地震計についての概要、用途、原理などをご説明します。また、地震計のメーカー23社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。地震計関連企業の2023年11月注目ランキングは1位:国際計測器株式会社、2位:明星電気株式会社、3位:テンパール工業株式会社となっています。
地震計とは、地震のあった際に、その揺れを記録するために開発された機器です。
1800年以上前の中国には既にその原型があったとされ、世界最古の地震計としてよく紹介されます。近代的な地震計は明治時代初期の日本で発明されたといわれており、その後、さまざまな改良がなされて今に至ります。
地震計に似た言葉としては震度計がありますが、これは地震計の一種になります。震度計は、地震計の機能に加え、震度を算出する機能も持つため、地震計とは区別した名称が用いられています。
地震計によって計測されたデータは、様々な地震対策に使われています。
地震計は全国各地に設置されており、気象庁によるものだけでも全国600か所以上に及びます。気象庁は全国各地の地震計からデータをリアルタイムに収集し、地震発生時には緊急地震速報という形で一早く危険を発信したり、震度や震源の情報発信、津波の予測など様々な形で役立てられています。これらの情報は、その後に必要となる支援が迅速に行えるように、国や各省庁に展開されていきます。
また地震計は火山活動の観測機器としても活用されています。火山の近くに地震計を設置して、火山性地震や火山性微動を観測しています。
図1. 地震計の原理
地震計は、振り子の原理を利用した計器です。
図2. 3方向の揺れの観測
地震計は、通常、地表面や地中に設置されており、地面が揺れた際に一緒に動いてしまうため、不動点と呼ばれる地面に対して絶対に動かない基準が必要です。
振り子の支点を地面と仮定し、重りの位置にペンを、その先に一定速度で送られるロール紙を設置します。地面が速く揺れると、装置全体も揺れますが、重りは慣性の法則により空間に静止するため、ロール紙に地面の揺れが記録されます。地震の揺れは、通常、あらゆる方向に揺れますが、ロール紙が送られる動きと平行な揺れは記録が難しいため、3つの地震計を用いて、南北、東西、上下方向の3成分をそれぞれの地震計で記録します。
最近では、ロール紙の代わりにコイルと磁石を使用して、振り子の動きを電気信号として記録する地震計も活用されています。
図3. 振り子の固有周期と揺れの周期の関係
地面の変位・速度・加速度のいずれを観測するかに関しては、振り子の固有周期に関係します。
振り子を自由に揺らした際、重りが元の位置に戻ってくるまでの時間を固有周期と呼びます。地面の揺れる周期が固有周期に対して非常に短い場合は重りが静止し、逆に、地面の揺れる周期が固有周期に対して非常に長い場合は重りも地面と同じように揺れることとなります。地面の揺れる周期が固有周期と一致した場合は、共振するため、重りは地面よりもはるかに大きく揺れてしまいます。
重りにダンパーを設け共振を防ぎ、地面の周期を横軸、変位を縦軸とした地震計の応答曲線を考えます。揺れの周期が固有周期よりもはるかに短く、変位が一定となる領域においては、重りが空間に静止するため、揺れにより地面が元の位置からどれだけ動いたか、つまり、変位が観測できるということになります。揺れの周期が固有周期と同程度の領域においては速度が観測でき、固有周期よりさらに長い領域においては加速度が観測できることになります。
地震計の種類は、大きく分けると、小さな揺れに適した高感度地震計、ゆっくりとした揺れに適した広帯域地震計、強い揺れに適した強震計の3つあります。
これらは、目的により適切に使い分けられます。例えば、高感度地震計は、その特性から、目的とは関係のない揺れまで検知してしまう可能性もあるため、観測井戸を掘削するなどの対策が必要となる場合もあります。
地震観測には、定常観測と臨時観測の2種類があります。
定常観測は、長期間、継続的に観測を行う方法であり、臨時観測は、短期間、限定的に観測を行う方法です。臨時観測は、大地震発生後の余震観測など、特定の目的のために行われます。
地震計は、防災や減災等の目的で、様々な取り組みに用いられております。
気象庁の配信する緊急地震速報などの情報にも地震計が使われています。気象庁が所有する約690箇所の地震計・震度計、国立研究開発法人 防災科学技術研究所により整備された地震観測網、これらのデータを利用し、直ちに、地震発生をとらえ、適切な情報を発信します。
