液体ディスペンサとは
液体ディスペンサとは、タンク内の液体を一定量ごとに吐き出す装置のことです。
基盤の加工や洗濯機、消毒液の自動噴射システムなどさまざまな用途があります。吐出方法はいくつかのタイプが存在し、それぞれ特徴が異なります。
エアシリンジ式は、シリンジに入った液体をコンプレッサからの空気圧で押し出す方式です。容積式はモータを使用して液体の容積を変化させ、その変化により液体を吐出します。チューブ式は、液体が入っているチューブに圧力をかけることで液体を吐き出します。
なお、それぞれの方式は、用途や液体の性質によって選択することが重要です。
液体ディスペンサの使用用途
液体ディスペンサの使用用途は、半導体やディスプレイ、自動車、電池の製造工程、トイレや洗濯機、自動消毒液噴射装置まで非常に広範囲です。半導体、ディスプレイ、電池の製造では、液体材料の供給が重要な役割を果たします。
自動車の製造では、塗料や防腐剤の供給が必要です。また、トイレや洗濯機では、洗剤や消毒液の供給が求められます。
液体ディスペンサの選定する際は、供給する液体に対応しているかどうかを確認することが大切です。さらに、吐出する量の精度や吐出する量の大きさも考慮に入れるべきと言えます。
液体ディスペンサの原理
液体ディスペンサの動作原理は、エアシリンジ式、容積式、チューブ式で異なります。
1. エアシリンジ式
エアシリンジ式は、吐出対象の液体が入るシリンジ、コンプレッサ、開放弁、制御盤などで構成されています。動作時は、コンプレッサによって高められた圧力を開放弁で開放することによって、シリンジを圧力で押し、シリンジ内の液体を吐出し、吐出する量が入力値に達するときに、制御盤により弁が閉じられ、吐出が停止します。
2. 容積式
容積式は、吐出対象が入っている容器と、その中にある容積式のポンプで構成されています。動作時は、モータの回転によって、容積式のポンプが動作し、流体を押し出すことで、吐出されます。
3. チューブ式
チューブ式は、吐出する液体が入っているチューブ、コンプレッサなど圧力を加えられる装置で構成されています。動作時は、圧力をチューブに加えることで、チューブから液体が吐出します。
液体ディスペンサのその他の情報
液体ディスペンサと併用する機械
液体ディスペンサは、製造業や研究開発、医療など多岐にわたる分野で利用される機械です。これらのディスペンサは、精密に液体を計量・分配するために重要な役割を果たします。
しかし、単体で使用するよりも、自動充填機、ミキサー・アジテーター、ロボットアームなどの機械と併用することで、より効率的で正確な作業が可能です。
1. 自動充填機
自動充填機は、液体ディスペンサと併用すると効率が格段に向上します。製品の容器に、一定量の液体を自動で充填するのが目的です。
自動充填機は液体ディスペンサから正確な量の液体を受け取り、製品の容器に充填します。これによって、作業者が手作業で行うよりも高速かつ正確に液体を充填できるため、生産性の向上につながります。
2. ミキサー・アジテーター
液体の混合や攪拌を行うために利用されます。液体ディスペンサで計量された複数の液体を、ミキサー・アジテーターによって均一に混合することで、一貫した品質の製品が得ることが可能です。
また、ミキサー・アジテーターは、温度や粘度が異なる液体を効率的に混合するためにも使用されます。
3. ロボットアーム
ロボットアームは、液体ディスペンサからの液体供給を受け取り、目的の場所に正確に移動させられます。作業者が手作業で行うよりも迅速かつ精密に液体を移動させることが可能です。
また、ロボットアームはプログラムによって制御されるため、繰り返し作業の正確性が向上します。結果として、製品の品質が一貫して維持されるだけでなく、生産性も向上します。
参考文献
https://www.keyence.co.jp/ss/products/measure/sealing/coater-type/dispenser.jsp
https://www.musashi-engineering.co.jp/faq/faq001.html