チオ硫酸

チオ硫酸とは

チオ硫酸の基本情報

図1. チオ硫酸の基本情報

チオ硫酸 (Thiosulfuric acid) とは、硫黄のオキソ酸の一種で、水素イオンとチオ硫酸イオンの化合物です。

化学式では H2S2O3と表記される分子量114.14 の2価の無機酸であり、酸解離定数はpKa1 = 0.6、pKa2 = 1.6となっています。CAS登録番号は13686-28-7です。チオ硫酸塩のアンモニア塩、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩は水溶性が大きく、中性ないしはアルカリ性水溶液は比較的安定です。

しかし、通常の方法で遊離酸の単離を行うことはできません。それは、強酸性水溶液中では不均化によりコロイド状硫黄と二酸化硫黄とに分解してしまうためです。遊離のチオ硫酸は低温下でジエチルエーテル錯体として単離された例や液体二酸化炭素中で単離された例が知られていますが、これらは非常に特殊な環境です。

また、生成した遊離酸は非常に不安定であり、低温でも硫化水素三酸化硫黄に分解してしまいます。高温ではさらに分解が進み硫黄、二酸化硫黄、水が生成します。空気中においては、水とも酸素とも反応するので分解生成物は複雑です。前述の分解生成物に加えて、硫化水素、ポリ硫化水素、硫酸、ポリチオン酸なども生成します。

チオ硫酸の使用用途

前述の通り、チオ硫酸自体は非常に分解しやすく不安定な物質であるため、そのままの状態で工業利用されることはありません。通常は塩の状態で取り扱われます。

例えば、無水チオ硫酸ソーダ (チオ硫酸ナトリウム) は脱塩素処理剤、染色助剤、皮革用のクロムなめし還元剤、バラスト水の薬剤処理中和剤、入浴剤、使い捨てカイロの原料、などの用途があります。他にも、結晶チオ硫酸ソーダやチオ硫酸ソーダ液が同様の用途で使用が可能です。

また、細菌の体内ではチオ硫酸単体をシステインなど高付加価値のアミノ酸の合成に使っていることが知られています。

チオ硫酸の原理

チオ硫酸の化学的性質

図2. チオ硫酸の化学的性質

チオ硫酸イオンは4面体構造をとり、硫黄原子は中心と1つの頂点に、酸素原子は他の頂点に位置しています。チオ硫酸塩並びにそのイオンであるチオ硫酸イオンは、酸化還元剤や金属のキレート剤としての働きがあります。

代表的な例は、単体ハロゲンの還元反応です。この反応は定量的に進行してチオ硫酸イオンは硫酸イオンとなります。このため、チオ硫酸ナトリウムはヨウ素滴定の滴定試薬として利用可能です。

キレート剤としての例には、難溶性のハロゲン化銀を銀のチオスルファト錯体として可溶化する反応があります。これを利用して、写真の定着プロセスに利用して現像しなかったハロゲン化銀を可溶化することに用いられています。尚、チオ硫酸塩は、酸性溶液中では硫黄と亜硫酸が脱水した二酸化硫黄に分解してしまいます。

チオ硫酸の種類

チオ硫酸の塩の構造

図3. チオ硫酸の塩の構造

前述の通り、チオ硫酸は遊離酸として単離することがほぼ不可能であるため、通常は塩の状態で販売されています。通常の化学試薬製品として販売されていることが多いです。

主な種類には、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム五水和物、チオ硫酸マグネシウム、チオ硫酸マグネシウム六水和物チオ硫酸アンモニウム、チオ硫酸バリウムなどがあります。それぞれ、25g , 100g , 500gなど、実験室で扱いやすい容量規格で提供されている製品が多いです。

最も多く販売されているものはチオ硫酸ナトリウムですが、水溶液の状態で製品化されているものもあります。工業用製品には、「無水チオ硫酸ソーダ」としてチオ硫酸ナトリウムが販売されています。工業用途においては、25kgなど大スケールでの提供が一般的です。

参考文献
http://www.naist.jp/pressrelease/2020/08/007212.html
https://pubchem.ncbi.nlm.nih.gov/compound/24478
https://awpc.co.jp/service/products/basicchemicals/

チオグリコール酸アンモニウム

チオグリコール酸アンモニウムとは

チオグリコール酸アンモニウム

図1. チオグリコール酸アンモニウムの基本情報

チオグリコール酸アンモニウム (Ammonium thioglycolate) とは、チオグリコール酸の塩類の一つである有機化合物です。

化学式C2H7NO2Sで表されます。分子内にメルカプト基とカルボキシル基を1つずつ持つ、チオグリコール酸のアンモニウム塩です。他の慣用名には、メルカプト酢酸アンモニウム、チオグリコール酸アンモニウム、アンモニウム=メルカプトアセタート、ATGなどがあります。CAS登録番号は5421-46-5です。

