熱衝撃試験機

熱衝撃試験機とは

熱衝撃試験機とは、温度の変化が製品などに及ぼす影響を評価する装置です。

熱衝撃試験では、急激な温度変化を加えることで製品や電子部品、素材などが温度変化に対する耐性をどの程度有しているかを評価します。熱衝撃試験機は高温⇔低温環境にて曝露を繰り返す機能が備わっており、任意のサイクルを繰り返すことでこのような熱衝撃試験を行うことが可能です。

ヒートショック試験装置、サーマルショック試験機などと呼ばれる場合もあります。 

熱衝撃試験機の使用用途

熱衝撃試験機は、電子部品のように製品に高い信頼性を要求される製品や自動車のように予め使用時における周囲の温度変化が予想される製品などを評価するための用途で使用されます。具体的な製品例は以下の通りです。

  • 各種半導体製品 (次世代パワー半導体・フラッシュメモリ・プリント基板・実装基板・積層回路など)
  • リチウム二次電池、リチウムキャパシタ
  • ソーラーパネル、太陽電池モジュール
  • 車載ディスプレイ
  • ケーブル・ハーネス類
  • ラジエーター
  • アクチュエーター
  • ECU
  • インバーター
  • DCDCコンバーター
  • モーター・大型モーター

熱衝撃試験で行う評価は以下の通りです。

  • はんだ付けによる接合評価 (クラックやひび割れなどによる不良発生)
  • プリント基板・実装基板・積層回路の信頼性評価
  • 基板の寿命を予測するための加速試験
  • 材料変更に伴う信頼性評価
  • 異種材料の溶接部の耐久性評価・膨張や収縮率の違いによる状態変化の確認
  • 樹脂製品の熱変形 (ゆがみやひび割れ) に対する耐久性評価
  • 温度変化に伴う結露の評価
  • 市場流通後に発生する不具合の再現試験

熱衝撃試験機の原理

熱衝撃試験機は、テストエリア (試験槽) 内の温度環境に合わせた媒質 (気体や液体) を使うことで低温環境や高温環境を作り出します。設定された温度環境にするには、媒質の温度や量、速度、方向などで調節が必要です。

媒質によりテストエリア内の温度環境を変えることで、試験体の移動が不要になるため、振動や接触による評価結果への影響を抑えられます。従って、温度環境のみが影響する正確な信頼性評価を実施することが可能です。

設定可能な温度の範囲は、一般的に約-80℃から+300℃までと幅があります。目的に応じた温度環境を想定して試験を実施することができます。

熱衝撃試験機の種類

熱衝撃試験機の媒質は、気体と液体の2種類です。中には温度変化だけでなく、結露を同時に評価することが可能な装置もあります。

また、装置によって槽内寸法や耐荷重、最低温度・最高温度、温度変化速度などは異なります。特に、最高温度は、150℃、200℃、300℃など、製品によって大きく異なる仕様です。槽内容量は大型のものでは600Lにも達します。評価したい温度域、製品の大きさ、評価時間などに合わせて適切なものを選択することが大切です。

1. 気槽式

気槽式熱衝撃試験は、試験体を交互に高温風と低温風に晒すことで温度差を作り出す試験の方法です。試験体の格納されている試験槽に隣接して冷温槽と高温槽がある構造が一般的です。気槽式の製品の中には、試料移動型の製品も存在します。

低温風と高温風を交互に試験槽に送り込み、温度の変化を作り出します。風を交互に送り込むという仕組みのため、液槽式に比べると温度の変化が穏やかであることが特徴です。また、通電させ状態で試験を実施できます。

2. 液槽式

液槽式熱衝撃試験は、試験体を高温の液体と低温の液体に交互に浸す試験方法です。液槽式の試験機は、試験体自体を高温槽と低温槽を移動させることで製品に温度の変化を加える仕組みです。高温と低温の移動は10秒以内に完了するなど、移動による影響は極力排除されるように配慮されています。

冷媒には低温でも凍結せず、高温でも沸騰せず、尚且つ電気的に絶縁性のある液体 (ガルデンなど) が用いられます。あらかじめ目的の温度に設定した液体に浸けるため、気槽式よりも急激に温度の変化が起こります。気槽式の装置よりも、試験時間を短くすることが可能です。一方、実際の使用環境では起こり得ない故障が起こる可能性もある点に注意が必要です。

3. 結露サイクル試験

試験機に高温恒湿器が搭載されていて装置内の湿度制御が可能な場合は、温度変化だけでなく結露によって起こりうる腐食や誤作動の可能性についても合わせて評価することが可能です。車載電装品などの試験に特に使用されます。

熱衝撃試験機のその他情報

1. 熱衝撃試験の原理

熱衝撃試験の対象となる試験体に用いられた様々な材料は、温度変化により膨張や収縮が起こります。異なる材料が接する部分では線熱膨張係数 (CTE: 温度変化と体積変化の関係を表す) の差から力が加わります。この力が応力です。

高温と低温からなる温度差のサイクルが繰り返されると、材料の様々な部分で応力が発生、蓄積、疲労していくことで、ヒビや塗膜の剥離、ネジの緩み、破壊現象へとつながります。この現象を試験することで、試験体が温度変化に対してどれくらいの耐性や強度を持っているのか信頼性を評価する環境試験が熱衝撃試験です。

