PVケーブル

PVケーブルとはPVケーブル

PVケーブルとは、太陽光発電用のケーブルです。

PVは「PhotoVoltaics」の略であり、太陽光発電を指しています。太陽光ケーブルやソーラーケーブルとも呼ばれます。太陽光発電によって作られる電力は直流電力です。国内の「電気設備に関する技術基準を定める省令」では、直流750Vを超える電圧の電気を高圧と定めています。

高圧用ケーブルは遮蔽層を設けた頑丈な作りで高価なため、可能な限り低圧に抑えて低圧用ケーブルを使用すべく設計するのが一般的でした。一方、2012年6月29日改定の電気設備に関する技術基準の解釈第46条にPVケーブルが新たに規定されました。PVケーブルは、取扱者以外の者が立ち入らないような措置を講じた場所に限り使用可能であり、高圧用ケーブルよりも安価な点が特徴です。

使用電圧がDC1,500V未満と定められたため、600V~1,500Vで太陽光発電設備を設計することが可能となりました。絶縁物で被覆した上を外装で保護した電気導体を有した構造です。導体は断面積60mm2以下の軟銅線またはこれと同等以上の強さとされます。なお、絶縁体は架橋ポリオレフィン混合物や架橋ポリエチレン混合物またはエチレンゴム混合物などであることが規定されています。

PVケーブルの使用用途

PVケーブルは、主に太陽光発電設備において使用されるケーブルです。以下は、PVケーブルの使用用途一例です。

太陽光発電設備は太陽光発電モジュール、接続箱、パワーコンディショナなどに大分されます。複数個の太陽光発電モジュールは接続箱を介して接続されており、パワーコンディショナへ導入されます。パワーコンディショナでは、電気を変圧・交流化して電力会社送電線網と連系します。

2012年の改定以前では、低圧に該当する直流600VのCVケーブルを使用していました。現在では、600V以上の耐圧性能を有するPVケーブルで施工することも多いです。PVケーブルによる高圧太陽光発電設備の方が接続箱の数などを削減できるため、トータルコストを低減可能です。

PVケーブルの原理

PVケーブルは導体、絶縁体、シースなどで構成されます。

1. 導体

導体は軟銅撚線とすることが多いです。細い軟銅線またはスズメッキ軟銅線を集めて、複数層撚り集めて柔軟性 (可とう性) を持たせています。これらは、柔軟性を必要とする場所で用いる代表的な電気用導体です。

2. 絶縁体

絶縁体には、架橋ポリオレフィン (英: Cross-linked polyolefin) などを使用しています。ポリオレフィンは、オレフィン類やアルケンを重合して高分子化した材料です。ポリエチレン (PE:Polyethylene) やポリプロピレン (PP:Polypropylene) も含まれ、これらに立体網目構造を持たせて耐熱性や耐薬品性を向上させて使用します。

3. シース

シースはケーブル外殻のことで、塩化ビニルなどの材料を用います。太陽光に強いですが、低温と高温に弱い所が欠点です。塩化ビニルの太陽光に対する強さを利用して、内側の架橋ポリオレフィン層を保護することで、ケーブルとしての利便性を高めています。

PVケーブルの種類

PVケーブルの代表的な種類は、以下のとおりです。

1. PV-CCケーブル

絶縁体・シース共に架橋ポリエチレンを使用したケーブルです。架橋ポリエチレンはCVケーブルなどにも使用されるため、馴染み深い素材で構成されています。一般的には、1,500V耐圧の製品が販売されます。

2. PV-QQケーブル

絶縁体・シース共に架橋ポリオレフィンを使用したケーブルです。PV-CCケーブルと同様に、1,500V耐圧の製品がほとんどです。

3. PV-PPケーブル

絶縁体・シースエチレンゴムが使用されたケーブルです。材料がゴム系のため、可動する箇所などに適用することができます。

参考文献
https://www.tonichi-kyosan.co.jp/technical/pdf/technical01_02.pdf

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