減衰器

減衰器とは

減衰器(Attenuator、アッテネータ)とは装置で得られた信号を適切な信号レベルに減衰させる電子回路または装置のこと。Attenuatorの略号でATTと表記することもある。信号の波形をゆがませることなく減衰させる。減衰器は電気信号だけでなく光などの物理的な量の計測の際にも使用される。

抵抗器を用いて電気的に信号を減衰させる場合と、センサーの検出部を一定サイズのカバーで多い入力を制限することで検出可能な適正信号レベルまで減衰させる物理的な減衰手法がある。

減衰器の使用用途

減衰器も用いる目的としては「レベル調整用途」「測定データの減衰用途」「インピーダンスマッチング」などが考えられる。また計測機に減衰器を意図的にかませ、検出データのシグナル/ノイズ比を向上させる目的で使用することもある。

具体的な使用例としては、オーディオでの出入力調整用途、測定用減衰器、紫外線強度計の入力エネルギー調整など。

なお減衰器に対し、逆に信号を増幅する装置は増幅器(ブースター)という。

減衰器の原理

単純にシグナルを減衰させる目的であれば適当な抵抗を入れることで目的を果たせるが、高周波回廊における減衰器はインピーダンスを保持しながら減衰することが必要。そのため複数の抵抗を組み合わせたT型減衰回路やπ型減衰回路を使用して入出力の整合性を取りながら信号を減衰させる。

スペクトラム・アナライザや測定用受信器には分析部へ入力される信号を適切なレベルに調整するための減衰器が内蔵され、検出データの飽和を防ぎ正確な結果を得られるように調整されている。また紫外線強度計の受光部(センサ)を開口部を絞ったアッテネータで覆うことで入力エネルギー量(受光紫外占領)を既定比率で減衰し、測定データのオーバーフローを防ぐ物理的なアッテネータも存在する。

また測定機器の場合、信号レベル的には減衰する必要のない(適切な信号レベルでデータが入力されている)場合にもあえて一度減衰し、シグナル中に含まれるノイズの影響を下げでることで、データ品質(シグナル/ノイズ比)の向上を行うことも可能。

減衰率が固定のものの他に、ダイヤルや外部からの調整により減衰率を変更可能な可変アッテネータと呼ばれるものもある。

参考文献
https://www.stack-elec.co.jp/?p=265
https://as76.net/ant/att.php

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です