ミニチュア管継手

ミニチュア管継手とは

ミニチュア管継手(英語:Miniature Pipe Fittings)は、配管布設する場合に管と管を接続するために用いられ、特に小さい配管サイズ用の継手になります。一般的に、空気や蒸気・水・油などの流体に使用します。

ホースと鋼管銅管用があり、直線や90度屈曲、T形3方口、閉止など様々な形状や種類、ねじ込み式やワンタッチ接続式、差し込み式、バーブ式(接続するチューブが抜け難くするためにギザギザな外形形状になっている)などの接続方法があります。

ミニチュア管継手の使用用途

ミニチュア管継手は、管もしくはチューブ同士や、継手同士を接続するための継手の一種で、一般の継手と同様に配管布設の際に様々な場面で使用されます。

食品や化学産業、原子力の設備・製造機械などで幅広く使用されており、エルボやニップル・ユニオン・ティー・ブッシュ・レデューサ・プラグなどがあります。

適用チューブ外径は、φ3.2からφ6 mm、接続用ねじサイズはM3, M5の2種類もしくはRc 1/8になります。

ミニチュア管継手の原理

ミニチュア管継手は、一般的な継手と同様に配管内の流体を漏洩させることなく、管(チューブ)同士や継手同士、管と継手または装置・機器を接続し、配管全体を布設するために使用する重要な部品です。

ミニチュア管継手と管(チューブ)との接合は、バーブ式や管用テーパねじが用いられています。また、容易に管をミニチュア管継手に接続できるような、ワンタッチ構造の継手や、工具無しで接続できるタイプもあり、施工やメンテナンス時の脱着が容易に行えます。

継手の材質(主に流体に直接触れる部分のボディなど)は、ステンレス鋼や快削黄銅鋼(無電解ニッケルめっきを施しているものもある)が使用されており、流体や使用環境に対して必要な耐食性や耐孔食・耐粒界腐食性がなど、用途に合わせて選択することが大切です。

また、接続方法が管用テーパねじ込み式の場合は、ねじ込みの深さが一様にならないため、継手や配管の向きが自由になりません。そのため、ユニオン継手を使用して、向きを自由に変更できるようにします。

金属カラー

金属カラーとは

金属カラー

金属カラー(英語:Metal Collar)は、金属製のリング形状の部品で、スペーサと同じように駆動シャフトや軸に六角穴付きボルトなどで締め付け固定する部品です。ボルトで締め付けず、単に駆動シャフトや軸にはめ込むだけのものもあります。

カラーとスペーサの相違点は下記の通りになります。

  • カラー:直径より高さが高く肉厚が薄いもの
  • スペーサ:直径より高さが高く肉厚が厚いもの

一般的に、「セットカラー」も同義語で使用されることがあります。

一体型や2分割式のセパレート型があり、使用場所や用途・作業性などによって使い分けます。

金属カラーの使用用途

金属カラーの主な用途は、金属カラーを軸に固定することで、ベアリングスプロケットプーリー・ギヤ・軸などの部品を軸方向に対して固定する場合に使用されています。

金属カラーは、軸に対して任意の位置で固定できるため、金属カラーにブラケットやプレートなどを取り付け可能にしておくことで、ブラケットやプレートを軸上の任意の位置にスライドさせて固定することが可能になります。

また、ボルトで締め付けずに単に駆動シャフトや軸にはめ込み、部品と部品の間を金属カラーの高さ分で一定間隔に保つために使用することもあります。

金属カラーの原理

金属カラーは、ボルトを用いて簡単に軸に固定することができるのが特徴です。固定方法の違いにより、いくつかの種類に分かれています。

標準タイプ

金属カラー内径は軸径に応じた精度穴が開いており、六角穴付きボルトで軸に固定します。六角穴付きボルトで固定するため、軸には傷がつきます。
スリットタイプ:金属カラーにスリットが設けられ、C型状になっています。スリットで分かれている片側にはタップが、他方の同軸上には穴と座ぐりがあり、この部分を六角穴付きボルトで締め付けることで内径部分が締まり、軸に固定されます。

