オゾン水生成装置のメーカー20社を一覧でご紹介します。まずは使用用途や原理についてご説明します。
目次
オゾン水生成装置はオゾンを一定量溶解させた水を生成する装置です。オゾンとは化学式ではO3と表される酸素の同素体の一つです。オゾンは強い酸化剤であるためオゾン水を用いることで雑菌や微生物の殺菌効果や有機物の汚れの除去が可能です。
オゾン水生成装置では酸素ガスを装置に流した状態で放電し、酸素分子を分解させてオゾンガスを生成します。オゾン水の原料は水と酸素ガスであるため、特殊な溶剤や試薬を用意する必要がない点が特徴です。
オゾンは強力な酸化剤であるため、オゾン水は高い殺菌効果、汚れの除去に用いられます。雑菌や微生物によるぬめり等の除去にも効果的であり、脱臭効果も有するため器具などの洗浄として食品業界、飲食業界で用いられるほか、医療業界でも用いられます。
その他、オゾン濃度を高めることで有機物の分解やエッチングの効果も有するため、半導体や液晶、太陽電池などの電気、電子機器の業界における基板などの洗浄にもオゾン水は用いられます。
オゾンとは化学式O3で表される物質であり、大気に存在する酸素であるO2よりも酸素原子が一つ多く結合しています。オゾンは比較的不安定な物質であり、酸素分子O2と酸素原子に分かれます。この分かれた酸素原子は有機物との反応性が高いため、微生物や雑菌に攻撃することによる殺菌や臭いのもととなる化合物の分解を引き起こすことができます。なお、高濃度のオゾンは人体にも有害ですが、オゾン水に含まれるオゾン濃度は小さいことからオゾン水生成装置自体は安全に使用可能です。
なお上記の通りオゾンは比較的不安定な物質であるため、オゾン水も保管中にオゾンが分解してしまいます。オゾンが分解された水は殺菌力等が低下してしまいます。そのため、装置で生成したオゾン水はすぐに使用することが望ましいです。また、用途に応じて最適なオゾン濃度は異なります。殺菌などの使用時は数ppm程度のオゾン濃度で十分ですが、シリコン基板の洗浄など電子材料の洗浄時は数十ppm程度のオゾン濃度が適切です。
オゾン水生成装置は医療の現場でも多くのメリットがあり、主に院内感染対策として広く利用されるようになっています。
薬剤耐性病原体への対応
病原体が薬剤に対して突然変異などで抵抗力を持ってしまい、同じ薬剤では除菌できなくなることです。このため医療の現場では、新しい薬剤の使用と病原菌が耐性を持ち効かなくなること繰り返すいたちごっことなっています。オゾン水は病原菌が耐性を持ちにくい方法で除菌するため、耐性病原菌の対策に大きなメリットがあります。
抗生物質などの薬剤は、細菌のある特定の機能を破壊することで細菌を殺すため、最近も特定機能を進化させるだけで済むため耐性が付きやすくなっています。抗ウイルス薬も、ウイルスのある特定の機能に作用して働きを阻止するため耐性ができやすい点では同様です。
これに対してオゾン水は、病原体のある特定の機能だけに働くのではなく、細菌では細胞壁・細胞膜やDNAの破壊、またウイルスではたんぱく質やDNA・RNAを損傷させることで機能を破壊させるなど、多面的に攻撃します。このため、病原体が耐性を持ちにくい点でメリットがあります。
高い安全性
オゾンは高濃度であればキツイ臭いがあり人体にも有害ですが、家庭や医療用で使用するオゾン水では0.3~1ppmと非常に低いため人体への影響もありません。また、自然に放置した場合の半減期も30分程度と短く、無害な酸素に急速に分解するため安全性にも優れます。
低環境負荷
オゾンは自然界でもすぐに無害な酸素に分解されるか、酸化物として変化するため自然界にとっても有毒性が低く環境負荷が小さいこともメリットです。高濃度のオゾン水を使用したとしても低濃度化すればそのまま排水しても良く、むしろ排水溝などの脱臭や除菌に効果があり環境を綺麗にすること効果さえあります。
ランニングコストの安さ
医療用の薬剤は購入費も高い上に、保管も厳しくコストが高くつくデメリットがあります。一方オゾン水は、原料が水と空気中の酸素だけで良く、病院内に装置を設置すればその場で生成することができるのでランニングコストも安く済みます。
