探傷器

探傷器とは

探傷器

探傷器とは主に人の目では見ることのできない加工金属・材料内部の微小な傷の位置や大きさ、形状などを検知するための非破壊検査機器です。

金属内部に存在する傷はその金属を使った製品などの劣化を早めたり、時には不良品となり非常に危険であるのでそういったものを製造段階で排除しておくことが非常に重要で、探傷器はなくてはならない機器です。

探傷器には検知の原理に様々なタイプがありますが、超音波を使ったものが主流です。この他に渦流式や磁粉式ものがあります。ここでは最も使われている超音波式探傷器について説明していきます。

探傷器の使用用途

探傷器は金属やコンクリートを用いたありとあらゆる製造業・現場で用いられています。

最も検査に使われているのものとして鋳鉄品 (鉄に数%の炭素やケイ素が含まれているもの) であり、自動車部品など多くの重工業製品に使用されています。

その他、建築資材の鉄筋や各種溶接部分の傷・割れ目、コンクリートの基礎と構造物を固定するアンカーボルトの長さ測定、配管内部のライニングのような金属と樹脂の接着・剥離の具合の検知、さらには容器の開閉が困難な容器内部の液体の水位の確認などにも超音波探傷器は使用されています。

探傷器の原理

超音波式探傷器には大きく分けてパルス反射法・透過法・共振法と呼ばれる3種類の方式があります。

1. パルス反射法

パルス反射法は、プローブまたはトランスデューサと呼ばれる探触子から超音波のパルス波を発信し、その波の一部が金属内部の傷・割れ目にあたり反射した際にエコーとなって、受信画面にエコーの波が表示されることで、内部の欠陥を検知します。

2. 透過法

透過法は検査対象の片面から発信探触子で超音波を発射し、それをもう片面に設置した受信探触子で波を受信する方式で、欠陥がある場合には金属内部を進む超音波の強さに乱れが生じるので受信側でそれを検知できます。

3. 共振法

共振法は連続的に発信プローブから超音波を発射し発射波と反射波を共振させることで欠陥の存在を検知する方式です。

この中でパルス反射法がその検知精度の高さから最も一般的に採用されており、パルス波のモード (種類) にも垂直探傷法・斜角探傷法・表面波探傷法・板波探傷法などの種類があります。

参考文献
http://cvl-gr.com/services/ut.php
https://www.dakotajapan.com/ufd/technical_docs.html
https://www.sisco.kobelco.com/act/nondestructiveness/index.html

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