アスファルト乳剤のメーカー8社を一覧でご紹介します。まずは使用用途や原理についてご説明します。
目次
アスファルト乳剤は、アスファルトを常温で施工することができるように工夫された材料です。
アスファルトは、常温では流動性が低いため、道路の舗装などに使用する場合には、
数百度の高温で加熱したり、有機溶媒を混ぜる等して流動性を高める必要があります。
一方で、アスファルト乳剤は、加熱せずに常温で施工することができるので取り扱いやすく、
省エネであり、CO2の排出量を削減することができるなどの利点があります。
また、有機溶媒を混ぜる必要もないので、有機溶媒が揮発することによる施工時の異臭発生や環境への負荷を減らすことができます。
アスファルト乳剤は、例えば、アスファルト舗装の施工時に使用されています。
一般的なアスファルト舗装は、路床(地面)の上に砕石などによって形成された路盤と、
加熱アスファルト混合物を路盤の上に敷設することによって形成された基層及び表層とからなります。
アスファルト乳剤は、路盤の形成後であって基層の敷設前に路盤の表面に散布されて、路盤と基層との馴染みを良くするプライムコートとして使用されます。
このようにして使用される場合、アスファルト乳剤は、前述した効果以外にも、路盤を安定化させたり、路盤の防水性を高める等の効果を発揮します。
また、アスファルト乳剤は、基層の形成後であって表層の敷設前に基板の表面に散布されて、基層と表層との間の馴染みを良くするタックコートとして使用されることもあります。
前述した用途以外にも、アスファルト乳剤は、表層の形成後に散布されてアスファルト舗装の表面処理に使用されることもあります。
アスファルト乳剤は、前述したアスファルト舗装以外にも、構造物の防水加工のための材料等として広く使用されています。
アスファルト乳剤は、乳化剤を使用して、水中にアスファルトの微粒子を分散させることによって製造されます。
アスファルト乳剤は、散布後に水とアスファルト微粒子とが分離することにより、アスファルトの微粒子同士が集合して粘着性を有する被膜を形成し強度を発揮します。
アスファルト乳剤の主な成分はストレートアスファルトと水と乳化剤であり、中でも主成分であるストレートアスファルトは全体の50%~70%を占めています。
ストレートアスファルトの次に多い成分が水で、その次が乳化剤となっています。
乳化剤は、いわゆる界面活性剤であり、カチオン系乳化剤、アニオン系乳化剤、ノニオン系乳化剤の3種類があります。
乳化剤はほかの成分に比べて含有量が少ないものの、その性質がアスファルト乳剤の性質に大きく影響します。
そのためアスファルト乳剤は、使用している乳化剤の種類によって、以下の3種類に分類されています。
カチオン系乳化剤を使用しているカチオン系乳剤:散布後に水とアスファルト微粒子とが分離しやすいので、水が蒸発するのを待つことなく被膜を形成することができます。
砕石の表面にすばやく被膜を形成することができるという利点から、アスファルト舗装に使用されているアスファルト乳剤のほとんどをこのカチオン系乳剤が占めています。
アニオン系乳化剤を使用しているアニオン系乳剤:水とアスファルト微粒子との分離がおこりにくいため、被膜の形成に時間がかかるという欠点があります。
一方で、乳剤としての安定性が高く長期間の保存が可能であるという利点があります。
ノニオン系乳化剤を使用しているノニオン系乳剤:電荷をもたず化学的安定性が高いので、セメントなどのアルカリ性の物質とも混合して使用することが可能です。
参考文献
http://www.askyo.jp/knowledge/index.html
http://www.jeaa.or.jp/new/nyuzai/index.html
社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社