分子量は109.15ですが、水溶液で販売されています。常温では無色透明の液体であり、硫黄臭やアンモニア臭に類似の独特な臭いがあります。密度は1.190g/cm3です。

保管の際は、直射日光や高温を避けて保管する必要があります。強酸化剤との混触は厳禁です。金属腐食のおそれがあるため、金属容器は避けなければなりません。これらを遵守した通常の保管方法においては安定です。消防法やPRTR法では特に規制の対象とはなっていません。

ただし、飲み込むと有毒であり、皮膚付着によってアレルギー性反応を起こすおそれがあります。取り扱いの際は皮膚や眼への接触を避けることが必要です。

チオグリコール酸アンモニウムの使用用途

チオグリコール酸アンモニウムは、タンパク質を分解する目的や還元剤としてで広く使用されています。具体的には、パーマネントウェーブ用剤、羊毛染色整理剤、塩ビ安定剤、防錆剤、金属表面処理剤などです。

チオグリコール酸アンモニウムは中性 (pH 6.8 – 7.4) で、他の有機溶剤と違って安全に使用できます。また、一般的なサビ取り剤の主成分である塩酸硫酸などと違い毒劇物には該当しません。

ホームセンターなどで購入することができます。赤錆と反応すると紫色に変色するため洗浄の目安となることも、錆取り剤として使いやすい理由の一つです。

チオグリコール酸アンモニウムの原理

パーマ剤におけるチオグリコール酸アンモニウムの作用原理

図2. パーマ剤におけるチオグリコール酸アンモニウムの作用原理

チオグリコール酸アンモニウムは還元剤として働く化合物です。チオグリコール酸そのものと比べると危険性は低いため、汎用的に用いられます。

パーマ剤として使用される際には、ケラチン蛋白質に含まれるシスチンのジスルフィド結合をメルカプト基に還元することで切断し、タンパク質を分解しています。これはすなわち、パーマネントウェーブにおいては、曲げた毛髪が元に戻ろうとするのを防ぐ働きです。

除錆剤におけるチオグリコール酸アンモニウムの原理

図3. 除錆剤におけるチオグリコール酸アンモニウムの原理

錆取り剤として作用する際は、鉄錆を還元しています。還元された鉄錆はチオグリコール酸鉄としてキレート化し、水溶性になります。この水溶化作用により、落としやすくなり、錆を除去することができる仕組みです。

このように、チオグリコール酸アンモニウムが作用する原理は、還元作用に由来しています。

合成化学においては、チオグリコール酸アンモニウム溶液は以下の合成にも使用可能です。

  • 水からCr (VI) 、Hg (II) 、Cu (II) 、Pb (II) 、Cd (II) およびAg (I) を除去するための吸着剤として利用できるチオール官能化卵殻膜
  • セルロース-ローダミンBメタクリルアミド (セルロース-RhBMA)

チオグリコール酸アンモニウムの種類

チオグリコール酸アンモニウムは、それ自体は一般の化学薬品/化学試薬として販売されています。通常、水溶液として販売されており、濃度は45.0~55.0%、50%、60%などの種類があります。容量規格には500mL , 1L , 25g , 500gなどがあり、ガラス瓶容器で販売されます。室温保存可能な薬品です。

また、産業用途では除錆剤原料として販売されており、24kg入りや250kg入りなどのポリドラム包装の製品があります。その他のチオグリコール酸アンモニウム製品は、中性のサビ取り用洗剤やパーマ液などです。どちらも主成分として使用されており、様々なメーカーから多くの製品が発売されています。

参考文献
http://www.pacificpartnersyc.com/product/pdf/chio_1.pdf
https://www.tcichemicals.com/JP/ja/p/A2217#docomentsSectionPDP

チアマゾール

チアマゾールとは

チアマゾールの基本情報

図1. チアマゾールの基本情報

チアマゾール (Thiamazole)とは、含窒素複素環式化合物の一種である有機化合物です。

化学式はC4H6N2Sで表され、分子内にチオ尿素構造を含む五員環の分子構造をしており、イミダゾールの誘導体でもあります。他の慣用名には、メチマゾール (Methimazole) があり、IUPAC命名則による名称は1-メチル-3H-イミダゾール-2-チオンです。CAS登録番号は、60-56-0です。

分子量114.17、融点146℃であり、常温では白色からうすい黄褐色の、結晶性粉末から粉末状の固体です。特異臭を呈し、水には簡単に溶けます。尚、水への溶解度は、2.75mg/mL (20°C) です。クロロホルム、アルコール、ピリジンには可溶、ベンゼンには微溶ですが、エーテルには難溶となっています。