2. 熱衝撃試験機を使用する際の注意点

温度サイクルの範囲と繰り返す回数によりますが、信頼性評価は数ヶ月にわたる場合がほとんどです。特に加速試験を行う際は、試験途中で熱衝撃試験機が止まってしまうと評価そのものに大きく影響します。

そのため、あらかじめバッテリーなどの非常電源設備を検討しておくことが重要です。落雷や地震などの自然現象による停電で電気が止まってしまうと、装置の評価は止まってしまいます。何ヶ月も費やした試験が途中で止まってしまい、また1から始めることがないように、安定した非常電源と組み合わせて使用するのが望ましいです。

疲労試験機

疲労試験機とは

疲労試験機とは、金属などよりなる部品や製品などに繰り返し荷重がかかると生じる披露の度合いを検証する装置です。

例えば、金属片などに一度荷重がかかっても変化は起きませんが、何度も荷重がかかると金属片には小さな亀裂が生じます。これが貯まると脆弱となり、最後は破壊されます。この脆弱になっている現象を疲労といい、破壊が起きる限界を疲労限界といいます。

破壊は、製品が想定している許容応力以下でも所定の動作を繰り返せば起こる現象です。製品の故障原因の大きな理由の1つになるため、多くの設計段階で検査される重要な項目です。

疲労試験機の使用用途

疲労試験機は、振動や回転、繰り返しの荷重などが作用する製品を中心に、その製品に使用される部品、その部品などの材料に至るまで、様々な製品の検査や設計の段階で使用されます。疲労試験機の選定の際には、製品に生じる可能性がある疲労を検討し、その疲労に適した試験がおこなえる装置を選定する必要があります。また、疲労試験機は、高価で大型の製品が多いため、疲労試験を外部に受注する方法も有用です。

疲労試験機の原理

疲労試験機には、各種疲労要素を検証する試験方法に応じて複数の種類があります。各種疲労試験方法と試験機の原理を説明します。なお、疲労試験の種類は、引張や曲げ、衝撃、ねじり、回転、電気などです。

ここでは、代表的な「引張・圧縮疲労試験」「曲げ疲労試験」「ねじり疲労試験」を解説します。

1. 引張・圧縮疲労試験

引張・圧縮疲労試験は、試験対象の金属材料や部品、製品に対しておこなわれます。引張疲労試験は、試験対象の2点を固定して、一定の周期で引張力を与え続けて検証する試験です。

一方、圧縮疲労試験の場合は、二面から圧縮力を周期的に与え続けることで試験します。なお、与える引張力や圧縮力の大きさや周期によって、試験時間を調整できます。

2. 曲げ疲労試験

曲げ疲労試験には、「平面曲げ疲労試験」と「回転曲げ疲労試験」があります。平面曲げ疲労試験は、金属材料の他、プラスチック材料にも実施される試験です。試験は、試験対象の2点を固定し、曲げ力を繰り返し作用して行います。

コンプレッサのベーンなど、繰り返し曲げ力が作用する製品に対して使用されます。回転曲げ疲労試験は、丸棒状の試験片を回転させながら、そこに曲げの負荷をかける試験です。特に、モーターで回転駆動する自動車の部品などで実施されます。

3. ねじり疲労試験

ねじり疲労試験は、試験対象の2点を固定し、その2点を繰り返しねじることで生じる疲労を検査する試験です。エンジンやタービン、モーターなど、またはこれらの回転トルクを伝達するシャフトなどに対して行います。

 

なお、これらの試験は温度や環境条件に結果が左右されることがあるため、恒温槽や環境槽と組み合わせた試験も行われています。また、機械的疲労試験とは別に「熱疲労」と呼ばれる熱による疲労を測定するため、「加熱・冷却」を繰り返して温度サイクルを付加しつつ測定する試験装置もあります。

疲労試験機のその他情報

疲労試験の動力源

疲労試験機を動力源で分けると、モーターを動作源とする機械タイプ、振動源を基にする振動機タイプ、油圧で動作する油圧タイプの3種類です。

1. 機械タイプ
機械タイプは、機構で往復動作や回転動作を作り連続運動を行います。試験用途に合わせた装置を作りやすい、既定の試験仕様に合わせた市販機が多数販売されているのがメリットです。

また、回転動作や回転、直動を組み合わせた複合動作など、いろいろな種類の試験機を製作でき、広い範囲で利用できます。

2. 振動機タイプ
振動機タイプは、電磁コイルなどを用いた振動する動作源を持つ試験機です。振幅は大きくとれませんが、動作周波数を高く設定できるのがメリットです。そのため、必要な繰り返し動作回数を速く達成でき、試験時間を短縮できます。

3. 油圧タイプ
油圧タイプは油圧源と油圧シリンダで動作し、高荷重の負荷を印加可能なのが特徴です。また、油圧サーボと呼ばれる高周波の振動を印加する機能を持つものもあります。

参考文献
https://www.an.shimadzu.co.jp/test/products/mtrl02/index.htm
https://www.jfe-tec.co.jp/tech-consul/fatigue01.html

分散機

分散機とは

分散機とは、目的の物質を液体や気体中に分散させるための装置のことです。

液中分散機と気中分散機の2種類に分けられます。液中分散機は、速度の変動やビーズ・撹拌翼への衝突、超音波を利用して分散を実現します。具体的には、高速回転せん断型の撹拌機、コロイドミル、超音波分散機、媒体撹拌ミルなどです。

