熱量計

熱量計とは熱量計

熱量計とは、カロリーメーターとも呼ばれる装置で反応熱などを測定する装置です。

化学反応で生じる熱量や燃焼時に発生する熱量、相転移時に発生する熱量などを測定することが可能です。熱量計は断熱型熱量計、等温壁熱量計、等温熱量計の3種類に分けられます。

製造業においては非常に大きなスケールで原料の加熱、薬品の混合、反応などを行うため、プロセスの途中で発生する熱量を把握することは保安上重要です。熱量計を用いて、各プロセスの熱量を解析します。

熱量計の使用用途

1. 保安防災データの取得

熱量計は化学反応を行うメーカーにおいて、保安防災データの取得に用いられます。メーカーの製造現場では非常に大きなスケールで化学反応を行うため、プロセスで大きな熱量が発生すると暴走反応を引き起こす可能性があります。懸念がある反応やプロセスで熱量測定を行い、危険性を評価します。

2. 材料の熱分解温度の解析

その他の用途は、高分子や無機材料の相転移、熱分解時に発生する熱量を示差走査熱量計 (DSC) での評価用途です。化合物の化学構造、結晶構造によって相転移温度は異なるため、研究開発において熱量計を用いた相転移温度測定などが行われます。

熱量計の原理

熱量計は、反応中に発生する熱量を測定する装置です。化学反応のほか、化合物の溶解、混合、相転移時に反応系中で発熱、もしくは吸熱が起こります。

測定対象の熱を熱量計内の熱容量が既知の物質に置き換えて、その温度変化を測定します。もしくは、温度を一定として、融解を受けた潜熱量などから熱量の計算を行います。

1. 断熱型熱量計

断熱型熱量計では試料から発生した熱量は外壁を伝わらず、全て試料容器の温度変化に費やされます。断熱を実現するために、試料容器と取り巻く外壁との間の圧力を10-4 Pa以下に減圧しつつ両者の温度を同一に制御しています。

2. 等温壁熱量計

熱変化を起こさせる試料容器を一定の温度に保った等温容器の中に支え、測定容器と等温容器の間は可能な限り熱交換の小さい条件にした熱量計です。

両者の間に空隙をもうけており、試料容器の熱容量が大きい場合は空気が満たされており、小さい場合は真空状態です。測定容器の外部の温度条件を可能な限り一定にし、測定容器中で熱変化を発生させます。

温度-時間曲線を描くことで、みかけの温度上昇に熱のリーク補正を加える方法で熱量を算出します。

3. 等温熱量計

相変化等温熱量計を例に説明すると、ある物質の2つの相が共存する温度において熱の出入りがあると一方の相から他方の相に移り、その際に起こる体積変化等を測定することで熱量を求める熱量計です。

熱量を算出する手法としては、発生したガスの体積を測定したり、重量の変化を測定したりする手法があります。

熱量計の種類

試験管などの小さなスケールでは、化学反応で生じる発熱が問題となることは少ないです。しかし、工場で数十、数百リットル以上のスケールで反応を行った際に大きな熱が発生すると暴走反応や爆発が起こる危険性があります。

そのため、熱量計を用いて各プロセスで生じる熱量を解析します。用途に応じて様々な熱量計が販売されています。

1. プロセス安全性評価

プロセスの安全性を評価する用途では、工場の反応釜を模した系で反応プロセスを進めて途中で生じる熱量測定を行います。

2. DSC

材料評価に用いる示差走査熱量計 (DSC) は少量のサンプルを入れて温度を変えていき、それぞれの温度で生じる熱量を測定します。温度に対する熱量の変曲点、ピークから相転移や分解が起こる温度を解析可能です。

3. ARC

また、熱量計には暴走反応の解析に用いる装置もあります。この装置はARCと呼ばれ、分解時に発熱して暴走反応を引き起こす化合物の発熱量、発生圧力を測定します。

参考文献
https://www.mt.com/jp/ja/home/products/L1_AutochemProducts/Reaction-Calorimeters-RC1-HFCal.html

海水冷却装置

海水冷却装置とは

海水冷却装置とは近海・沿岸漁業などの漁船に搭載し、氷などを使わずに魚艙または生簀内の海水を冷却するための装置です。

魚艙内に漁獲した魚を生きたまま保管できるので鮮度が保たれます。特に暑い夏場の漁業では漁獲した魚の鮮度を保つために漁船において不可欠な装置となっています。

漁船のエンジンから直接電源をつなげることで比較的容易に設置することができ、また装置自身の大きさも場所を取ることなく漁船に搭載できます。

海水冷却装置の使用用途

魚艙内の海水を直接冷やすことで漁獲した魚の鮮度を効率的に保つことが可能になり、近海漁業では収益の増加に繋がるため漁船にとって非常に重要な装置になっています。

この装置が導入される以前は魚の鮮度を保つために氷を使っていましたが、氷を運ぶ・砕く作業なで漁業関連者の体にも負担がかかったり、魚も氷やけや氷による傷などで商品にならないこともありました。

