MLSS計についての概要、用途、原理などをご説明します。また、MLSS計のメーカー7社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。MLSS計関連企業の2023年08月注目ランキングは1位:横河電機株式会社、2位:株式会社明電舎、3位:セントラル科学株式会社となっています。
MLSS計とは、液中の浮遊物質 (SS) の濃度を測定する装置のことです。
主に水処理分野で用いられています。下水処理では、活性汚泥を用いた生物処理である、活性汚泥法を採用するのが一般的です。
MLSSとは「Mixed Liquor Suspended Solids」の略で、処理装置に流入する下水と返送汚泥の混合液中の浮遊物質のことを指します。MLSS濃度は下水処理装置内の微生物量の目安になるため、溶存酸素量と並ぶ重要な計測項目です。
MLSS計は水処理分野において、活性汚泥法の機能を管理するために使われます。MLSS濃度とは、活性汚泥法を用いた処理施設の維持管理基準として重要視されており、適正な値に保持することが法令で定められています。
活性汚泥法に用いられるのは、有機物を栄養源とする菌です。微生物量に対して有機物が多すぎると、有機物が分解しきれないことに加え、菌が過剰に分裂してフロックの沈降性が悪化します。反対に有機物が不足していても、自己消化によってフロックが崩れ、沈降性が悪化することが知られています。
微生物量の指標となるMLSS濃度を測定し、有機物量に合わせて管理することで、処理施設の機能を最大限発揮することが可能です。
MLSS計は、光の散乱現象を利用してMLSS濃度を測定する装置です。MLSSを含む液に光を入射すると、MLSSによって光の散乱が起こります。MLSS濃度が高くなるにつれて透過光の量は少なくなり、反対に散乱光の量は多くなります。
このような理由から、透過光または散乱光、もしくは両方の光量が分かれば、MLSS濃度を求めることが可能です。なお、市販のMLSS計の多くは、透過光測定方式か散乱光測定方式を採用しています。
透過光測定方式は、測定セルに導入したMLSS含有液に対して光源ランプからの光を入射し、透過光を測定する方式です。入射光量が変動すると測定誤差が生じるため、受光器を設けるなど、光源の光量を一定に保てるように設計されています。
散乱光測定方式は、測定液に直接光を入射し、MLSSによる散乱光を測定する方式です。透過光測定方式と同じく、入射光量の変動が誤差の原因となるため、2個の受光器を用いた二重散乱光比較方式が用いられます。
MLSS計には膜フィルター法や固形物回転法など、さまざまな測定原理があります。目的や用途に応じて適した原理を選ぶことが重要です。精度や再現性、操作の容易さなどを考慮し、選択します。
対象となる水処理プロセスのMLSS範囲に適した測定範囲を持つMLSS計を選びます。一般的なMLSS範囲は、数mg/Lから数g/Lまで広範囲にわたります。測定範囲がプロセスの要件に合っていることを確認します。
MLSS計の精度と信頼性は、正確なデータ収集とプロセスの評価に不可欠です。高い精度と信頼性を持つMLSS計を選択することで、正確なデータを得ることができます。また、信頼性が高いメーカーや製品を選ぶことで、長期間にわたって安定した測定が可能になります。
MLSS計の操作が簡単で使いやすい製品を選ぶことが重要です。また、定期的なキャリブレーションやメンテナンスが容易に行えるMLSS計を選択することで、正確な測定と安定した性能を維持できます。
MLSS計の一般的な測定方法
界面の測定方法
界面ランプを用いた界面測定方法
MLSS計の校正の実施をする場合は下記の通りです。
なお、校正の方法は以下の2つあります。
実液校正法
測定液を手分析もしくは、基準計器で測定し得られた値に合わせる校正法です。正確なMLSS測定にはこの校正方法が必要です。
この校正には3つの校正手順があります。
簡易校正法
簡易校正法では、とセットの校正板を使用します。上記の実液校正法を実施した直後に校正板を検出器に取り付けます。その時のMLSS値を校正板に記入します。
次の校正は、校正板に記録されている値に合わせるように実施します。この校正法は定期的な保全の際に採用される方法です。値が記入済みの校正板は、他のMLSS計に転用できません。
参考文献
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jswe1978/9/12/9_12_771/_pdf
https://www.jstage.jst.go.jp/article/denkiseiko1925/47/3/47_3_183/_pdf/-char/ja
https://www.yokogawa.co.jp/library/resources/faqs/an-mlss-06-calibration/
http://www.iijima-elec.sakura.ne.jp/manual/im100p.pdf
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MLSS計のカタログ一覧はこちら企業
オプテックス株式会社 エンドレスハウザージャパン株式会社*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2023年08月の注目ランキングベスト7
注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | 横河電機株式会社 |
28.6%
|
2 | 株式会社明電舎 |
15.7%
|
3 | セントラル科学株式会社 |
14.3%
|
4 | 飯島電子工業株式会社 |
14.3%
|
5 | エンドレスハウザージャパン株式会社 |
12.9%
|
6 | 北斗電工株式会社 |
8.6%
|
7 | 株式会社佐藤商事 |
5.7%
|
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2023年8月のMLSS計ページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
MLSS計4製品が登録されています。
オプテックス株式会社
SSチェッカーに透視度機能を搭載。 ■透過光方式 ■ワイパーで抜群の洗浄効果 検出窓の洗浄は、ワイパーで拭き取る方式なので確実に汚れ...
