スクリューレス端子台

スクリューレス端子台とは

スクリューレス端子台とは、ネジを使用せずに配線を固定する方式の端子台です。

この設計により、配線作業の手間が大幅に削減され、同時に信号伝送の品質も向上します。また、ネジが緩むことによる接触不良のリスクが軽減されるため、長期的な信頼性も大幅にアップします。

特にハードウェアエンジニアや購買担当者にとっては、生産効率の向上や保守性の強化、さらには総コストの削減が期待できるため、新しいプロジェクトやアップグレードを検討する際の選択肢として、スクリューレス端子台の採用を真剣に検討する価値が高いです。

以上の点から、現代の電子技術の接続ソリューションとして、スクリューレス端子台はその優れた特性と利点を持って、多くの業界での注目を集めています。

スクリューレス端子台の使用用途

スクリューレス端子台は、ネジを使用しない信号や電源の接続技術として、様々な業界や用途での採用が進んでいます。ここでは、その主な使用用途を詳しく検討します。

1. 分電盤・配電盤

分電盤や配電盤は、電力の配分と制御の中心となる装置です。スクリューレス端子台は、こうした設備では実な接続と長期的な信頼性が求められるため、非常に有用です。ネジの緩みや接触不良のリスクが低減するので、安全性や保守性が向上します。

2. 半導体製造装置

精密で高度な技術が要求される半導体の製造プロセスでは、確実な電気的接続が不可欠です。スクリューレス端子台は、信号の精度や品質を保ちながら、迅速かつ確実に配線を行うのに適しています。

3. 工作機械

工作機械は、振動や熱などの厳しい環境下での操作が多いため、信頼性の高い接続技術が要求されます。スクリューレス端子台は、このような状況下でも安定した接続を保つことができます。

4. 蓄電池

蓄電池の接続で、スクリューレス端子台の利用が増えています。高電流や急速な充放電を伴う用途では、確実な接続と高い耐久性が求められるため、この技術が適しています。

5. 太陽光/ソーラー発電設備

太陽光やソーラー発電設備は、環境による影響を受けやすいため、長期的な信頼性と維持管理の容易さが求められます。スクリューレス端子台は、これらの要求を満たすための理想的な選択となります。

スクリューレス端子台の原理

1. スクリューレス端子台のバネ

スクリューレス端子台の中にセットされたバネはステンレス鋼で出来ている場合が多く、導電部には電気銅またはスズメッキを用いていることから、長期間の使用でもネジ式端子台と同等かそれ以上の耐久性があります。スクリューレス端子台のクランプ力は、バネの力を利用していることから、ネジ式のように定期的な増し締めを必要としないのが特徴です。

端子台の中にセットされたバネの力で電線を固定して、電線の径が太くなるほどにクランプ力が強くなります。そのため、同じ端子台に異なる径のケーブルを使用した場合であっても、電線が緩みにくい上に、電線を痛めることなく固定が可能です。

2. スクリューレス端子台の固定方法

被覆を剥いた電線を固定する場合は、マイナスドライバーや専用のツマミを用いて、バネによって抑え込む力を弱めて、電線を接続口の奥まで差し込みます。電線を外す際には、マイナスドライバーや専用のツマミを用いて、バネによって抑え込む力を弱めて、電線を接続口から引き外します。

スクリューレス端子台の種類

スクリューレス端子台は、その利便性や信頼性の高さから多くの業界で広く採用されています。それぞれの用途やアプリケーションに合わせて、様々なタイプのスクリューレス端子台が設計・製造されています。

1. パネル取り付け用

パネル取り付け用のスクリューレス端子台は、機器や設備の外部パネルに直接取り付けることを目的として設計されています。これにより、簡単なアクセスやメンテナンスが可能となります。

主な用途は、大型の機器や設備、電気配線の終端接続ポイントなどです。

2. 基板取付用

基板取り付け用のスクリューレス端子台は、電子基板上に直接取り付けるための設計がなされています。これにより、コンパクトなデザインや高い集積度が求められるアプリケーションでの利用が可能です。

主な用途は、電子デバイスやPCB内の配線終端、モジュール間の接続や信号の転送ポイントなどです。

3. 中継用

中継用のスクリューレス端子台は、2つ以上の電気回路を簡単に接続・中継するために使用されます。多機能性やモジュラー設計が特徴です。多くの場合、既存の配線システムとの互換性を持っています。

主な用途は、ケーブル間の接続や分岐、電気回路の拡張や修正などです。

参考文献
https://www.wago.co.jp/cageclamp/
https://www.wago.co.jp/download/catalog/data/ctlg_denzai.pdf

シリコン樹脂塗料

シリコン樹脂塗料とは

シリコン樹脂塗料とは、シリコンを主成分とした合成塗料です。

シリコン樹脂にアクリル樹脂やポリエステル樹脂、着色顔料や希釈剤を混合し、変性させて製造されます。酸化しにくく結合力の強いシロキサン結合を有しているため、耐熱性や耐候性、耐水性、耐薬品性など優れた特性を発揮します。

常温で乾燥するため、取り扱いにも優れているのが特徴です。近年では、長期視点でコストパフォーマンスが良いことから、外壁塗装に使われる代表的な塗料として位置づけられています。