分解すると二酸化炭素一酸化炭素、窒素酸化物 (NOx) 、硫黄酸化物 (SOx) などの有害物質が発生します。そのため、保管の際は、高温と直射日光、及び強酸化剤との混触を避けることが必要です。特に法令による規制はありませんが、アレルギー性皮膚反応を起こす恐れや、生殖能または胎児への悪影響の恐れの疑いが指摘されています。

チアマゾールの使用用途

チアマゾールは、主に抗甲状腺薬に使用されています。甲状腺ホルモンが過剰になった状態の治療、すなわち甲状腺機能亢進症の治療用途で用いられることが最も多いです。

その他には、甲状腺手術や放射性ヨード治療において甲状腺の操作の影響を最小にすることを目的として、治療介入の前に、血中甲状腺ホルモン濃度を低下させる用途でも用いられます。薬剤としてのチアマゾールは効き目が早く副作用も少ないとされ、主要な第一選択薬とされています。

元々はヒト用の医薬品として開発されましたが、現在は猫の甲状腺機能亢進症の治療にも積極的に使用されています。特に欧米では主流の治療薬です。一般の有機化合物として、有機合成化学においても使用されています。

チアマゾールの原理

チアマゾールは、用途によって構造が異なります。

1. 抗甲状腺薬としてのチアマゾール

甲状腺ホルモン「チロキシン」の構造

図2. 甲状腺ホルモン「チロキシン」の構造

抗甲状腺薬としてのチアマゾールは、甲状腺の酵素である甲状腺ペルオキシダーゼを阻害して、甲状腺ホルモンの生合成を抑制します。甲状腺ホルモンの一種であるチロキシンの生合成には、甲状腺ペルオキシダーゼによるチログロブリンのヨード化が必要です。

チアマゾールを含むチオアミド化合物は甲状腺ホルモンの生合成の多くの段階を阻害するとされていますが、チアマゾールが阻害する反応の一つに、このチオグロブリンのヨード化反応があるとされています。

チアマゾールが引き起こす重篤な副作用の一つに、無顆粒球症があります。無顆粒球症は、血液中の白血球数、特に好中球が低下する病態です。チアマゾール服用中に発熱やのどの痛みがあった場合は、直ちに無顆粒球症を疑い、実際に無顆粒球症を発症した場合には医師の指導の元でチアマゾールの服用を中止します。

2. 有機合成化学におけるチアマゾール

ラジカル捕捉の推定反応機構

図3. ラジカル捕捉の推定反応機構

有機合成化学分野においては、チアマゾールは、ヒドロキシラジカル (OH) などのフリーラジカルのスカベンジャー (捕捉剤) としても有用です。

チアマゾールの種類

現在販売されているチアマゾールの種類には、医薬品、及び、化学試薬があります。化学試薬としてのチアマゾールは、5g , 25g , 100gなどの容量で販売されており、常温での保存が可能な試薬です。有機合成の原料として使用されています。

医薬品としてのチアマゾールは、前述の通り抗甲状腺薬として用いられます。メルカゾールの製品名で販売され、2.5mg , 5mgの種類があります。剤形はフィルムコーティング錠です。甲状腺機能亢進症に適用があり、購入には医師の処方箋が必要となります。

参考文献
https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00069326
https://www.tcichemicals.com/JP/ja/p/M0868#docomentsSectionPDP
http://www.interq.or.jp/ox/dwm/se/se24/se2432001.html

チアゾール

チアゾールとは

チアゾール (英: thiazole) とは、常温で無色〜薄い黄色の透明液体です。

分子式C3H3NSで表される複素環式芳香族化合物で、分子量は85.13です。ピリジンに似た特徴的な不快臭がします。環内にある硫黄 (S) を意味する接頭語のチア (thia-) を、窒素 (N) を含む五員環化合物の名称アゾール (azole) の前に付けて命名されました。五員環にSとNを持つ複素環式芳香族化合物には、SとNが隣接している化合物 (イソチアゾール: 1,2-チアゾール) と、1つの炭素 (C) を隔ててSとNがある化合物 (チアゾール: 1,3-チアゾール) の二種類の異性体があります。

ビタミンB1 (チアミン) やエポチロン他、天然物にも部分構造として含まれています。また、サルファ剤 (スルホンアミド部位を持つ合成抗菌剤・化学療法薬の総称) として知られているサルファチアゾールもチアゾール環を含みます。その他、チアゾールアゾ染料もチアゾール環を持っています。

チアゾールの使用用途

チアゾールの主な使用用途は有機合成原料です。

チアゾール環においては2位が求核的、5位が求電子的サイトとして反応します。チアゾールに対してグリニャール試薬やアルキルリチウムなどを作用させると2位の水素が引き抜かれ、メタル化されます。また、2-クロロチアゾールに対してアミンなどの求核剤を作用させると置換反応が起きます。