スプリット(2分割)タイプ

金属カラーが2分割になっていて、それぞれ六角穴付きボルトで締め付け固定します。2分割のため軸へ部品を組み込んだ後にも組み付けすることができます。

材質は、炭素鋼S45C)やステンレス鋼(SUS304)などが使用されています。標準タイプの六角穴付きボルトで固定せず、挿入するだけの場合は、アルミニウム鋼(A2017)も使用されています。

キャップボルト

キャップボルトとは

キャップボルト_図(0)

キャップボルト (英: Cap Bolt, Hexagon Socket Head Cap Screw) とは、ボルト頭部 (ヘッド) が円筒形や皿型で、上端面に六角形状の穴があけられているボルトです。

一般的に、「キャップスクリュー」「ソケットスクリュー」「六角穴付きボルト」も同義語として使用されます。

なお、キャップボルトの規格は、下記の通りです。

  • JIS B 1176 六角穴付きボルト
  • ASME/ANSI B18.3    Hexagon Socket Head Screws

キャップボルトの使用用途

キャップボルト_図 (1)

図1. キャップボルトの使用例 (1)

キャップボルトは、主に取り付け作業のスペースが狭く、小さな機械や装置などへ部品を取り付け、固定するために使用します。

キャップボルトの締め付けは、キャップボルトのサイズに合った六角レンチ (六角棒レンチ) などの締め付け工具を使用します。六角レンチは、スパナやモンキーなどと比較して、小さい力で強い締め付け力を加えられ、締め付けるときにボルト周辺の作業スペースが狭くて済むことがメリットです。

キャップボルト_図 (2)

図2. キャップボルトの使用例 (2)

ただし、六角レンチにはミリサイズとインチサイズがあるため、六角レンチの選定には注意が必要です。また、キャップボルトを取り付ける相手側に、キャップボルト頭部の円筒形の直径より少し大きく、頭高さより少し深いザグリ穴あけをすることで、キャップボルト頭部がはみ出さずに取り付けることができます。

なお、ザグリ穴とは、ボルト頭部が隠れるように取り付け部に穴あけ加工することです。ボルト頭部と他部品との干渉を避けすっきりとした状態になります。

キャップボルトの原理

キャップボルトは、一般の六角ボルトと同じで、ねじ (この場合の「ねじ」は、スクリュー状の形状だけを示します)  により締結します。キャップボルトは、ナットを使用して締結せずに、タップ加工したメスねじに直接ねじ込み締結する方法に使用される場合が多いです。

六角ボルトのように、ボルト頭部にレンチをはめ込むのではなく、断面が六角状のレンチを六角穴に差し込み締め付けます。そのために、ボルト頭同士や他部品との間にスペースを確保する必要があります。しかし、キャップボルトの締め付け工具は、六角レンチのためボルト頭外側のスペースは不要で、密接してキャップボルトを配置することが可能です。

その結果、小さい寸法で設計が可能でコンパクトな部品や装置が実現できます。キャップボルトの材質は、比較的強度区分の高い材質を使用しており、鋼製の場合 JIS B 1051 8.8, 10.9, 12.9、ステンレス鋼の場合 JIS B1054 A2-70, A2-50 を採用しています。

高い締め付け力と高い強度が必要な場合に使用されています。使用箇所や用途に適した材質や強度区分選定が大切です。

キャップボルトの種類

キャップボルト_図 (3)

図3. キャップボルトの種類と形状 (1)

キャップボルトの種類は、キャップボルト頭部の形状と締め付け工具用の穴形状で分けられます。

キャップボルト頭部の形状による種類は、下記のようなものがあります。

  • 六角穴付きボルト
  • 六角穴付き低頭ボルト
  • 六角穴付き皿ボルト
  • 六角穴付きボタンボルト

キャップボルト_図 (4)

図4. キャップボルトの種類と形状 (2)

穴形状は、六角穴以外に六角星形溝のトルクス (TORX) 穴付きがあります。

キャップボルトのその他情報

キャップボルトの締め付け工具

キャップボルト_図 (5)

図5. キャップボルト締め付け工具の種類と形状

キャップボルトの締め付け工具は、L形六角レンチ (六角棒レンチ) 、T形ハンドル六角レンチ、ドライバー形六角レンチ、ヘキサゴンビットなどが一般的です。また、六角レンチとヘキサゴンビットのキャップボルト差し込み側の先端形状は、「フラット」と「ボールポイント」があります。