シリコン樹脂塗料の使用用途

シリコン樹脂塗料は、その優れた性能から住宅から産業用とまで幅広い用途で使用されています。以下に代表的なものについて説明します。

1. 住宅用塗装

シリコン樹脂塗料は、古くから住宅の外壁や屋根の塗装に用いられてきました。その歴史は長く、塗装業者にとっても最も馴染みが深い塗料になります。耐熱性や耐水性、耐汚れ性や光沢度の高さなど、基本的な性能に優れているだけでなく、耐候性が高いため、他の塗料よりも選ばれています。

アクリル系やウレタン系の塗料に比べ価格が高くなりますが、耐用年数が10年以上で、長いものでは15年です。それに対し、アクリル樹脂塗料の耐用年数は7-8年程度であるため、材料代や工事代を含めた長期間の視点で見ると、シリコン樹脂塗料の方がコストパフォーマンスに優れています。

2. 産業用塗料

シリコン樹脂塗料の中には、耐熱性や絶縁性など、特定の性能に特化したグレードがあります。耐熱性の高いシリコン樹脂塗料は、自動車のエンジンや排気管、吸熱管の塗装に使われています。また、化学工場にある炉や反応窯、煙突にも耐熱性塗料が活用されています。

絶縁性の高いシリコン樹脂塗料は、変圧器や銅線、モーターへの塗装に用いられています。

シリコン樹脂塗料の特徴

シリコン樹脂塗料には、多くのメリットがある一方で、デメリットも有しています。以下にそれぞれについて説明します。

長所

前述の通り、シリコン樹脂塗料は基礎的な性能が優れており、住宅外壁塗料の代表各と言っても過言ではありません。住宅の外壁や屋根は太陽光にさらされ、夏場には高温になるため、塗装は耐候性と耐熱性に優れている必要があります。

シリコン樹脂塗料は紫外線や雨風に曝露されたとしても、その光沢を高い割合で維持することができます。また、日本は高温多湿な気候であるため、透湿性も重要です。シリコン樹脂塗料を使うことで、湿気を一定の程度透過させられるので、カビの発生や内部の結露を抑制できます。

また、屋根や壁にはホコリなどの汚れが堆積することがありますが、シリコン樹脂塗料は防汚性を有しており、それらを弾くことが可能です。

短所

シリコン樹脂塗料はいくつかのデメリットも有しています。まず挙げられるのが、価格の高さです。他のアクリル塗料やウレタン塗料の方が安価になるため、初期費用を抑えたい方はそちらを選ぶこともあります。

ただし、長期視点では、メンテナンスの頻度が多くなり、都度工事費用も掛かるのでシリコン樹脂塗料を選ぶ場合が多いです。次に挙げられるのが、扱いに一定の経験が必要な点です。

シリコン樹脂塗料はこまめに攪拌をしながら扱わなければならず、一般の方には塗装が難しいとされています。また、防汚性が高い反面、密着性が低い特性もあります。そのため、壁面などに塗布する際にはプライマーをあらかじめ塗っておくことが大切です。

シリコン樹脂塗料の種類

シリコン樹脂塗料は、使用する希釈剤によって水性と油性塗料の2つに分けられます。さらに油性塗料は、使用直前に2種類の塗料を混合する2液型塗料も存在するため、以下の3種類に細分化できます。

1. 水性1液型塗料

油性塗料のため塗布面との密着性が非常に高く、アルミやステンレスなどの金属にも直接塗布できます。また、水性塗料と比べて耐久性が高いため、長期間きれいな状態を保つことができます。一方で、シンナー臭が強く、施工時には注意が必要です。

2. 油剤1液型塗料

油性塗料のため塗布面との密着性が非常に高く、アルミやステンレスなどの金属にも直接塗布できます。また、水性塗料と比べて耐久性が高いです。

長期間きれいな状態を保つことができます。しかし、シンナー臭が強いため施工時には注意が必要です。

3. 油剤2液型塗料

基本的な特性は油性塗料と変わりませんが、1液型と比較して耐久性が高く劣化がしにくいメリットがあります。使用可能な素材が1液型より広く使いやすいですが、混合後はすぐに使用する必要があるため、使用量を管理する手間がかかります。

 

シリコン樹脂塗料は、コストパフォーマンスの高さから外壁の塗装に最も使用されています。耐熱性や耐水性、耐候性に優れるため耐用年数は10~15年です。安価なアクリル樹脂塗料やウレタン樹脂塗料の耐用年数は8年弱であり、シリコン樹脂塗料の性能の高さがうかがえます。

単価はアルカリ樹脂塗料の方が安価ですが、ランニングコストで考えるとシリコン樹脂塗料が有利なため、住宅の外壁塗装などはシリコン樹脂塗料を選択するのが一般的です。また、シリコン含有量によって価格や性能が変化するため注意が必要です。

参考文献
https://gaiheki-tatsujin.com/12871
https://www.dnt.co.jp/products/kind/5.html