チアゾールの誘導体には、工業薬品 (加硫促進剤) 、殺菌剤、駆虫剤、医薬品、染料などがあり、重要なものが多いです。加硫とは、原料ゴムに高い弾性を与えるため、硫黄によってゴムの分子同士を結合させることを言いますが、通常は長時間を必要とするため加硫促進剤を添加します。チアゾール系の加硫促進剤はゴムを汚染しないので、透明物や色物に好適です。また、様々なジエン系ゴムにも使用されています。

チアゾールの殺菌剤としての利用について、チアゾールは微生物に薬理的に作用するため、直接微生物に接触、吸収されて初めて作用を示します。そのため、使用用途は化粧品の防腐剤、農薬、洗浄剤として、液状あるいはエマルジョンの状態の製品に使用されています。

チアゾール構造を含む医薬品は主に、抗生物質のセフビロム、抗がん剤のブレオマイシン、チアミン (ビタミンB1) です。無機酸、塩化水銀 (Ⅱ) と安定な錯体を形成するため、さまざまな形で販売されています。

チアゾールのその他情報

1. チアゾールの性質

複素環式芳香族化合物のアミンの一種ですが、ピリジンなどと比較すると塩基性は弱いです。融点は-33 ℃、沸点は118 ℃、引火点は26 ℃、比重は1.2 g/mL (at 25 ℃) 屈折率n20/D 1.538、常温で液体です。エタノールやエーテルなど多くの有機溶剤には可溶で、水には僅かに溶けます。

2. チアゾールの製造法

クロロアセトアルデヒド (ClCH2CHO) とチオホルムアミド (HCSNH2) を縮合させて得られます。

N- (2-メルカプトエチル) アミドを塩化チオニルなどで脱水環化し、DDQなどで酸化することによっても得られます。天然物に含まれるチアゾール環は、多くの場合、システインを含むペプチドからこれと同様な変換を受けてできていると考えられています。

3. 法規情報

消防法に定める第4類: 引火性液体、第二石油類、危険等級Ⅲ、非水溶性液体に該当します。

4. 取り扱い及び保管上の注意

取り扱い及び保管上の注意は、下記の通りです。

  • 光と空気を避ける必要があるため、保管時には不活性ガスを充填する。
  • 容器を密閉し、乾燥した換気の良い場所に保管する。
  • 熱や発火源から遠ざける。
  • 酸化剤や強酸とは混合・接触しないよう注意する。
  • 静電気対策を行う。
  • 漏れ、あふれ、飛散しないよう注意し、みだりに蒸気を発生させない。
  • 蒸気やエアゾールが発生する場合には、換気、局所排気を用いる。
  • 皮膚刺激、強い眼刺激があるため、使用時は保護手袋、保護眼鏡を着用する。
  • 皮膚に付着、また、眼に入った場合は多量の水で数分間注意深く洗浄する。

参考文献

https://www.jaish.gr.jp/horei/hor1-1/hor1-1-7-1-2.html
https://www.tcichemicals.com/JP/ja/p/T0185

チアゾリジン

チアゾリジンとは

チアゾリジンの基本情報1 (1)

図1. チアゾリジンの基本情報

チアゾリジン (Thiazolidine)とは、化学式C3H7NSで表される、複素環式化合物の一種です。

飽和五員環の1位と3位に、それぞれチオエーテル基とアミン基が付加した構造を持ちます。CAS登録番号は、504-78-9です。分子量89.16、沸点72~75℃、密度は1.131g/cm3であり、常温では無色の透明な液体です。

消防法では、引火性液体 危険物第4類 第二石油類 危険等級III 非水溶性液体に指定されています。引火点は56℃であり、引火によって有害な分解物である炭素酸化物、窒素酸化物 (NOx) 、硫黄酸化物が発生します。熱、炎、火花、及び、強酸化剤との混触を避けることが必要ですが、通常の保管方法においては安定です。

チアゾリジンの使用用途

チアゾリジンは、それ自体が利用されることはあまりありませんが、誘導体であるチアゾリジン環を持つ化合物群は薬剤として広く使用されています。例えば、ペニシリンなどのβ-ラクタム系抗生物質の部分構造に含まれている他、酸化体であるチアゾリジンジオン (Thiazolidinedione) の誘導体群は、チアゾリジン系糖尿病薬です。

チアゾリジン系糖尿病薬 (TZD) は、インスリン抵抗改善薬として2型糖尿病の治療に利用されます。国内で市販されている代表的なものは、ピオグリタゾン (Pioglitazone) (代表的な商品名: アクトス) です。

チアゾリジン系糖尿病薬は、核内受容体のひとつであるPPAR-γに結合し、インスリンの抵抗性を悪化させる様々な因子の転写調節をする働きをします。主に末梢組織のインスリン抵抗性改善に有効です。

