空気圧縮機

空気圧縮機とは

空気圧縮機

空気圧縮機とは、空気を高圧に圧縮する機械のことです。

コンプレッサとも呼ばれ、空気を吸い込んでピストンやローターなどの部品で圧力をかけて、タンクに貯めたり、ホースやパイプで送り出したりします。空気圧縮機は、工業や建設、医療などのさまざまな分野で利用されています。

それぞれの用途によって使用する圧力や空気量が変わり、圧縮空気を生成する空気圧縮機にも条件に応じて色々な種類があります。空気量や吐出圧力 (空気圧) によって、適した空気圧縮機の種類と大きさ (機器サイズ・出力) が決めらているのが一般的です。

空気圧縮機の使用用途

空気圧縮機は空気を高圧にする機械で、さまざまな用途に活用できます。

1. 土木・建設分野

ドリルやハンマー、レンチなどのエアーツールの動力源として用います。電動工具よりも軽くて小さくてパワフルで、火花や熱を発生しないので安全です。

2. 塗装分野

自動車や家具など、表面に均一に塗装するためのエアーブラシやスプレーガンにも圧縮空気が用いられます。この圧縮空気の供給源として空気圧縮機は使用されます。

3. 工業分野

圧縮空気は自動調節弁にも用いられます。この場合、DCSやPLCなどの制御機器からのデジタル調節電気信号をその出力に応じた空気圧信号に変換して、その空気圧を調節量として利用することが多いです。

4. その他

空気圧縮機から送られた高圧の空気を使って、埃やゴミを吹き飛ばして清掃する際に用いられます。電子部品や機械などの細かい部分に付着した汚れを除去できます。

また、空気圧縮機から送られた高圧の空気を使って、温度を下げたいときにも有用です。空気を急速に膨張させると、温度が低下します。この原理を利用して、食品や医薬品などの冷却に使われます。冷却用のエアーチラーが代表例です。

空気圧縮機の原理

空気圧縮機は、ボイル・シャルルの法則に基づいて動作します。ボイル・シャルルの法則とは、一定量の気体が温度が一定であれば、体積と圧力は反比例する法則です。

つまり、体積が小さくなれば圧力が大きくなります。空気圧縮機はこの法則を利用して、以下の順序で高圧の空気を作り、必要な場所に供給します。

1. 吸引

空気圧縮機は周囲の空気を吸引します。空気は吸引する際にフィルターで浄化され、異物や汚れが取り除かれます。

2. 圧縮

吸引された空気は、高速回転する圧縮機の内部で圧縮されます。これにより、空気の分子が密に詰まり、空気圧力が増加します。一般的なタイプの空気圧縮機には、ピストン型とロータリースクリュー型があります。

3. 貯蔵

圧縮された空気はタンク内に貯蔵されます。タンクは高圧空気を安定して供給できるようにするためのバッファーとして機能します。

4. 供給

貯蔵された圧縮空気は、バルブや調整器を通じて必要な場所に供給されます。エアツール、自動車のタイヤ、製造プロセス、または他のアプリケーションに使用される圧縮空気は、効率的にエネルギー源として利用されます。

空気圧縮機の種類

空気圧縮機は、圧縮方法によって以下の4つに分類されます。

1. 往復式コンプレッサ

ピストンとシリンダーで構成された空気圧縮機です。ピストンが往復運動して、シリンダー内の空気を圧縮します。レシプロ式は高圧にできますが、振動や騒音が大きく、熱を発生しやすいです。

2. 回転式コンプレッサー

ローターとハウジングで構成された空気圧縮機です。ローターが回転運動し、ハウジング内の空気を圧縮します。振動や騒音が小さく、熱を発生しにくいです。

3. 遠心式コンプレッサー

インペラ (羽根車) の遠心力により気体に速度エネルギーを与え、それを圧力に変換して気体を圧縮するコンプレッサです。大型化に適している一方で、高圧縮には適していません。

4. 軸流式コンプレッサー

翼型断面を有する翼を回転させることにより、気体を軸方向に流して圧縮するコンプレッサです。段階的に圧縮するため高圧縮にも対応可能で、大型化にも適しています。

空気圧縮機には、圧縮方法以外にも分類の仕方があります。圧縮段数 (1段、2段、多段) 、潤滑・シール方式 (給油式、ドライオイルフリー式、水潤滑式オイルフリー) 、冷却方式 (空冷、水冷) 、制御方式 (インバーター、アンロード制御、安全弁制御) 、形状 (タンクマウント型、パッケージ型) などが代表例として挙げられます。

参考文献
https://www.ihi.co.jp/compressor/technical-info/basic.html
https://www.anest-iwata.co.jp/compressor/tech/2.html 

熱風乾燥機

熱風乾燥機とは

熱風乾燥機とは、熱風を使用して物質や製品を乾燥させる装置です。

工業的なプロセスや製造業で広く使用されます。湿度を低下させることで物質や製品の水分を除去し、乾燥させることが可能です。これによって、製品の品質を向上させたり、保存性を延長したりすることができます。

