樹脂ボール

樹脂ボールとは

樹脂ボール

樹脂ボール (プラスティック球) とは、樹脂 (ポリウレタン・ポリエステルアクリルなどの高分子化合物) でできた球状の物体の総称です。

身の回りのものから医療・工業機械の重要な部品として幅広く使用されています。大きさは用途に合わせて直径数ミリメートルから数センチメートルまで幅広いです。

プラスティックと言っても多様な素材から製造され、各プラスティック素材が持つ特性から目的・用途に合わせてさまざまな種類の樹脂ボールが存在します。

樹脂ボールの使用用途

アクリル性の樹脂ボールはその透過性の高さから、装飾やボールレンズ、玩具やゲーム機など身の回りのものに利用されています。医療・工業機器においては、ベアリングと呼ばれる回転や往復運動をする機械部品の軸受けとなる重要な部品や液体・ガスの配管中にある安全弁・逆止弁などのバルブです。

特にその絶縁性や耐摩耗性によって、電気や磁力を与えたくない医療機器、金属部品が使えない場合や薬品中 (酸・アルカリ・有機溶剤など) で使用したい場合などの特殊環境において、樹脂ボールは非常に効力を発揮します。

樹脂ボールの原理

樹脂ボールには大きく分けて熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂の2種類が存在し、それぞれ製法が異なります。

1. 熱硬化性樹脂

熱硬化性樹脂とは、成形の際に液体の樹脂 (フェノール・エポキシ・不飽和ポリエステルなど) を熱を加えることで硬化する特性を持つ樹脂のことです。熱硬化性樹脂は硬く絶縁性・耐電圧・耐熱性に優れ、溶剤に対して耐性があります。

2. 熱可塑性樹脂

熱可塑性樹脂 (ポリエチレンポリ塩化ビニルポリウレタン・アクリルなど) とは、ガラス転移温度または融点に達した時に軟化する特性を持つ樹脂のことです。加熱により軟らかくなった樹脂を冷却することで、硬化させて成形します。

熱硬化性樹脂とは異なり、熱を加えることで軟らかくなるので再度成形ができるという利点があり、リサイクルが可能です。いずれの樹脂も金属に比べ絶縁性や耐腐食性、耐薬品性に優れている点から経年劣化により鉛などの金属がボールから周囲に溶け出すことがなく、環境にも優しいです。

樹脂ボールの種類

1. ポリプロピレン (PP) ボール

ポリプロピレンは耐熱性、耐薬品性、耐摩耗性に優れたプラスチックです。PPボールは軽量かつ強度があり、一般的に低コストで入手可能です。さまざまな産業で広く使用されており、食品業界では食品容器、包装材料、調理具などが代表例として挙げられます。

化学工業や医療分野での試験管や実験装置の部品、自動車産業でのバッテリー容器などにも利用されます。耐久性があり、長期間の使用に耐えるため、幅広い用途に適用が可能です。

2. ポリエチレン (PE) ボール

ポリエチレンは柔軟性に富んだプラスチックであり、耐久性にも優れた樹脂ボールです。PEボールは軽量でありながら弾力性が高く、高い耐衝撃性を持ちます。そのため、遊具やスポーツ用品、医療機器の製造などに広く使用されます。

農業用の液体や化学物質の貯蔵容器、液体の配管などにも利用されています。PEボールは環境にやさしい素材かつリサイクル性も高いため、環境への負荷を低減する製品としても重要です。

3. ポリ塩化ビニール (PVC) ボール

PVCは一般的で広く使用されている樹脂であり、耐久性と柔軟性を兼ね備えています。PVCボールは軽量でありながら強度が高く、耐薬品性にも優れた樹脂ボールです。主に水槽の装飾品やおもちゃ、建築材料、電子機器などの製造に使用されます。

PVCは絶縁性にも優れており、電気配線や電子機器の部品としても広く利用されています。ただし、一部のPVC製品にはフタル酸塩などの可塑剤が含まれている場合があるため、環境への影響や人体への悪影響については適切な管理が必要です。

4. ポリエステル (PET) ボール

ポリエステルは強靭で透明性があり、耐久性と耐熱性に優れた樹脂です。PETボールは食品包装や飲料容器、医療器具、テクスタイルなど、さまざまな分野で使用されます。食品産業ではその透明性や耐久性から、飲料や食品の包装に広く利用されています。

医療分野では透明性や滅菌性が求められるため、注射器や医療器具の製造にも適用可能です。PETボールはリサイクル性にも優れており、環境に配慮した製品として注目されています。

参考文献
http://www.humanity-jp.com/plastic.html

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です