キュービクル

キュービクルとは

キュービクル

キュービクル (英: Cubicle) とは、高圧の受電機器と低圧への変電機器を一式収納した設備です。

発電所から送電される電気の電圧は一般的に6,600Vで、コンセントや照明などは100Vまたは200Vで駆動する場合がほとんどです。キュービクルは、受電した電力を需要設備に必要な電圧へ降圧する機器類を金属製の箱 (筐体) に収納した設備を指します。

一般的には、電力会社との電気供給契約が50KW以上の施設設備に対して設置されます。

キュービクルの使用用途

キュービクルは市街地や住宅地など、あらゆる場所に設置される設備です。気を付けて街中を歩くと、各所で見ることができます。以下はキュービクルの使用一例です。

  • ショッピングモールやスーパーなどの商業施設
  • 公民館や学校などの公共施設
  • 学生寮やマンションなどの住宅施設
  • 高層オフィスビル
  • 加工工場や小規模の工場

キュービクルの原理

キュービクルは受電機器、変電機器、低圧機器、筐体などで構成されます。

1. 受電機器

受電機器は高圧配電を受け入れるための機器です。主に断路器遮断器で構成されます。断路器はメンテナンス時の安全確保などを目的に設置され、遮断器は波及事故を防止するために設置されます。

キュービクル内の変電機器や高圧配電線が故障して短絡・地絡すると、電力会社の送電網などの上位回路に大電流が流れます。この大電流を放置すると電力会社の送電網が安全のために遮断され、周囲一帯が停電します。これが波及事故です。

遮断器は波及事故を防止するために、キュービクル内で過電流や地絡を検知すると電力供給を遮断することが役割です。キュービクル内の遮断器には、PF・S方式とCB方式があります。

PF・S方式は高圧限流ヒューズ(Power Fuse)と負荷開閉器(load break Switch)を採用した方式です。CB方式は遮断器と保護継電器を採用した方式で、遮断器のほとんどが真空遮断器です。PF・S方式は安価であり受電容量が小さい場合に使用され、CB方式は受電容量が大きい場合や負荷電流の開閉が頻繁な場合に使用されます。

2. 変電機器

変電機器は受電した高電圧を低電圧へ変換する機器類です。一般的には、変圧器やコンデンサが変電機器に当たります。

変圧器には油入変圧器モールド変圧器が使用されます。キュービクルに収納するには750kVA程度が上限であり、それ以上の容量の場合は別置が必要です。

また、変電機器を使用すると電流が遅相してしまいます。電流が遅相すると送配電にロスが発生します。そのため、電力会社の供給契約では力率が低くなると割り増しされる条項がある場合が多く、コンデンサによって遅相した力率を1に近づけます。

3. 低圧機器

低圧機器は変圧した電力を各所へ分配するための機器類です。配線用遮断器や漏電遮断器が該当します。機器構成によっては電磁接触器電磁開閉器がキュービクル内部に取り付けられることもあります。

4. 筐体

筐体は内部機器を保護するための金属製外箱です。主に1~3mm程度の鉄板が使用されます。外面は腐食防止と景観への考慮の観点から乳白色やベージュ色で塗装されます。

キュービクル内部には、防護措置を講じずに触れると感電してしまう充電部が露出している箇所があります。公共施設などのキュービクル内部へ容易に侵入されると感電事故が発生する危険があります。したがって、扉の開閉ハンドルには錠が付いていることが多いです。

変電機器や配電線は、電気を使用すると発熱する性質があります。発熱量が多い場合はキュービクル内部に熱がこもって高温となる危険性があるため、変電機器が大容量の場合は換気ファンや盤用クーラーが設置されます。

キュービクルのその他情報

キュービクルの名称

キュービクルの名前は、立方体を意味するCubeから生まれました。立方体のような箱状の筐体に機器が収納されていることが由来です。

ただし、変圧器を内部に含まない受配電盤はキュービクルと呼ばれません。金属筐体に受配電機器が収納されているため同様に立方体に近い形状ですが、この場合はメタルクラッド (略してメタクラ) と呼ばれます。

参考文献
http://www.kikakurui.com/c4/C4620-2018-01.html
https://electric-facilities.jp/denki8/cube.html
http://www.nihondenkisangyo.jp/wh/pdf/pf_s.pdf
https://www.nihondenkisangyo.jp/wh/pdf/cb.pdf

エッチング加工

エッチング加工とは

エッチング加工

エッチング加工とは、被加工材である金属板の決められた部分を部分的に溶解あるいは切削して、金属板の所定部分をくり抜く、あるいは決められた厚みまで薄くするなどして、さまざまなパターン形状に加工する技術です。

エッチング加工の特徴

エッチング加工は、極めて薄い金属板や小さい金属板に対しても、複雑なパターン加工を高精度で行うことが可能です。加工できる金属の種類も多く、半導体などの電子部品や医療機器などの部品製造など幅広く用いられています。

なお、エッチング加工で、扱うことのできる材質としては、ステンレスや、鉄などの他にもモリブデンチタンなどが挙げられ、金属ごとに適した使用用途があるため、最適な金属を選択することも重要です。

エッチング加工は、短時間かつ低コストで行えることがメリットですが、その一方で大量生産には適していないというデメリットもあります。

エッチング加工の使用用途

エッチング加工では、プレス加工では扱えない細かなパターンの加工や、薄い被加工材に対しても非常に高精度な加工が可能です。このため、前述の半導体などの電子部品や医療機器などの部品などを構成する集積回路の製造、薄型ヒーターのヒーター線(SUS箔)のパターニングなどに使用されています。

