アイソレーションアンプについての概要、用途、原理などをご説明します。また、アイソレーションアンプのメーカー12社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。アイソレーションアンプ関連企業の2023年1月注目ランキングは1位:日本テキサス・インスツルメンツ合同会社、2位:ローム株式会社、3位:日清紡マイクロデバイス株式会社となっています。
アイソレーションアンプとは、入力・出力信号の間を電気的に絶縁しつつ、信号を伝達できるアンプです。
マイコン制御ボードのようなプリント基板の入力回路や出力回路に組込み、外部から入る信号を直流的に絶縁して、計測を正確に行えるため、一般的に計測器や医療機器などに使用されます。また、使用者の安全を確保する役割も果たします。
感電防止、信号分岐(責任分界)、高アース電位対策、ノイズ対策などが特徴として挙げられます。
重電・産業用機械、電源装置、発電装置、医療機器、半導体製造装置、輸送機(車両)、通信機器、計測機器に使用されます。
回路に要所に組み込むことで、機器が故障した場合も使用者が感電しないよう安全対策として機能します。
複数のシステムへ信号を送る場合も、複数用いることでシステム相互間の干渉を防ぎます。
高アース電位による逆走電流を取り除き、電源を保護します。
ノイズの発生源が多い環境でも設置できます。
計測する入力を信号源に影響を与えないようにとても高い入力インピーダンスを持つバッファ回路①へ入力します。入力信号と同じ電圧が出力側に現れ、バッファ回路①の出力は信号トランスの1次側へ伝達し、その出力インピーダンスは信号トランスのインピーダンスが変化しても出力電圧が変動しないようにとても低い値になっています。信号トランスの1次側と2次側をスイッチング素子①と②により同時にオンオフを繰り返すことで同期整流の原理から1次側に入った信号電圧と等しい電圧が2次側に接続されたコンデンサにかかります。この電圧がコンデンサの放電により減少させないようにとても高い入力インピーダンスを持つバッファ回路②を経由して出力されます。バッファ回路②の出力インピーダンスは、出力電圧が出力信号を負荷する側の入力インピーダンスの影響を受けないように、とても低い値になっています。発振器の発振周波数は、アイソレーションアンプの周波数特性に合わせて設定されています。このアンプの性能は信号トランスの設計と品質によって大きく影響を受けます。
アイソレーションアンプの回路図 について解説します。アイソレーションアンプは、アイソレーション、つまり回路がGNDや電源共通によって、双方影響を与えないように、回路を完全に切り離して絶縁しつつも回路動作を行うタイプのアンプ(増幅器)になります。
最も標準的なアイソレーションアンプの回路構成は、入力と出力が共にアナログ信号の光結合タイプのアイソレーションアンプです。ここで光結合とは、フォトカプラなどを始めとしたLED内蔵型の光半導体を使用して、アイソレーションさせるタイプの絶縁対応型回路方式です。
その回路動作の流れとしては、最初に入力アナログ信号が、1次側のアナログ信号をデジタル信号に変換する回路とエンコーダによって、符号化したデジタル信号コードデータへ変換し、LEDで出力側へ光伝送します。2次側回路では、前記信号をフォトダイオードで受信し、トランスインピーダンスアンプとデコーダー回路により復調し、デジタル信号をアナログ信号に変換する回路とノイズなどの高周波を除去して必要な低周波信号だけを通すローパスフィルターで、最終的なアナログ出力信号を得る仕組みとなっています。
アイソレーションアンプのフォトカプラとは、入力と出力をお互いに完全に浮かせた様な絶縁回路にする時や、異電位の信号を検出する時などに使われているアイソレーション(絶縁)アンプ回路に使用されている光ICです。
このフォトカプラ内蔵型のアイソレーションアンプは、入出力の回路を絶縁したい場合によく使用されており、色々なメーカーから市販されています。例えば、米国CLARE社のリニアフォトカプラLIA100は、低価格で比較的簡単に製作できるアイソレーションアンプです。アナログデバイセズ社のADuMシリーズは、-40~125℃の温度範囲で、400kHz帯域において1%以下の精度がある優れものです。その他、東芝TLP7920やルネサスRV1S9353Aなど、日本メーカーでもアイソレーションアンプICのラインナップは豊富で、各々の使用条件に最適な部品を選定すれば良いと考えます。
参考文献
https://www8.m-system.co.jp/pub/catalog_j/data_pdf/A/500494.pdf
https://jp.rs-online.com/web/c/semiconductors/amplifiers-comparators/isolation-amplifiers/
https://toshiba.semicon-storage.com/jp/semiconductor/design-development/referencedesign/articles/isolationamplifier_motorcontrol_rd014.html
https://ednjapan.com/edn/articles/1809/05/news018.html
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アイソレーションアンプのカタログ一覧はこちら企業
エンドレスハウザージャパン株式会社*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2023年1月の注目ランキングベスト10
注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | 日本テキサス・インスツルメンツ合同会社 | 14.2% |