海水冷却装置によってそういった漁業現場の悩みが解消され、漁獲した魚を新鮮なまま市場に届けることが可能です。

海水冷却装置の原理

海水冷却装置は氷などを用いずに魚艙または生簀内の海水を熱交換器や冷媒などを使って直接冷却します。魚艙内の海水を装置内の循環ポンプによって汲み上げ、熱交換器によって強制的に冷却し、それをまた魚艙内へ戻すことで冷却水を生成します。この操作を繰り返し行うことで漁獲した魚を新鮮に保てる水温にまで下げることが可能で、海水温は常温からおよそ摂氏0度近くまで下げることができます。また、循環式であるために海水をムラなく均一に冷やすことも可能です。

多くの海水冷却装置に搭載されている熱交換器にはチタン製のものが用いられています。チタンは金属の中でも熱伝導性が強く(冷却効率が高い)海水などに対して腐食しにくい、つまり有害な金属イオンが海水中に溶け出すことがないという特性を持ちます。そのため効率よく海水を冷却することができ、漁獲した魚を溶け出した金属イオンなどで汚染しないまま鮮度を保つことが可能です。

参考文献
https://www.projectk.co.jp/marine/shop/12100202.html

汚泥脱水機

汚泥脱水機とは

汚泥脱水機

汚泥脱水機とは汚泥から水分を抜くための装置です。

活性汚泥法によって下水処理をしている設備内で、余剰汚泥を引き抜き、微生物の量を適切に保つ目的で使用されます。

真空脱水機、加圧脱水機、スクリュープレス脱水機、ベルトプレス脱水機、遠心脱水機、多重円盤脱水機など、様々な種類と呼称があり、凝集剤や消石灰を使って化学的に汚泥の微粒子を固まりやすい性質へと変質させ、水分のみを絞って脱水する機能を持っています。

汚泥脱水機の使用用途

主に排水設備などの汚泥処理に使用されます。活性汚泥法によって下水処理を行っている施設の中では増えすぎた活性汚泥のことを余剰汚泥と呼び、余剰汚泥は定期的に設備内から引き抜かれなければ微生物が増えすぎてしまい、槽内で若い微生物が生まれにくい環境になってしまうことで下水の処理能力が落ちてしまいます。
    
汚泥脱水機はその余剰汚泥を設備内から引き抜くための装置です。沈殿槽と呼ばれる汚泥を沈降させる槽の真下からポンプなどを使って汚泥を引き抜き、脱水機に供給することで余剰汚泥を処理することができます。

汚泥脱水機の原理

基本的には、消石灰、凝集剤を使って汚泥の微粒子を変質させ、分離しやすい性質へと変えます。

それぞれの脱水機の種類について解説します。

1. 真空脱水機

真空脱水機の場合、まず汚泥に凝集剤を混ぜて汚泥ろ液を作ります。その汚泥ろ液にろ布で覆われた回転ドラムを浸し、モーターによって低速で回転させます。ドラムの内部は真空ポンプによって負圧の状態になっているため、ドラムの外側から空気を引き込もうとする吸引力が発生します。その吸引力によって汚泥ろ液がドラムに吸われますが、ドラムはろ布で覆われているため、水分のみがろ布を貫通し、脱水された汚泥のみがろ布に張り付きます。ろ布を貫通した水分はろ過ポンプによって排水され、ろ布に張り付いた汚泥は脱水ケーキとなって排出されます。

2. ベルトプレス脱水機

ベルトプレス脱水機には多数のロールが内蔵されており、その間を2枚のろ布が通過している構造になっています。その中に凝集剤を混ぜた汚泥ろ液を投入し、2枚のろ布の間に挟み込んでプレスすることでろ液から水分だけを搾り取り、脱水された汚泥のみを排出します。

3. スクリュープレス脱水機   

スクリュープレス脱水機はスクリーンと呼ばれる槽の中に円柱型のスクリューが入っており、スクリューがモーターによって低速で回転する仕組みになっています。スクリーンは排出部に近くなるほど狭くなり、回転を続けるスクリューとの間に掛かる圧力が段々と強くなっていく構造になっています。汚泥ろ液はスクリーン内に投入され、スクリューに巻き上げられて前進します。そして排出部に近くなるにつれ、強くなる圧力によって水分が脱水されます。

4. 遠心脱水機

遠心脱水機は遠心力によって汚泥ろ液から脱水を行います。汚泥ろ液を回転筒の中に投入した後、回転筒を高速で回転させることで汚泥が回転筒の内壁に堆積します。その後、回転筒の内部にあるスクリューが回転筒よりわずかに遅い速度で回転することによって汚泥が水切りされながら排出されていきます。

