シーム溶接機についての概要、用途、原理などをご説明します。また、シーム溶接機のメーカー8社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。シーム溶接機関連企業の2023年08月注目ランキングは1位:愛知産業株式会社、2位:電元社トーア株式会社、3位:株式会社ダイヘンとなっています。
シーム溶接機と関連するカテゴリ
シーム溶接機とは、圧接による溶接技術を行うための機械です。
溶接には大きく分けて融接、圧接 ロウ付けの3種類があります。シーム溶接機は、加熱した状態の金属同士に圧力を加えて溶接する溶接機です。
シーム溶接の作業のほとんどは、シーム溶接機によって行われます。溶接技術者の技術力に大きく左右されず、精度の高い溶接をすることができる点も、特徴の一つです。
シーム溶接機によって製造される溶接製品の代表例は、缶ジュースや缶詰など、中身の気密性が求められる製品です。同じく気密性を活かした使用用途として、燃料タンクの製造も挙げられます。
また、センサーや電子機器をまとめたケースの製作もシーム溶接機の主な使用例です。電子部品の中には、外気を遮断しなければならないものがあります。
例えば、水晶デバイス、半導体やセンサ、アクチュエータを含む電子回路がひとまとめになったMEMS (メムス) などです。気密性が求められる電子部品を覆うためのケースの製造にも、シーム溶接機を使ったシーム溶接が行われます。
自動車においては燃料タンクをはじめ、剛性を高める方法としてもシーム溶接が用いられます。例えば、前後のドアの間に設けられるセンターピラーや車台のメンバーも、シーム溶接が用いられてる部位です。接合が連続的に行われるため、スポット溶接で多くの接点を作るよりも、車体の剛性を高めることができます。
シーム溶接機は、電流が流れる2枚のローラー電極同士で、接合する2つの製品を挟み込んで溶接できる構造になっています。2枚のローラー電極の接点で、接合部品を挟んで加圧したまま、電流を流して加熱することによって、接合部分が溶けて接合されます。
連続的に接合して密閉構造にできるのは、ローラーを回転させることによって、連続的に接合されるからです。シーム溶接を行う部品には、ローラーが挟み込むための取り代も必要です。
また、機械は自動運転するために、あらかじめ溶接の速度や電流の大きさなどの設定を行います。シーム溶接では、異なる母材同士の溶接も可能です。ただしその際には、適した接合条件を設定しなければなりません。
シーム溶接機は、電気抵抗による発熱を利用するという点では、スポット溶接同様に、抵抗溶接という接合方法に分類されます。またシーム溶接ではその他の溶接方法と比べると、かなり薄い板材であっても接合することが可能です。
シーム溶接の長所は大きく分けて以下の3つがあります。
熟練しなくても作業ができる
前述のとおりシーム溶接では、シーム溶接機に条件を設定して作業を行います。よって適切な接合条件さえ設定できれば、作業者の熟練度によらず安定した接合が行えます。
加工前の精度は低くても問題ない
シーム溶接は接合するためのフランジ部分が必要ですが、フランジ部分に高い精度は不要です。フランジ部分は溶接時にローラーに挟み込まれて加圧されるので、接合前に精度が悪くても、密着した接合として仕上げることができます。
安全性が確保された作業ができる
スポット溶接などで生じる閃光や火花の飛び散り (ヒューム:金属が高温により蒸気のような細かい粒子になったもの) も発生しないので、比較的安全な作業として行えます。
シーム溶接を行うためには、シーム溶接機が必要です。シーム溶接機は比較的大きな機械であり、導入するにはある程度の初期投資が求められます。
接合する部品は電気抵抗の熱によって溶かすため、設備を導入する際には、多くの電力が必要となることも考慮する必要があります。
参考文献
https://sanki-seam.com/about/
https://tokusyuko-kakou.com/
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjws/77/8/77_718/_pdf
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2023年08月の注目ランキングベスト8
注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | 愛知産業株式会社 |
21.9%
|
2 | 電元社トーア株式会社 |
18.8%
|
3 | 株式会社ダイヘン |
17.2%
|
4 | 日本アビオニクス株式会社 |
12.5%
|
5 | ART-HIKARI株式会社 |
9.4%
|
6 | ユニオン電機株式会社 |
7.8%
|
7 | 株式会社ハイマックス |
6.3%
|
8 | 三起工業株式会社 |
6.3%
|
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2023年8月のシーム溶接機ページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
ロボットシーム溶接機RCGR-188は、小型溶接機をロボットに搭載した、直流インバータ式シーム溶接機です。
定格電源容量188kVA、最大短絡電流は17,000Aもしくは32,000A、最大で6.0kNの加圧が可能で直線部で10m/min、R部で3~5m/min程度と高速の溶接が可能です。
これまで適用困難であったような箇所に対しても生産ラインにおけるシーム溶接作業のFA(フリーオートメーション)化を検討することができます。
アルファ・シリーズは、バキューム・ベークアウト・オーブンチャンバー付きであらゆる長期間の生産におけるシーリングが行えるパラレル・シーム溶接機です。
シンプルな操作性と堅牢な設計のためメンテナンスをほとんど必要とせず、人間工学により計算された安全ガラス窓と内部照明付きなので少ない負担で作業することが可能です。
低価格で高品質、プロジェクション溶接にも対応する等多機能、コンパクトで場所もとらないため製造現場のみならず大学等の研究機関でも使用することができる溶接機です。
シーム溶接装置SEシリーズは、パイプやフタ等様々な形状の封止溶接を想定した、連続もしくは断続通電用の縦横兼用のシーム溶接機です。
最大14.7kNで加圧でき、最大短絡電流は25kVA、溶接速度も標準で最大3.0m/minまで上げることが可能でこれまで蓋や容器、タンク、サッシ等に適用されてきた実績があります。
産業用ロボットにハンドリングを行わせることで最大6m/minの速度でシーム溶接を行うことができます。
真空封止/全自動シーム溶接機は光デバイスやセンサー、MEMS(メムス)等に使用するパッケージを真空チャンバ内で密閉するシーム溶接機です。
自社開発したシーム溶接溶接専用の電源を使用することでタクトタイム0.8秒の高速性と溶接の熱影響による封入製品へのダメージの抑制を可能にしています。
露点-20度~-50度のグローブボックスを使用することで結露の心配が無く、実荷重(デッドウエイト)方式のシーム専用溶接ヘッドの使用により高品質な溶接を行うことができます。
カセット式もしくはパーツフィーダ式のリッド供給とパッケージ搬送用トレーの採用で品種の切替と保守点検を容易に行うことができます。