2 | ローム株式会社 | 11.7% |
3 | 日清紡マイクロデバイス株式会社 | 10.5% |
4 | 株式会社アドテックCRB事業部 | 9.3% |
5 | グローバルマイクロニクス株式会社 | 9.3% |
6 | 東芝デバイス&ストレージ株式会社 | 9.3% |
7 | 渡辺電機工業株式会社 | 8% |
8 | 日本パルス工業株式会社 | 6.8% |
9 | 株式会社エム・システム技研 | 6.8% |
10 | アナログ・デバイセズ株式会社 | 5.6% |
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2023年1月のアイソレーションアンプページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
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RNシリーズは、安全システムにおいて電力供給、スイッチング、信号分配を安定して行う新しいインターフェースです。
2022年8月18日
20VS1Aアイソレーションアンプ(高速応答、3ポート絶縁用)は、プリント基板組込用のモジュール形のアイソレーションアンプであり、高直線性があって、応答時間は50μsと高速応答形で、入力-出力-電源間が絶縁を保たれていて、入力-出力-電源間の耐圧は3000VACであり、電源は15VDCです。
用途の一例としては、マイコン制御ボードの入力及び出力回路に組み込むことで、フィールド側と直流的に絶縁して、外来ノイズ対策を行ったり、機器メーカの小ロット開発品に応用することで、面倒なアイソレーション回路部分の自社開発を避けたりするなどが挙げられます。
設置仕様としては、供給電源は、直流電源は定格電圧±5% 約50mA(無負荷時)であり、使用温度範囲は-25~+85℃で、使用湿度範囲は30~90%RHですが結露しないことが前提であり、取付はプリント基板に半田付で、質量は約20gです。
TLP7820は、入力:アナログ信号、出力:アナログ信号である、ΔΣ型AD変換回路/光結合型アイソレーションアンプで、用途としてはサーボモータの電流及び電圧の検出や、 インバータの電流または電圧の検出に用いられます。
TLP7820は、1-2次間信号伝送に LED-フォトダイオード光伝送を適用することによって、絶縁機能を備えて、尚且つその光伝送信号をデジタルコードとすることにより、高精度信号伝送を実現しています。
TLP7820の電源電圧は-0.5V~6.0Vで、動作温度は-40℃~105℃で、絶縁耐圧は1分間で5000Vrmsです。
三相検出用 アイソレーションアンプISA219は、オペアンプを内部に保有したトランス結合方式のアイソレーションアンプであり、2つの完全に独立したグランド(2ポートアイソレーション)で動作可能で、更に、3in1回路構成のため、三相交流回路をISA2191つで検出することができます。
特徴としては、非直線性0.03%(ISA219)/0.08%(ISA223)の高機能品であり、3回路2ポートタイプの、三相検出回路に適した、ゲイン設定機能付いていることが挙げられます。
ISA219の電気的特性としては、電源電圧は15Vで、入力信号範囲は±5Vかつ、出力信号範囲も±5Vであり、オフセット電圧は±3mvで、非直線性が±0.03%F.S.であり、絶縁耐電圧がAC2KVで、動作使用温度範囲は-20~+70℃となっています。
AMC1300(電流センス向け±250mV 入力強化絶縁型アンプ)は、高精度のアイソレーションアンプであり、磁気干渉に対し強い耐性のある絶縁膜によって、入力側と出力側の回路が分離されます。
この絶縁バリアは、VDE V 0884-11とUL1577に準拠していて、5kVRMSまでの強化ガルバニック絶縁体として認定されており、このアイソレーションアンプを絶縁型電源と組み合わせて利用することで、システムの中でも、異なる同相電圧レベルによって動作する、複数のセクションを互いに分離し、低電圧であるセクションを損傷から保護することを可能にします。
AMC1300の入力は、シャント抵抗及びその他の低電圧レベルの信号源と直接接続し、優れた性能を備えたこのアイソレーションアンプを利用すると、電流を高精度で制御可能にしつつ電力を低減でき、更に同相モードの過電圧とハイサイド電源電圧喪失の検出機能が内蔵されているため、システムレベルの設計及び診断を、簡単に行えます。
AMC1300Bは拡張産業用温度範囲である-55℃から+125℃で動作が規定されていて、AMC1300は-40℃から+125℃で動作することが可能です。
ADUM4190は、アナログ・デバイセズのiCoupler®技術による、アイソレーションアンプであり、用途としては、リニア・フィードバックを備えた電源回路や、インバータそして、無停電電源(UPS)だけでなく、DOSAの交互モジュール及び電圧モニタなどに適しています。
ADUM4190のライフタイムにわたり非常に安定していて変化することが全くと言っていいほどない伝達関数をしているため、-40℃から+125℃の広い温度範囲にわたり、非常に安定した動作をすることが可能です。
ADUM4190は、通常の電源ループの補償する技術において、広く利用されている広帯域用のオペアンプを内部に保持していて、尚且つ十分に高速でもあるため、フィードバック用のループは、高速な過度条件及び過電流な状態であっても対応することは可能であり、更に高精度な電源出力のセットポイントと比較することを目的として、1.225Vのリファレンスも内部に保持しています。
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