5. 多重円盤脱水機   

多重円盤脱水機はステンレス製またはプラスチック製の円盤を多数組み合わせて出来たろ体を上下に設置し、回転させることによって汚泥を搬送しながら脱水します。ろ体を回転させることでろ体の隙間から水分のみをろ過します。他の脱水機と比べて目詰まりしづらく、清掃がしやすく、真空や加圧の為の設備が要りません。

参考文献
https://kcr.kurita.co.jp/wtschool?t=sludge
https://www.hitachi-hps.co.jp/business/water_sewage/sewage_machinery_equipment/dehydrator_sludge/index.html
https://kenkidryer.jp/2018/04/06/multidisk-dehydrator-sludge-drying/

水処理プラント

水処理プラントとは

水処理プラント

水処理プラントとは、水の浄化や処理を行う施設です。

主な目的は人々に安全で清潔な飲料水を提供するために水を浄化することですが、工業用水や下水の処理も行う場合があります。汚水や排水にはさまざまな不純物が含まれており、これらは有害性を持つ成分も多いです。

水中の有害物質を処理せずに環境中に流したり、生活用水として利用したりすると、人体や環境に深刻な被害を及ぼす可能性があります。水処理プラントによって水処理を行うことで、これらの有害物質を除去または無害化することが可能です。環境に配慮しながら安全に水を使用するためには、水処理プラントが不可欠と言えます。

水処理プラントの使用用途

水処理プラントは、さまざまな使用用途で利用されます。主な使用用途は飲料水の確保や工業・農業用水の供給、下水処理です。

1. 飲料水の確保

水処理プラントは、人々に安全で清潔な飲料水を供給するために使用されます。原水から浄化し、濾過、消毒などの処理を行って水道水として供給されます。

2. 工業・農業用水の供給

工場や施設などの産業活動において、水は冷却や洗浄などに広く使用されます。水処理プラントは工業用水として必要な品質要件を満たすように水を処理して供給します。また、灌漑や農作物の栽培において、農業用水の供給に使用される場合もあります。

3. 下水道処理

工場排水や下水はそのまま河川・海へ放流することはできず、下処理が必要です。水処理プラントは下水を受け取った後に浄化プロセスを通じて浄水に戻し、環境への排出基準に適合する水へと処理します。

水処理プラントの原理

水処理プラントは対象物質に応じてさまざまな原理の処理方法が存在します。以下は水処理プラントの要素の一例です。

1. 濾過

原水から浮遊物や懸濁物などを除去するためのプロセスです。一般的な濾過方法には、砂ろ過、炭ろ過、マイクロフィルターなどがあります。これらによって水中の不純物が取り除かれます。

2. 沈殿

重力を利用して水中の不純物を分離するプロセスです。凝集剤や混凝剤を添加することで微小な浮遊物や微生物を凝集させ、大きな粒子を形成します。これにより、沈殿槽での沈降を促して不純物を取り除きます。

3. 化学処理

水中の物質を変化させるために、化学薬品を使用するプロセスです。pH調整剤を使用して水の酸性度やアルカリ度を調整したりします。有価値金属などを選択的に取り出す場合にも有用です。

無機物の処理には、アルカリ系薬剤が効果的です。特に重金属はアルカリ性で沈澱する傾向があります。水酸化ナトリウムなどを水に添加すると重金属が沈澱し、分離することが可能です。

4. 殺菌処理

病原体や細菌を除去するために行われるプロセスです。主な殺菌方法には、塩素処理、紫外線照射、オゾン処理などがあります。これにより、水中の微生物を無害化します。

5. 逆浸透または深層ろ過

逆浸透は薄膜を使用し、高圧をかけて水を通すことで不純物を取り除くプロセスです。微小な不純物や溶解物質を除去するために使用されます。深層ろ過は微細なろ材を使用して水を浄化します。

海水を淡水化する場合にも使用されるプロセスです。多段にすることで、不純物の除去率を上昇させることができます。

水処理プラントの種類

水処理プラントにはさまざまな種類があります。以下は代表的な水処理プラントです。

1. 浄水場

原水を取り込み、処理して飲料水を供給する施設です。ろ過、沈殿、消毒などのプロセスが使用されます。安全で飲みやすい水を広く提供することが目的のプラントであり、国営インフラである場合も多いです。

2. 下水処理場

生活排水を受け取って処理することで、環境を悪化させない水へと変化させて排出する施設です。濾過・沈殿や生物分解などのプロセスが使用されます。小規模な下水処理場としては、合併浄化槽などが使用されます。

3. 海水淡水化プラント

海水を淡水に変換するプラントです。主に逆浸透膜を使用し、高圧下で海水を濾過して塩分を取り除きます。淡水化された水は工業用水として使用されたり、さらに殺菌処理などを施して上水としてしようされたりします。

4. 工業用水処理プラント

工業用水処理プラントは、工場や産業施設のために水を処理して供給します。処理の方法は使用される水の品質要件と使用目的によって異なります。降雨をそのまま使用する場合も多いです。