例えば、食品産業では、果物や野菜、穀物、肉製品などを乾燥させるために熱風乾燥機が使用されます。乾燥時間や温度を制御することで異なる種類の物質に対応します。また、乾燥機の設計や機能は使用する産業や用途に応じたラインナップが豊富です。

熱風乾燥機の使用用途

熱風乾燥機はさまざまな産業や分野で幅広く使用されます。以下は一般的な使用用途の一部です。

1. 食品加工業

果物や野菜、穀物、乾燥肉製品、魚介類などの食品を乾燥させるために使用されます。乾燥することで、食品の保存性を向上させ、品質を維持します。また、乾燥果物やスナックフードの製造にも使用されることが多いです。

2. 製薬業

製薬産業では薬品や医薬品の製造プロセスにおいて使用されることがあります。薬品の湿気を取り除き、製品の安定性と保存性を向上させます。

3. 木材加工・陶磁器

木材の乾燥にも広く使用される場合があります。湿気を取り除くことで、木材の収縮や歪みを抑え、耐久性を向上させます。

また、陶磁器やセラミック製品の製造においても使用されることが多い機器です。湿度を低下させることで、製品の乾燥や焼成のプロセスを効率化します。

4. 化学プラント

化学プラントでは、化学物質や粉体の乾燥に熱風乾燥機が使用されます。石炭や鉱石などの粉体燃料は燃焼炉に投入して使用されますが、含水率が高いと燃料ロスに直結します。したがって、前処理として熱風乾燥機に投入して水分を除去します。

また、塗料の乾燥や化成品の合成にも熱風乾燥機が使用されます。化成品には顔料や触媒などの化学物質が該当します。

熱風乾燥機の原理

熱風乾燥機は乾燥室、加熱装置、排気装置などで構成されます。

1. 乾燥室

乾燥室は、乾燥対象物が配置される場所です。通常は箱型や筒型の構造を持ち、内部に乾燥を行う空間があります。

内壁は温度に応じて耐火煉瓦などの適切な材料で覆われており、熱や湿気の効果的な制御が行われます。

2. 加熱装置

加熱装置は、熱風を生成するために使用されます。電気ヒーターやガスバーナー、蒸気ヒーターなどが一般的な加熱源です。

加熱装置は熱風の温度制御に使用され、乾燥室内を必要十分な温度に保ちます。

3. 排気装置

排気装置は、湿気や排気ガスを外部に排出する要素です。ファンまたは送風機などで送気され、熱風を乾燥室へ送りつつ排気を外部へ排出します。

ファンには押込型と誘引型があり、通常は乾燥チャンバーの上部や側面に設置されます。

熱風乾燥機の種類

熱風乾燥機には、ワンパス型 (単通型) と循環型 (リサイクル型) の2つの主要な種類があります。

1. ワンパス型

加熱された空気が一度だけ乾燥室内を通過する熱風乾燥機です。加熱された空気が、一方向に流れて乾燥チャンバー内を通過します。通常、加熱装置から送風機までの空気の流れは一直線です。

一度の通過で乾燥チャンバー内の物質を乾燥させるため、熱効率が比較的高いです。また、乾燥チャンバー内の温度均一性は送風機の配置と乾燥チャンバーの構造に依存します。均一性を保つためには、適切な送風機の配置と風の分布制御が重要です。

ワンパス型は乾燥プロセスが比較的簡単であり、効率的な乾燥が求められる場合に適しています。

2. 循環型

乾燥チャンバー内の空気を循環させる熱風乾燥機です。加熱された空気が乾燥チャンバー内を循環し、再び加熱装置に戻ります。空気は繰り返し乾燥チャンバーを通過するため、効率的に熱を利用できます。

熱風を再利用するためワンパス型に比べて熱効率が高く、熱の損失が少なくなります。また、空気が繰り返し循環するため、温度均一性が高いです。乾燥チャンバー内の温度差が少ない点が特徴として挙げられます。

循環型は熱効率が高く、温度均一性が求められる場合や長時間の乾燥プロセスに適しています。

参考文献
https://www.nagato.co.jp/technical_doc/kansou03.htm
https://www.jstage.jst.go.jp/article/transjtmsj1965a/21/7/21_7_P449/_pdf/-char/ja
http://www.kuroda-dryer.co.jp/sikumi.html

濃度測定器

濃度測定器とは

濃度測定器のイメージ

図1. 濃度測定器のイメージ

濃度測定器とは、気体または液体中に含まれるある特定の物質の濃度を測定するための機器です。

フィルタを通して得た特定波長の光や一定刻みの波長に分けた光 (スペクトル) の吸収量や反射量を測定することで、測定対象物の濃度を得ます。測定対象物が固定の場合、対象物の吸収の高い固有の波長の光をサンプルに照射し、検出器で透過 (減衰) 量を測定することで濃度を測定します。パルスオキシメーターも、光の透過度を利用した吸光濃度計の一種です。