一方、気中分散機は目的物質の凝集体を粉砕し、気体中に分散させる装置です。代表的なものとしてエジェクター型分散機、ベンチュリ型分散機、オリフィスなどが挙げられます。分散機は、化学や食品、医薬品、環境分野など幅広い産業において活躍しています。

分散機の使用用途

分散機は、インクや塗料、化学品、電子材料、食品などの分野で使用されています。特にインクや塗料の製造では、分散機の活用が欠かせません。

主原料である顔料が乾燥して凝集していることがほとんどであり、製造過程で溶媒に分散させる必要があるからです。粒子のサイズや粒径の分布、粒子形状は顔料の性能に大きく関わるため、分散機による分散工程が重要です。

また、化学品や電子材料の製造でも、分散機は品質や性能の向上に寄与しています。粒子が均一に分散されることで、化学反応の効率が向上したり、電子材料の性能が安定させたりすることが期待されます。

食品分野でも、分散機はマヨネーズやソースなどの製造に利用され、油と水を効率的に混合させ、安定したエマルション状態を保つことが可能です。

分散機の原理

分散機は物質を分散させる装置で、分散したい物質の性状や溶媒、要求される分散の程度に応じて適切な分散機を選択することが重要です。分散機の原理は、基本的にせん断作用および衝撃・衝突作用を利用しています。

高速回転せん断型の撹拌機やコロイドミル、ロールミルでは、回転体と外筒との間隙で強力なせん断応力を生じさせ、粒子の凝集体や粒子自体を微細化し、分散させています。せん断応力を大きくする方法として、せん断速度を上げる、溶媒の粘性を上げるなどが有効です。

一方、攪拌槽や容器駆動型ミル、媒体攪拌ミルでは、衝撃・衝突作用が主に利用されます。撹拌翼やボール、ビーズなどの媒体と衝突する際に、衝撃によって粒子の凝集体や粒子自体が砕かれます。衝撃を大きくするためには、撹拌や媒体の速度を上げる方法が挙げられます。

分散機のその他情報

分散機と併用される機械

分散機は主に均質化機、濾過機、乾燥機と併用されます。分散機と併用することで、さまざまな製品の製造プロセスにおいて効率的で高品質な結果を生み出すことが可能です。

適切な機械の組み合わせにより、製品の品質や性能を向上させ、市場での競争力を高められます。

1. 均質化機
分散機と共に用いられる均質化機は、物質をより一層細かく均一にするための機械です。分散機で粒子を微細化した後、均質化機を用いることでさらに細かいエマルションやサスペンションを作成できます。

製品の安定性や品質が向上し、特に食品や化粧品、医薬品の製造において重要な役割を果たしています。

2. 濾過機
分散機で粒子を分散させた後、不要な固形物や粗大な粒子を取り除くために、濾過機が使用されます。濾過機は、ろ過材を通して液体を濾過させることで、粗大な粒子を分離し、目的物質をクリアな状態にします。

3. 乾燥機
分散機で作成された液体状の製品を固形化させるために、乾燥機が利用されます。乾燥機は、製品に熱風を当てたり、真空状態にして水分を蒸発させたりすることで、製品を乾燥させます。

乾燥させた製品は保存性が向上し、取り扱いや運搬が容易になる点が特徴です。乾燥機は、化学品、食品、医薬品などの製造において幅広く活用されています。

4. 分光光度計
分光光度計は、分散機と併用されることがあります。分散機を使用して物質を分散させた後、その分散粒子のサイズや分布が製品の品質に大きな影響を与えるため、分光光度計で定量的に評価します。

適切な粒子サイズや分布を保つことで、製品の一貫性と品質を確保することが可能です。

参考文献
https://www.jstage.jst.go.jp/article/shikizai1937/77/8/77_366/_pdf/-char/ja
https://www.jstage.jst.go.jp/article/shikizai/87/6/87_209/_pdf/-char/ja
https://www.ashizawa.com/guidance/08.html

粉体センサー

粉体センサーとは

粉体センサー (英: powder sensor) とは、配管やタンクなどにある粉体に対して、量や流れの有無を感知できる計測器です。

粉体レベルスイッチ、連続レベル計、粉体流量計、フローセンサー、粉体レベルセンサー、超音波センサーなどは、粉体センサーの同義語として使われます。従来は、人手による目視で粉体の状況を確認していました。

粉体センサーを用いることで、タンクや配管などのライン内の流体の様子を把握することができるため、粉体を使用する作業工程の管理を効率よく行えます。粉体の流れに詰まりなどの異常を感知した場合は、警報を出力することができるセンサーなどもあります。

粉体センサーの使用用途

粉体センサーは、食品や化学薬品など、さまざまな分野の工場で使用されています。粉体の量や流れの有無を検出するのに加えて、製造プロセスにおけるタンクや配管の詰まりなどの異常が起きていないかを判定する際にも役立っています。

また、粉体が固まることで生じるダマを粉体と区別して検出したり、タンク内のブリッジを検出したりするときにも有用です。タンク内に貯留された粉体が重力によってタンクの下部で山なりに固まり、ブリッジが発生して粉体の流れを遮るような現象が起きると、不良を観測しにくくなります。

