金属カラーとは
金属カラー(英語:Metal Collar)は、金属製のリング形状の部品で、スペーサと同じように駆動シャフトや軸に六角穴付きボルトなどで締め付け固定する部品です。ボルトで締め付けず、単に駆動シャフトや軸にはめ込むだけのものもあります。
カラーとスペーサの相違点は下記の通りになります。
- カラー:直径より高さが高く肉厚が薄いもの
- スペーサ:直径より高さが高く肉厚が厚いもの
一般的に、「セットカラー」も同義語で使用されることがあります。
一体型や2分割式のセパレート型があり、使用場所や用途・作業性などによって使い分けます。
金属カラーの使用用途
金属カラーの主な用途は、金属カラーを軸に固定することで、ベアリングやスプロケット・プーリー・ギヤ・軸などの部品を軸方向に対して固定する場合に使用されています。
金属カラーは、軸に対して任意の位置で固定できるため、金属カラーにブラケットやプレートなどを取り付け可能にしておくことで、ブラケットやプレートを軸上の任意の位置にスライドさせて固定することが可能になります。
また、ボルトで締め付けずに単に駆動シャフトや軸にはめ込み、部品と部品の間を金属カラーの高さ分で一定間隔に保つために使用することもあります。
金属カラーの原理
金属カラーは、ボルトを用いて簡単に軸に固定することができるのが特徴です。固定方法の違いにより、いくつかの種類に分かれています。
標準タイプ
金属カラー内径は軸径に応じた精度穴が開いており、六角穴付きボルトで軸に固定します。六角穴付きボルトで固定するため、軸には傷がつきます。
スリットタイプ:金属カラーにスリットが設けられ、C型状になっています。スリットで分かれている片側にはタップが、他方の同軸上には穴と座ぐりがあり、この部分を六角穴付きボルトで締め付けることで内径部分が締まり、軸に固定されます。
スプリット(2分割)タイプ
金属カラーが2分割になっていて、それぞれ六角穴付きボルトで締め付け固定します。2分割のため軸へ部品を組み込んだ後にも組み付けすることができます。
材質は、炭素鋼(S45C)やステンレス鋼(SUS304)などが使用されています。標準タイプの六角穴付きボルトで固定せず、挿入するだけの場合は、アルミニウム鋼(A2017)も使用されています。