濃度測定器の使用用途

濃度測定器の主な使用用途は、液体や気体中にある特定の目的物質の濃度測定です。様々な産業分野において使用されています。

1. 食品・飲料分野

食品包装に用いられる酸素測定器のイメージ

図2. 食品包装に用いられる酸素測定器のイメージ

食品産業においては、酸素による酸化反応によって品質が低下する製品が多くあります。包装工程において、品質の低下を予防するため、酸素濃度を低く保つことが必要です。充填機、シール機、包装機などの設定値が正しいか、確実にガス充填がなされているかどうかなどを監視するため、酸素濃度計が用いられています。

2. 環境測定

環境監視用途では、空気中のNOX、SO2、CO、CO2、HClなどの各種ガス濃度を監視する目的で濃度測定器が用いられています。また、環境測定用途の酸素濃度計は、特にマンホール、下水道や、タンク、船舶など、酸欠の恐れがある場所での安全確認に用いられる装置です。

3. 医療用途

医療用では、血中酸素濃度の測定 (パルスオキシメーター) 、グルコース濃度測定などの用途で各種機器が用いられています。

4. 工業用途

工業用では、生産ラインにおける液体濃度の管理のために濃度計が用いられています。具体的な例では、ウエハー製造工程におけるレジスト剥離液の濃度管理や酸アルカリ系洗浄液の濃度管理、半導体製造工程におけるリサイクル薬液の濃度管理や酸化膜・窒化膜エッチング液の濃度管理などが挙げられます。

また、微量酸素分析計は、工業用ガス中のごく微量な微量酸素濃度をの測定が可能であり、半導体の製造工程やAr溶接などで用いられる装置です。その他特殊なものでは、印刷でのインクの色濃度の測定などを行う装置や、生コン用塩分濃度計などがあります。

5. 実験科学

実験科学においては、酵素反応による呈色反応を濃度測定して酵素活性値を換算する用途があります。その他では、タンパク質、核酸の濃度測定 (定量解析) などにも濃度測定器が利用されています。

濃度測定器の原理

液体濃度を測定する濃度測定器では、吸光光度法を測定原理とする製品が多いです。

1. 吸光光度法

吸光光度法では、ある波長の光を測定試料を入れる容器 (セル) に照射します。セルを透過した光を受ける受光部 (検出器) から得た電気信号を元に光の透過度 (減衰量) を検出し、物質濃度を測定することが可能です。

照射した光の強度をI0、透過光の強度をI、モル濃度をC、光路長 (厚さ) をl、モル吸光係数をεと定めたとき、-logI/I0を吸光度Aと定義すると下記のような式が成立し、吸光度Aは試料の濃度Cに比例します。この関係式から検量線を作成することで、未知の物質の濃度定量ができます。 (A = εCl)

2. 分光器

光源の白色光より特定波長を得るための方法としては色ガラスなどのフィルターを通すフィルタ式、水晶や石英を原料とするプリズムを用いて分光するプリズム式、回折格子を用いて連続的な分光を得るグレーティング式などがあります。

例えば、フィルタ式は試料と受光部の間に補色フィルタを設置し、光をレッド、グリーン、ブルーのフィルタを通して測定する方法です。

3. 光源・検出器

主に光源として用いられているものは重水素放電管、タングステン、LEDなどです。検出器には光半導体 (ホトセル) 、光電子増倍管 (ホトマル) などがあります。分光の方法や検出器の種類により測定可能な波長域が分かれるため、目的に応じて機器やセルの素材を選択することが必要です。

一方で、オキシメーターのように測定目的物質が決まっている濃度計の場合は、光源から目的物質で吸収の多い特定波長のみが照射され、検出器で得た光を電気信号に換算して濃度として表示されます。

濃度測定器の種類

酸素測定器などのガス測定装置のイメージ

図3. 酸素測定器などのガス測定装置のイメージ

濃度測定器には前述の通り様々な用途があり、気体を測定するや液体を測定するものなど、その種類は様々です。液体を測定する濃度測定器の中でも、吸光光度法の他にも、液体中でセンサー部分の振動片を振動させて生じる粘性抵抗から濃度を測定するものや、超音波と導電率を組み合わせた多成分濃度計などがあります。

また、酸素測定器にも様々な種類があります。例えば、チャンバーやグローブボックス、インキュベーター内の濃度測定を行う理化学用のものや、環境測定用のもの、生産ラインの微量酸素を検出するもの、包装内の酸素濃度を測定するものなどが挙げられます。それぞれの用途に応じて、測定範囲や測定限界が異なるため、用途に合わせたものを選択することが必要です。

その他では、水素ガス溶解液の水素濃度モニタとして使用する溶存水素計や、オゾン濃度計なども濃度測定器の一種として挙げられます。

参考文献
https://www.konicaminolta.jp/healthcare/knowledge/details/principle.html
https://www.konicaminolta.jp/instruments/knowledge/fluorescence_point/about/index.html
https://www.konicaminolta.jp/instruments/knowledge/fluorescence_point/concentration/index.html
https://www.environment.co.jp/study/stdy2.htm
https://www.hitachi-hightech.com/hhs/products/tech/ana/uv/basic/uv_course8.html
https://www.jasco.co.jp/jpn/technique/internet-seminar/uv/uv2.html