しかし、粉体センサーを用いることで、流れが起きていないことを観測し、異常としてつまりを検出できます。

粉体センサーの原理

粉体センサーは、センサー部分の仕様によって検出原理が異なります。

1. コイルインピーダンス方式

コイルインピーダンス方式では、センサの内部に磁場と交流電流を電極石に加えることによって、オームの法則を利用して検出します。

2. マイクロ波方式

マイクロ波方式によるセンサーでは、ドップラー原理を利用して配管の内部で自然落下し、生じた粉体の流れを検知することにより計測します。

3. 二点支持構造の振動式

二点支持構造の振動式センサーでは、振動を発生させる素子と振動を受信する素子を持った振動板を2点で支え、一定の固有振動が減衰することを感知し、粉体の流れを検出します。

4. 静電容量式

静電容量式レベルセンサは、粉体の固有の誘電率が、空気又は真空と異なっていることを利用して、粉体のレベルを検出します。検出回路は用途に応じて、並列共振回路または直列共振回路が使われます。

粉体センサーの種類

1. 粉粒体の連続レベル測定

微粒・粉・粒・塊体などの粉体のレベルを連続して測定するセンサーです。    

レーダ式レベル計
電極部がステンレスなどで被覆されており、高温・高圧・水蒸気・ガスなどの環境変化の影響を受けないセンサーです。粉体だけでなく、液体も測定できます。深さが10m以上の貯蔵タンクや大型サイロに対応可能です。国内防爆TIIS、欧州防爆仕様などに対応できるタイプもあります。    

静電容量式レベル計
高精度・高分解能の特性を有し、微小レベルの変化を計測できます。高温・高圧などの環境に対応可能です。IEC国際規格対応の防爆仕様のタイプもあります。粉体の残量計測などに使用されるタイプです。

超音波式レベル計
タンクの上部などに超音波センサー部を設置して、非接触で粉体のレベルが測定可能です。超音波受信信号を相関処理などを行って、外部ノイズや音波の干渉を防止し、安定性を高くしています。    

サウンジング式レベル計
おもりを機械的に上下させて、粉体などの界面を測定する方式です。おもりを吊り下げるワイヤーの張力変化を利用して、連続レベルの測定が可能です。20m程度の深さまで対応できます。

2. 粉粒体のレベルスイッチ    

パドル式レベルスイッチ
パドルの回転トルクの変化により、粉面位置を検出します。長期間安定して検出が可能です。2層シールなどにより、センサー部に粉体が侵入するのを防止します。高温型や防爆型などのタイプもあります。    

振動式レベルスイッチ
見かけ比重が0.02程度のパウダーや微粉末の高感度検出が可能です。振動ロッドの先端部の検出感度を高くしており、タンク壁面に付着した粉体は検知しません。    

静電容量式レベルスイッチ
粉体の付着による誤動作を防止しています。

参考文献
https://yamaden-sensor.jp/case/?id=1457057320-857090&mode=0&ca=3
https://yamaden-sensor.jp/case/?id=1594025102-268940&mode=0&ca=2
http://www.nohken.com/japan/product/level_switch/powder_point/
https://kansai-automation.co.jp/blog/?p=5570

溶接ロボット

溶接ロボットとは

溶接ロボット

溶接ロボットとは、溶接加工を自動で行うことができる産業用ロボットのことです。主に自動車や飛行機等を製造する工場で使用されています。

溶接ロボットを導入することで、省人化や生産性向上を図ることが可能です。溶接ロボットは同じ動作を素早く・正確に繰り返し行えるため、短時間かつ安定した動作によって作業効率を上げたり、溶接加工に伴う火傷等の労働災害や溶接時の有害ガス吸引による健康被害などのリスクやヒューマンエラーによるミスを減らすことができます。

溶接加工は外観の見た目や溶接部の密度等の加減・調整が難しく、人手による作業では作業員各個人の技能が溶接加工の品質に大きく影響してしまい品質が安定しにくいです。溶接ロボットも工業製品なので稼働軸に微細なガタはありますが、ロボットの個体差はミリ単位で管理されているため、作業の再現性が非常に高いです。

作業員の技能に依存せず品質ばらつきを限りなく抑えられ、常に均一な製品を生産できるようになります。その結果、品質の信頼性の向上にも繋がります。

溶接ロボットの使用用途

溶接ロボットは、溶接加工を無人で自動的かつ効率的にする用途で使用されています。一連の作業手順・工程を溶接ロボットへ教え込む( ティーチングする )ことで、作業自体は無人で行えるようになります。省人化による人件費の削減や、人材不足による作業効率の低減を防止できるのが溶接ロボットの魅力です。

また、人手で溶接加工を行う際は、金属が溶解する高温域で作業しなければならないため、溶接時に発生してしまうスパッタによる火傷や刺激の強い光による失明、有害なガスなどによる健康被害のリスクも高いです。溶接ロボットは、作業環境の安全性の向上という点でも役立っています。

溶接ロボットの原理

溶接ロボットは、人の手を模したようなアーム形状をしており、関節部分を多く持つことによってスムーズな動作を行える構造になっています。一般的には関節を6箇所持つ6軸タイプが主流ですが、関節数を減らして可動範囲が狭くなる代わりにより重量物を扱えるようになっているものや、逆に関節を増やすことで細かい動作ができるようになっている溶接ロボットも存在します。