ボールポイント先端の形状は、角部をR加工しているため、六角レンチが斜めの状態でも締め付けが可能です。

シャフトブラケット

シャフトブラケットとは

シャフトブラケット(英語:Shaft Bracket)は、駆動シャフトや軸に関わる部品などの取り付けや固定・保持のために使用される部品の名称です。

機械の組み立て後や改造を行う場合に、またメンテナンスの際にセンサーやその他部品を、駆動シャフトや軸に取り付けする場合に使用します。

シャフトブラケット自体が2分割で分解できるセパレート構造のため、駆動シャフトや軸が既に機械に組み込まれた状態のままでも、取り付けることが可能です。

シャフトブラケットの使用用途

シャフトブラケットは、それ自体で何か機能するものではなく、前述したように駆動シャフトや軸にセンサーなどの部品を取り付けるための部品です。

シャフトブラケットにより取り付けたい部品を、駆動シャフトや軸に固定させるために使用します。

シャフトブラケットで部品を挟み込んで使用し、またシャフトブラケットの取り付け穴に部品をボルト等で取り付けて使用します。

駆動シャフトと軸の形状により、丸シャフト(軸)用と角シャフト(軸)用があります。

シャフトブラケットの原理

シャフトブラケットの原理はいたってシンプルで、駆動シャフトや軸にはめ込み、2分割されたブラケット同士をボルトで締め付け一体化させ取り付けます。

取り付けられたシャフトブラケットに、ドグ(円盤状のプレートで切り欠きなどが加工されている)をシャフトブラケットの取り付け穴にボルトで取り付け、リミットスイッチやセンサーにより回転数検知や停止位置を設定するため使用したりします。

また、シャフトブラケット2分割の一方がフランジ形状になっており、駆動シャフトや軸を他部品の平面部分に保持させたりする場合に使用します。

角シャフト(軸)用は、駆動シャフトや軸の固定、センサブラケットの取り付けなどに使用します。

シャフトブラケットの材質は、冷間圧延鋼板 SP2Cやステンレス鋼 SUS304 などが使用され、2分割を一体化させ結合するためのボルトは、クロムモリブデン鋼 SCM435やステンレス鋼 SUS304 などが使用されています。

リテイニングリング

リテイニングリングとは

リテイニングリング_図0

リテイニングリング (英: Retaining Ring) とは、軸と軸が貫通する穴側の部品を、所定位置に固定もしくは保持するための金属製部品です。

「リテーニングリング」と呼ばれることもあり、「止め輪」「スナップリング」「サークリップ」なども同義語として使用されています。軸や穴にリテイニングリングをはめ込むための溝を加工し、軸や穴に取り付ける部品を固定するための部品です。

リテイニングリングの溝からはみ出ている板幅部分が、相手側の部品と接触して固定されます。

リテイニングリングの使用用途

リテイニングリング_図1

図1. リテイニングリングの使用例

リテイニングリングは、上記に示したように軸や穴に部品を固定する部品で、機械の組み立てなどで軸に軸受 (ベアリング) や歯車 (ギア) を固定するために使用します。軸用 (英: Internal) と穴用 (英: External) があり、それぞれ使用先、形状、型式が異なるため、選定には注意が必要です。

また、部品の固定方法や固定する拘束力によって、リテイニングリングの形状や型式を選定します。リテイニングリングを取り付けるためには、必ず軸の外側や穴の内側に、リテイニングリングの寸法 (サイズ) に応じた溝加工が必要です。

溝の加工寸法は、JIS規格やメーカーの寸法表に記載されています。

リテイニングリングの原理

軸の外周側または軸が貫通する穴の内周側に溝を加工し、溝にリテイニングリングをはめ込み、隣接する部品を固定します。リテイニングリングの溝からはみ出している板幅部分で、部品を拘束します。リテイニングリングがはめ込まれている状態は、上記の図1を参照してください。

軸用の溝底の径はリング内径若干大きく、穴用の溝底の径はリング外径よりも若干小さくより加工されています。そのため、専用工具などを使用しリテイニングリング外径を変形させ溝にはめ込みます。リテイニングリングは、スプリング状になり溝底に押し当てられ固定されます。