また、雨水を処理するプラントも存在します。降雨や融雪水を処理して再利用可能とします。主な処理プロセスは濾過、沈殿、消毒などです。

参考文献
https://kcr.kurita.co.jp/wtschool/056.html
https://kcr.kurita.co.jp/wtschool/002.html
https://www.jstage.jst.go.jp/article/tsj1973/22/3/22_3_168/_pdf/-char/ja
https://plant.ten-navi.com/dictionary/cat04/716/

気体流量計

気体流量計とは

気体流量計

気体流量計とは、配管などの内部を流れる気体の量を測定する機器です。

測定原理や測定したい流量によって、数多くの形式や構造の製品が存在します。以前は気体に接触して流量を測定する機器が主流でしたが、近年では、気体に接触せずに測定する非接触型が多く製品化されています。例として、超音波式気体流量計やコリオリ式気体流量計などが挙げられます。非接触型は、測定の困難な高温流体や腐食性流体などを測定するのにも好適です。

気体流量計の使用用途

気体流量計は、配管内部や、特定の構造内部を流れる気体の単位時間当たりの堆積や重量を測る目的で、幅広い産業分野において活用されています。

生活に身近な用途としては、ガスの使用量を管理する気体流量計があります。都市ガスなどはセントラル供給されるため、各戸での使用量を把握する必要があり、気体流量計が使用されます。また、ボイラや炉、空調設備などの省エネ対策のために設置しているケースも多くあります。

気体流量計は、流通する気体の量を測る装置ですが、これに気体の流量制御機能を付加した流量制御器も存在します。

気体流量計の原理

気体流量計には複数の計測方法があり、測定対象の気体の性質、温度、適した測定範囲などで使い分けます。ここでは、非接触で測定する非接触型の種類を解説します。

1. 超音波式

超音波式は、近年多く利用されている非接触式の計測方式です。ドップラー効果を利用したドップラー式と、伝播時間の差を利用したトランジットタイム式があります。

トランジットタイム式の気体流量計は、一対のセンサーを気体が流れる配管の外から気体を斜めに横切るように設置して測定する装置です。一方のセンサーから超音波を発し、他方のセンサーで気体を通過してきた超音波を受信します。そして、この動作を一対のセンサー間で送受信を交互におこないます。超音波は気体を通るため、気体の流れに逆らえば超音波の伝播は遅くなり、流れに乗れば伝播が速くなります。この伝播速度の差を流量に換算して気体の流量を計測します。

非接触で計測するため、高温、腐食性の気体も測定可能です。また、非接触のセンサーを使用しているため気体を汚染することがなく、圧力損失もない点がメリットです。

2. コリオリ式

コリオリ式は、コリオリの原理を元とした計測方法です。U字型のパイプの中に流体を通しながら振動させると、流体の入口側と出口側で反対方向の変形が起き、パイプにねじれが生じます。このねじれ量は流体の質量と速さに比例するため、ねじれ量から気体の流量を測定することが可能です。

3. 熱式

熱式気体流量計では、流体を加熱できるヒーターを配管内に設置し、気体の流れる方向にヒーターを挟むように、配管の外側に2つのセンサーを設置します。

熱式気体流量計の流量測定方法には、温度差測定法と、消費電力測定法の2つがあります。温度差測定法は、ヒーターで加熱される前後の気体の温度を測り、温度差から流量を算出します。一方の消費電力測定法では、ヒーターの前後の温度差が一定になるようにヒーターの電力を制御し、その電力から流量を算出します。

極微量の流量でも計測できるのがメリットです。しかし、ヒーターを流体に接触させる必要があるため、決まった気体しか測定出来ないということや、不純物を含む気体の場合、ヒーター部が汚れて測定値の精度が下がるなどのデメリットがあります。

気体流量計のその他情報

気体流量計には、先に述べた非接触型のほかに、気体に接触して測定するものもあります。

1. 差圧式

差圧式は、ベルヌーイの定理を根拠とした測定方法です。配管の中にオリフィス (絞り弁) を設置し、オリフィスを通過する前後の圧力損失を測定するダイヤフラムも配管内に設置した構造です。

安価なため、一般に広く利用されています。しかし、オリフィスを使用しているために圧力損失が大きく、流路内の流速分布が不均一な場合は測定値が不正確になるなどのデメリットがあります。

2. 浮き子式

浮子式は、流体によって上下する浮き子の位置で流量を測る方法です。構造が簡単なためコストを低くできます。また、流体が流れるエネルギーを利用しているため、電源などほかのエネルギーを必要としません。