溶接ロボットのアーム先端に溶接加工を行うためのトーチが付いており、このトーチ部分を交換することで多様な溶接加工ができるようになります。また、アーム先端に溶接用トーチではなく部品セット用治具等を取り付けることで、搬送・ハンドリング用ロボットとしても使用できるため、溶接加工以外の作業においても作業の自動化が実現可能です。

溶接ロボットのその他情報

1. 溶接ロボットのティーチング

ティーチングとは、溶接ロボットに溶接加工の動作や作業手順を教え、自動で動くようにプログラミングを行う作業です。ロボットはプログラムによって決められた作業しか行えません。部品セット時のワークのズレや溶接加工面の面精度といった溶接ロボット以外の要因によっても溶接加工の精度が大きく変わるためティーチングは非常に重要な作業であり、ティーチングを行う人のスキルによって仕上がり品質が左右されてしまいます。

ティーチングによるプログラミングには取り扱いメーカーによって名称の差はありますが、PLC( プログラマブルロジックコントローラー )もしくはシーケンサと呼ばれるマイコンが使われています。プログラミング言語としては、直感的な”はしご”のような図形を並べた「ラダー図」という言語が主流になっています。主なティーチング方法は下記の2つです。

オフラインティーチング
オフラインティーチングには、コンピューター上で3Dデータを使って溶接加工ポイントの座標を取得してからシミュレーションを行いデータをロボットに転送する方法、もしくは直接ロボットに溶接動作のプログラミングを打ち込む方法があります。製品や治具の加工精度によっては、3Dデータ通りに上手くいかない場合もあるため、次項のオンラインティーチングも組み合わせてティーチングの精度を上げる必要があります。

オンラインティーチング
オンラインティーチングは、ティーチングを行う作業者がリモコンを使いロボットを直接動かして一通りの溶接加工動作を行います。その動作をロボットに記憶させ、まったく同じ動作をロボットに再現させる方法です。

ティーチングといえば、もともとこのオンラインティーチングの手法が取られていましたが、溶接加工時の動作を1つ1つロボットを実施に動かしながら設定していくためティーチング作業に多くの時間がかかってしまい、ティーチング作業中のロボットは生産ができないという難点もありました。

そのため、近年ではオフラインティーチングが主流になっています。しかし、製品や治具の加工精度等によっては現物合わせで微調整が必要な場合もあるため、必要に応じて柔軟にティーチング方法を切り替える必要があります。

2. 溶接ロボットティーチングの資格

溶接ロボットのティーチングを行うためには特別教育の受講が必要です。これは労働安全衛生法59条に定められており、違反した場合は作業者だけでなく事業者も罰せられます。2日ほどかかる特別教育はあくまで、作業の資格を獲得したに過ぎず、即座にティーチング作業が行える技術や知識を獲得したわけではありません。

ティーチングには、プログラミングや3Dデータを使ったシミュレーションの技術、溶接作業の知識が必須です。溶接加工順番や溶接ロボットの姿勢変化を最適化することで、溶接加工の作業効率が大幅に改善する場合も多々あり、ティーチングを行う作業者のスキルが顕著に現れてしまうため、社内の経験者や社外のティーチングマンより教育を受ける必要があります。

3. センサによる溶接ロボットの制御

大きな部品は前工程の加工・組立誤差により、溶接部の位置ズレが生じることが多々あります。近年、ロボットにセンサをつけることで溶接部の位置ズレへの対応を自動で行うセンシング技術が注目されています。センシングは主に、溶接前の段階で事前にセンシングを行うワイヤタッチセンサ、レーザー変位センサ、溶接中にリアルタイムでセンシングを行うアークセンサと視覚センサ等があります。

溶接ロボットが自動で位置ズレに対して補正をかけてくれることで、人手による細かなティーチングの修正は必要なくなり製品の品質もより安定するため、センシング技術は今後ますます発達していく技術です。

参考文献
https://www.kobelco.co.jp/welding/system/
https://www.daihen.co.jp/products/robot/device/
https://www.e-mechatronics.com/product/robot/arc/
https://www.keyence.co.jp/ss/products/measure/welding/automation/

震度計

監修: 明星電気株式会社

震度計とは

震度計とは、地震による揺動を電気信号に変換するする地震計の一種で、波形情報を観測するだけでなく震度を計算して数値の情報として表示、伝達することができる計測器のことです。

震度は、体感による曖昧さを排除するため、気象庁では国内で震度計を用いて全面的に計測することを定め、数値化することによって客観的な観測を実施しています。日本の震度は、5,6は弱と強の2段階に分割し、0から7までの10階級で表されます。

観測精度を確保するため震度計検定制度があり、観測データを公表するためには検定合格品である事が求められています。

震度の計算は気象庁により定められた1分毎の揺れから計算しますが、より素早く100分の1秒毎に計算する方法が可能な機種もあります。

震度計の使用用途

ここで、震度計の使用用途について説明します。

震度計は、地震による揺動を感知して、情報の伝達や避難勧告など、素早い対応を行うために利用されています。

正しい震度を公表するため気象庁が定めた設置基準のガイドラインがあり、

  •  震度に応じて機器を停止し被害拡大を防ぐ
  • 地震が発生した際に速報を流す
  •  震度の分布から建物や人的被害の規模を推定する
  •  被害規模に応じてあらかじめ定められた災害対策行動を発令する

