インクジェットプロッタとは
インクジェットプロッタとは、描画にインクジェット方式を用いたプロッタです。
プロッタには大きく3つの種類がありますが、インクジェットプロッタは、ラスタプロッタと呼ばれるプロッタに分類されます。プロッタはプリンターとは区別されます。印刷物に精度の高さが要求される図面などの印刷に、特に向いている出力装置です。
プロッタがプリンタと大きく異なる点は、描画の仕方です。プロッタは「線」を描きますが、プリンタは「点」の集まりによって画像などを描画します。プロッタは点ではなく線によって描画するために、図面などの描画においては正確で綺麗な描画が可能です。
また、大きなサイズの出力をメインとして行うため家庭用ではなく、事業用として用いられることがほとんどです。プロッタは線を描画することによる出力の動作と、出力後に元データに基づいて正確にカットするという裁断の動作を行うこともできます。
インクジェットプロッタの使用用途
インクジェットプロッタは、大判サイズでの線画の出力から裁断までを行う出力装置として、建築分野や産業分野における図面やポスターの大型出力印刷や、研究発表などのポスター印刷などを作成する用途で使用されています。
この他、データに忠実なカッティングを行うこともできることから、看板などの作成も可能です。建設現場や設計事務所や、学校などの教育機関や学会などでも、インクジェットプロッタは広く使用されています。
インクジェットプロッタの原理
インクジェットプロッタは、ラスタプロッタという方式に分類されます。プロッタにはインクジェットプロッタ以外に、ペンプロッタがあります。ペンプロッタと比較するとラスタプロッタによる出力は画質が落ちる一方で、高速描画ができる点で優れています。
インクジェットプロッタは、インクジェットプリンタと同じ原理をしています。インクカートリッジから内蔵されたインクをノズルに供給し、印刷対象物に対してノズルからインクを噴射することで出力を行います。出力の速度は劣るものの、印刷の品質が高いという点で優れています。
インクジェットプロッタのその他情報
プロッタの種類
1. ペンプロッタ
ペンプロッタでは、実際に紙の上にペンを動かして線を描きます。ペンにはインクペン、ボールペン、シャープペンシルなどを用います。入力したデータがそのまま出力され、実際にペンが移動して描画します。
2. ラスタプロッタ
入力されたデータを点として出力するプロッタです。入力データは、ベクタデータというデータで扱います。ベクタデータは複数の点の位置と、点同士を繋いだ線、曲線、色などを数値データ化したものです。
ベクタデータのメリットとして、拡大縮小してもエッジが綺麗に表示できることが挙げられます。反対に細かく複雑な画像を表現する場合には向いていません。
ラスタプロッタはベクタデータの画像を、点で描画していきます。インクジェット方式以外にも、静電、レーザー、感熱式、LEDといった描画方法があります。
3. カッティングプロッタ
カッティングプロッタは、描画した紙をカットすることができるプロッタです。カットする方法によって3つのタイプがあります。
- グリッドローリングタイプ
カットする紙やシートが動いてカットされるタイプです。このタイプでは用紙を広げる必要がないために、機械本体をコンパクトにすることができます。 - フラットヘッドタイプ
フラットヘッドタイプはヘッドに取り付けられたカッターが動くことで、紙やシートを切断します。細かい部分でもカットでき、最も一般的なカッティングプロッタです。 - 小型タイプ
個人でも使用できるよう、本体も小型化されています。
参考文献
https://www.kimoto.co.jp/products/design_products-inkjet
https://www.large-format-printer.jp/blog/cad-2/plotter/
http://www.pcpulab.mydns.jp/main/it/chapter2_3-6-2.htm