樹脂ボール

樹脂ボールとは

樹脂ボール

樹脂ボール (プラスティック球) とは、樹脂 (ポリウレタン・ポリエステルアクリルなどの高分子化合物) でできた球状の物体の総称です。

身の回りのものから医療・工業機械の重要な部品として幅広く使用されています。大きさは用途に合わせて直径数ミリメートルから数センチメートルまで幅広いです。

プラスティックと言っても多様な素材から製造され、各プラスティック素材が持つ特性から目的・用途に合わせてさまざまな種類の樹脂ボールが存在します。

樹脂ボールの使用用途

アクリル性の樹脂ボールはその透過性の高さから、装飾やボールレンズ、玩具やゲーム機など身の回りのものに利用されています。医療・工業機器においては、ベアリングと呼ばれる回転や往復運動をする機械部品の軸受けとなる重要な部品や液体・ガスの配管中にある安全弁・逆止弁などのバルブです。

特にその絶縁性や耐摩耗性によって、電気や磁力を与えたくない医療機器、金属部品が使えない場合や薬品中 (酸・アルカリ・有機溶剤など) で使用したい場合などの特殊環境において、樹脂ボールは非常に効力を発揮します。

樹脂ボールの原理

樹脂ボールには大きく分けて熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂の2種類が存在し、それぞれ製法が異なります。

1. 熱硬化性樹脂

熱硬化性樹脂とは、成形の際に液体の樹脂 (フェノール・エポキシ・不飽和ポリエステルなど) を熱を加えることで硬化する特性を持つ樹脂のことです。熱硬化性樹脂は硬く絶縁性・耐電圧・耐熱性に優れ、溶剤に対して耐性があります。

2. 熱可塑性樹脂

熱可塑性樹脂 (ポリエチレンポリ塩化ビニルポリウレタン・アクリルなど) とは、ガラス転移温度または融点に達した時に軟化する特性を持つ樹脂のことです。加熱により軟らかくなった樹脂を冷却することで、硬化させて成形します。

熱硬化性樹脂とは異なり、熱を加えることで軟らかくなるので再度成形ができるという利点があり、リサイクルが可能です。いずれの樹脂も金属に比べ絶縁性や耐腐食性、耐薬品性に優れている点から経年劣化により鉛などの金属がボールから周囲に溶け出すことがなく、環境にも優しいです。

樹脂ボールの種類

1. ポリプロピレン (PP) ボール

ポリプロピレンは耐熱性、耐薬品性、耐摩耗性に優れたプラスチックです。PPボールは軽量かつ強度があり、一般的に低コストで入手可能です。さまざまな産業で広く使用されており、食品業界では食品容器、包装材料、調理具などが代表例として挙げられます。

化学工業や医療分野での試験管や実験装置の部品、自動車産業でのバッテリー容器などにも利用されます。耐久性があり、長期間の使用に耐えるため、幅広い用途に適用が可能です。

2. ポリエチレン (PE) ボール

ポリエチレンは柔軟性に富んだプラスチックであり、耐久性にも優れた樹脂ボールです。PEボールは軽量でありながら弾力性が高く、高い耐衝撃性を持ちます。そのため、遊具やスポーツ用品、医療機器の製造などに広く使用されます。

農業用の液体や化学物質の貯蔵容器、液体の配管などにも利用されています。PEボールは環境にやさしい素材かつリサイクル性も高いため、環境への負荷を低減する製品としても重要です。

3. ポリ塩化ビニール (PVC) ボール

PVCは一般的で広く使用されている樹脂であり、耐久性と柔軟性を兼ね備えています。PVCボールは軽量でありながら強度が高く、耐薬品性にも優れた樹脂ボールです。主に水槽の装飾品やおもちゃ、建築材料、電子機器などの製造に使用されます。

PVCは絶縁性にも優れており、電気配線や電子機器の部品としても広く利用されています。ただし、一部のPVC製品にはフタル酸塩などの可塑剤が含まれている場合があるため、環境への影響や人体への悪影響については適切な管理が必要です。

4. ポリエステル (PET) ボール

ポリエステルは強靭で透明性があり、耐久性と耐熱性に優れた樹脂です。PETボールは食品包装や飲料容器、医療器具、テクスタイルなど、さまざまな分野で使用されます。食品産業ではその透明性や耐久性から、飲料や食品の包装に広く利用されています。

医療分野では透明性や滅菌性が求められるため、注射器や医療器具の製造にも適用可能です。PETボールはリサイクル性にも優れており、環境に配慮した製品として注目されています。

参考文献
http://www.humanity-jp.com/plastic.html

樹脂チューブ

樹脂チューブとは

樹脂チューブ

樹脂チューブとは、プラスチックから作られたチューブです。

材質としてはポリオレフィンポリウレタンやフッ素系樹脂などが挙げられます。材質や厚みによってチューブの耐久性や耐薬品性、硬さなども異なるため用途に応じて適切なチューブを選定します。

樹脂チューブは医薬、化学、無機材料などの様々な製造現場で薬品の移送に使用され、また電気絶縁性にも優れるため導線の被覆などにも有用です。通常のチューブは帯電しやすいですが、製品によっては導電性を持たせた樹脂チューブも開発されています。