というように、地震発生から時系列に沿って震度計から観測された情報を元に対応を行います。

震度計を使用してリアルタイムに正確な震度を観測することで、迅速な状況把握と避難勧告や二次災害の軽減などの対応を行うことに役立てています。

工場やビル、大型商業施設など大規模な人が集まる建物などで、震度計を利用することで、素早い避難対応や防災活動に活用している事例もあります。

震度計の原理

続いて、震度計の原理について説明します。

震度計は、計測部分と、計算処理部分から構成されています。

計測部分に加速度計を用いており、観測された揺動の加速度と揺動周期を電気信号に変換しています。
震度計に用いている加速度計の種類によって、高精度なサーボ型加速度計やより安価なMEMSタイプを使うものに分かれます。

揺動を電気信号に変換した後、計算処理部分で気象庁が定めるアルゴリズムに基づいて震度を算出します。

震度計は、計測と計算処理による震度算出の他に、地震を観測した時刻、震度階級、最大加速度度などの情報を合わせて表示することが出来、メモリーなどの記憶媒体を内蔵している場合は、観測された震度の情報をデータとして保持し、これらを送ることが出来ます。

震度計のアプリ

スマートフォンやタブレット向けの震度計アプリケーションが幾つかリリースされています。

国内におけるアプリケーションの1つとして、スマートフォンやタブレットに内蔵された加速度センサーを活用しゆれを計測することによりスマートフォンなどの表示画面に震度を表示するものが開発されています。

また、海外におけるアプリケーションとしては、スマートフォンなどに内蔵される加速度センサーを活用し、予震となる揺れを捉えるとデータが自動的にクラウドに送信されるものが開発されています。このアプリケーションでは、クラウド上に集約されたデータが独自のアルゴリズムで分析され、本震につながりそうな場合においては地震が起こりうるエリアや規模について警報を発信するというものです。

震度計設置環境基準

震度計については、観測データを公表する場合に設置場所や設置方法などの設置環境に関する評価基準があります。

震度計の設置場所については、「崖等の段差付近に関する条件」「地盤に関する条件」「建物周辺に関する条件」「空洞や地下タンク、地下埋設管等に関する条件」「柱状構造物等に関する条件」「花壇等に関する条件」「建物内設置に関する条件」が定められています。

例えば、平坦ではない地形で崖等の段差となっている場所においては、高さによらず、強震時に崩壊の危険が推測される場所、段差端の近傍などで脆弱な土留め部分を避ける必要がある、とされています。

また、旧河道や池・沼などを埋め立てた跡、台地や山地等の谷など、その場所のみに見られる特殊な地盤への設置は、局所的な揺れとなるため避ける、とされています。

また震度計台の設置については、「震度計台の材質および形状に関する条件」「震度計台の埋設に関する条件」「震度計の固定に関する条件」「落下物への対策」が定められています。

例えば、震度計台は強震時でも壊れないような材質(コンクリート等)、構造(空洞がない)でなければならない、とされています。

 

本記事は計測震度計を製造・販売する明星電気株式会社様に監修を頂きました。

 

鉄粉濃度計

鉄粉濃度計とは

鉄粉濃度計とは、グリースなどの潤滑材の中に含まれる金属の粉末を計測する計測器です。

潤滑剤の中の異常摩耗による鉄粉は性能の低下や故障につながるため、定期診断を通して故障の予兆を早期発見できます。

粉濃度計による摩耗診断は、潤滑剤が入った配管に鉄分濃度計を通すだけで濃度の計測が簡易的かつ迅速にでき、振動や外部要因による分析よりも早く故障の原因に気づくことができます。

鉄粉濃度計の使用用途

ベアリング歯車などは摩耗が起こりやすい潤滑剤を用いて保守点検などのメンテナンスや予備診断を行う目的で使用されています。

グリースなどの潤滑剤の中に含まれる鉄粉の濃度から摩耗の度合いを診断し、管理方針を決定します。回転動作を行う機器に使用され、汎用なものから高速回転する機械まで幅広く計測を行います。

鉄粉濃度計の原理

鉄粉濃度計は、磁気バランスによる電磁誘導の原理を利用して鉄粉濃度を検知しています。

鉄粉を検出するコイル部分は、励磁コイルを取り付けて磁界を発生させ、検出コイルの近くで磁界が相互に消えるように磁気回路を構成しています。

一方、励磁コイルをサンプルに挿入すると、鉄粉が磁界のバランスを乱して誘導電圧を生じることで電圧の数値を測定して鉄粉濃度を計算します。

参考文献
https://www.new-cosmos.co.jp/product/733/
https://www.monotaro.com/p/0200/0293/
https://www.jfe-advantech.co.jp/products/setsubi-noudo.html
https://www.intechno.co.jp/product/oil/wear/analexfwm.html

遮蔽シート

遮蔽シートとは

遮蔽シートとは、熱・電磁波や放射線など、生体、電子装置への悪影響を遮蔽することができる特殊な素材でできたシートのことです。

遮蔽シートの厚みを増すことにより悪影響の遮蔽率が高くなります。用いる素材の材質によって、加工性などのシートの特性が異なるため、用途に合った遮蔽シートを用いることで高い効果を得ることが出来ます。

