温度制御とは
温度制御 (英: Temperature control) とは、対象物の温度を必要な温度になるように操作することを言います。
温度制御の仕組み
温度を制御する機器は、加温・冷却を行う操作部 (冷却・加温装置) と、その操作部に動作信号を送り、加温・冷却を制御する温度調節器 (温度調整器) で基本構成されています。制御の要となる温度調節器はサーモスタットと呼ばれ、機械式サーモスタット (バイメタルサーモスタット) や電子サーモスタット (デジタルサーモスタット) などの種類があります。
加温・冷却を行う操作部にはヒーターやクーラーが用いられます。加温機能を持つヒーターには、テープヒータ、スペースヒータ、制御盤ヒーター (盤用ヒーター) などがあり、用途に応じて使い分けられています。冷却機能を持つものには、制御盤用クーラー、ペルチェクーラー (ペルチェ冷却ユニット) 、ヒートシンク (放熱板) 、基板用ヒートシンクなどがあります。このほか、AC軸流ファン、DC軸流ファン、CPUファンなどは、機器内に発生した熱をファンによって外部に排出し、冷却効果を生み出します。
ヒーターやクーラーの中には、空気や水などの流体間で熱を移動させる熱交換の仕組みを取り入れたものが多くあり、ヒートポンプもその一例です。広く利用されている熱交換器には、多管式熱交換器、プレート式熱交換器、スパイラル式熱交換器などの種類があります。また、サーモモジュール (ペルチェモジュール) は、直流電流を流すことによってヒートポンプとして作動し、高い精度で加温・冷却や温度制御を行うことができます。
温度制御機器および資材の種類
上記のような温度制御の仕組みを利用した機器の例としては、庫内・槽内の気体または液体の温度を一定に保つ恒温器や恒温槽、温水循環装置や冷却水循環装置などがあります。
放熱や遮熱によって温度制御に寄与する資材も様々な分野で利用されています。例えば、接触部の熱を外部に放出する放熱ゴム、放熱グリス、熱伝導シート (放熱シート) 、グラファイトシートや、遮熱の機能を持つ熱交換塗料、断熱板などです。