樹脂チューブの使用用途

1. 医療産業

樹脂チューブは、医療産業において非常に重要な役割を果たしています。静脈カテーテルや導管、ドレーンチューブ、血液検査用のチューブなどに使用可能です。樹脂チューブの柔軟性と滑らかな内面は、患者の快適性と安全性を確保し、医療処置をスムーズに行うことができます。

2. 自動車産業

自動車産業では、樹脂チューブがエンジン部品やブレーキシステム、燃料供給装置などに広く使用されています。耐久性や耐薬品性が求められる自動車部品において、樹脂チューブが金属チューブに代わる選択肢として採用されることが増えています。

3. 食品産業

樹脂チューブは、食品産業での配管や輸送に利用されています。食品や飲料の流体の移動に適したチューブであり、耐薬品性が高く、食品衛生基準にも適合しています。乳製品、飲料、調味料などの生産ラインで、樹脂チューブの使用が一般的です。

4. エレクトロニクス産業

エレクトロニクス産業では、樹脂チューブが電線の絶縁材料や回路基板のコーティングに用いられます。高い電気絶縁性や耐熱性が求められるため、樹脂チューブの特性が重要視されています。

5. 農業・園芸産業

農業や園芸の分野でも、樹脂チューブが使用可能です。水やり用の散水管や肥料の散布管として利用されるほか、農業機械の部品にも樹脂チューブが組み込まれることがあります。軽量かつ耐久性があるため、農業作業の効率向上に発揮します。

6. インダストリアル産業

樹脂チューブは一般的な工業用途にも広く用いられています。油圧装置や空気圧機器、ガス供給システムなど、さまざまな産業機械の配管に利用され、特に、軽量で取り扱いが容易なため、設置や交換作業が容易に行えます。

樹脂チューブの特徴

1. 柔軟性と曲げ性

樹脂チューブは、柔軟な樹脂材料によって作られています。この材料の柔軟性により、樹脂チューブは曲げや捻じりなどの変形に対して非常に優れた適応性を持ちます。そのため、狭いスペースや複雑な形状の場所にも容易に取り付けることが可能です。

2. 耐久性と耐薬品性

樹脂チューブは、耐久性のある樹脂材料で作られています。これにより、高い耐久性を持ち、長期間にわたる使用にも耐えること可能です。また、樹脂材料は一般的に薬品に対しても耐性があり、腐食や劣化が少ないため、化学物質を取り扱う産業分野において重要な役割を果たしています。

3. 低摩擦性と滑らかな内面

樹脂チューブの内面は滑らかで摩擦が少ないため、流体の移動がスムーズに行われます。これにより、樹脂チューブは液体やガスの輸送に適しており、エネルギー損失を最小限に抑えることができます。

4. 電気絶縁性

樹脂チューブは一般的に電気絶縁性が高い特性を持ちます。このため、電線や電気機器の絶縁材料として広く使用され、電気信号の漏れを防止する役割を果たし、電気系統の安全性を確保します。

5. 軽量性

樹脂チューブは軽量な材料で作られているため、取り扱いが容易です。特に、大量に使用される産業分野では、軽量性がコスト削減にも寄与しています。

樹脂チューブの種類

1. PVC (ポリ塩化ビニル) チューブ

PVCチューブは、一般的な樹脂チューブの中でも特にポピュラーなタイプです。柔軟性があり、低コストで製造できるため、さまざまな用途で広く使用されています。

水や空気の供給、排水、配管などの産業や家庭用途に適応可能です。耐薬品性に優れているため、薬品の移送にも使用されることがあります。

2. PU (ポリウレタン) チューブ

PUチューブは、耐摩耗性や耐油性に優れ、高い強度と柔軟性を持つ特性が特徴です。これらの特性により、空圧ツール、ロボット、自動車のブレーキシステムなど、高い信頼性が求められる産業分野で広く使用されています。

3. シリコーンチューブ

シリコーンチューブは耐熱性に優れており、高温環境下での使用に適しています。医療機器や食品産業での使用が一般的で、薬品や高温の液体の移送にも適しています。また、シリコーンチューブは耐久性にも優れており、長期間の使用にも耐えることができるチューブです。

4. フッ素チューブ

フッ素チューブは、高い耐化学性と耐熱性を持つ特殊な樹脂チューブです。強酸や強アルカリ、有機溶剤に対して優れた耐性を持っており、半導体産業や化学産業などで使用されます。また、高温の薬品や溶剤の移送にも適しています。

5. ナイロンチューブ

ナイロンチューブは、耐摩耗性や耐油性に優れています。自動車産業での燃料供給やブレーキシステム、工業用機械のパイプラインなどで使用されます。また、高い引張強度を持ち、空圧ツールやロボットの動力伝達にも適したチューブです。

