グラファイトシートについての概要、用途、原理などをご説明します。また、グラファイトシートのメーカー5社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。グラファイトシート関連企業の2023年5月注目ランキングは1位:パナソニック株式会社、2位:東洋炭素株式会社、3位:日本ハイビット株式会社となっています。
モバイル機器などをはじめとした電子機器の軽量、薄型、小型化と同時に高性能・高機能化も進むにつれ、深刻になっているのが発熱の問題です。
グラファイトシートの熱伝導率は金属の中でも高い熱伝導率を持つ銅の2倍~5倍程度、ダイヤモンドよりは多少劣るものの他の金属より高い熱伝導率を有するため、電子部品の高密度実装に耐える高い熱伝導性(放熱性・熱拡散性)に優れ、薄さと柔軟さを兼ね備えた熱対策素材として期待されています。
国産ではPGSグラファイトシート(PGS=Pyrolytic Graphite Sheet)が高い熱伝導性と柔軟性を持つ結晶性グラファイトシートとして知られています(パナソニック社登録商標)。
モバイル電子機器をはじめ、様々な用途の熱拡散・放熱に大きな効果を発揮します。
スマホ、携帯電話、デジカメ、タブレットPC・PC周辺機器、LEDデバイス関連といった家電製品の他にも、 半導体製造装置(スパッタリング,ドライエッチングなど)であったり、 光通信及び基地局でも使用されています。
また、グラファイトシートは炭素でできているため、環境問題にならない(RoHS指令対応)点も普及の後押しとなり、上記以外の様々な分野でも熱対策素材として活用され、1,000億円規模(2017年)の市場にまで急成長しています。
グラファイトシートの製造法は、簡単に言えば、特殊な分子構造の高分子フィルムを高温で熱分解し、単結晶に近い結晶構造を平面方向に高配向させる超高温焼成を行うだけの非常に単純な原理になります。
しかし、この特殊な原料は企業秘密であり、この特殊な原料を使うとなぜグラファイトが形成されるのかについては説明することはできません。
では、なぜ高温処理が必要なのか。こちらに関しては明確な答えがあります。
炭素を含む高分子材料を無酸素状態で加熱していくと
500℃で水素
1000℃で酸素
2000℃で窒素
と順次離脱していき、最終的に3000℃まで加熱すると炭素原子だけが残ります。この炭素原子を焼成して結晶化させたものが「高品質グラファイト結晶」となります。これに対し、グラファイトシートは単純に結晶化を行うのではなく、2次元的に結晶化した炭素を層状に積み重ねたシート状のものを指します。
この層という構造上、グラファイトシートの熱伝導性は厚さ方向には熱を伝えにくく、沿面方向に素早く熱が伝わるという特徴があります。
また、製造に複雑な工程は必要なく、低コスト化が可能の上、物質としては炭素そのものなのでRoHS指令対応というメリットがあります。
参考文献
https://industrial.panasonic.com/jp/products/thermal-solutions/graphite-sheet-pgs/pgs
https://www.jst.go.jp/seika/bt63-64.html
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2023年5月の注目ランキングベスト5
注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | パナソニック株式会社 |
25.7%
|
2 | 東洋炭素株式会社 |
25.7%
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3 | 日本ハイビット株式会社 |
18.6%
|
4 | 星和電機株式会社 |
17.1%
|
5 | ロジセスジャパン株式会社 |
12.9%
|
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2023年5月のグラファイトシートページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
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