リンクケーブル

リンクケーブルとは

リンクケーブルは2台のパソコンを繋げてお互いをリンクさせることのできるケーブルです。

リンクケーブルは2台のパソコンのUSBポート同士をケーブルで接続させますので、USBポートがあれば使用することができます。

パソコンを2台使っている場合にはリンクケーブルは大変便利で、1台のパソコンに保存してあるデータをもう1台のパソコンにマウスでドラグアンドドロップするだけで移動できたりしますので、データのバックアップなどに非常に便利です。

リンクケーブルの使用用途

リンクケーブルは2台のパソコンを繋ぎたいときに使用します。

リンクケーブルで接続されたパソコンはモニターもつながりますので、マウス1台のみで2つのパソコンを使用できるようになります。つまり、カーソルを移動させると、1台のパソコンモニターからもう1台のモニターへと移動します。これはデータも同様で、1台のパソコンのファイルをドラグしてもう1台のパソコンへ移してドロップするとファイルも別のパソコンへと移動します。

リンクケーブルの原理

リンクケーブルは2台のパソコン間をケーブルでつないで通信を行いますので、キーボードとマウスはそれぞれ1台ずつしか必要なくなります。2台のパソコンが1台のパソコンのようになりますのでモニターが広くなる上に、キーボードとマウスが少なくなりますのでその分広い作業スペースが確保できます。さらにデータのやり取りも行えますので大事なデータのバックアップが簡単に出来てしまいます。

ファイルなどのデータはドラグアンドドロップだけではなくコピーアンドペーストもできます。このため、外付けのハードディスクを購入せずに使用しなくなったパソコンをデータストレージとしても使用可能となります。

リンクケーブルはパソコン同士のみではなくUSBポートが付いていればパソコンとタブレット同士でもリンク可能で、基本的にMacとWindowsの両方に対応していますので、Windows同士だけでなく、MacとWindowsのリンクも可能です。

ドライバはリンクケーブルに内臓されていますので、パソコンのUSBポートに差し込むとドライバは自動でインストールされます。

参考文献
https://www.sanwa.co.jp/seihin_joho/conversion/index.html
https://www.amazon.co.jp/%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%AF%E3%82%B5%E3%83%97%E3%83%A9%E3%82%A4-%E3%83%89%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%B0-%E3%83%89%E3%83%AD%E3%83%83%E3%83%97%E5%AF%BE%E5%BF%9CUSB3-0%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%83%96%E3%83%AB-Windows%E5%AF%BE%E5%BF%9C-KB-USB-LINK4/dp/B00MN05QJA

減衰器

減衰器とは

減衰器(Attenuator、アッテネータ)とは装置で得られた信号を適切な信号レベルに減衰させる電子回路または装置のこと。Attenuatorの略号でATTと表記することもある。信号の波形をゆがませることなく減衰させる。減衰器は電気信号だけでなく光などの物理的な量の計測の際にも使用される。

抵抗器を用いて電気的に信号を減衰させる場合と、センサーの検出部を一定サイズのカバーで多い入力を制限することで検出可能な適正信号レベルまで減衰させる物理的な減衰手法がある。

減衰器の使用用途

減衰器も用いる目的としては「レベル調整用途」「測定データの減衰用途」「インピーダンスマッチング」などが考えられる。また計測機に減衰器を意図的にかませ、検出データのシグナル/ノイズ比を向上させる目的で使用することもある。

具体的な使用例としては、オーディオでの出入力調整用途、測定用減衰器、紫外線強度計の入力エネルギー調整など。

なお減衰器に対し、逆に信号を増幅する装置は増幅器(ブースター)という。

減衰器の原理

単純にシグナルを減衰させる目的であれば適当な抵抗を入れることで目的を果たせるが、高周波回廊における減衰器はインピーダンスを保持しながら減衰することが必要。そのため複数の抵抗を組み合わせたT型減衰回路やπ型減衰回路を使用して入出力の整合性を取りながら信号を減衰させる。

スペクトラム・アナライザや測定用受信器には分析部へ入力される信号を適切なレベルに調整するための減衰器が内蔵され、検出データの飽和を防ぎ正確な結果を得られるように調整されている。また紫外線強度計の受光部(センサ)を開口部を絞ったアッテネータで覆うことで入力エネルギー量(受光紫外占領)を既定比率で減衰し、測定データのオーバーフローを防ぐ物理的なアッテネータも存在する。

また測定機器の場合、信号レベル的には減衰する必要のない(適切な信号レベルでデータが入力されている)場合にもあえて一度減衰し、シグナル中に含まれるノイズの影響を下げでることで、データ品質(シグナル/ノイズ比)の向上を行うことも可能。