オプテックス株式会社
必要な機能とコストのバランスを追及、ハイレベルのコストパフォーマンスを発揮。 ■散乱光方式 ■最大50000mg/Lの広い測定範囲 ばっき...
オプテックス株式会社
高性能SSセンサの進化版。メンテナンスレスをコンパクトサイズで実現。 1000mg/lのワイドレンジと充実の機能でより多くのアプリケーショ...
Metoreeに登録されているMLSS計が含まれるカタログ一覧です。無料で各社カタログを一括でダウンロードできるので、製品比較時に各社サイトで毎回情報を登録する手間を短縮することができます。
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最大50,000mg/Lの測定範囲。ばっき槽のMLSS監視、原水・処理過程のSS監視に。ワイパー洗浄装置により窓面を定期的に確認・清掃するだけの簡単メンテナンス。...
2022年7月5日
高性能SSセンサーの進化版。φ32mmのコンパクトサイズ。ワイパー洗浄方式で簡単メンテナンス。 メンテナンスレスをコンパクトサイズで実現。ワイパーで抜群の...
2022年7月5日
1台で5つのパラメータ測定が可能な インライン型 紫外・可視分光光度計Memosens Wave CAS80Eは紫外・可視分光法によりCOD、BOD、TOC、SAC、硝酸、濁度、浮遊...
2023年5月18日
IM-100Pは、主に下水道やし尿の処理場、事業所や工場の排水処理場などに用いられている、防水性と耐衝撃性に特化して設計されたMLSS計です。
本体のデザインに丸形を採用したことで、内部Oリングにかかる圧力が均等に分散され、水の侵入を徹底的に防ぎます。また、ラバー素材のプロテクターによって従来機の2倍の強度を実現しており、高さ5mから落としても破損しないほど頑丈です。
散乱光の影響を受けにくい「ナローギャップセル」が標準装備されているため、汚泥の色にかかわらず高精度な測定が可能です。
SS400Gは、発光部・受光部を含む検出器と変換器が分離しているタイプの、透過散乱比較方式を採用したMLSS計です。考え抜かれた光学系の配置により、反射光の影響を抑えることに成功しています。
検出器は標準仕様でもメンテナンス性が良好ですが、オプションのジェット洗浄装置を用いればさらに汚染耐性が高まり、下水・工場排水の処理場など汚れやすい環境でも安定して運用可能です。
光源などをはじめとする異常を自己診断する機能など、操作性を向上させる機能が充実しています。
SSD-211は、近赤外光・交流発光の技術を測定に利用しており、汚泥濃度の連続的な監視に適しているMLSS計です。下水処理場における処理水の水質維持を目的として、活性汚泥の濃度管理に用いられています。
近赤外光を採用したことで、溶液色が測定に及ぼす影響を低減できることに加え、検出面における藻類の付着を防止することが可能です。検出器の接液部はゴミなどが絡みつきにくいシンプルな形状になっており、メンテナンスの頻度が少なくて済みます。
ML-55型は、し尿や浄化槽・下水などを処理するための曝気槽において用いられている、電池式のMLSS計です。単三電池を電源として、70時間もの長時間連続で稼働させることができます。
最大999検体のデータに対応したメモリー機能が備わっていることに加え、USBポートからデータを出力できるなど、測定データの取り回しをよくする機能が満載です。光源の光量に対する自動補正機能が実装されており、日常的に行う校正作業の手間を軽減できます。