チアゾリジンの原理

チアゾリジンの合成

図2. チアゾリジンの合成

チアゾリジンは、フタルイミドエチルメルカプタンの加水分解によって合成することができます。水には可溶で、水蒸気蒸留されます。

また、チアゾリジンは、チオールとアルデヒドまたはケトンの縮合反応によっても合成可能です。この反応は可逆であるため、多くのチアゾリジンは、水中では不安定で加水分解されやすくなっています。チアゾリジンの加水分解では、チオールとアルデヒドまたはケトンが生成します。

チアゾリジンの種類

チアゾリジンの誘導体

図3. チアゾリジンの誘導体の薬剤

1. チアゾリジン

化合物としてのチアゾリジンそのものは、主に研究開発用の試薬として販売されています。容量には、1g、5g、25gなどの種類があり、常温保存可能な薬品です。

2. チアゾリジン系糖尿病薬

チアゾリジンの誘導体では、前述の通りチアゾリジン系糖尿病薬があります。最初に商品化されたトログリタゾン (商品名ノスカール) は、肝障害の死亡例が相次いだことから、現在は塩酸ピオグリタゾン (商品名アクトス) だけが国内流通しています。

ロシグリタゾン (アバンディア) は、アメリカで販売中ですが、いくつかの臨床研究により心血管イベントの増加が示唆されたため、欧州では市場から撤退しており、日本でも販売されていません。

トログリタゾンはかつて日本でも市販されていましたが、薬物特異体質反応による薬剤性肝障害が発現することが明らかになったため現在は販売されていません。

3. β-ラクタム系抗生物質に含まれるチアゾリジン環

ペニシリンなどのβ-ラクタム系抗生物質の多くは、β-ラクタム環の縮合環としてチアゾリジン環構造を含みます。1942年にペニシリンGが単離されて実用化されて以来、数多くの誘導体が開発されてきました。

ペニシリン系の抗生物質のメカニズムは、真正細菌の細胞壁の合成を阻害して増殖を抑制する (静菌作用) と共に、細胞壁を薄くすることで溶菌を起こす (殺菌作用) という機構です。

参考文献
http://www.igaku.co.jp/pdf/1106_tonyobyo-3.pdf
https://www.tcichemicals.com/JP/ja/p/T0793#docomentsSectionPDP
https://www.sigmaaldrich.cn/JP/ja/sds/aldrich/149691

ストロンチウム

ストロンチウムとは

ストロンチウムとは、原子番号が38番、原子量が87.62のアルカリ土類金属です。

元素記号はSrと表されます。銀白色の金属固体で、化学反応性が高いです。水と激しく反応し、空気に触れると表面が黄味を帯びてきます。ストロンチウムの炎色反応は、綺麗な赤色を示すため、その塩は花火の赤色の発色原料として利用可能です。

また、90Srはストロンチウムの放射性元素として知られていますが、通常存在する88Srには放射線の危険性がないことも報告されています。

ストロンチウムの使用用途

ストロンチウムは、主にガラス用添加剤として利用されています。かつては、ブラウン管のチューブガラスが主要用途でした。現在は、ディスプレイや太陽光発電用ガラスの添加剤(炭酸ストロンチウムとして)への利用が多いです。

その他、小型モーターなどのフェライト磁石セラミックコンデンサ防錆剤などにも使用可能です。さらに、硝酸塩の炎色反応が赤色を示すことから、花火の赤色光や発煙筒にも用いられます。

ストロンチウムの性質

生理的にストロンチウムは、カルシウムに近い挙動を示し、骨格にも含まれています。ストロンチウムの融点は777°C、沸点は1,382°Cです。空気中で灰白色の酸化物被膜を生成します。水と激しく反応して、水素と水酸化ストロンチウムが生じます。

アルミニウムを用いて酸化ストロンチウムを還元すると、ストロンチウムを生成可能です。塩化ストロンチウムの溶融塩電解などによっても、金属単体が製造可能で、蒸留で精製できます。

ストロンチウムの構造

ストロンチウムは、温度や圧力などの条件によって、3種類の結晶構造を取ります。常温常圧で安定な結晶構造は、面心立方格子構造 (α-Sr) です。213°C〜621°Cでは六方最密充填構造 (β-Sr) が、621°C〜769°Cでは体心立方格子 (γ-Sc) が最も安定しています。室温付近での密度は2.64g/cm3で、融点での液体密度は2.375g/cm3です。

ストロンチウムの電子配置は、[Kr] 5s2です。カルシウムと電子配置が似ているため、カルシウムの代わりに鉱物中へ入る場合もあります。

ストロンチウムのその他情報

1. ストロンチウムの産出

ストロンチウムは天青石 (SrSO4) として産出されます。主要な産出国は、中国、スペイン、メキシコです。小規模な産出国の具体例として、アルゼンチンやモロッコも挙げられます。アメリカにもストロンチウム鉱床が広く存在していますが、1959年以降には採掘されていません。