リテイニングリングの種類

1. 取り付け方向による分類

リテイニングリング_図2

図2. リテイニングリングの取り付け方向

リテイニングリングは取り付け方向によって、下記のような種類があります。

スラスト方向取り付け (溝加工必要)

  • C形 軸用、穴用
    最も一般的なタイプで、スラスト方向 (軸中心線と平行方向) に挿入し溝にはめ込んで使用します。
  • 丸形 軸用、穴用
    C形に比べ突起部が小さく、相手側との干渉が低減されますが、溝側面との接触面積が小さいため、スラスト荷重負荷が少し低くなります。
  • ベベル形 軸用、穴用
    溝の位置の加工精度、拘束相手の寸法のばらつきに影響されにくい特徴があります。
  • スパイラル形 軸用、穴用
    スパイラル形は、板状の鋼線をコイル巻きしたリング状のものです。リング全周の面で溝と接触しており、巻数を1重から2重へと変えることで、軽負荷荷重から重負荷荷重へ対応することが可能になります。スパイラルリングは、下記の同心型リテイニングリングと同様に、リング幅が溝からほとんどはみ出さないため、構成部品のスペースは十分に確保できます。

スラスト方向取り付け (溝加工不要)

  • ブッシュナット 軸用、穴用
    軸もしくは穴のスラスト方向 (軸中心線と平行方向) から挿入して使用します。爪部分が接触して抜け難い構造になっています。溝加工が不要なため、自由位置に取り付けが可能です。

ラジアル方向取り付け (溝加工必要)

  • E形
    軸用で軸に溝を加工してラジアル方向 (軸中心線と直角方向) に挿入して使用します。
  • クリセント形
    E形と比較して外径が小さいため、省スペースで使用できます。
  • U形
    軸用で軸に溝を加工してラジアル方向に挿入して使用します。溝に接触している部分が多いため、負荷できるスラスト荷重はE形より大きくなります。

2. 形状による分類

リテイニングリング_図3

図3 .リテイニングリングの形状

リテイニングリングは形状によって、下記のような種類があります。

偏心リテイニングリング
偏心リテイニングリングは、リング幅が開口部先端にかけて細く、装着状態で軸もしくは穴側の溝と、全ての面で接触しているのが特徴です。

同心リテイニングリング
同心リテイニングリングは、全体的にリング幅が一定で、組み付け時はリングが楕円形となり、溝と3点で接触し固定されているのが特徴です。リング幅のほとんどが溝内にはまり込みはみ出し部分が少ないため、構成部品の取り付けスペースを十分に確保することができます。しかし、偏心リテイニングリングと比較して固定力は低くなります。

リテイニングリングのその他情報

1. リテイニングリングの材質と表面処理 

リテイニングリングの主な材質は、炭素鋼  (S65C, S70C) 、硬鋼線材 (SWRH72B)  、ばね用ステンレス鋼帯 (SUS304-CSP) などが使われています。

また、保管期間・耐食性を向上させるため、リン酸塩皮膜処理や六価クロム皮膜処理などの表面処理が施されることがあります。

2. リテイニングリングの規格

  • JIS B 2804 止め輪 Retaining rings
  • ANSI/ASME B18.27 Tapered and Reduced Cross Section Retaining Rings (Inch Series)
  • ANSI/ASME B27.7 General purpose tapered and reduced cross section retaining rings, Metric

3. リテイニングリング用工具

リテイニングリング_図4

図4. リテイニングリング用プライヤー

リテイニングリングの取り付け・取り外しは比較的容易な作業で行えます。C形や丸型の作業には、専用のプライヤーが必要で、軸用と穴用があります。

スパイラル形のリテイニングリングは、特に専用工具なしで取り付け・取り外し作業が可能です。

チェーンガイド

チェーンガイドとは

チェーンガイド(英語:Chain Guide)は、チェーンが回転・移動する際の蛇行や振動を防ぎ、チェーンを滑らかに動かすための部品です。
一般的に、「ガイドレール」も同義語として使用されます。