参考文献
https://www.nichias.co.jp/products/product/fluorine/tube/tube01.html
https://www.askul.co.jp/
https://jp.misumi-ec.com/

検流計

検流計とは

検流計

検流計は電流を測定する装置です。ガルバノメーターと呼ばれることもあります。

簡易の検流計はクランプでケーブルを挟んで電流値を読み取ります。数値目盛の出力はアナログ型とデジタル型があります。

検流計は購入時にレンジの選択が可能で、ミリアンペアから数アンペアまで幅広く販売されています。ものづくりの現場ではマイクロアンペアといった極小電流を測定する検流計を使用することもあります。

検流計の使用用途

検流計は、電気・電子部品に流れる電流を検出するために使用されます。

簡易検流計は、設備保守や製品検査に使用されます。小型軽量で持ち運び可能なため、電流指示計を常設しない回路の電流を測定したい場合などに使用されます。また、測定が容易で価格も安価なため、小学校の理科実験でも使用するケースが多いです。

電流は産業界で基本的な物理量です。検流計は半導体や機能材料などの業界で、製品開発や品質管理などに使用されます。特にナノアンペア未満の極小電流の測定が必要な情報機器では、エレクトロメーターと呼ばれる特殊な検流計が使用されます。

検流計の原理

検流計は可動コイル、磁石、指針、つる巻きばねなどで構成されています。

永久磁石で磁界が発生している内部に、可動コイルが設置されています。指針は可動コイルと連動して動きます。このコイルに電流を流すと、電流の大きさに応じて指針が触れて電流値を指し示すという構造です。電流が遮断されると、つる巻きばねで0の指示に戻ります。

検流計のその他情報

1. 検流計使用時の注意事項

検流計には許容電流値があります。過度な電流を流すと可動コイルが断線する危険性が高まるため、注意が必要です。許容電流値は検流計ごと決まっており、許容値を超えると過剰なジュール熱が発生します。結果として、熱によるコイル断線が発生するので、測定前に検流計の許容値を確認しなければなりません。

また、微小な電流を測定する際はノイズの影響で精度が下がる危険性もあります。ナノアンペア未満の電流を精度よく測定する際は、エレクトロメーターなどの装置を使用して精度を担保します。

2. 検流計と電流計の違い

検流計と同じく、電流計も電流を測定するための器具です。検流計は電流計の一種です。検流計は微細な電流値の検出や電流の向きの測定を行う際に使用します。一方で電流計というと、電流値を定量的に測定するために使用します。

検流計よりも大きな電流を測定する場合は電流計を用います。ただし、指針は一定方向にしか振れないため、電流の向きを測定することはできません。

3. 検流計使用時の禁止事項

検流計を使用する際の禁止事項は、電源と検流計を直接接続することです。検流計の内部抵抗は非常に小さいため、過大な電流が流れると可動コイルが故障します。そのため、電源と接続する際は、必ず電気抵抗と一緒に接続する必要があります。

4. 検流計の記号

電気回路図において、電流計は「A」、電圧計は「V」、検流計は「G」の記号で表します。検流計が「G」で表される所以は、イタリアの物理学者であるガルバーニの名前にちなんでいます。そして、検流計の別名ガルバノメーターもガルバーニの名前が由来となっています。

参考文献
https://www.monotaro.com/k/store/%E6%A4%9C%E6%B5%81%E8%A8%88/
https://www.orixrentec.jp/helpful_info/detail.html?id=49
https://www.jstage.jst.go.jp/article/sicejl1962/44/10/44_10_681/_pdf
http://cc.ce.nihon-u.ac.jp/~ee-kiso/manual/2012/NO201-2012.pdf

断路器

断路器とは

断路器

断路器とは、負荷電流が流れていない回路を開閉するための装置です。

ジスコンとも呼ばれ、負荷回路を電源から切り離すことができます。ただし、負荷電流が流れている回路で断路器を開放することはできません。負荷電流を断路器で開放すると、アーク放電による爆発事故や火災に繋がる可能性が高いです。そのため、負荷電流を遮断可能な遮断器と一緒に使用されます。

断路器の使用用途

断路器は高圧または特別高圧の電気専用機器であるため、産業用途のみに使用されます。

高電圧機器の点検や修理の際に断路器を開放し、人が触れても感電しないように断路器を使用します。断路器を使用する目的は、電気回路を電源から切り離すためです。

断路器の原理

断路器はブレード、キャッチ、ベース、支持碍子などから構成されます。

1. ブレード・キャッチ

ブレードとキャッチは導電箇所です。ブレードがキャッチに収まることで導通し、離れると開路します。主に溶融亜鉛メッキされたなどの素材で構成されます。ブレードにはフック金具が付属し、ジスコン棒と呼ばれる操作棒を引っ掛けることが可能です。