採掘された大部分の天青石は、炭酸塩に変えられます。炭酸ナトリウム溶液によって、直接天青石を抽出可能です。石炭で焙煎すると硫化物が得られ、硫化ストロンチウムを含有した暗色の物質が生じます。黒灰 (英: black ash) は、水に溶解するため、濾過で除去可能です。硫化ストロンチウム溶液に二酸化炭素を加えると、炭酸ストロンチウムが沈殿します。

2. ストロンチウムの同位体

ストロンチウムの同位体の中で、84Sr、86Sr、87Sr、88Srの4種類が天然に存在します。存在率は、それぞれ0.56%、9.86%、7.0%、82.58%です。

87Srは、宇宙の元素合成のときに、84Sr、86Sr、88Srとともに生じた以外にも、天然放射性同位体である87Rbの崩壊によって生じます。87Rbの半減期は4.88×1010年です。87Sr/86Srの存在比は、地質学でよく報告されています。鉱物や岩石の87Sr/86Srは、0.7から4.0以上です。

ストロンチウムの不安定同位体は、16種類知られています。高エネルギーの電子を放つ同位体の中でも、とくに寿命が長いのは90Srであり、半減期は28.78年です。90Srはベータ崩壊によって、電子や反ニュートリノを放出して、90Yに変わります。

ジグリム

ジグリムとは

ジグリムとは、化学式C6H14O3で表される有機化合物で、グリコールエーテルの1種です。

別名にはダイグライム、ビス(2-メトキシエチル)エーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどの名称が有ります。ジグリムの名称は、diethyleneglycol dimethyl etherの頭文字を取った略称です。CAS登録番号は111-96-6です。分子構造はジエチレングリコールの2つのヒドロキシ基をメチル化した構造です。

ジグリムの使用用途

ジグリムの金属試薬への配位 (1)

図1. ジグリムの金属試薬への配位

ジグリムの主な使用用途は、希釈剤、洗浄剤、反応系、溶剤触媒、吸収剤です。化学反応の溶媒としては特に、高沸点溶媒として用いられています。ジグリムは、金属カチオンに対してキレート配位する性質があるため、対アニオンを活性化させることが可能です。この性質を活かして、グリニャール試薬や金属ヒドリドなどの金属化合物を反応剤とする反応において、反応速度を上げるために使用されています。

また、フォトレジスト用溶剤として、集積回路基板の製造にも利用されています。 これらは、光応用や半導体製造時の回路パターン形成時 に、シリコンウェハのコーティング用感光性材料として利用されています。

ジグリムの性質

ジグリムの基本情報

図2. ジグリムの基本情報

ジグリムの分子量は134.17、融点は-64℃、沸点は162℃であり、常温での外観は無色透明の液体です。特異臭と形容される臭いを持ちます。溶媒としては、塩基性に強く、強塩基存在下に加熱しても安定な性質を示します。

密度は0.937g/mLであり、発火点は190℃です。引火点は57℃と低く、引火性の高い物質です。水、各種アルコール、ジエチルエーテルなど、色々な炭化水素系の溶媒と混和可能です。

ジグリムの種類

ジグリムは主に研究開発用試薬製品として販売されている物質です。

容量の種類には、25mL、100mL、500mL、1L、2Lなどがあり、実験室で取り扱いやすい容量が中心であるものの、比較的大きな容量の製品も販売されています。試薬製品としては、ジグリムの名称よりもジエチレングリコールジメチルエーテルや、ビス(2-メトキシエチル)エーテルなどの名称で販売されている場合が多いです。通常、室温で保管可能な試薬製品として取り扱われます。

ジグリムのその他情報

1. ジグリムの合成方法

ジグリムの合成方法の例

図3. ジグリムの合成方法の例

ジグリムは、酸触媒存在下でジメチルエーテルとエチレンオキシドを反応させることにより合成される、との報告があります。

2. ジグリムの反応性

ジグリムは、通常の保管条件では安定な物質であると考えられる物質です。ただし、51℃以上では、爆発性過酸化物を生成することがあります。また、強力な酸化剤と激しく反応するため、 強力な酸化剤は混触危険物質に指定されています。

3. ジグリムの安全性情報

ジグリムの主な有害性は、 引火性液体及び蒸気・眼刺激・生殖能又は胎児への悪影響です。GHS分類では

  • 引火性液体: 区分3
  • 眼に対する重篤な損傷・眼刺激性: 区分2B
  • 生殖毒性: 区分2

に分類されています。熱、火花、裸火、高温のもののような着火源からは遠ざけておく必要があります。取り扱いの際は局所排気、全体換気を整備し、保護衣や保護メガネ、保護手袋などの適切な個人用保護具を使用することが必要です。もし眼に入った場合は、まずは水で数分間注意深く洗い、次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外し、更にその後も洗浄を続ける必要があります。

