検流計とは
検流計は電流を測定する装置です。ガルバノメーターと呼ばれることもあります。
簡易の検流計はクランプでケーブルを挟んで電流値を読み取ります。数値目盛の出力はアナログ型とデジタル型があります。
検流計は購入時にレンジの選択が可能で、ミリアンペアから数アンペアまで幅広く販売されています。ものづくりの現場ではマイクロアンペアといった極小電流を測定する検流計を使用することもあります。
検流計の使用用途
検流計は、電気・電子部品に流れる電流を検出するために使用されます。
簡易検流計は、設備保守や製品検査に使用されます。小型軽量で持ち運び可能なため、電流指示計を常設しない回路の電流を測定したい場合などに使用されます。また、測定が容易で価格も安価なため、小学校の理科実験でも使用するケースが多いです。
電流は産業界で基本的な物理量です。検流計は半導体や機能材料などの業界で、製品開発や品質管理などに使用されます。特にナノアンペア未満の極小電流の測定が必要な情報機器では、エレクトロメーターと呼ばれる特殊な検流計が使用されます。
検流計の原理
検流計は可動コイル、磁石、指針、つる巻きばねなどで構成されています。
永久磁石で磁界が発生している内部に、可動コイルが設置されています。指針は可動コイルと連動して動きます。このコイルに電流を流すと、電流の大きさに応じて指針が触れて電流値を指し示すという構造です。電流が遮断されると、つる巻きばねで0の指示に戻ります。
検流計のその他情報
1. 検流計使用時の注意事項
検流計には許容電流値があります。過度な電流を流すと可動コイルが断線する危険性が高まるため、注意が必要です。許容電流値は検流計ごと決まっており、許容値を超えると過剰なジュール熱が発生します。結果として、熱によるコイル断線が発生するので、測定前に検流計の許容値を確認しなければなりません。
また、微小な電流を測定する際はノイズの影響で精度が下がる危険性もあります。ナノアンペア未満の電流を精度よく測定する際は、エレクトロメーターなどの装置を使用して精度を担保します。
2. 検流計と電流計の違い
検流計と同じく、電流計も電流を測定するための器具です。検流計は電流計の一種です。検流計は微細な電流値の検出や電流の向きの測定を行う際に使用します。一方で電流計というと、電流値を定量的に測定するために使用します。
検流計よりも大きな電流を測定する場合は電流計を用います。ただし、指針は一定方向にしか振れないため、電流の向きを測定することはできません。
3. 検流計使用時の禁止事項
検流計を使用する際の禁止事項は、電源と検流計を直接接続することです。検流計の内部抵抗は非常に小さいため、過大な電流が流れると可動コイルが故障します。そのため、電源と接続する際は、必ず電気抵抗と一緒に接続する必要があります。
4. 検流計の記号
電気回路図において、電流計は「A」、電圧計は「V」、検流計は「G」の記号で表します。検流計が「G」で表される所以は、イタリアの物理学者であるガルバーニの名前にちなんでいます。そして、検流計の別名ガルバノメーターもガルバーニの名前が由来となっています。
参考文献
https://www.monotaro.com/k/store/%E6%A4%9C%E6%B5%81%E8%A8%88/
https://www.orixrentec.jp/helpful_info/detail.html?id=49
https://www.jstage.jst.go.jp/article/sicejl1962/44/10/44_10_681/_pdf
http://cc.ce.nihon-u.ac.jp/~ee-kiso/manual/2012/NO201-2012.pdf