頼性が求められる産業分野で広く使用されています。

3. シリコーンチューブ

シリコーンチューブは耐熱性に優れており、高温環境下での使用に適しています。医療機器や食品産業での使用が一般的で、薬品や高温の液体の移送にも適しています。また、シリコーンチューブは耐久性にも優れており、長期間の使用にも耐えることができるチューブです。

4. フッ素チューブ

フッ素チューブは、高い耐化学性と耐熱性を持つ特殊な樹脂チューブです。強酸や強アルカリ、有機溶剤に対して優れた耐性を持っており、半導体産業や化学産業などで使用されます。また、高温の薬品や溶剤の移送にも適しています。

5. ナイロンチューブ

ナイロンチューブは、耐摩耗性や耐油性に優れています。自動車産業での燃料供給やブレーキシステム、工業用機械のパイプラインなどで使用されます。また、高い引張強度を持ち、空圧ツールやロボットの動力伝達にも適したチューブです。

参考文献
https://www.nichias.co.jp/products/product/fluorine/tube/tube01.html
https://www.askul.co.jp/
https://jp.misumi-ec.com/