4. ジグリムの法規制情報

前述の有害性のため、ジグリムは法令によって規制を受ける物質です。消防法では第4類引火性液体、第二石油類水溶性液体に指定されており、労働安全衛生法では 危険物・引火性の物に指定されています。法令を遵守して正しく取り扱うことが必要です。

参考文献
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen/gmsds/111-96-6.html

しゅう酸ナトリウム

しゅう酸ナトリウムとは

しゅう酸ナトリウム (英: sodium oxalate) とは、化学式 (COONa)2で表される無機化合物です。

分子量は134.0g/mol、密度は2.34g/cm3、融点はおよそ250℃から270℃程度、CAS番号は62-76-0です。常温常圧では、無色または白色で無臭の結晶性粉末であり、主に滴定を行う際の試薬として用いられています。

なお、しゅう酸ナトリウムは毒物及び劇物取締法において、劇物に指定されています。

しゅう酸ナトリウムの使用用途

しゅう酸ナト​​リウムは、非常に高純度で安定しているため、標準試薬として実験用途で広く使用されています。特に、過マンガン酸カリウム (KMnO4) による過酸化水素の定量 (酸化還元滴定) の化学実験において、標準溶液としての用途が有名です。

この反応では、過マンガン酸カリウムが5価の酸化剤で、しゅう酸ナトリウムは2価の還元剤として働きます。そのため、2分子の過マンガン酸カリウムと5分子のしゅう酸ナトリウムが反応し、副生成物として二酸化炭素と水が発生します。過マンガン酸カリウムは赤紫色を呈しているので、色の消失で滴定の終点を測定可能で、非常に終点が明瞭です。

また、この反応では過マンガン酸カリウムが還元されて生成した2価のマンガンイオンがしゅう酸ナトリウムの酸化を触媒するため、反応が進むほど反応速度は速くなります。しゅう酸ナトリウムの滴下後に素早く過マンガン酸カリウムと反応させなければ終点が正確に判断できないため、温度を60℃程度に上昇させた上でしっかりと攪拌を行うことが重要です。

この他にも、染色助剤、漂白助剤、メッキ浴添加剤、革のなめし、還元剤、触媒原料、調製液用原料および金属錯体研究などの用途もあります。

しゅう酸ナトリウムの性質

しゅう酸ナトリウムはイオン性の固体なので、水にやや溶けやすく、エタノールをはじめとする有機溶媒にはに溶けにくい性質です。弱酸であるしゅう酸と強塩基である水酸化ナトリウムの塩であるため、しゅう酸ナトリウム水溶液は弱塩基性を示します。

しゅう酸ナトリウムのその他情報

1. しゅう酸ナトリウムの製法

しゅう酸ナトリウムは、しゅう酸1分子と水酸化ナトリウム2分子を反応させることで合成することができます。また、しゅう酸1分子と水酸化ナトリウム1分子がちょうど反応すると、しゅう酸水素ナトリウムが生じます。

植物は、光合成のグリオキザル酸を酸化する段階において、しゅう酸を体内で生成するため、植物の体内に存在しています。しかし、しゅう酸そのものは植物に対して毒性を発揮してしまうため、過剰に吸収しているカルシウムイオンやナトリウムイオンに固定させて体内で保持していることが特徴です。これらの結晶は、植物によってさまざまな異なる形で存在していることが知られています。

天然には、タデ科、カタバミ科、アカザ科などの植物および野菜に含まれており、特にホウレン草は多量のしゅう酸ナトリウムを含みます。

2. しゅう酸ナトリウムの危険性

この物質は加熱分解によって、二酸化炭素を発生させます。密閉された部屋で二酸化炭素が多量に発生すると、酸素濃度が低下して、めまいや吐き気などの症状を催します。そのため、多量のしゅう酸ナトリウムを加熱する場合には、換気を徹底して行うことが重要です。

また、加水分解されて生じるしゅう酸は皮膚や目に対して非常に刺激性が強いです。取り扱う際は、保護メガネやゴム手袋、白衣の着用を行う必要があります。皮膚に付着してしまった場合には、すぐに多量の水で洗い流してください。