2. ベース

ベースは筐体との固定箇所です。高圧用スイッチギアの基板などに固定するための箇所で、鋼材などで構成されます。

3. 支持碍子

支持碍子は、ベースと導電箇所を絶縁するための箇所です。絶縁樹脂や磁器で構成されます。

断路器の種類

断路器には、V形断路器と3極連動単投形断路器があります。使用電圧で見れば特別高圧用、高圧用と分かれます。

1. V型断路器

1相のみ個別に断路する断路器です。支持碍子が2方向からキャッチを支え、V字に見えることからV型断路器と呼ばれます。小型で経済的なのが特徴です。

2. 3極連動単投形断路器

3相の断路器が連動しており、1回の動作で3相を断路可能です。操作が簡単な反面、操作機構による構造物で大型化します。後述する自動ロック機能付き断路器は、多くの場合は3極連動単投形です。

特別高圧用と高圧用で、断路器の構成に大きな違いはありません。ただし、特別高圧用は絶縁距離を長くとりつつ堅牢にする必要があるため、構成部品が大型化します。

断路器のその他情報

断路器操作の注意事項

高圧用断路器の開閉は主に人力です。ジスコン棒と呼ばれる絶縁樹脂の棒で操作します。ジスコン棒をブレードのフック金具へ差し込んで開閉します。充電部と直接接触するため、ジスコン棒は優れた絶縁性と防水性が求められます。

断路器には遮断器のような消弧機能がありません。断路器で負荷電流を開放した場合、アーク放電による爆発事故が発生します。その結果、電力会社の送電線を停電させて損害問題にもなりかねません。さらには、人身事故が発生する危険性もあります。

このことから、断路器を使用する上で最大の注意点が負荷電流の誤遮断です。これを防ぐために対策を講じる必要があります。一般的には、手順書を作成することで事故を防止します。遮断器操作の順番を間違えないように、手順書を複数人でチェックしながら作業を進めていきます。

自動ロック機能を設けた設備を使用する場合もあります。これは、遮断器によって負荷電流を遮断しなければ断路器を操作できないようにロックする機構です。

参考文献
https://denki-study.com/%E3%80%90%E9%AB%98%E5%9C%A7%E3%80%91%E6%96%AD%E8%B7%AF%E5%99%A8%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6/
https://electric-facilities.jp/denki8/kouatsu2.html
https://electric-facilities.jp/denki7/ta/011.html
https://denki-study.com/%E3%80%90%E9%AB%98%E5%9C%A7%E3%80%91%E6%96%AD%E8%B7%AF%E5%99%A8%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6/

探傷器

探傷器とは

探傷器

探傷器とは主に人の目では見ることのできない加工金属・材料内部の微小な傷の位置や大きさ、形状などを検知するための非破壊検査機器です。

金属内部に存在する傷はその金属を使った製品などの劣化を早めたり、時には不良品となり非常に危険であるのでそういったものを製造段階で排除しておくことが非常に重要で、探傷器はなくてはならない機器です。

探傷器には検知の原理に様々なタイプがありますが、超音波を使ったものが主流です。この他に渦流式や磁粉式ものがあります。ここでは最も使われている超音波式探傷器について説明していきます。

探傷器の使用用途

探傷器は金属やコンクリートを用いたありとあらゆる製造業・現場で用いられています。

最も検査に使われているのものとして鋳鉄品 (鉄に数%の炭素やケイ素が含まれているもの) であり、自動車部品など多くの重工業製品に使用されています。

その他、建築資材の鉄筋や各種溶接部分の傷・割れ目、コンクリートの基礎と構造物を固定するアンカーボルトの長さ測定、配管内部のライニングのような金属と樹脂の接着・剥離の具合の検知、さらには容器の開閉が困難な容器内部の液体の水位の確認などにも超音波探傷器は使用されています。

探傷器の原理

超音波式探傷器には大きく分けてパルス反射法・透過法・共振法と呼ばれる3種類の方式があります。

1. パルス反射法

パルス反射法は、プローブまたはトランスデューサと呼ばれる探触子から超音波のパルス波を発信し、その波の一部が金属内部の傷・割れ目にあたり反射した際にエコーとなって、受信画面にエコーの波が表示されることで、内部の欠陥を検知します。

2. 透過法

透過法は検査対象の片面から発信探触子で超音波を発射し、それをもう片面に設置した受信探触子で波を受信する方式で、欠陥がある場合には金属内部を進む超音波の強さに乱れが生じるので受信側でそれを検知できます。

3. 共振法

共振法は連続的に発信プローブから超音波を発射し発射波と反射波を共振させることで欠陥の存在を検知する方式です。

この中でパルス反射法がその検知精度の高さから最も一般的に採用されており、パルス波のモード (種類) にも垂直探傷法・斜角探傷法・表面波探傷法・板波探傷法などの種類があります。

参考文献
http://cvl-gr.com/services/ut.php
https://www.dakotajapan.com/ufd/technical_docs.html
https://www.sisco.kobelco.com/act/nondestructiveness/index.html