また、遮蔽する対象の形状に合わせるため、フィルムや、シール状の製品も作られ始めています。

遮蔽シートの使用用途

遮蔽シートは外部からの放射性を遮断するために使用します。主に下記2つの場面で使用されます。

1. 放射線遮蔽シート

放射線遮蔽シートを用いることで外部放射線を遮蔽できます。原子力関連設備での放射性廃棄物などの処理作業や、原発事故被災地における復興作業などの放射線を扱う環境で、作業者を放射線被爆から守るための防護服や保護用品などの用途に使用されています。

放射線医療施設では腫瘍の患部に電子線や中性子線・陽子線を照射することもあり、それらの粒子線から発生するX線、ガンマ線などの遮蔽にも用いられます。

2. 電磁波遮蔽シート

放送局やスマホ基地局からの送信電波や、スマホ、タブレットなどから発生する電磁波は人体に悪影響を及ぼしたり、電子装置の故障の原因になりうることが知られています。このような電磁波の影響を十分弱めるために電磁波遮蔽シートが用いられます。

遮蔽シートの原理

遮蔽シートは、放射線を遮蔽することができる特殊な素材の性質を利用しているため、使用する材質によって、特徴が大きく異なります。

1. 放射線遮蔽シート

放射線遮蔽シートは、放射線を遮蔽することができる特殊な素材の性質を利用しているため、使用する材質によって特徴が大きく異なります。

鉛やタングステンなどの素材を使用している遮蔽シートは遮蔽効果が高い一方で、重量が重く容易に扱えないことや、使用目的に合わせて曲げ加工や、継ぎ加工などの処理を行う際に、外見の美観などを考慮する必要があるなどの問題点があります。

ゴムや樹脂を用いた放射線遮蔽シートは、シートの中に、放射線を遮蔽したり吸収する効果のある素材を分散させることで遮蔽効果を高める工夫をしています。

2. 電磁波遮蔽シート

電波の遮蔽はなどの導電性の材料で周囲を取り囲み、その表面で電波を反射・散乱させ、電波の侵入や漏洩を防止します。磁気遮蔽は、遮蔽したい空間を磁気の通りやすい鉄系の材料で囲み、磁気をバイパスさせて侵入を防ぎます。磁気の影響を受けやすいMRIなどの電子装置でニーズが増加しています。

遮蔽シートのその他情報

1. 放射性遮蔽シート

放射線の遮蔽シートは、放射線の種類とエネルギーによって使い分ける必要があります。

アルファ (α) 線
アルファ線は陽子2個と中性子2個から成るヘリウムイオンです。通常は放射性同位元素の原子核からアルファ崩壊という物理現象で放出されます。低エネルギー (10MeV以下) のため、透過力は低く紙1枚でほぼ完全に遮蔽できるため遮蔽シートは不要と考えられます。

ベータ (β) 線
ベータ線は、電子が放射性同位元素の原子核からベータ崩壊という物理現象で放出されるもので、低エネルギー (<2MeV) のため、数mmの厚さのアルミニウム板でほぼ完全に遮蔽できます。健康に値するリスクはなく、電子装置の故障の原因にもならないので、遮蔽シートは必要ありません。

ガンマ (γ) 線
ガンマ線は光子が放射性同位元素の原子核から放出されるものです。透過力が高く、電子装置の電気的故障の直接原因にはなりませんが、構成材料の劣化を招いたり健康に対するリスクが大きいため、エネルギーに応じた厚さの鉛やタングステンで遮蔽する必要があります。

低エネルギーのガンマ線に対しては、遮蔽シートとして環境負荷の小さいタングステンを主成分とするタングステン合金が一般に使用されていますが、高温で焼結するため柔軟性・加工性が悪く値段も高価であるといった課題があり、これまでその用途は限定されていました。

これらの課題を克服する遮蔽材料としてタングステンと樹脂からなる新たなタングステンシートが開発されています。このタングステンシートは、タングステン粉末とリサイクル使用が可能なエラストマー樹脂を加温混練する方法によって製造されています。この製法によりタングステンと樹脂の複合材料が得られ、更にこの複合材料を成形することで高密度で、柔軟性が高いタングステンシートが得られます。

X線
X線はガンマ線と同じ光子ですが、X線菅という装置により人工的に作られます。レントゲン検査に主として使われますが、一般的にガンマ線よりははるかに低エネルギー (数keV) のもので、健康に対するリスクはありません。電子装置の故障の原因にもならないので、遮蔽シートは必要ありません。人間ドックで上部消化管X線検査の際に飲む白い硫酸バリウムはX線の減衰効果があり、X線写真の解像度を上げるために利用されます。

中性子線
極めて低線量率 (1平方センチ当たり毎時約12個) ですが、自然界にも高エネルギー (>1MeV) の中性子線が存在します。人体に害はありませんが、電子装置の故障の原因になることがあります。

一般に、高エネルギーのガンマ線・中性子線の遮蔽には鉛ブロックや、厚さ数mのコンクリート壁が利用されますが、 微弱な低エネルギー中性子の遮蔽にはパラフィン、ポリエチレン、水などの水素を多く含むブロックが利用されるほか、シートを用いる場合には、その中にB-10、ガドリミウム、カドミウムなど中性子を吸収する物質を分散させる手法が採られます。B-10はホウ酸などで、自然界のホウ素はほぼB-11ですが、約20%がB-10です。ガドリニウム、カドミウムは有害物質なので環境に対する配慮が必要です。