減衰率が固定のものの他に、ダイヤルや外部からの調整により減衰率を変更可能な可変アッテネータと呼ばれるものもある。

参考文献
https://www.stack-elec.co.jp/?p=265
https://as76.net/ant/att.php

減容機

減容機とは減容機

減容機は、ゴミなどの体積を減らすことによって搬送しやすくするためや、保存のための体積を確保しやすくするための装置になります。

圧縮する対象を分類する機構がある装置や、圧縮したものを梱包する装置などの機能が付いている装置や、空き缶やペットボトル、発泡スチロールに特化した装置などがあります。油圧によってプレスする方法や、高トルクの歯車によって圧縮する方法、熱を加えることによって溶解させ、体積を減らす方法などがあります。

減容機の使用用途

減容機は、ゴミ処理施設や集積場、様々な製造工場における廃棄物の処理部、ゴミ収集車などで使用されます。減容機を使用する対象としては、一般的なごみやペットボトル、空き缶、発泡スチロール、段ボールなどになります。

減容機の選定の際には、減容比、減容する対象に装置が適しているかどうか、サイズ、消費電力、減容する速度などを考慮する必要があります。また、熱や分類、洗浄、梱包などの追加のオプションなども考慮する必要があります。

減容機の原理

減容機の動作原理を説明します。減容機は、輸送部と減容部で構成されています。輸送部では、ローラや押し出し機で輸送されます。製品によっては、手動やフォークリフトなどでの輸送が必要な場合があります。減容部では、油圧によるプレスか高トルクのモータに接続された歯車での圧縮力によって減容されます。

空き缶やペットボトルの減容の際には、リサイクルの意図も含まれるため、不純物の除去や洗浄なども同時に行う機構が付いている多くなります。不純物の除去の場合は、水での洗浄や送風機、または、細かい不純物の除去するためのスリットがついており、その上を減容対象が振動しながら通過するような機構があります。発泡スチロールの減容の際には、発泡スチロールは融点が低く、熱によって溶解するため、加熱部が付いている製品が多くあります。段ボールの減容の場合は、段ボールを溶解させる溶剤を混合することによって、段ボールを溶かし、圧縮し、乾燥させる機構が付いている製品もあります。 

参考文献
https://www.moriyas.co.jp/product/kankyo_setubi/ippan_gomi/index.html
https://www.webshiro.com/kankyoukiki_sc/volume-reducter.html
http://www.tatsumi-air.co.jp/prd/lGenyo.html
https://www.fjtex.co.jp/kankyo/select/s1296/

深絞り包装機

深絞り包装機とは

深絞り包装機とは、食品や医療品などを衛生的に保存できる真空包装を行うための装置のことです。

プラスチックのシートを包装対象に合わせて成形し、対象物を置いた後、上からシートをかぶせます。内部を真空状態にし、熱処理によってシートを接合することで、密封された状態での包装が可能です。

包装方法の特徴は、内部が真空になっているため、菌の繁殖を抑制し、商品の衛生的な保存ができる点です。消費者に安心して商品を提供できます。また、プラスチックシートを使うことで、包装対象にフィットするため、見栄えも良くなります。

深絞り包装機は、食品業界や医療品業界で幅広く活用されており、品質管理や衛生面での信頼性が高い装置です。

深絞り包装機の使用用途

深絞り包装機の使用用途は、食品工場や医療機器製造工場で多岐にわたります。

1. 食品工場

食品工場では、ハムやソーセージ、生の魚介類など、保存性が低い食品や空気に触れると味が劣化する食品の包装に活用されています。そのため、食品の鮮度や品質を維持し、消費者に安心して提供することが可能です。

2. 医療機器製造工場

医療機器製造工場では、衛生的な輸送が求められる医療用機器の包装に使用されます。工場内のクリーンな環境で包装された機器は、医療現場まで衛生的に輸送されることが保証されます。

 

深絞り包装機を選定する際には、いくつかの要素を考慮する必要があります。具体的には、包装の精度とスピードが挙げられます。高精度で迅速な包装ができる機器を選ぶことで、生産効率が向上します。

また、装置の機能の柔軟性も重要で、さまざまな形状やサイズの商品に対応できる機器が望ましいです。メンテナンス性を考慮すると、維持管理が楽になります。

深絞り包装機の原理

深絞り包装機は、土台のプラスチックシート供給部、成形部、包装対象挿入部、シート供給部、真空熱処理部、切断部で構成されており、これらの連携によって効率的な真空包装が実現可能です。

まず、ローラー状に巻取られた土台のプラスチックシートが供給部から送り出されます。次に、成形部で包装対象に適した形状にシートが成形され、その後包装対象が挿入部で成形後のシート上に配置され、真空熱処理部へと進みます。

真空熱処理部では、上側からプラスチックシートが供給され、包装対象に被せて内部の空気を抜きながら、熱を用いてシートの四隅を接着させ、密封することが可能です。接着包装後のシートは、切断部で適切な大きさに切り分けられます。

