チェック端子とは
チェック端子とは、配線を仮接続しやすいように加工された端子部品です。
回路設計で電子部品の動作を確認する場合や、製造工程で電気特性を確認する場合に使用されます。オシロスコープなどの測定器に使用される端子はプローブ型が一般的です。
常に手にプローブを持って検査などを実施することは困難なため、チェック端子につないで測定します。チェック端子はプローブが当てやすい形状の製品も多く販売されており、人の抑える力による誤差を減らすことが可能です。
チェッカーチップ、テスト端子などと呼ばれる場合もあります。また、近年RoHS対応の製品も多く販売されています。
チェック端子の使用用途
チェック端子は基板動作の確認や電気特性の確認に使用されます。以下チェック端子の使用箇所一例です。
- 評価基板内への実装
- ロジック回路の信号取り出し
基板に直接接続するためのくわえ台となり、完成品に実装する場合が多いです。
チェック端子の原理
チェック端子は回路に配置することで、導通部分を拡大して測定を容易にする部品です。材質がはステンレスや真鍮が使用され、外側はニッケルの上に金や黄銅でめっきされます。使用温度は-40℃~150℃程度です。
また、多くの場合は色別できるように着色されたビーズが取り付けられています。ビーズの材質はガラスや樹脂などが使用されます。
チェック端子の種類
チェック端子には用途に応じて幅広い種類があります。形状としては、プローブを押し付けるタイプや輪に引っ掛けるタイプ、ワニ口クリップで止めるタイプなどがあります。
ロジック回路に適したロジック回路用チェック端子では、上下導通用スルーホールランドに取り付けが可能です。また、パネル用や信号チェック用のチェック端子もあります。
チェック端子の選び方
チェック端子は、マックエイトなどの基板動作確認時に必要な周辺アクセサリー専門メーカーが販売しています。チェック端子には基板取り付け用や表面実装用があり、用途に応じて選定することが大切です。
また、サイズや形状のラインナップが幅広いため、基板のスペースやプローブの形状によってチェック端子を選択します。内側がめっきされていない製品はフローはんだにも対応可能で、ビーズの色を分けて信号ラインごとに区別することができます。
チェック端子のその他情報
1. チェック端子台
チェック端子台とは、基板上のチェック端子を端子台とした製品です。接地端子や電源端子などの共通部分をショートバーに置き換えるため、省スペースとコストダウンが可能です。
チェック端子台を使用しない場合、チェック端子を複数個並べるなどの手間がかかります。テスター端子やワニ口クリップなども複数個使用する必要があります。チェック端子台を使用することで、導通試験や耐電圧試験などの検査時の作業を削減可能です。
故障やメンテナンス時にも、チェック端子台を使用することで時間削減が可能です。電気系検査治具の製作に費やす工数や検査作業工数を大幅に削減します。
2. チェック端子の使い方
テスターやオシロスコープで電圧等を確認したい箇所にチェック端子を使用します。回路にチェック端子をはんだで接続し、その上から直接プローブで測定します。
測定したいポイントから最短かつ、他の回路からの影響を受けない位置に取り付けるのが一般的です。回路設計時にチェック端子の場所を決めておきましょう。プローブを当てたりすることを考慮して、チェック端子の周辺には背の高い電子部品を配置しないようにすると良いです。
チェック端子の選定や配置を間違えると配線容量が増加したり、配線長や配線面積の拡大による配線インピーダンスの影響を受けたりするなどの悪影響が考えられます。不要な輻射ノイズによる反射ノイズが発生するなど、いわゆる配線のインピーダンスマッチングや遮蔽ラインのアンバランスによる誤測定を生じます。
参考文献
https://www.marutsu.co.jp/GoodsListNavi.jsp?path=1500260010
https://www.togi.co.jp/information/products/post-19.php