もちろん、電子機器や自動車のように多くの部品を組み合わせた製品の中にはエッチング加工された部品が多数組み込まれています。また、一般的な生活雑貨やインテリアなどの意匠品、衣料品など精度が必要とされる製品の製作にも好適です。

エッチング加工の原理と工程

エッチング加工の原理

エッチング加工は、被加工材である金属板の上に作製するパターン形状を転写した保護膜を形成し、金属板の保護膜のない部分を溶解あるいは切削します。その後、金属板をくり抜く、あるいは決められた厚みまで薄くするなどして、さまざまなパターン形状に加工していきます。

エッチング加工の工程

実際の工程としては以下の様なものが挙げられます。

1. 原版作成工程
CADを用いて作りたいパターン形状に合わせた原板を2枚作成します。これは、原板2枚の間に被加工材を挟むためです。このとき、原板の寸法にズレがあると加工後の品質に大きく影響するため、原板の作成には精度が要求されます。

2. ラミネート工程
これは、被加工材である金属板に保護膜を形成するためのフォトレジストを貼り付ける工程で、この加工のことをラミネートと呼びます。フォトレジストとは感光性を持つ物質で、後の工程で「被加工材である金属板にパターン形状を転写する」「金属板の除去しない部分をエッチングから保護する」などの役割があります。

なお、金属板とフォトレジストの密着度が加工後の品質に大きく影響するため、被加工材である金属板を脱脂洗浄した後にフォトレジストを貼り付けるのが一般的です。

3. パターン形状転写工程
フォトレジストを貼り付けた金属板を原板で挟み込みUVを照射します。すると、原板で遮光されていない部分のフォトレジストが感光し、結果、原板のパターン形状が被加工材である金属板に転写されます。

4. エッチング工程
まずは、被加工材の表面に現れたパターンに沿って、エッチングにより除去したい部分のフォトレジストを剥がします。そこに金属を溶解させるエッチング液を吹き付けると、被加工材である金属板のフォトレジストを剥がした部分のみが溶解し、パターン形状だけが残ります。最後に被加工材全体のフォトレジストを除去して終了です。

エッチング加工の種類

エッチング工程には上述のようにエッチング液を使用するウエットエッチングと、反応性のイオンガスやプラズマガスを反応させるドライエッチングがあります。

1. ウエットエッチング

ウエットエッチングは、前述のように所定のパターン形状にフォトレジストが転写された被加工物に、薬液を反応させる事でパターンの形状を得る加工方法です。この方法は、半導体製造工程などで使用されており、複数の被加工物を薬液に浸すバッジ式のウエットエッチングが広く用いられています。

複数の被加工物を同時処理出来るため生産性が高いというメリットがありますが、原理上フォトレジストの下側にも侵食して溶解するため、超微細なパターン形状の加工には向いていません。

2. ドライエッチング

ドライエッチングとは、所定のパターン形状にフォトレジストが転写された被加工物に、反応性のイオンガスやプラズマガスを反応させる事で、フォトレジストがない部分を切削加工して所定のパターン形状を得る方法です。ドライエッチングでは、フォトレジストに対して垂直に反応性のイオンガスやプラズマガスをぶつけて切削加工します。

つまり、ウエットエッチングが等方性のエッチング加工であるのに対して、ドライエッチングは異方性のエッチング加工が可能です。また、原理上、ガスはフォトレジストに対して垂直に侵食するため、ドライエッチングにおいてはウエットエッチングのようにフォトレジストの下側にガスが届くことはなく、ウエットエッチングよりも超微細なパターン形状の加工に向いています。

エッチング加工のその他情報

集積回路とエッチング加工

三次元構造を層状に堆積させる集積回路の作製工程にはエッチング加工が多く用いられています。集積回路を構成する三次元構造は非常に繊細なパターン形状を有するため、ウエットエッチングだけでなく、ドライエッチングも使用して、より繊細な加工を可能としています。

求められる生産性や、集積度(パターニングの微細さ)に応じて、ウエットエッチング加工やドライエッチング加工を適宜選択することが重要です。

参考文献
https://www.hirai.co.jp/technology/etching/
https://www.p1-net.co.jp/difference
http://www.wakae1960.net/etching/
http://www.jmq.jsr.co.jp/products.html

