ポリ塩化ビニルについての概要、用途、原理などをご説明します。また、ポリ塩化ビニルのメーカー5社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。ポリ塩化ビニル関連企業の2023年08月注目ランキングは1位:山宗株式会社、2位:新第一塩ビ株式会社、3位:AGC株式会社となっています。
ポリ塩化ビニルとは、「塩ビ」や「PVC (polyvinyl chloride) 」とも呼ばれる合成樹脂の一つです。
可塑剤などの添加剤を加えることで、様々な性質を発現できます。そのため、硬質プラスチックや軟質プラスチック、ゴムなど多種多様な製品の原料として使われています。
ポリ塩化ビニルは安価で加工性が高い上、添加剤を変えることで様々な性質を発現するため、幅広い用途に使用されています。ポリ塩化ビニルは硬質ポリ塩化ビニルと軟質ポリ塩化ビニルに大別され、それぞれ用途が異なります。
硬質ポリ塩化ビニルは、可塑剤含量が10%以下のものです。主な用途として、看板や標識、上下水道管のパイプや継手、腐食性ガスや薬品用配管材料、電線配線用管などが挙げられます。
軟質ポリ塩化ビニルは、可塑剤が25~50%含まれるものです。主にシート状 (0.2mm厚以上) 、フィルム状 (0.2mm厚以下) 、レザー (裏生地付) 、押出加工されたものがあります。それぞれの用途としては以下の通りです。
図1. ポリ塩化ビニルの構造
ポリ塩化ビニルは、塩化ビニルモノマーが重合することでポリマーとなった分子構造です。ほとんどの製品はポリ塩化ビニルモノマーのみから作られるストレートポリマーですが、酢酸ビニル、エチレン塩化ビニリデンなどの他のモノマーを共重合させたコポリマーもあります。
ポリ塩化ビニルの製品は、上記ポリ塩化ビニルのポリマーに安定剤、可塑剤、着色剤などを添加して混錬したものを様々な加工、成形方法により生産されます。ポリ塩化ビニルは、添加剤の種類や量を変えることで、硬質プラスチック、軟質プラスチックやゴムなど、幅広い機能を持たせられる点が大きな特徴です。
ポリ塩化ビニルの特徴をポリエチレン (PE) やポリプロピレン (PP) 、ポリスチレン (PS) など、他の汎用的なプラスチックと比較して紹介します。
ポリ塩化ビニルは塩化ビニルモノマーの重合により作られますが、工業的な製造方法としては、懸濁重合、沈殿重合、乳化重合が挙げられます。
懸濁重合
塩化ビニルモノマー、重合開始剤、水を混合し、加圧重合槽内で加熱重合させます。反応後、ポリ塩化ビニル樹脂が水中に分散したスラリーが得られるので、残存モノマーを除去した後、脱水・乾燥することで粉末状のポリ塩化ビニル粉末が得られます。
沈殿重合
塩化ビニルモノマーを溶解し、ポリ塩化ビニルは溶解しない溶剤中で重合を行う方法です。塩化ビニルモノマーと開始剤と溶剤を混合し低温で重合させると、ポリ塩化ビニルが析出してきます。この混合物をフィルターろ過することで、低重合度のポリ塩化ビニルの粉末が得られます。
乳化重合
塩化ビニルモノマー、界面活性剤、水、水溶性の開始剤を混合し重合させる方法です。モノマーは水中で乳化され、乳化液滴内で重合します。重合後のポリマーを回収するために、塩や酸の添加で界面活性剤の乳化分散効果をなくし、凝集させ、その後、脱水・乾燥することでポリ塩化ビニル粉末が得られます。
ポリ塩化ビニルは食品や玩具など日用品にも広く用いられます。そのため種々の法律で規格が定めているほか、業界団体で自主規格を定めて安全性を担保しています。
例えば、ラップなどの食品に触れる製品の場合、食品衛生法で残存塩化ビニルモノマー量は1ppm以下です。また、可塑剤で使われるフタル酸エステル類の使用は厚生労働省の告示267号で禁止されています。そのほか、血液バッグなどに用いられるポリ塩化ビニルは薬機法に基づく種々の基準が定められています。
参考文献
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen/gmsds/9002-86-2.html
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2023年08月の注目ランキングベスト5
注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | 山宗株式会社 |
39.1%
|
2 | 新第一塩ビ株式会社 |
18.6%
|
3 | AGC株式会社 |
16.0%
|
4 | 株式会社カネカ |
13.5%
|
5 | 信越化学工業株式会社 |
12.8%
|
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2023年8月のポリ塩化ビニルページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社