ペルチェクーラーについての概要、用途、原理などをご説明します。また、ペルチェクーラーのメーカー7社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。ペルチェクーラー関連企業の2023年5月注目ランキングは1位:株式会社アピステ、2位:株式会社フェローテックマテリアルテクノロジーズ、3位:株式会社ジーマックスとなっています。
ペルチェクーラー(英語: Peltier Cooler)は、熱電素子の一つであるペルチェ素子を用いた冷却機構です。国外では「Peltier Modules」「Thermoelectric Cooler (TEC)」と呼称されています。ペルチェ素子は、半導体素子のひとつで通電によりペルチェ効果が発生すると熱の移動が起こり、2つの面に冷却と発熱の温度差が発生します。一般的にペルチェ素子は、1枚の板状になっており、2mmから5mmの薄さを誇っています。そして、とても軽量かつ小型です。ペルチェ素子の構造は、セラミック基盤で「n型熱電素子」「p型熱電素子」「電極」を挟んだ構成になっています。
ペルチェクーラーは、ペルチェ素子の性能を最大限に利用するために熱電冷却を向上させています。ペルチェ素子は、吸熱側の熱を放熱側に移動させるため、大量の熱が発生します。そのため、放熱側には水冷装置やヒートシンク、ファンが備え付けられています。また、接触する面には熱伝導素材を挟むことで放熱性能を高めている製品も存在しています。吸熱側は、冷却板を取り付けることで吸熱効率を最大化しています。冷却板との接触面にも熱伝導素材を挟むことで吸熱効率が上がります。
ペルチェクーラーは、冷媒を使用しない電力のみによる冷却を行えるため、環境負荷が少ないことも特徴の1つです。
ペルチェクーラーは、一般的な冷却設備よりも小型なため、冷却が必要な設備に組み込みやすいといったメリットがあります。主に民生分野では「中央演算装置」「分電盤」「制御盤」「冷蔵庫」「エアコン」「除湿器」などに組み込まれています。一般産業や工業分野では「半導体製造設備」「医療機器」「分析機器」「研究機器」などに使用されています。
近年では暑熱対策のために首筋や身体に装着するモバイルクーラーとして製品化されています。また、ペルチェクーラーの機能を取り入れたスマートフォン用のスマホクーラーなども販売されています。
ペルチェクーラーが使われている製品は、小型化することが可能で振動が少ないため、コンパクトでデザインを自由に決められます。よって、低価格で静音性に優れています。これまでのペルチェ式の製品は、結露や消費電力量の問題で普及してきませんでしたが、今ではそういったデメリットも解消されており、生活に取り入れやすい製品になっています。
ペルチェクーラーは、ペルチェ素子が小型であるため、要求する能力に合わせて製品のサイズを調整することが出来ます。また、ペルチェクーラーの性能も冷却のみに焦点を置いた製品では、低価格で安定した供給を見込むことが出来ます。ペルチェクーラーは、高性能な製品も存在しているため、精密な操作が必要な場合には制御用のコントローラーも付属することが出来ます。このように性能や価格、サイズを用途に合わせて選択できることがペルチェクーラの強みです。民生用では、デザイン性の向上にも力を入れることが可能となり、産業用では求める能力に合わせて性能を最大限に引き出すことが出来ます。
以上のことからペルチェクーラーは、既存の製品を選択する以外にも受注生産品として注文することが可能になっています。
ペルチェクーラーは、ある2種類の異なる金属同士を貼り合わせることで、双方の金属に電位差を生じさせて、一方の金属から他方の金属へ熱の移動が生じるペルチェ効果を利用しています。用いる金属は「ビスマス系」「シリコンゲルマニウム系」「コバルトスズ系」「鉄系」などを組み合わせています。
ペルチェ効果を備えたペルチェ素子が冷却側の冷却プレートから移動することでペルチェ素子から発熱が生じます。発生した熱を放散させるため、他方へ放熱器及び空冷用のファンを取付ける必要があります。ペルチェ素子に電圧を印加すると冷却側から放熱側へ熱の移動が行われます。印加する電流によって温度制御が可能で、電流の極性を反転させる事で冷却側と放熱側を反転させる事が出来ます。また、逆に冷却対象を温める事も可能です。
ペルチェ素子は、上述した様に小型化が容易で、冷媒などの環境負荷物質を必要とせず、電流を制御することによって温度を調整できるメリットがあります。素子自体の発熱が大きく、放熱側を別の機構で冷却または空冷する必要があり、冷却温度も最低5℃程度が限界であるといったデメリットも存在しています。
ペルチェクーラーは、多くの技術者の努力によって性能の向上や低価格での生産が可能になりました。そんなペルチェクーラーですが、2019年には今後のペルチェクーラーの性能が更に期待できる発表がありました。
東京大学の生産技術研究所にてペルチェ素子よりも冷却性能が10倍も高い値が期待できる素子が開発されたのです。この素子は、半導体ヘテロ構造と呼ばれる「ガリウムヒ素」「アルミニウムガリウムヒ素」の接合を行うことで熱電子放出と共鳴トンネル効果を制御して冷却素子として活用できるように開発されました。冷却したい箇所を狙って高効率で温度を下げることが出来るため、冷却に使用される電気の省エネ化や設備の性能を大幅に改善することが期待されています。現在のペルチェクーラーには採用されていませんが、新技術が実用可能になれば、更なる性能の向上にも期待が出来るようになります。
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2023年5月の注目ランキングベスト7
注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | 株式会社アピステ |
24.2%
|
2 | 株式会社フェローテックマテリアルテクノロジーズ |
19.2%
|
3 | 株式会社ジーマックス |
15.0%
|
4 | 株式会社コウデン |
14.2%
|
5 | センサーコントロールズ株式会社 |
12.5%
|
6 | 日本ミック株式会社 |
8.3%
|
7 | 株式会社光伸舎 |
6.7%
|
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2023年5月のペルチェクーラーページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社