切断部と真空熱処理部の間には、プラスチックシートの巻取り部があり、最適なタイミングで巻取りが行われることで、包装ラインのスムーズな移動できます。また、真空熱処理部の後には、賞味期限や製造年月日などを印字するための装置が設置されている場合も多いです。

深絞り包装機のその他情報

深絞り包装機のメリット

食品の鮮度を保てる
深絞り包装は真空包装が可能なため、製品中の酸素を遮断することで食品の鮮度を通常より長期的に保持することが可能です。食品は空気に触れることで酸化が進み劣化します。

美味しさは損なわれ、異臭や変色を招きます。また、酸素の存在下ではカビや菌が繁殖しやすく、食中毒の原因になるので注意が必要です。賞味期限を長く保つためには、保存温度とともに酸素の遮断が重要な役割を果たします。

食材に調味液が浸透しやすい
食材と調味料を真空包装し加熱する真空調理は、低温かつ短時間で均一に調味液を内部まで浸透させることが可能です。空気は熱伝導率が悪いため、製品中に空気が含まれていると食材に熱が伝わりにくく、結果的に高温加熱によるパサつきや煮崩れを引き起こします。

真空状態にすることで熱が伝わりやすくなる上に食材組織の浸透圧が高まり、少量の調味液でも味が染み込みやわらかくジューシーに仕上げることが可能です。

製造現場でライン化しやすい
深絞り包装機は食品工場や医療品工場などにおいて製造ラインに組み込みやすく、人手を減らしコストの削減が可能です。チャンバー式などの真空包装機の場合は、袋詰め・真空包装・運搬といった工程が発生します。

一方、深絞り包装機は金型に合わせてフィルムが成形されます。さらに、包装後の製品は自動で排出されるため、基本的には型への製品投入以外の工程を無人化することが可能です。

2. 深絞り包装に適したフィルム

フィルムは、ボトム材 (底材) とトップ材 (フタ材) の2種類です。

ボトム材
金型に合わせて成形されるため、柔軟性やヒートシール性に優れた無延伸フィルムが適しています。

トップ材
ハリと耐久性に優れ印刷にも適した延伸フィルム、あるいはボトム材と同様に無延伸フィルムが使用されます。

 

製造過程において、フィルムが縦や横方向に引き伸ばされてできたものが延伸フィルムです。延伸フィルムと無延伸フィルムでは分子の配列が変化するため、柔軟性や耐久性、透明性といったフィルムとしての特性が大きく異なります。

参考文献
https://www.tokyofoods.co.jp/products/food/deepdrawing/tabid/74/Default.aspx
https://www.mechanize-wp.com/
https://www.nasco-japan.com/show_case/post.html
https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2030253824.pdf
https://www.jstage.jst.go.jp/article/ajscs/19/0/19_0_101/_article/-char/ja/
https://www.kurilon.co.jp/usefulguide/detail/?id=16
https://www.m-chemical.co.jp/products/departments/mcc/food-packaging/product/1200453_7250.html
http://www.pp-film.jp/knowledge.html

液体ディスペンサ

液体ディスペンサとは

液体ディスペンサとは、タンク内の液体を一定量ごとに吐き出す装置のことです。

基盤の加工や洗濯機、消毒液の自動噴射システムなどさまざまな用途があります。吐出方法はいくつかのタイプが存在し、それぞれ特徴が異なります。

エアシリンジ式は、シリンジに入った液体をコンプレッサからの空気圧で押し出す方式です。容積式はモータを使用して液体の容積を変化させ、その変化により液体を吐出します。チューブ式は、液体が入っているチューブに圧力をかけることで液体を吐き出します。

なお、それぞれの方式は、用途や液体の性質によって選択することが重要です。

液体ディスペンサの使用用途

液体ディスペンサの使用用途は、半導体やディスプレイ、自動車、電池の製造工程、トイレや洗濯機、自動消毒液噴射装置まで非常に広範囲です。半導体、ディスプレイ、電池の製造では、液体材料の供給が重要な役割を果たします。

自動車の製造では、塗料や防腐剤の供給が必要です。また、トイレや洗濯機では、洗剤や消毒液の供給が求められます。

液体ディスペンサの選定する際は、供給する液体に対応しているかどうかを確認することが大切です。さらに、吐出する量の精度や吐出する量の大きさも考慮に入れるべきと言えます。

液体ディスペンサの原理

液体ディスペンサの動作原理は、エアシリンジ式、容積式、チューブ式で異なります。

1.  エアシリンジ式

エアシリンジ式は、吐出対象の液体が入るシリンジ、コンプレッサ、開放弁、制御盤などで構成されています。動作時は、コンプレッサによって高められた圧力を開放弁で開放することによって、シリンジを圧力で押し、シリンジ内の液体を吐出し、吐出する量が入力値に達するときに、制御盤により弁が閉じられ、吐出が停止します。

2. 容積式

容積式は、吐出対象が入っている容器と、その中にある容積式のポンプで構成されています。動作時は、モータの回転によって、容積式のポンプが動作し、流体を押し出すことで、吐出されます。