ウレタンゴム

ウレタンゴムとは

ウレタンゴム

ウレタンゴムとは、ウレタン結合を有する重合体であり、合成ゴムの一種で、弾性と剛性に優れています(図1)。

特に機械的強度と耐摩耗性に優れることから、長期間使用できる利点があります。ウレタンゴムは、素材の組成や結合方式の違いにより特性が大きく変化します。

大別すると主鎖がエステル結合タイプのポリエステルウレタンゴム(AU)とエーテル結合タイプのポリエーテルウレタンゴム(EU)の2種類に分けられます。

AUはエステル結合を有するため加水分解されやすいですが、耐油性や機械強度に優れています。

一方EUは、耐油性や機械強度はAUに劣りますが、加水分解されにいため耐水性に優れており、さらには耐寒性、ゴム弾性、耐摩耗性にも優れています。

ウレタンゴムの構造

図1. ウレタンゴムの構造

ウレタンゴムの使用用途

ウレタンゴムは、ロールやタイヤ、ベルトコンベア、スポーツシューズの靴底に使用されます。耐摩耗性を活かした代表例が工場などで使用されるベルトコンペアです。

ただし、酸や高湿度の環境下で使用すると劣化が進むため注意が必要です。また、高い弾性を活かしてスポーツシューズの靴底にも使用されています。

このように用途が多岐にわたる理由は材料の組成や製造方法によって弾性などの特性を自由自在に変化させることができるからです。

ウレタンゴムの劣化の原因と対策

自然環境中でのウレタンゴム劣化の原因としては、光、熱、酸素、水、微生物などが挙げられます。このうち、光、熱による劣化とは酸化反応による分解であり、ウレタン結合が開裂することにより物性が低下します。

その対策としては、紫外線吸収剤や酸化防止剤の添加が効果的です。 次に、水が原因となる劣化の例としては、ウレタン結合の加水分解があげられ、ポリエステルウレタンゴムの方がポリエーテルウレタンゴムよりも分解されやすいです。

また、ポリエステル系の場合はエステル結合も加水分解による劣化を受けます。この種の劣化については、カルボジイミド化合物の添加により防止する事ができます。

微生物が原因となる劣化としては、真菌類による微生物分解がその代表例です。ウレタンゴムは、一般的なプラスチックなどの高分子化合物よりも微生物分解を受けやすい事が知られています。

また、この種の劣化においては、これはポリエステルウレタンゴムの方がポリエーテルウレタンゴムよりも分解されやすいです。

そのメカニズムとしては、微生物が生産するエステラーゼによるエステル結合の加水分解などが報告されています。

ウレタンゴムの原理

ウレタンゴムの種類と特徴 多種多様な用途に使用されるウレタンゴムは、製造方法によって特性をコントロールすることも可能です。

合成方法としては、グリコールに代表されるポリオールとジイソシアネートの重付加反応が用いられます。 主に以下の3つの製造方法が採用されています。

1. ミラブルタイプ

合成ゴムの加工に用いられる一般的な製造方法の1つで、原料から生地を生成した後、金型に流し込みプレスして成形します。

非常にシンプルな方法のため、高い生産効率を得られます。一方で、加水分解を受けやすいことや材料特性が悪くなるなどのデメリットもあります。

2. サーモプラスチックタイプ

樹脂の加工方法を応用した製造方法で、インジェクションタイプとも呼ばれます。ペレット状のウレタンゴムを加熱し融解した後、金型に注入して成形します。安価で生産できるメリットがありますが、製造機器が高価なため大量生産を前提とした製造方法になります。

3. キャスタブルウレタンタイプ

液状のウレタンゴムと硬化剤を混合して金型内で加硫を行います。加硫によりウレタンゴム分子同士が架橋し、高い弾性を得ることができます。

この工程を1日かけて行った後、成形して製造されます。製造設備が安価に抑えられると同時に複雑な形状の加工も可能なため、この方式を導入する企業も多くあります。ただし、製造に時間がかかるため製造効率は低くなります。

アルミニウム青銅

アルミニウム青銅とは

アルミニウム青銅

アルミニウム青銅とは、アルミニウムから構成される合金です。アルミニウム青銅の化学成分として銅が主要な構成要素となっています。アルミニウム青銅中の銅含有割合は、全体の構成要素の約80%から90%を占めます。

また、アルミニウムは、アルミニウム青銅中に15%以下の割合で含まれます。また、銅とアルミニウム以外にも、アルミニウム青銅には、鉄が1%から6%程度、ニッケルが1%から5%程度、そしてマンガンが0.5%から2%程度、添加されています。

アルミニウム青銅の使用用途

アルミニウム青銅は、耐食性や機械的性質に優れており、加工しやすいので、広く使用されています。

以下にアルミニウム青銅の主な用途を挙げます。
アルミニウム青銅は、金の代替として装飾品に使用されています。これは、アルミニウム青銅の色が金の色とほぼ同じためです。

また、戦前の日本では、アルミニウム青銅が貨幣の材料として使用されていました。

また、アルミニウム青銅は、耐海水性に優れているため、海でも使用されます。具体例として、アルミニウム青銅は、船のプロペラや海水弁などの材料として使用されています。

アルミニウム青銅の特徴

アルミニウム青銅の特徴として、アルミニウム青銅は、4つの種類に分類され、それぞれ化学的、物理的性質が異なるという点が挙げられます。以下にそれぞれのアルミニウム青銅の種類と特徴を挙げます。

アルミニウム青銅鋳物1種は、Cu(銅)-Al(アルミニウム)-Fe(鉄)系合金と呼ばれています。アルミニウム青銅鋳物1種の特徴として、曲げ加工に強く、耐熱性、耐食性、低温特性、耐摩耗性にも優れています。

アルミニウム青銅鋳物2種は、Cu-Al-Fe-Ni(ニッケル)-Mn(マンガン)系合金として知られています。アルミニウム青銅鋳物2種は、耐食性、耐摩耗性に特に優れています。