消防の分野では、オゾン水の高い除菌作用を活かし、感染症のパンデミックや口蹄疫や鳥インフルエンザ等の細菌、ウイルスの生物災害で利用されています。オゾン水発生装置のメリットは、水と空気と電源があれば現地でオゾン水を発生することができる点で、例えばパンデミックや災害現場で直接生成して使用できます。常設の設置場所や搬送の制約が小さくさらにオゾン水自体が無害であるため、使用後はそのまま排水できる点も消防分野では大きなメリットです。
参考文献
https://www.sat.co.jp/product/ozonegw/sat-w.php
https://www.mtk-2.com/product-info/ozone_generator.html
https://www.hamanetsu.co.jp/products/clean/how/
https://ozone-plus.com/magazine/nosocomial-infection/
https://www.teco.co.jp/wp/topix/2962
https://www.ozon-uv.com/ozon-water/ow-carrie-pat.htm
社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
水青工業株式会社のオゾン水生成装置は、ノロウイルスや新型インフルエンザ対策における手指の消毒など医療分野に最適なオゾン水製造装置です。
直接電気分解方式を採用しており、従来のガス溶解方式に比べると高濃度のオゾン水が生成できる、安定した濃度を生成できるまでの時間が早い、オゾン臭が少ないなどといったメリットがあります。
特許技術の新型特殊セルにより、水温や気温に関係なく常に安定した濃度のオゾン水を生成することができます。
センサースイッチを採用しているため装置に触れずに給水・止水ができるため衛生的です。
株式会社荏原製作所のオゾン水装置OZW型は、液晶製造や電力用半導体素子、MEMSといった電子機械部品の製造に用いるのに最適なオゾン水を生成する装置です。
自社開発のクリーンオゾナイザとノンパーティクルポンプの採用により不純物のないクリーンなオゾン水を生成することができると同時に、高濃度から低濃度まで任意の濃度のオゾン水を連続供給することができます。
連動運転信号、インタロック信号回路が内蔵されており、洗浄装置と組み合わせて使用することが可能です。
株式会社ハマネツのオゾン水生成装置HOWシリーズは、野菜や果物の除菌洗浄・鮮度維持、食品加工場内の洗浄、配管内の除菌洗浄・脱臭などの用途に最適なオゾン水を生成することのできる装置です。
特許技術の完全循環型放電方式を採用しており、酸素を無駄なく利用することができるため、高濃度かつ大流量のオゾン水が生成でき、耐熱性芽胞菌やカビ、酵母の除菌も可能になります。
完全循環型放電方式のため、廃オゾンが少なくランニングコストが安くなるとともに環境にも優しい装置です。
マクセル株式会社の「MXZW-WM100J」オゾネオアクア ウォーターミックスは、除菌作業による薬剤耐性菌の発生を防ぐために効果のあるオゾン水除菌の用途に用いられるオゾン水生成機です。
蛇口に本機を取り付けて水を流すだけで一定水量放出後、自動的にオゾンが水と混合し、簡単にオゾン水を生成することができます。
本機で生成したオゾンはマイクロバブルミキサーを通して水と混合されるため、高濃度のオゾン水を生成することができます。
デノラ・ペルメレック株式会社の電解オゾン水製造装置は、シリコンウエハ製造分野や半導体製造分野、LCD製造分野における洗浄、殺菌などの用途に用いられる電解オゾン水を製造するのに最適な装置です。
超純水電解方式によりクリーンなオゾン水を100mg/L以上の高濃度、オゾン水流量80L/min以上の条件で製造できます。
小型で省スペース設計で設置場所を選びません。
素早い立ち上げが可能で、運転開始から3分間で使用することが可能です。