腫瘍の治療のために、中性子線、高エネルギー電子線・陽子線などを患部に照射する手法があり、その場合にガンマ線、中性子線も発生するため、照射装置の周囲にも遮蔽体の利用を検討する必要があります。

2. 電磁波遮蔽シート

電磁波遮蔽シートとしては、薄いPET (ポリエチレンテレフタレート) フィルムの表面に、真空蒸着により銅など導電性のシールド層を形成したものが知られています。このシートは優れた電磁波シールド性に加え、柔軟、軽量、通気性が良く多孔質構造がもたらすアンカー効果を備えています。

高いシールド性能と薄膜フィルムの特徴を生かして、省スペースが要求されるモバイル機器、曲面への加工が要求されるケーブル被覆材料など、各種電子機器の電磁波シールドに活用されています。

また、電磁波遮蔽シートとしてステンレス・銅の素材を、抄紙技術を用いてフレキシブルな紙やフィルムにした製品も展開されています。シートはハサミやカッターで任意の形状に容易にカットすることができます。加工時には焼結された金属繊維が加工後繊維の脱落を抑制し、作業環境への影響も配慮されています。

このシートは、金属の特徴である高い導電性を活かした電磁波遮蔽性能と、紙の特徴であるクッション性・柔軟性に加え、多孔質構造がもたらすアンカー効果、通気性を備えています。このような性能に基づき、各種電子機器用のノイズ抑制材、差圧解消用電磁波遮蔽フィルターなどに活用されています。

参考文献
https://www.env.go.jp/chemi/rhm/h28kisoshiryo/h28kiso-01-03-08.html
https://www.togawa.co.jp/product/2014/06/post-3.html
https://www.hrc.co.jp/product/radiation-shield/
https://www.hrc.co.jp/product/radiation/
https://www.nittan.co.jp/products/kabelloy_001_009.html
https://industrial.panasonic.com/jp/products/emc-circuit-protection/emc/shield-film
https://www.tomoegawa.co.jp/product/icas/microwave-barrier.html
https://www.env.go.jp/chemi/rhm/h28kisoshiryo/h28kiso-01-03-08.html
https://www.kajima.co.jp/news/digest/jul_2002/techno/index-j.htm

運動解析ソフト

運動解析ソフトとは

運動解析ソフトとは、モーションキャプチャーと呼ばれる運動や動作を解析するソフトウェアです。

運動の様子をアニメーションなどで可視化し、直感的に捉えることができます。また、人間以外の動物やロボット、自動車や船舶など乗り物の運動についてもモデル化して解析可能です。

運動解析ソフトの使用用途

運動時の動きを追跡して分析できるため、様々な分野で研究開発に使用されています。

医療分野では、リハビリテーション、血流の挙動、眼球運動、関節の可動域などの動きを確認する目的で使用されています。

スポーツ分野は、体の動かし方や使い方を追跡してパフォーマンスの向上やトレーニング、コーチングなどでも利用されています。

工学分野では、人間工学や心理学における動作解析や、自動車や船舶など車両の運動モデルなどの解析にも利用されています。その他、バイオテクノロジーや土木分野などにも用いられています。

運動解析ソフトの原理

運動解析ソフトは、静止画や動画を取り込んで画像処理を行い、ソフトウェア上で解析を行います。

リアルタイムモーションキャプチャのシステムを利用して関節や運動の分岐点にマーカーをプロットして追尾し、非接触でマーカーを計測して速度や加速度、移動距離などの物理量を取得し、解析を行います。

参考文献
https://www.ditect.co.jp/products/motionsoftware/
https://www.ditect.co.jp/products/software/dipp_motion_v_2d.html
https://www.nacinc.jp/analysis/software/movias-neo/
https://www.library-inc.co.jp/
https://www.photron.co.jp/products/analysissoft/about.html

超音波発振器

超音波発振器とは超音波発振器

超音波発振器とは、発振器振動子で構成された超音波発生装置です。

洗浄する際に水や洗浄剤などの媒質と一体化し、超音波洗浄が可能です。周波数の設定や、振動子の条件を自動チューニングできるので安定した超音波を発振し、洗浄力の強度を調節して幅広い用途に合わせた洗浄が可能です。

超音波発振器の使用用途

超音波発振器は、超音波の振動を利用した洗浄などに使用されています。

具体的には、油汚れが付着した金属部品やプレス用品、hdd部品や半導体などの細かい粒子の汚れなどを洗浄するのに利用されていますが、真珠など艶が消失してしまう材質や、防水仕様の時計、カメラなどの精密機械は超音波洗浄ができません。

超音波発振器の原理

超音波発振器は、振動子を通して振動を発生させて超音波を起こす装置です。

振動子は、電界が作用して伸縮する電歪型と磁界が作用して伸縮する磁歪型があり、変換効率の高さが特徴です。

洗浄の際に液中に超音波振動が伝わり、蒸発気体や溶解ガスで満たされた気泡を発生するキャビテーションという現象が起こります。

キャビテーションが大きいと対象物に与えるダメージは大きくなりますが、落としにくい汚れも洗浄できます。反対に、キャビテーションが小さいとダメージも小さく、洗いムラを残さずに洗浄できます。

参考文献
http://www.tokiwa-shoji.com/cleaning01/
http://www.clean-s-tec.co.jp/ultrasonicwave/
https://www.kaijo.co.jp/sansen/technical/kousei.html
http://usmaj.o.oo7.jp/arau.html