アルミニウム青銅鋳物3種もCu-Al-Fe-Ni-Mn系合金です。アルミニウム青銅鋳物3種は、強さが特に優れているため、大型の鋳物加工によく使われています。

アルミニウム青銅鋳物4種もCu-Al-Mn-Fe-Ni系合金として知られています。アルミニウム青銅鋳物4種は、強さが高く、耐食性、耐摩耗性も優れています。アルミニウム青銅鋳物4種は、単純形状の大形鋳物の材料として広く使用されています。

アスファルト

アスファルトとは

アスファルトとは、原油を精製することで得られる炭化水素を主成分とする黒色の材料です。

土瀝青または地瀝青という別名もあります。常温状態では固体もしくは半固体ですが、高温域では容易に融解し液体となります。

現在、使用されるアスファルトの多くは石油由来です。しかし、一部天然由来のアスファルトも存在します。また、アスファルトに砂や石などを複合させた加工品をアスファルト混合物と呼ぶため、区別して使用される場合もあります。

アスファルトに似たものとして、コンクリートが挙げられます。コンクリートはセメントに砂や水を加えて重合反応を利用して固化させる粉末のため、大きく異なる物質です。

アスファルトの使用用途

アスファルトの主な使用用途は、道路の舗装、燃料、建築材料などです。

1. 道路の舗装

アスファルトは、道路の舗装に使用されます。日本の道路の9割以上はアスファルト塗装が施されています。アスファルトが重宝される理由はいくつかあり、1つは価格の安さが挙げられます。

コンクリートと比べ、低単価での舗装が可能です。また、短時間での施工が可能であり、透水性をコントロールできる点も道路舗装に用いられる理由です。

最近では、ヒートアイランド現象対策として、保水性や遮熱性を付与したアスファルト塗装や静音性を重視した塗装なども開発されています。

2. 建材

アスファルトは、建材としても使用されます。屋根用防水シートなどはアスファルトを材料とする場合があり、アスファルトルーフィングと呼ばれます。屋根部材の下にアスファルトルーフィングを敷くことで、雨水の侵入を防止する役割を果たします。

近年では、アスファルトにゴムや合成樹脂を混合させた改質ゴムアスファルトルーフィングも開発されています。

3. 燃料

アスファルトは常温で固体であり、燃料としては扱いにくい材料です。ただし、重油と比べて安価で供給なことから、発電用ボイラの燃料として使用されます。

天然由来で粘性が少ない製品は微粉に粉砕して使用し、燃焼炉に微粉バーナーで吹き込み燃焼します。重油の蒸留で発生する重質残渣などは粘性が高いため、輸送時などは加温して流動性を持たせます。使用するときはボイラの余剰蒸気を利用して加熱し、流動性を維持させてバーナーで吹き込み燃焼します。

いずれの場合も、燃焼後の残留炭素や金属灰分が重油以上に含まれており、燃焼後の燃え残り分の処置が必要です。

アスファルトの原理

アスファルトは原油を蒸留することで得られ、主成分はパラフィンやナフテン、芳香族炭化水素などです。砂や骨材などを混合させて製品化されます。これらの混合物を加熱して液状状態で使用しますが、常温で固化してしまうため施工が難しくなります。

そこで使用されるのが、粘性を低下させる乳化剤と呼ばれる物質です。アスファルト乳剤はアスファルトを微粒子状に分散させる作用があるため、粘度が低下して常温でも施工が可能になります。また、乳化剤にはカチオン系乳剤/アニオン系乳剤/ノニオン系乳剤の3種類がありますが、現在はカチオン系乳剤が最もよく使用されます。

使用する乳化剤によって特性が変化しますが、アスファルトに混合するフィラーも特性に影響を与えます。フィラーとは、石灰岩などを微粉化した材料です。フィラーを混合させることで、粘度を向上させると言われます。

一般的な道路に使用される密粒度アスファルト混合物は、粗骨材を55%、細骨材を35%、フィラーを5%、アスファルトを5%の組成で混合しています。透水性を高くしたい場合は粗骨材を多く、透水性を低くしたい場合は細骨材を多く配合します。組成を工夫することで、所望の特性を持たせることが可能です。

アスファルトのその他情報

燃料としての問題点

アスファルトを燃料として使用する上で、問題点は大きく分けて2つあります。燃焼系統の設備を消耗し汚すこと、及び燃焼排ガスによる大気汚染です。アスファルト中の不純物としては、アスファルトに含有する各種重金属と硫黄分がこれらの原因です。

各種重金属のうちバナジウム化合物は他の金属酸化物より融点が低いため、炉内でミスト状になり付着堆積します。溶融した付着物は腐食を誘発しつつ伝熱を阻害するため、ボイラ性能が低下します。そのため、定期的に清掃する必要があります。

硫黄分の大部分は、硫黄酸化物としてガス化します。そのままでは大気汚染の原因となるため、排煙脱硫装置や排ガス処理設備が必要です。排ガス量によっては、大規模な設備が必須となります。近年では、環境規制の強化や設備維持のコスト増のため、燃料としての使用は次第に困難となっています。