上記の目的では、動力伝達用途の駆動チェーンや工場のラインなどで物品や製品を搬送するための搬送用チェーンに使われています。
また、自転車では駆動用のチェーンの脱落を防止するための部品や、バイクではリアスプロケットとチェーンに巻き込まれないようガードする部品になります。

チェーンガイドの使用用途

チェーンガイドは、産業用途の駆動チェーンや搬送用チェーンのガイド用や、自転車・バイクの駆動チェーンのガイドとして使用されています。

産業用途の搬送用チェーンガイドでは、チェーンが長く振動が発生したり蛇行したりするのを防ぎ直線動作を補助したり、曲線状になったチェーンの走行経路を維持するために使用します。

バイク用チェーンガイドでは、オートテンショナーに取り付けられたチェーンガイドが、エンジンのカムシャフト用タイミングチェーンの張り具合を調整しスムーズに動くようにします。

チェーンガイドの特徴

チェーンガイドは、下記のような場合に使用することで、その特徴を発揮します。

  1.  騒音を低減したい場合
    チェーンと接触する部分に摩擦係数が低い材質が使用しているため、チェーンの振動などによって発生する作動音を抑え騒音を低減することができます。
  2.  チェーンの摩耗を軽減したい場合
    チェーンと接触する部分に、自己潤滑性があり耐摩耗性の高い材質が使用しているため、チェーンとの接触が滑らかで、チェーンの摩耗を軽減することができます。

    チェーンガイドのガイドレールの形状は、一般的に山形に出っ張っている凸形と、溝になっている凹形があります。
    凸形は、凸の山部分にチェーンのピン部が乗っかり、はまり込むような状態になります。
    凹形は、凹の溝部分にチェーンのピンと片側のプレートがはまり込むような状態になります。

    ガイドレールの材質は、耐摩耗性・低摩擦性・自己潤滑性等の特性を持った超高分子量ポリエチレンなどの樹脂が使用されています。また、補強やガイドレールの形状維持のため、ステンレス鋼などを合わせて使用しているものもあります。

オムニアンテナ

オムニアンテナとは

オムニアンテナ

オムニアンテナは無指向性アンテナとも呼ばれており、360°の全方向の電波を送信、受信することができるアンテナです。電波の方向を調整する必要がないため対象を限定することなく電波を送信、受信できます。

オムニアンテナは垂直方向か、水平方向のどちらか一方が全方向に対応していることが多く、垂直と水平の両方向に対応している製品は完全無指向性アンテナと呼ばれる場合があります。

受信の際には対象の電波以外の電波も拾いやすいため、対象の電波が強い近距離で利用されることが多いです。

オムニアンテナの使用用途

オムニアンテナは、全方向に電波を放射することができるので、テレビやラジオ、携帯等の電波の送信に広く使用されています。

最近では特に無線LANにおいて、方向を選ばず広く電波を飛ばすことができるオムニアンテナが、屋外用、屋内用共に多くの製品に搭載されています。無線LANのオムニアンテナを別のものに交換するだけで性能が向上する場合もあります。

また送信用、受信用ともにオムニアンテナは、指向性アンテナでは電波が送りづらかったり、拾いづらい場所で使用されていることが多いです。

オムニアンテナの原理

オムニアンテナとしていくつか種類がありますが、中でもダイポールアンテナがよく利用されています。ダイポールアンテナは細長い棒形状のアンテナで、T字やV字になっていて、アンテナの全長は対象となる電波の半分の波長です。

ダイポールアンテナの原理は、電波の共振を利用しています。アンテナの中央部から交流電流が供給され、両端までめぐり、折り返してまた中央部に戻ってきます。送信時にはその交流電流により磁界が発生し、結果として電波が発生し、送信することができます。また、受信時には、外部からの電波による磁界の変化によりアンテナ内部で電流が発生し、アンテナの中央部に流れていくことで受信しています。電波の送信と受信ともに、アンテナの全長が対象の電波の半分の波長であることによって、効率よく共振させて、性能を高めています。

ダイポールアンテナの電波の特性は、軸を中心に同心円上に広がっていきます。三次元的に見ると、ドーナツのような形状で電波が広がっていきますが、アンテナの真上と真下はほとんど電波は届かない構造になっています。