3. チューブ式

チューブ式は、吐出する液体が入っているチューブ、コンプレッサなど圧力を加えられる装置で構成されています。動作時は、圧力をチューブに加えることで、チューブから液体が吐出します。 

液体ディスペンサのその他の情報

液体ディスペンサと併用する機械

液体ディスペンサは、製造業や研究開発、医療など多岐にわたる分野で利用される機械です。これらのディスペンサは、精密に液体を計量・分配するために重要な役割を果たします。

しかし、単体で使用するよりも、自動充填機、ミキサー・アジテーター、ロボットアームなどの機械と併用することで、より効率的で正確な作業が可能です。

1. 自動充填機
自動充填機は、液体ディスペンサと併用すると効率が格段に向上します。製品の容器に、一定量の液体を自動で充填するのが目的です。

自動充填機は液体ディスペンサから正確な量の液体を受け取り、製品の容器に充填します。これによって、作業者が手作業で行うよりも高速かつ正確に液体を充填できるため、生産性の向上につながります。

2. ミキサー・アジテーター
液体の混合や攪拌を行うために利用されます。液体ディスペンサで計量された複数の液体を、ミキサー・アジテーターによって均一に混合することで、一貫した品質の製品が得ることが可能です。

また、ミキサー・アジテーターは、温度や粘度が異なる液体を効率的に混合するためにも使用されます。

3. ロボットアーム
ロボットアームは、液体ディスペンサからの液体供給を受け取り、目的の場所に正確に移動させられます。作業者が手作業で行うよりも迅速かつ精密に液体を移動させることが可能です。

また、ロボットアームはプログラムによって制御されるため、繰り返し作業の正確性が向上します。結果として、製品の品質が一貫して維持されるだけでなく、生産性も向上します。

参考文献
https://www.keyence.co.jp/ss/products/measure/sealing/coater-type/dispenser.jsp
https://www.musashi-engineering.co.jp/faq/faq001.html

浸透槽

浸透槽とは

浸透槽

浸透槽とは、雨水を浸透処理することで一時的に貯めたり、流出抑制を行うための設備です。

プラスチック製ブロック材などを地下に埋設することが一般的な方法です。土地への建設制限も特にありません。浸透槽の設置により、大雨のときなどにも雨水が地表にあふれることがなくなり、水害対策になります。また、大量の雨水が下水管に流れ込むことがなくなるため、下水管の負担が減り、設備の延命化にもつながります。

都市計画の一環や近年増加する台風やゲリラ豪雨への対策として、浸透槽の整備は治水対策の観点で国や自治体で進められている施策です。

浸透槽の使用用途

浸透槽は主に下記のような場所で設置が進んでいます。

  • 公共施設 (消防署、市役所など)
  • 公園・スポーツ施設
  • 工場・物流施設
  • 商業施設
  • 宅地 (集合住宅など)
  • 教育施設 (学校、保育園など)
  • 病院、介護・福祉施設

学校の校庭や保育園の園庭、公園などの地下に浸透槽を導入すると、水はけが良くなり利用しやすくなります。各種施設では駐車場などの地下に利用されることが多いですが、雨水を貯留浸透処理することにより敷地内の水循環の改善を効果的に行うことが可能です。

また、近年増加する異常気象による大雨への対策として、国土交通省、NEXCO、地方自治体、都市再生機構など公的機関での採用も進んでいます。ゲリラ豪雨は都市部のビル乱立や流域の都市化、異常気象などが原因とされており、また、台風による大規模な水害も多発しています。浸透槽の設置はこれらに対する効果的な対策の1つです。

浸透槽の原理

浸透槽は大きな槽に雨水を溜め込み、調節しながら徐々に水を放出していきます。槽の形状により種類が分けられます。

1. オープン式

オープン式とは、大きな空の槽を設置する方法です。完全に地下に埋めるのではなく、槽の一部が地上に現れている状態になっています。オープン式の浸透槽は一般的にコンクリート製です。

オープン式は水の貯蔵量が目で見えるため、メンテナンスが容易であり、従来一般的に使用されていました。しかし、槽への不法投棄や水質汚濁による悪臭発生や、転落の恐れがある危険性から現在では地下式のほうが主流となっています。

2. 地下式

地下式の浸透槽とは、穴の開いたブロックを地下に設置する方法です。ブロック内の穴に一時的に水が溜め込まれます。一般的には槽の材料はプラスチックが用いられ、小さな単位のブロックをずらして組み上げる仕組みです。ブロック間に高い空隙 (95%程度) を確保しながら堅牢かつ頑強な構造体を構成することが可能です。1つのブロックは約3kg程度と軽く、人力で施工することができます。大型重機や特殊車両などは不溶です。

完全に地下に埋めて使用するため、悪臭や転落の危険性はありません。コンクリート工法で必要な養生期間が不要となり、工期の圧縮や施工コストの削減が期待できます。また土地も有効的に利用することができます。 強度が高いことから、通常、車両総重量25tまでの車両乗り入れが可能です。上部スペースは、公園、校庭、駐車場などに活用されることが一般的です。