参考文献
http://www.askyo.jp/knowledge/
https://www.seikatsu110.jp/garden/gd_asphalt/85625/
https://www.ecocleansoil.jp/blog/290/
https://www.ihi.co.jp/ihi/products/resources_energy_environment/boiler/
https://www.fepc.or.jp/enterprise/hatsuden/fire/index.html

PVケーブル

PVケーブルとはPVケーブル

PVケーブルとは、太陽光発電用のケーブルです。

PVは「PhotoVoltaics」の略であり、太陽光発電を指しています。太陽光ケーブルやソーラーケーブルとも呼ばれます。太陽光発電によって作られる電力は直流電力です。国内の「電気設備に関する技術基準を定める省令」では、直流750Vを超える電圧の電気を高圧と定めています。

高圧用ケーブルは遮蔽層を設けた頑丈な作りで高価なため、可能な限り低圧に抑えて低圧用ケーブルを使用すべく設計するのが一般的でした。一方、2012年6月29日改定の電気設備に関する技術基準の解釈第46条にPVケーブルが新たに規定されました。PVケーブルは、取扱者以外の者が立ち入らないような措置を講じた場所に限り使用可能であり、高圧用ケーブルよりも安価な点が特徴です。

使用電圧がDC1,500V未満と定められたため、600V~1,500Vで太陽光発電設備を設計することが可能となりました。絶縁物で被覆した上を外装で保護した電気導体を有した構造です。導体は断面積60mm2以下の軟銅線またはこれと同等以上の強さとされます。なお、絶縁体は架橋ポリオレフィン混合物や架橋ポリエチレン混合物またはエチレンゴム混合物などであることが規定されています。

PVケーブルの使用用途

PVケーブルは、主に太陽光発電設備において使用されるケーブルです。以下は、PVケーブルの使用用途一例です。

太陽光発電設備は太陽光発電モジュール、接続箱、パワーコンディショナなどに大分されます。複数個の太陽光発電モジュールは接続箱を介して接続されており、パワーコンディショナへ導入されます。パワーコンディショナでは、電気を変圧・交流化して電力会社送電線網と連系します。

2012年の改定以前では、低圧に該当する直流600VのCVケーブルを使用していました。現在では、600V以上の耐圧性能を有するPVケーブルで施工することも多いです。PVケーブルによる高圧太陽光発電設備の方が接続箱の数などを削減できるため、トータルコストを低減可能です。

PVケーブルの原理

PVケーブルは導体、絶縁体、シースなどで構成されます。

1. 導体

導体は軟銅撚線とすることが多いです。細い軟銅線またはスズメッキ軟銅線を集めて、複数層撚り集めて柔軟性 (可とう性) を持たせています。これらは、柔軟性を必要とする場所で用いる代表的な電気用導体です。

2. 絶縁体

絶縁体には、架橋ポリオレフィン (英: Cross-linked polyolefin) などを使用しています。ポリオレフィンは、オレフィン類やアルケンを重合して高分子化した材料です。ポリエチレン (PE:Polyethylene) やポリプロピレン (PP:Polypropylene) も含まれ、これらに立体網目構造を持たせて耐熱性や耐薬品性を向上させて使用します。

3. シース

シースはケーブル外殻のことで、塩化ビニルなどの材料を用います。太陽光に強いですが、低温と高温に弱い所が欠点です。塩化ビニルの太陽光に対する強さを利用して、内側の架橋ポリオレフィン層を保護することで、ケーブルとしての利便性を高めています。

PVケーブルの種類

PVケーブルの代表的な種類は、以下のとおりです。

1. PV-CCケーブル

絶縁体・シース共に架橋ポリエチレンを使用したケーブルです。架橋ポリエチレンはCVケーブルなどにも使用されるため、馴染み深い素材で構成されています。一般的には、1,500V耐圧の製品が販売されます。

2. PV-QQケーブル

絶縁体・シース共に架橋ポリオレフィンを使用したケーブルです。PV-CCケーブルと同様に、1,500V耐圧の製品がほとんどです。

3. PV-PPケーブル

絶縁体・シースエチレンゴムが使用されたケーブルです。材料がゴム系のため、可動する箇所などに適用することができます。

参考文献
https://www.tonichi-kyosan.co.jp/technical/pdf/technical01_02.pdf

温度警報器

温度警報器とは

温度警報器とは、温度変化を検知して知らせる機器です。

温度センサによって感知された温度が設定温度以上または以下になったら、警報を発します。温度警報器には特殊なセンサが内蔵されており、周囲の温度をリアルタイムで検知します。高い感度と迅速な反応速度を備えており、短時間で正確な温度データを提供するセンサです。

さらに、異常な温度上昇や温度低下を検知すると、警報を発することも特徴です。警報は鋭い音や視覚的な表示によって人々の注意を引きます。これにより、異常な温度状態に対して素早く対処することができます。

温度警報器の使用用途

温度警報機の使用用途ですが、ヒーターの過昇温を防止するための警報発信と機器の停止をする目的で使用されることが一般的です。

主な用途は、工場やビニールハウスなどで使用される工業用と冷蔵庫の異常温度を伝えるためにランプや音声、ブザーによる注意喚起を行ってくれる家庭用、科学研究や実験の現場で使用される研究用の3種類です。