スクラップコンベア

監修: サンエイ株式会社

スクラップコンベア

スクラップコンベア

スクラップコンベアとは、サーボプレス油圧プレスなどのプレス加工機から生じる加工屑などを搬送するコンベアです。

特にスクラップ搬送に特化していますが、以前はプレス加工機の下から排出されるスクラップを簡易的な箱などで受け、満杯になると人の手によって回収箱に運ぶという作業を行なっていました。

近年では省力化のため、一般的なベルトコンベアやヒンジコンベアと呼ばれるコンベアを使用するケースが多くなりましたが、プレス加工機から排出されるスクラップは、薄い板状のものや細かいものが多く、ベルトコンベアではベルト面に張り付いてしまったり、ベルト自体を傷つけてしまったりすることから適切な搬送が困難でした。

元々ヒンジコンベアは、切削加工機などから発生する切り屑 (カール状やチップ状) を運ぶ目的のコンベアであり、スクラップ搬送に流用することでヒンジベルトの隙間にスクラップが噛み込むなど、チョコ停が頻発するといった事態に陥りました。このような問題を解決するため、設計・開発されたのがスクラップコンベアです。

スクラップコンベアの使用用途

スクラップコンベアの導入前後の比較

図1. スクラップコンベアの導入前後の比較

手作業によるスクラップ回収を省力化・簡略化するため、プレス加工機の下に直接スクラップコンベアを設置して、自動で回収箱に搬送するようにレイアウトします。

工場内にピットを掘るなどして大型のスクラップコンベアを設置し、各プレスからスクラップを集約して、ひとつのスクラップボックスに集めるようなレイアウトも非常によく行われます。メリットやデメリットは、以下の通りです。

メリット

構造が簡単なため、メンテナンスが容易で、噛み込みが構造上発生しません。傾斜だけでなく、水平方向へカーブしたコンベアも製作が可能です。

デメリット

掻き板で運んでいくという構造のため、搬送物に傷が付いたり、コンベア内に搬送物が残留したりする恐れがあります。歩留まりを気にするような製品や傷つく恐れのあるようなものは適さないため、スクラップに特化したコンベアと言えます。

スクラップコンベアの原理

一般的なイメージのコンベアとは違い、掻き板 (スクレーパブレード) でコンベア筐体内を掻いていくような搬送方法です。スクラップを中心に集めやすいように、コンベア内は、船底型をしています。

また、スクレーパブレードはチェーンのアタッチメントに一定のピッチで取付られており、消耗した際は容易に交換ができます。

スクラップコンベアのその他情報

1. スクラップコンベアの市場

スクラップコンベアの市場動向は、2021年の2月18日にSDKI.Inkが分析レポートを発刊しています。同調査によると、世界のコンベアーシステムは2020年の約88億ドルから2025年までに106億ドルに到達すると予測しています。年平均成長率でみると、約3.9%の成長率で上昇する予測をしています。

世界における地域別調査では、2025年にヨーロッパが最も成長し最大になると予測しており、ヨーロッパのエンドユーザーにはCarrefourやAldi、Edeka、Metroなどあります。

コンベアーベルトの市場としては、株式会社グローバルインフォメーションが調査しており、2020年には61億米ドルの市場規模に到達したと発表しています。この市場では、今後5年間は緩やかに成長を示すであろうと予測されています。

2. スクラップコンベアの使用動画例

本記事はスクラップコンベアを製造・販売するサンエイ株式会社様に監修を頂きました。

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レーザークリーナー

レーザークリーナーとは

レーザークリーナー

レーザークリーナーとは、レーザーを照射することで、汚れやサビ、塗装を落とす機械です。

こすっても落ちない汚れや錆びでもきれいに除去してくれます。さらに、電気代が比較的安く、水や有機溶剤を使用しなくても済むといったメリットもあるため、重宝されています。