参考文献
https://labchem-wako.fujifilm.com/sds/W01W0119-0265JGHEJP.pdf

酢酸メチル

酢酸メチルとは

酢酸メチルは、化学式CH3COOCH3で表される、分子量74.08の有機化合物です。酢酸エステルの一つで、その中では炭素数が最も少なく、水に溶けやすい性質です。

また、エタノールに極めて溶けやすく、多くの金属塩類も溶かします。無色透明で、特有の臭気がある引火性の液体です。

労働安全衛生法において、 名称等を表示すべき危険有害物とされており、また消防法では、第4類引火性液体、第一石油類非水溶性液体に分類されます。

酢酸メチルの使用用途

酢酸メチルは、親油性(疎水性)であるため、工業的用としても実験用途としても溶媒や抽出溶剤などとして使用されます。

具体的には、接着剤、塗料、樹脂、印刷インキ用溶剤として、またマニキュアリムーバーやラッカー、フルーツ等の香料の溶剤などが挙げられます。

化学的性質や特徴が似ているため、酢酸エチルの代替として利用されることもありますが、酢酸エチルよりは毒性が高いため、酢酸メチルは食品用途では使用されません。

参考文献
SDS
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen/gmsds/79-20-9.html

過塩素酸ナトリウム

過塩素酸ナトリウムとは

過塩素酸ナトリウムとは、化学式NaClO4で表される過塩素酸のナトリウム塩です。

過塩素酸ソーダとも呼ばれ、塩素酸ナトリウムの電気分解によって得られます。過塩素酸塩の1種で、過塩素酸塩に共通する酸化剤としての性質と、水溶液にしたときにイオン半径が大きい陰イオンとしてふるまう性質を有しています。

CAS登録番号は無水物が7601-89-0、1水和物が7791-07-3です。

過塩素酸ナトリウムの使用用途

過塩素酸ナトリウムの工業的な使用用途は、主に他の過塩素酸塩の製造です。過塩素酸塩の中でもナトリウム塩は水への溶解度が高いため、この水溶液に塩化カリウム塩化アンモニウムを加えることにより、過塩素酸カリウム過塩素酸アンモニウムを析出させ、得ることができます。

その他、酸化剤や火薬、合成樹脂の安定化助剤も用途の1つです。また、分析用試薬として核酸抽出や高速液体クロマトグラフィー (HPLC) の溶離液にも用いられます。

過塩素酸ナトリウムの性質

1. 外観・溶解性

白色の結晶性粉末で、水やアルコールに溶けやすい性質です。結晶は潮解性を有します。

2. 酸化力

他の過塩素酸塩と同様に、酸化力の源は、含まれる塩素が塩素原子の最高酸化状態 (7価) であることです。自身が還元され、周囲の物質を酸化する性質を持ちます。

3. 加熱したときの性質・火災危険

200℃以上で分解し、酸素を発生させます。有機物と共存すると、その有機物を酸化することで火災の原因となります。

さらに、火災時には熱分解して酸素を発生することで火災の拡大を助長します。

4. カオトロピック

過塩素酸イオンは、カオトロピックイオンとしての性質があります。カオトロピックとは、水分子の相互作用によって作られる水分子のつながり構造を不安定化する性質です。

この性質を利用して、高濃度の過塩素酸ナトリウムを用いてタンパク質や核酸を精製することができます。例えば、水分子のネットワークを乱すことで、タンパク質が本来持っている高次構造をとりにくくし、水への溶解性を下げてタンパク質を沈殿として回収できます。

核酸の精製方法の要点は、核酸のリン酸基が水和しにくくすることです。過塩素酸ナトリウムを加えてリン酸基の水和を妨げ、水和していないむき出しのリン酸基をシリカなどの担体と相互作用させ、吸着することで精製します。

過塩素酸ナトリウムのその他情報

1. イオンペア液体クロマトグラフィー

過塩素酸ナトリウムは、イオンペア液体クロマトグラフィーのイオンペア試薬としても用いられます。これは、他の過塩素酸塩と同様に、過塩素酸イオンが有機陽イオンと安定に会合 (イオンペア形成) しやすい性質があることによります。

分析対象の有機陽イオンがイオン半径の大きい過塩素酸イオンとイオンペアを形成することにより、有機陽イオンと分析カラムとの好ましくない相互作用を抑制し、分析性能を向上させることができます。

2. 危険性・有害性

酸化性固体であり、有機物と共存することで火災の原因になるほか、火災を爆発的に拡大する危険性を持っています。

皮膚腐食性/刺激性、眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性を有し、人体に有害です。また、単回の曝露で気道刺激を、長期の反復する曝露により、血液系の障害を生じる可能性があります。

3. 環境影響

過塩素酸塩は低濃度では安定であるため、環境中に長期間存在し、悪影響を及ぼすと考えられています。そのため、環境排出が無いように管理することが必要です。

4. 関係法令

消防法では、第1類酸化性固体過塩素酸塩類、危険等級Ⅰに分類されます。労働安全衛生法においては、危険物・酸化性の物 (施行令別表第1第3号) に該当し配慮が必要です。

危険物船舶輸送及び貯蔵規則では、酸化性物質、航空法でも酸化性物質に該当します。化学物質排出管理促進法では、第1種指定化学物質に該当しています。

参考文献
https://labchem-wako.fujifilm.com/sds/W01W0119-0925JGHEJP.pdf