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遠心分離機についての概要、用途、原理などをご説明します。また、遠心分離機のメーカー52社一覧や企業ランキングも掲載しております。遠心分離機関連企業の2025年2月注目ランキングは1位:エッペンドルフ・ハイマック・テクノロジーズ株式会社、2位:三菱化工機株式会社、3位:ベックマン・コールター株式会社となっています。
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図1. 様々な実験用遠心分離機
遠心分離機とは、比重の異なる混合物 (液体-液体、もしくは液体-固体) に遠心力を加えることで分離させる機械です。
混合物は比重差を利用して自然沈降させることもできますが (分液漏斗など) 、重力 (1G) を利用した分離となり、分離が完了するまでに時間がかかります。遠心分離機を利用すると、数千Gもの力をかけられるため、速く分離することが可能です。尚、数万G以上をかけられる遠心分離機は、特に超遠心機と呼ばれています。
遠心分離機は、大学や企業の研究室、医療機関、メーカーの製造現場など、様々な用途で用いられます。それぞれの分野において、用途・スケールに応じた製品が利用されています。
遠心分離機は生化学系の研究室などで多く使用されます。代表的な用途は、液体中に混合した細胞を回収する操作や、タンパク質やペプチドの分離・回収などです。
医薬品メーカーにおいては、比重の異なる混合液体を分離させる操作などに用いられます。品質管理室などで医薬品成分の分析を行う目的での使用などが多いです。いずれも実験用のものが用いられます。
医療機関では、凝固検査や生化学検査などの血液検査の際に使用されています。抗凝固剤入りの採血管に採取した血液を遠心分離にかけると、血球成分が採血管の底に沈降するので上澄みとして血漿を採取することができます (凝固検査)。
また、抗凝固剤を含まない容器に採血して、血液を凝固させたのち、遠心分離を行うと、固形物 (血球成分と凝固成分) が沈降し、上澄みとして血清を採取することが可能です (生化学検査)。
工業用途では、食品工場において砂糖の精製や、乳脂肪分の分離などに用いられたり、化学工場において樹脂の脱液、スラリーの分離、触媒の回収などに利用されています。また、下水処理、汚泥処理などの分野でも活用されています。これら産業分野で主に使用されている遠心分離機は、デカンタ型遠心分離機や円筒型遠心分離機です。
図2. 遠心沈降の模式図
比重の異なる液体-固体、または、液体-液体の混合液体は、静置することによって重力を利用した分離が可能です (重力沈降)。しかし、重力沈降は1Gしか作用しないため、時間がかかります。
遠心分離機は、数千G程度の遠心力を加えることによって、重力沈降よりも速いスピードで物質を分離するを可能とした装置です。分離したい物質の回転軸からの距離と、回転速度によって遠心力の大きさは変わります。
実験用遠心分離機は主に、試料容器を保持して回転する「ロータ」、回転軸の「ドライブシャフト」、ドライブシャフトと繋がっている「モータ」から構成されています。
試料容器は沈殿管と呼ばれ、試験管、スピッツ管、ディープウエルプレート、マイクロチューブなど、さまざまな形状の容器が使用されます。そのため、通常はロータ部の交換やアダプター交換により、さまざまな容器への対応が可能です。
実験用の遠心分離機を使用する際には、バランスをとったサンプルを、ロータの回転軸に対して対称に配置する必要があります。さらに、スウィングロータの場合には、バケット内の重心がスウィング軸上となるように、サンプルを配置することも必要です。
バランスが正しく取れていない場合、サンプルの適切な分離ができない場合があります。多くの遠心分離機では、インバランスを検出すると自動で停止する機能が備えられています。
図3. デカンタ型遠心分離機の概略図
実験用よりスケールが大きい工業用遠心分離機の1つにデカンタ型があります。デカンタ型遠心分離機は、ボウルを高速回転させることで分離を行う仕組みです。混合物はフィードパイプから入り、スクリューコンベアで運ばれる間に遠心力で脱水されます。固形物と液体はそれぞれケーシングによって集められ、機外に排出される仕組みです。
遠心分離機は用途によって分類することができます。
実験用遠心分離機には、小型のものから大型のものまで各種の大きさがあり、卓上モデル、フロアモデルなどに分けることができます。沈殿管は、小さなものでは、容量2mL以下のマイクロチューブ類に対応しているものから、大きなものでは数百mLから1Lを超える容器に対応しているものまであります。
構造上、通常、一度に複数の試料を分離させることが可能です。また、生体サンプルを扱うことを考慮して、ロータと空気との摩擦による発熱を冷却する仕組みが付いている製品もあります (冷却遠心機) 。
工業用遠心分離機は、遠心沈降機と遠心濾過機の2種類に分けられます。
また、先に挙げたデカンタ型の他に、円筒型と呼ばれる種類もあります。用途・産業に合わせて様々な製品が用意されていることが特徴です。
参考文献
http://hiroshimamm-chemtech.com/hiroshimawp/wp-content/uploads/2018/04/%E9%81%A0%E5%BF%83%E5%88%86%E9%9B%A2%E6%A9%9F.pdf
https://www.tomo-e.co.jp/machinery/centrifuge/separation.html
https://www.beckman.jp/resources/fundamentals/principles-of-centrifugation
https://www.beckman.jp/resources/fundamentals/principles-of-centrifugation/dr-beckman/v32
https://www.kosei-hospital.kiryu.gunma.jp/cms/wp-content/uploads/2018/04/sonota20170701.pdf
http://www2.hosp.med.tottori-u.ac.jp/departments/establishment/inspection/biochemistry/specimen-type.html
http://www.jsac.or.jp/bunseki/pdf/bunseki2020/202001p02.pdf
https://www.beckman.jp/resources/fundamentals/principles-of-centrifugation/dr-beckman/v5
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | エッペンドルフ・ハイマック・テクノロジーズ株式会社 |
12.0%
|
2 | 三菱化工機株式会社 |
5.0%
|
3 | ベックマン・コールター株式会社 |
4.3%
|
4 | 株式会社松本機械製作所 |
4.3%
|
5 | 巴工業株式会社 |
3.9%
|
6 | 久保田商事株式会社 |
3.9%
|
7 | ノードソン株式会社 |
3.1%
|
8 | 株式会社池田理化 |
2.7%
|
9 | 株式会社関西遠心分離機製作所 |
2.7%
|
10 | オーハウス コーポレーション |
2.7%
|
項目別
遠心効果 G
4,000 - 10,000 10,000 - 20,000最高回転速度 min-1
5,000 - 10,000 10,000 - 20,000機械重量 kg
0 - 500処理量 L/min
0 - 503 点の製品がみつかりました
3 点の製品
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