近年では、小型な製品や持ち運びが容易な製品が販売されており、さらに手軽になっています。

レーザークリーナーの使用用途

レーザークリーナーは、出力に依存しますが、ほぼすべての汚れを落とすことが可能で、がんこな汚れや金属全面におよぶサビなども除去できます。

また、出力を適切に調整すれば、母材を傷めることも少ないため、金型の洗浄やバルブ、ワイヤーのサビ落としなどにレーザークリーナーが使用されています。

そのほかにも塗装を除去する用途にも応用されていて、スプレーなどによるブロック塀の落書きを落としたり、ガラスやアクリル板表面の塗装を剥がす際にも使用されています。

レーザークリーナーの使用時には、高温のプラズマが発生するため、強い光を発します。レーザー光は、強力なので、対象物以外に照射しないように注意が必要です。作業時には保護メガネを必ず着用しましょう。

レーザークリーナーの原理

レーザークリーナーは、対象物に強力なレーザーを照射することにより、汚れや塗装を一気に溶かし、蒸散させて母材表面のクリーニングを行います。レーザーによるエネルギー吸収の違いを利用し、汚れや塗装のみを蒸散させています。

そのため、母材が木材や布、ゴムといった有機材の場合には、吸収率が高いことからレーザークリーナーは適しません。

レーザークリーナーの性能は、レーザーの出力や焦点距離、照射エリア、周波数(パルス)によって異なります。レーザーのピークが高く、パルスが密なほうが強力になります。

ただし、レーザーのエネルギーが強力すぎると、母材まで溶けてしまうため、汚れなどの材質や程度に応じて、レーザーの出力を調整して使用します。

また、レーザークリーナーを作業者が手で持ちながら照射するハンディタイプの製品では、焦点距離を作業者が調整する必要があります。

レーザークリーナーの選び方

レーザークリーナーを選ぶ際には、レーザーの出力やレーザービームの強度、レーザーのスキャン軸方式、レーザーのスキャン幅、言語設定などを確認することが大切です。まず、レーザーの出力とレーザービームの強度ですが、レーザーの出力は、約30Wから500W 程度までが一般的です。

レーザービームの強度は、おおよそ100mw/cm2前後です。これらの出力や強度が大きほど、汚れやサビの除去を迅速に行えます。次に、レーザーのスキャン軸方式とレーザーのスキャン幅ですが、スキャン軸方式は、手動や1軸、2軸が一般的です。手動であれば、稼働範囲内を自由に設定できます。

1軸であれば、1方向にのみスキャン軸を稼働させられます。2軸であれば、2方向での稼働になります。また、スキャン幅は、広くなればなるほど、対象物の汚れやサビを一度に除去する範囲が増加します。

最後に言語設定ですが、海外製の製品なのか国内製の製品なのかによって異なります。海外製の製品で、グローバル設定が組み込まれている製品であれば、日本語の表示も可能です。

しかし、日本語の設定ができない場合は、製造国での言語表示のみに対応していることがあるため、注意が必要です。そのほかにも、カスタムが可能かどうかも検討しておくと良いでしょう。

レーザークリーナーの種類

レーザークリーナーの種類は、レーザーの発振方式により、主に2種類に分けられます。

1. 連続発振(CW発振)

1つ目に連続発振(CW発振)が挙げられます。この方法では、レーザーの出力を一定にして連続的にレーザーを照射します。一般的にレーザークリーナーは、パルス発振方式が採用されていますが、近年では、連続発振のレーザークリーナーも販売されています。

2. パルス発振

2つ目にパルス発振が挙げられます。この方法では、レーザー出力の波形を制御できます。そのため、連続発振と比べて、レーザーのピークパワーを調整することが可能です。汚れやサビを除去するのに強い力が必要な場合は、この方式を選択すると良いでしょう。

レーザークリーナーのその他情報

レーザークリーナーの価格

レーザークリーナーは、業務向けに製造されており、家庭用としても使用できますが、非常に高額です。

業務用レーザークリーナーの価格
業務向けのレーザークリーナーは、約100万円以上の価格で販売されています。

家庭用レーザークリーナーの価格
家庭用としては、貸し出し機器として、月額契約などで利用できます。価格は、おおよそ月額で20万円前後です。

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絶対に触らないでください(日本会社ニュース)

Metoreeのロゴがアップデートされました

メトリーのロゴをアップデートしました。

本アップデートにより、メトリーのロゴの視認性の向上を期待しております。

メトリーでは絶えずアップデートを繰り返すことにより、より使いやすいサイトを目指していきます。