浸透槽の種類

上述の通り浸透槽は、現在プラスチック製の地下埋設式の浸透槽が一般的です。様々なメーカーから販売されており、複数種類の製品があります。

プラスチック製の浸透槽製品の中には、再生材料を材料に用いることで環境に配慮したものや、レベル2地振動の耐震性を備えた製品などがあります。製品によって、積み上げられる最大の段数や最大土被り、最大埋設深度などの適用範囲が異なります。空隙率は概ね92%〜95%です。用途や土地条件などにあわせて適切なものを選択することが必要です。

参考文献
https://sekisui-cw.co.jp/features/index.html
https://www.takiron-ci.co.jp/product/product_03/aquabrick/
http://www.tokyo-sougou-chisui.jp/mokuteki/index04.html
https://www.ryuikiken.org/pub/rc/rc0201/rc0201_023.pdf
https://www.hokukon.co.jp/business/rain/ra05.html

流速計

流速計とは

流速計

流速計とは、河川を流れる水や、ダクトから廃棄される空気などの流速を知るための計測器です。

流速計には、羽根車の回転速度を用いる測定や超音波のドップラー効果を用いる測定など、幅広い種類の測定原理による製品が開発されています。流速計と類似した用語に流量計があります。流速と流量は定義が異なりますが、互いに関係性があり、全くの別物ではありません。

流速計と流量計は、同じ類の計測器として扱われるのが一般的です。

流速計の使用用途

流速計は、河川やダムなどの調査や工業製品の生産工場など幅広い範囲で使用されます。例えば、河川の流速の調査、排気ガスの速度調査、樹脂製品の射出整形において、材料の流入速度の制御、化学溶液の流入速度の制御などです。

流速計の選定の際には、対応している計測の流速の範囲、耐久性、メンテナンス性、非接触か接触型かを考慮する必要があります。通信機などを組み込まれている流量計も多く、遠距離からモニタリングが可能になるため、作業の効率化が可能です。

流速計の原理

流速計の測定原理を、羽根車を用いる電気式の流速計、超音波を使用する流速計に分けて説明します。流速計は、測定部と測定部から出された電気信号などを情報処理する装置、通信機器などで構成されているのが一般的です。

1. 電気式

電気式の流速計は、羽根車の回転数を計測することによって、流速を測定する方式です。羽根車に磁石などを取り付け、その磁石が回転することによる磁界の変化量を電気信号として変換し、情報処理部へパルス信号として送信します。

羽根車は、測定対象の流体が流れる方向に必ず向いてなければなりません。そのために重しなどを取り付けることによって、流体の方向に羽根車が向くように調整されています。

2. 超音波式

超音波式は、流体に向けて超音波を発信し、その超音波が水面で跳ね返ってくる時の位相のずれを情報処理部へ送信し、位相のずれから流速を測定します。非接触で離れた位置から測定することができるため、流体の流れを阻害せずに、安全に測定することができることが特徴です。

流速計の種類

原理の項目で紹介した電気式、超音波式以外にも、流速計には以下のような種類があります。

1. 差圧式

差圧式は流体の経路の中にオリフィスと呼ばれる経路を細く絞った部分を設け、オリフィスの前後の圧力差から流速を求める方式です。圧力差が大きければ流速は速く、圧力差が小さければ流量は遅いことを示します。気体、液体、蒸気の測定に使え、安価で可動部分がなくメンテナンスなども容易です。

2. 電磁式

電磁式流量計は、ファラデーの電磁誘導の法則を利用しています。導電性流体が流れている空間に流れと90度の角度で磁界を発生させると、流速に応じた起電力が生まれます。導電性流体のみに適用できる測定法ですが、液体の温度や圧力、密度や粘度の影響を受けない測定が可能です。

3. コリオリ式

コリオリ式は、回転座標系の運動物体にはたらく見かけの力であるコリオリの力を利用した流速計です。2つに別れたU字形のパイプに流体を流すと、入り口と出口で逆向きにコリオリの力が作用し、パイプがねじられます。

流体の流速が速いほどコリオリの力は大きく、パイプの変形も大きくなることから、流速を求める流速計です。

4. 熱式

熱式は流体が流れる際に、熱源から熱を奪って温まる現象を利用しています。流体経路の2点の温度差や、ヒーターを設置し、ヒーターの上流と下流の温度差が同じになるように制御する際の消費電力から流速を算出する方法があります。

5. カルマン渦式

カルマン渦式は、カルマン渦の数を検出することから流速を求める方式です。カルマン渦とは、流体中にある柱状の障害物の下流側に発生する渦で、カルマン渦式流速計では、圧電素子で渦の振動を検出したり、超音波で検出したりするものもあります。

参考文献
http://www.dentan.co.jp/technology/denji_ryusoku.html
https://www.keyence.co.jp/ss/products/process/flowmeter/type/