油入変圧器についての概要、用途、原理などをご説明します。また、油入変圧器のメーカー17社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。油入変圧器関連企業の2022年6月注目ランキングは1位:日新電機株式会社、2位:株式会社明電舎、3位:株式会社ダイヘンとなっています。
変圧器は、二つの巻き線を有し電磁誘導作用を利用して一方の巻き線に加えた交流電力を他方の巻き線において、電圧の異なる同一周波数の交流電力に変換する機器です。
変圧器には一次巻き線と二次巻き線があり、一次側の電圧と、巻き線の比率で二次巻き線の電圧が決定します。変圧器にはさまざまな種類がありますが、工場などの電力用には油入変圧器が最も多く使用されています。
油入変圧器は鉄製のタンク内に絶縁油を入れ、その中に巻き線を巻いた鉄心が収められています。
油入変圧器は、概要でも述べたように工場などの電力変換に最も多く採用されています。その理由としてはモールド変圧器などに比べ安価であり、また外箱が金属製であることや、内部の油で冷却を行うことができるため、基本的に外部ファン等の設置が不要で、屋内外を問わず設置することができるためです。
実際の現場では特別高圧(7000Vを超える交流電圧)から高圧(700Vを超える交流電圧)や、高圧から低圧への電圧変換などに使用されています。
油入変圧器は、ケイ素鋼板を積層して作った積層鉄心に巻き線を巻いたものと、絶縁油が金属製の外箱内に封入されています。
また絶縁油は、周囲温度の影響などで膨張・収縮を繰り返すため空気が入りこみ劣化してしまいます。この劣化を防ぐためにコンサベータという機器を変圧器上方に設け、この内部を窒素で満たし油の膨張・収縮による空気の侵入を防いでいます。また、タンク内の巻き線を外部へ出すためにブッシングといわれるがいしで覆うことで、周囲と絶縁を行いつつ外部へ巻き線を引き出しています。
また、巻き線は電源側(一次)と負荷側(二次)にわけることができ、負荷側で使用したい電圧に合わせ巻き数比を設定しています。一次側、二次側の巻き数比と電圧をそれぞれN1、N2、V1、V2とするとN1/N2=V1/V2という関係が成り立ち、電圧は巻き数比に比例します。また一次側、二次側の電流をI1、I2とするとN1/N2=I2/I1となり電流は巻き数比に反比例します。これらの関係から一次側と二次側の電力は同じになることがわかります。
油入変圧器の絶縁油としては、鉱油が広く用いられます。JISでは1種2号鉱油に分類されます。最近では環境に配慮して、ひまわり油や菜種油を使用した変圧器なども販売されています。多少高価ではありますが、漏洩事故による環境汚染を防ぐことができるというメリットがあります。
また、絶縁油の状態を監視することで、変圧器の使用状況は余寿命を診断することができます。これらは油中ガス分析試験と呼ばれ、変圧器内部の絶縁油を一部サンプリングして試験します。絶縁油内部の有機ガスの濃度を確認することで、変圧器の使用状況が分かります。
変圧器が過熱することで、エチレンやエタンなどが発生します。変圧器の部分放電などではアセチレンや水素が発生します。水素は経年劣化でも発生します。アセチレンは含有されていると、変圧器内部で異常が発生していると分かるため、微量でも検出されてはならない有機ガスです。
油入変圧器は降圧変圧器として広く用いられ、重電メーカーでは容量に応じた市販変圧器が販売されています。規格品の油入変圧器は自冷式変圧器が多く、変圧器の負荷に従って温度が上昇します。油入変圧器が過熱してしまうと、絶縁油の強制劣化による絶縁不良やそれに伴う上位への波及事故が発生する危険性があります。また、最悪の場合は油に火が付き、火災となる恐れもあります。従って、油入変圧器の温度を許容値以下に保つことは管理上重要な項目となります。
一般に広く使われている油入変圧器の最高許容温度は105℃です。ただし、外部気温や温度差にも左右されるため、95℃以下程度で管理されます。
油入変圧器の消防法での扱いは極めて繊細です。まず、油入変圧器に使われる鉱油は、一般に第3石油類です。大型の油入変圧器内絶縁油は2000Lを超えるため、油のみであれば消防法上危険物に該当します。ただし、変圧器が電路に繋げられた状態では、消防法ではなく電気事業法としての管理が適用され、危険物として扱われなくなります。
例えば、古い変圧器を解体するとして、配線を解体し、電路から切り離した瞬間に危険物として扱われます。
具体的には色々なケースが考えられるため、消防署等に確認して対応する必要があります。
参考文献
https://www.asia-souken.co.jp/2019/01/31/%e3%83%a2%e3%83%bc%e3%83%ab%e3%83%89%e5%a4%89%e5%9c%a7%e5%99%a8%e3%83%bb%e6%b2%b9%e5%85%a5%e5%a4%89%e5%9c%a7%e5%99%a8%e3%81%ae%e9%81%95%e3%81%84%e3%81%a8%e3%83%a1%e3%83%aa%e3%83%83%e3%83%88%e3%83%bb/
https://www.daihen.co.jp/products/electric/faq/other/q01.html
http://fa-faq.mitsubishielectric.co.jp/faq/show/18389?site_domain=defaul
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油入変圧器のカタログ一覧はこちら企業
東芝産業機器システム株式会社 特許機器株式会社*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2022年6月の注目ランキングベスト10
順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | 日新電機株式会社 | 22.8% |
2 | 株式会社明電舎 | 11.9% |
3 | 株式会社ダイヘン | 10.9% |
4 | 三菱電機株式会社 | 8.9% |
5 | 愛知電機株式会社 | 7.9% |
6 | 淀川変圧器株式会社 | 5.9% |
7 | 株式会社日立産機システム | 5.9% |
8 | 株式会社電巧社 | 5% |
9 | 富士電機株式会社 | 4% |
10 | 東芝産業機器システム株式会社 | 4% |
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2022年6月の油入変圧器ページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
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