国立研究開発法人 防災科学技術研究所は、高感度地震観測網 (Hi-net) 、広帯域地震観測網 (F-net) 、強震観測網 (K-NET、KiK-net) などの地震観測のネットワークを整備し、これらにより得られたデータを公開しています。Hi-netには高感度地震計と強震計、F-netには広帯域振動地震計と強震計、K-NET、KiK-netには強震計が用いられています。
参考文献
https://www.tdk.com
https://tohoku-geo.ne.jp
http://www.eonet.ne.jp
https://www.data.jma.go.jp
https://www.hinet.bosai.go.jp
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2023年11月の注目ランキングベスト10
注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | 国際計測器株式会社 |
11.3%
|
2 | 明星電気株式会社 |
9.3%
|
3 | テンパール工業株式会社 |
6.5%
|
4 | アズビル株式会社 |
5.6%
|
5 | ケニス株式会社 |
5.6%
|
6 | IMV株式会社 |
5.6%
|
7 | 中部精機株式会社 |
5.2%
|
8 | オムロン株式会社 |
4.8%
|
9 | 極東貿易株式会社 |
4.8%
|
10 | 株式会社金剛測機 |
4.0%
|
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2023年11月の地震計ページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
Metoreeに登録されている地震計が含まれるカタログ一覧です。無料で各社カタログを一括でダウンロードできるので、製品比較時に各社サイトで毎回情報を登録する手間を短縮することができます。
カタログを企業ごとに探す
カタログを種類ごとに探す
「緊急地震速報とは」地震が発生すると震源から地震波が発生し伝播します。地震波にはP波(初期微動)とS波(主要動)があり、P波がS波より速く伝わる性...
2022年9月29日
●緊急地震速報の仕組み●緊急地震速報の種類(高度利用と一般利用)●津波情報などを案内しております。不明な点などございましたらお気軽にお問合せ下さい。
2022年10月4日
緊急地震速報端末機器(SH700-J)の外部接点出力を利用し、地震・津波情報の発報に合わせてコンベア等の制御を行います。HDMI出力端子は監視用モニターに...
2023年3月30日
緊急地震速報端末とビデオマネージメントシステム『MSRS』を活用した事例をご紹介いたします。気象庁の緊急地震速報(高度利用)を活用し、地震発生時にビデ...
2023年4月6日
この度、アースキャストが取り扱う緊急地震速報器『DPASS/SH600-J』が日本歯科新聞で防災特集として取り上げられました。実際にご利用されている歯科医のお...
2023年4月6日
緊急地震速報端末機自体での発報や子機(無線接続/SH700-J-S)での発報だけでなく、外部接点出力を利用して館内放送等の他設備との連動可能。【外部接点出力...
2023年4月6日
アース・キャストでは、緊急地震速報体験モニター用機器を貸出しています。(無料・期間限定)「SH600-J」を60日間無料で貸出。本体に電源とLANケーブルを接...
2023年4月6日
緊急地震速報 受信機【SH700-J】は、津波情報にも対応しております。津波情報が発令された場合に発報致します。海岸近くの企業様、店舗様、工場・倉庫様、教...
2023年7月11日
私たちJ コーポレーションは、緊急地震速報の試験運用の段階から、緊急地震速報に取り組んでまいりました。緊急地震速報の導入実績においては全国的なシェア...
2023年4月12日
主な業務内容緊急地震速報受信端末 開発・販売・メンテナンスS波震度計・P波震度計 開発・販売・メンテナンス受信端末周辺機器 開発・販売・メンテナンス防...
2023年4月12日
導入実績が信頼の証地震防災をプロデュースする
2023年4月12日