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ICソケットについての概要、用途、原理などをご説明します。また、ICソケットのメーカー10社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。
ICソケットとは、ICパッケージのリードをはんだ付けせずにボード上で結線し、抜き差し可能としたソケット部品のことです。
ICソケットは、各種各様のバラエティーに富んだICリードフレームの形にあった様々な形状が用意されており、直接抜き差しできる構造になっています。ICとは「integrated circuit」の略で、集積回路のことです。
ICは、半導体素子であるトランジスタやコンデンサ、抵抗などを超小型化し、小さなシリコンチップの上に集積させたものです。一般的にICとして作られたシリコンチップは、導電性のリードフレームにワイヤーで接続され樹脂モールドで覆われています。
ICソケットの使用用途は、樹脂モールドパッケージングされたIC部品の各端子に相当するリードをはんだ付けせずにマザーボードに結線させるために使用され、主に電子機器の試作用ボードで用いられています。
ICソケットそれ自体は一般的に基板にはんだ実装してIC部品の抜き差し用の受け側のソケットとして使用します。ICソケットからICを取り外すことが可能なため、回路の試作時などICの変更の可能性がある場合や、ICを基板に直接はんだ付けしたくない場合などに用いられる事例が多いです。
例えば、メーカーでメモリにデータを書き込んで納品してもらい、別のメーカーにてメモリの実装を行う場合などは、メモリにデータを書き込む際にはICソケット等を用いることで直接素子をはんだ付けせずにすみます。
また、ICのみが頻繁に仕様変更の必要があり、評価基板やシステムボードは変更の必要がない場合に、ICのはんだ付け工数の削減可能なICソケットはよく活用されます。
ICソケットの原理は、ソケット内部のICパッケージ部品のリードを受ける接点箇所に様々な工夫を凝らし、はんだ付けせずともICリードとソケット内部のコンタクトとの電気的かつ物理的な接触を保持する仕組みにあります。ICソケットには、ICのリードフレームとの接触方式がいくつかあります。
板ばね式は、ICパッケージ部品のリードを2枚の板で、両側から挟む方式です。
丸ピン式は、内部のコンタクトでICパッケージ部品のリードと接触させる方式です。板ばね式は面でICリードと接触するのに対して、丸ピンは数点でICリードと接触させるため、保持性が良く振動や衝撃に対して有利です。しかし、板ばね式と比較して丸ピン方式のICソケット自体のコストはやや高いです。
ゼロプレッシャー方式というICソケットは、ICが簡単に着脱できる構造になっています。着脱用のレバーやスイッチなどがついており、このレバーの操作により、ICのリードフレームが固定されたりフリーになったりします。
板ばね式や丸ピン式と比べて挿抜耐久の回数も多くなります。ICのテストやROMライターなど、挿抜の多い用途の場合によく用いられます。
ゼロプレッシャー方式のICソケットをはんだ付けするときには、コンタクトはオープン状態ではんだ付けを行います。コンタクトがクローズされた状態ではんだ付けをすると接触不良の原因になる場合がありますので注意が必要です。
ICパッケージにはリードフレームタイプのほかにLGA (Land Grid Array) と呼ばれる多ピン対応のパッケージ品があります。このタイプのICパッケージはリードによる端子接続ではなく、パッケージ裏面に端子が格子状に配置されており、ICパッケージの辺のみならず、内部の面に格子状にパッドを有します。
LGAは本質的に多ピン対応に優れており、またリードが存在しないため寄生インダクタの影響がなく、信号の高周波対応にも適しています。LGA品はBGA (Ball Grid Array) と呼ばれるはんだボールを有するタイプと異なりますが、ICソケットでの実装が可能です。専用の剣山タイプのピンで接続する構造であり、多いものでは10000ピンの特注タイプも存在します。
裏面ピンをソケットで接続の場合、裏面にICを両面実装するパッケージ品、大電流を扱うパワー系のICでは、その放熱設計は極めて重要です。放熱ヒートシンク内蔵などの熱設計にも留意することが非常に重要で、大電流ピンは端子が溶けて破壊しないよう、最大定格電流にも十分注意する必要があります。
参考文献
https://www.marutsu.co.jp/contents/shop/marutsu/mame/193.pdf
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