1. 工業用

温度警報器は工場や倉庫などの産業施設で重要な役割を果たします。例えば、製造ラインや機械の運転中に発生する異常な温度上昇を検知することで、機械の故障や火災のリスクを早期に察知可能です。これにより、生産プロセスの中断や大規模な被害を防ぐことができます。

その他、自動車産業にも多く使用されます。自動車のエンジンは高温で運転されるため、適切な冷却が必要です。温度警報器はエンジンの冷却システムに組み込まれ、冷却水の温度を監視します。異常な温度上昇が検知されると、警報が発されます。これにより、エンジンの過熱や損傷を防ぎ、故障を早期に察知することができます。

2. 家庭用

温度警報器は、住宅やマンションの利用も増加中です。例えば、キッチンや浴室などの高温環境で異常な温度上昇が検知された場合、火災の早期発見や事故の予防に役立ちます。特に高齢者や子供がいる家庭では、安全対策の一環として温度警報器の設置が推奨されます。

3. 研究用

使用する温度範囲が広い白金測温抵抗体を用いた警報機は、研究用にも利用されています。例えば、細胞培養室や動物実験施設です。これらの研究では、特定の温度範囲を維持する必要があるため、温度警報器は温度上昇や低下を監視し、異常な温度変化を検知すると警報を発します。これにより、研究者は即座に対応することで、実験結果の信頼性を高められます。

化学研究においても反応が起こる際の温度変化は、反応速度や生成物の収率に影響を与えるため重要な要素です。温度警報器は実験中の温度を監視し、異常な温度上昇や低下を検知すると警報を発します。これにより、危険な状況や反応の不均一性を早期に察知し、研究者の安全性と実験結果の品質を確保します。

温度警報器の原理

温度警報器は、異常な温度上昇を検知し、警報を発する装置です。温度警報器には、異常な温度変化を検知するために閾値が設定されています。制御回路はセンサの信号を閾値と比較し、一定の範囲を超えると、異常と判断するという仕組みです。閾値は使用目的や環境に応じて調整されます。

例えば、特定の温度範囲を設定しておくことで、それを超えた場合に警報が発生するようになります。温度変化を検知する仕組みは、コネクタ部にあります。冷接点と温接点との温度差に対応して微小な電圧が発生するようになっており、2点の温度差に起因する微小な電圧と冷接点の温度に対応した電圧を合わせて、測定物の温度を測定することが可能です。

温度警報器の特徴

多くの特徴を持つ優れた装置である温度警報器にはいくつかの特徴があります。

1. 感度と精度が高い

温度警報器は、内蔵されたセンサによって高い感度と正確な温度計測を行います。例えば、微小な温度変化や急激な上昇を検知することが可能です。これにより、異常な温度状態を早期に察知し、適切な対応を行うことができます。

2. 反応速度が速い

温度警報器は、迅速な反応速度を備えています。センサが温度変化を感知した時点で警報が発せられるため、瞬時に異常な状態に気付くことができるのも特徴です。これにより、迅速な対応や緊急時の安全確保が可能となります。

丸形コネクタ

丸形コネクタとは

丸形コネクタ

丸形コネクタとは、機器に電気信号の入力および出力を行うケーブルを取り付ける際に使用されるコネクタの内、特に円形のものを指します。

電子機器は電力を始めとして様々な信号の入出力が行われますので信号の種類の数だけ配線を取り付ける必要があります。多数の細い配線を何本も撚り合わせて機器に接続する際の接続のしやすさを考慮してコネクタの形状が作られていますが、丸形コネクタは一般的にポートにネジが切られているカバーで締め付けるために外れにくいという特徴があります。

丸形コネクタの使用用途

丸形コネクタは電子機器にケーブルを接続する際の端子として用いられます。

円形のコネクタですので、配線数が多いとコネクタが同心円状に大きくなってしまい取り付けにくくなりますし、信号線とピンの接続も難しくなります。このため、信号数が多い場合はD-subコネクタなどと呼ばれる細長い四角形のコネクタが用いられることが多いですが、どちらがいいかは機器の形状等に合わせて選択されます。

他にも高周波を入力する際の同軸ケーブルのコネクタとしても丸形ケーブルは用いられています。

丸形コネクタの原理

機器はその用途に応じた信号の入出力を行いますが、例えばカメラからパソコンに画像を入力する際には画像を送信する信号線が必要となり、マイクから音声を入力する際には別途音声用の信号線が必要となります。

これらの信号線を一本ずつ取り付けると大変ですので、信号線が何本も撚り合わさって作られているケーブルを用いて接続されます。ケーブルは信号線ごとにコネクタのピンにはんだ付けされていますが、闇雲に取り付けられているわけではなくあらかじめ決められた場所に取り付けられます。このピンの割り当てをピンアサインと言い、このアサインを間違えると通信ラインに電源の電圧が入力されるなどして機器の故障に繋がりますので間違いは許されません。ケーブルを接続したけど機器がうまく作動しない場合はこのピンアサインが間違っている場合が多いです。

このようにしてケーブルと丸形コネクタを繋ぎ合わせ、ケーブルで各機器がつながることでシステムが構築されます。

参考文献
https://jp.rs-online.com/web/c/connectors/circular-connectors/