ポリオレフィンについての概要、用途、原理などをご説明します。また、ポリオレフィンのメーカー2社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。ポリオレフィン関連企業の2023年11月注目ランキングは1位:東レ株式会社、2位:ダウ・東レ株式会社となっています。
京都大学理学部、理学研究科卒業、修士(化学)。2013年4月より東証一部上場の大手総合化学メーカーに入社。新規機能性高分子の解析、スケールアップ業務に携わる。2021年5月に別の大手メーカーに転職。現在に至る。専門は分析化学、物理化学、高分子化学、高分子の成形加工。
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石野雄太のプロフィール
ポリオレフィンとは原料モノマーがオレフィンであるポリエチレンとポリプロピレンを総称したものです。オレフィンとは炭素原子間に二重結合を有する化合物のことで、アルケンとも呼ばれます。
ポリオレフィンであるポリエチレン、ポリプロピレンにはそれぞれ固有の特徴がありますが、共通するものとしては①密度が小さいため軽い、②防湿性に優れるため空気中の水蒸気の透過を防ぐことが可能、③炭素原子と水素原子のみで構成されるため燃やしても二酸化炭素と水だけしか生成しないことが挙げられます。
ポリオレフィンとは原料の化合物がオレフィンである樹脂を総称するもので、具体的な樹脂としてポリエチレン、ポリプロピレンが挙げられます。
ポリエチレンは低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、超高分子量ポリエチレン(UHMW-PE)に分類されます。LDPEは透明で柔らかく、ラップフィルムなどに使われ、HDPEは強度が高くレジ袋などに使われています。またUHMW-PEはリチウムイオン電池のセパレータなどに用いられています。
ポリプロピレンは乳白色の樹脂で、食品トレイや家電部品、自動車部品など幅広い業界で用いられています。
ポリオレフィンに分類されるポリエチレンの原料はエチレン、ポリプロピレンの原料はプロピレンです。これらの原料はいずれも二重結合を有します。このような二重結合を有する炭化水素、すなわちアルケン(alkene)のことを以前はオレフィン(olefin)と呼んでいました。その名残でオレフィン類を原料とするポリエチレン、ポリプロピレンはポリオレフィンと呼ばれています。
図1. ポリオレフィンの構造
なお、ポリエチレンの中でもLDPEとHDPEでは製法が異なります。製法が異なるため分岐を有する分子鎖の数や分子量などが異なり、結果的にLDPEとHDPEは異なる物性を示します。また、ポリプロピレンの場合は側鎖に存在するメチル基の立体規則性によって物性が変化し、立体規則性が高いほど硬さや強度が増加します。
ポリオレフィンと呼ばれるポリエチレン、ポリプロピレンに共通する特徴をいくつかご紹介します。
1つ目の特徴は軽いという点。ポリオレフィン類の密度は1g/cm3以下で樹脂の中でも小さめです。
2つ目の特徴は防湿性に優れる点。ポリオレフィン類は吸水率が低いため、蓋など空気中の水蒸気の透過を防ぐ際に使われます。
3つ目の特徴としては燃やしても有害な化合物が生成しないことが挙げられます。ポリオレフィンを構成する原子は炭素と水素だけであるため、燃焼させても生じるのは水と二酸化炭素だけです。ただし、ポリマーの一部を変性させていたり、添加剤が加えられている場合は燃焼時に他の化合物が生成する場合もあるので注意が必要です。
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ポリオレフィンのカタログ一覧はこちら企業
三井化学株式会社*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2023年11月の注目ランキングベスト2
注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | 東レ株式会社 |
60.0%
|
2 | ダウ・東レ株式会社 |
40.0%
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注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2023年11月のポリオレフィンページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
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