粉体センサー

粉体センサーとは

粉体センサー (英: powder sensor) とは、配管やタンクなどにある粉体に対して、量や流れの有無を感知できる計測器です。

粉体レベルスイッチ、連続レベル計、粉体流量計、フローセンサー、粉体レベルセンサー、超音波センサーなどは、粉体センサーの同義語として使われます。従来は、人手による目視で粉体の状況を確認していました。

粉体センサーを用いることで、タンクや配管などのライン内の流体の様子を把握することができるため、粉体を使用する作業工程の管理を効率よく行えます。粉体の流れに詰まりなどの異常を感知した場合は、警報を出力することができるセンサーなどもあります。

粉体センサーの使用用途

粉体センサーは、食品や化学薬品など、さまざまな分野の工場で使用されています。粉体の量や流れの有無を検出するのに加えて、製造プロセスにおけるタンクや配管の詰まりなどの異常が起きていないかを判定する際にも役立っています。

また、粉体が固まることで生じるダマを粉体と区別して検出したり、タンク内のブリッジを検出したりするときにも有用です。タンク内に貯留された粉体が重力によってタンクの下部で山なりに固まり、ブリッジが発生して粉体の流れを遮るような現象が起きると、不良を観測しにくくなります。

しかし、粉体センサーを用いることで、流れが起きていないことを観測し、異常としてつまりを検出できます。

粉体センサーの原理

粉体センサーは、センサー部分の仕様によって検出原理が異なります。

1. コイルインピーダンス方式

コイルインピーダンス方式では、センサの内部に磁場と交流電流を電極石に加えることによって、オームの法則を利用して検出します。

2. マイクロ波方式

マイクロ波方式によるセンサーでは、ドップラー原理を利用して配管の内部で自然落下し、生じた粉体の流れを検知することにより計測します。

3. 二点支持構造の振動式

二点支持構造の振動式センサーでは、振動を発生させる素子と振動を受信する素子を持った振動板を2点で支え、一定の固有振動が減衰することを感知し、粉体の流れを検出します。

4. 静電容量式

静電容量式レベルセンサは、粉体の固有の誘電率が、空気又は真空と異なっていることを利用して、粉体のレベルを検出します。検出回路は用途に応じて、並列共振回路または直列共振回路が使われます。

粉体センサーの種類

1. 粉粒体の連続レベル測定

微粒・粉・粒・塊体などの粉体のレベルを連続して測定するセンサーです。    

レーダ式レベル計
電極部がステンレスなどで被覆されており、高温・高圧・水蒸気・ガスなどの環境変化の影響を受けないセンサーです。粉体だけでなく、液体も測定できます。深さが10m以上の貯蔵タンクや大型サイロに対応可能です。国内防爆TIIS、欧州防爆仕様などに対応できるタイプもあります。    

静電容量式レベル計
高精度・高分解能の特性を有し、微小レベルの変化を計測できます。高温・高圧などの環境に対応可能です。IEC国際規格対応の防爆仕様のタイプもあります。粉体の残量計測などに使用されるタイプです。

超音波式レベル計
タンクの上部などに超音波センサー部を設置して、非接触で粉体のレベルが測定可能です。超音波受信信号を相関処理などを行って、外部ノイズや音波の干渉を防止し、安定性を高くしています。    

サウンジング式レベル計
おもりを機械的に上下させて、粉体などの界面を測定する方式です。おもりを吊り下げるワイヤーの張力変化を利用して、連続レベルの測定が可能です。20m程度の深さまで対応できます。

2. 粉粒体のレベルスイッチ    

パドル式レベルスイッチ
パドルの回転トルクの変化により、粉面位置を検出します。長期間安定して検出が可能です。2層シールなどにより、センサー部に粉体が侵入するのを防止します。高温型や防爆型などのタイプもあります。    

振動式レベルスイッチ
見かけ比重が0.02程度のパウダーや微粉末の高感度検出が可能です。振動ロッドの先端部の検出感度を高くしており、タンク壁面に付着した粉体は検知しません。    

静電容量式レベルスイッチ
粉体の付着による誤動作を防止しています。

参考文献
https://yamaden-sensor.jp/case/?id=1457057320-857090&mode=0&ca=3
https://yamaden-sensor.jp/case/?id=1594025102-268940&mode=0&ca=2
http://www.nohken.com/japan/product/level_switch/powder_point/
https://kansai-automation.co.jp/blog/?p=5570

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