金属皮膜抵抗器についての概要、用途、原理などをご説明します。また、金属皮膜抵抗器のメーカー28社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。金属皮膜抵抗器関連企業の2022年4月注目ランキングは1位:パナソニック株式会社、2位:海神無線株式会社、3位:進工業株式会社となっています。
回路の中に組み込まれて使用される固定抵抗器には、「カーボン抵抗」と「金属皮膜抵抗」の2種類が一般的に広く使用されています。“カーボン”ならびに“金属皮膜”とは抵抗体の材質を指します。
「金属皮膜固定抵抗器」が金属皮膜抵抗器の正式名称であり、構造はカーボン抵抗器と似ており、抵抗体にニッケルクロムなどの金属を用いています。また、カーボン抵抗器と比較すると、より抵抗値精度が高いものを作成することができるという特徴があります。
金属皮膜固定抵抗器は、抵抗素子に金属皮膜を用いた固定抵抗器であり、抵抗値許容差、抵抗温度係数、経年変化が小さいといった特徴を有しているため、高精度かつ安定性に優れた抵抗器です。また、電流雑音を抑えられるといった利点があります。
これらの特性を活かし、主に通信・計測機器などの産業用機器分野で採用されているほか、コンピュータならびにその周辺器具、AV機器といった微小信号を扱う回路などでも用いられています。
金属皮膜固定抵抗器には“厚膜型”と“薄膜型”の2種類があります。薄膜型は、厚膜型をより高精度(±0.05%程度)にしたものです。厚膜型とは金属系のペーストを加熱焼成したもの、薄膜型は金属を蒸着させてコーティングしたものです。一般的な金属の温度特性は正特性であるのに対し、金属皮膜固定抵抗器は合金の比率を変えることによって温度係数を小さくしています。したがって、その比率によって正特性か負特性のどちらになるのかが決まります。
また、抵抗器には抵抗値を文字印字されているものと、カラーコードで表示されているものがあります。1005サイズ以下の抵抗器では読み取りが困難なため、カラーコード表示を採用しています。カラーコード表示の場合、抵抗値の“上2桁”または“上3桁”を、黒を0、灰色を9とした計10色で表し、これを読み取ることによりその抵抗体の抵抗値が分かるようになっています。同様に、乗数や許容差、温度係数などもカラーコード体系でわかる仕組みになっています。
金属皮膜抵抗器はカーボン抵抗器と比較して多くのメリットがありますが、価格も高いものです。そこでカーボン抵抗器に対して金属皮膜抵抗器(ここでは厚膜型)が有利な点を紹介します。
抵抗値の許容差は、カーボン抵抗器で±5%が一般的ですが、金属皮膜抵抗器は±2%、±1%、±0.5%と誤差の少ないものが選択できます。
抵抗値の温度計数は、カーボン抵抗器が-200~-800ppm/℃の負の温度系数を示すのに対し、金属皮膜抵抗器は比較的温度変化が少なく、±200ppm/℃、±100ppm/℃、±50ppm/℃に分類されていますが、この中から選択可能です。
回路例で示しますと、発光素子等の電流制限抵抗やアンプのバイアス抵抗、デジタル回路のインターフェースに見られるプルアップ抵抗等、あまり抵抗値精度を求められない場合にはカーボン抵抗器が採用されます。
一方、温度ドリフトが問題となる直流増幅回路や厳密なカットオフ周波数が求められるフィルター回路、増幅率を厳密に設定するアンプ回路等、正確かつ安定した抵抗値が必要な場合には金属皮膜抵抗器を採用します。
リード線タイプもしくはメルフタイプの抵抗器はカラーコードで抵抗値と誤差、及び温度係数を表示します。
カラーコードが示す数値についてはJIS C 5062に規定されています。
抵抗器に表示されているバンド(色帯)の数は3本、4本,5本、6本の4通りありますが、4バンド(抵抗値と誤差を4本で表す)と5バンド(抵抗値と誤差を5本で表す)が一般的です。
左から2本、もしくは3本が抵抗値を表し、そのあとの1本は乗数を表しています。
カーボン抵抗器は通常4バンド表示であり、左から2本で抵抗値(有効数字2桁)と3本目が乗数で桁を表示し、4本目は誤差を示しますが一般的には金色(5%)がです。
一方、金属皮膜抵抗器は、高精度であるために有効数字が3桁となります。従って左から3本目までが抵抗値で、4本目が乗数となります。また5本目は誤差を示しますが、緑(0.5%)、茶(1%)、赤(2%)等になります。
更に、6本目に温度係数が表記される場合もありますが、抵抗器全体にカラーコードが広がって判読が難しくなることがあります。
通常、抵抗値と乗数を示すバンドがグループ化されていて、互いに近接して印刷されます。そのため左側のバンド4本と誤差のバンドの間は他のバンドの間隔より多少広く空いていますので、それを手掛かりに抵抗値を読むことが出来ます。
または、誤差を表すバンドの幅を他のバンドより太くしている場合もあります。それを手掛かりに、誤差を示すバンドを特定して抵抗値を読むことが出来ます。
参考文献
https://www.marutsu.co.jp/pc/static/large_order/mame/164
https://detail-infomation.com/resistor-type/
http://www.op316.com/tubes/tips/data7.htm
https://www.koaglobal.com/product/library/resistor/basic
https://detail-infomation.com/resistor-color-code/
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2022年4月の注目ランキングベスト10
順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | パナソニック株式会社 | 11.3% |
2 | 海神無線株式会社 | 10.1% |
3 | 進工業株式会社 | 9.5% |
4 | 北陸電気工業株式会社 | 9.5% |
5 | 株式会社日本ファインケム | 7.7% |
6 | 株式会社赤羽電具製作所 | 6% |
7 | セイデンテクノ株式会社 | 6% |
8 | Vishay Intertechnology, Inc. | 4.8% |
9 | タクマン電子株式会社 | 4.2% |
10 | ニッコーム株式会社 | 3.6% |
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2022年4月の金属皮膜抵抗器ページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
URGシリーズは信頼性の高い金属皮膜チップ抵抗器です。
抵抗値供応差が±0.01%という超高精度を誇っており、抵抗温度係数も±1ppm/1℃程度であるため温度変化による抵抗値の変化が少ないという特徴を持っています。
無機質保護膜を採用したことにより長期的に安定で、ローノイズや耐硫化を実現した構造です。
工業用の計測器に使用されることはもちろん、医療用機器など高い精度が求められる機器にも組み込まれています。
金属皮膜固定抵抗器は、高精度の抵抗値が要求される箇所に使用するのに適した抵抗器です。
一般の抵抗器よりも電流ノイズが少ないのも特徴です。
抵抗値のみならず、抵抗値許容差、温度係数(TCR)を組み合せることでさらに高精度の抵抗器として使用できます。
金属皮膜抵抗器は、酸化金属皮膜、メタルグレーズ皮膜などを含めた総称で呼ばれることもありますが、当社品は高精度品に特化したものを金属皮膜抵抗器としております。
最近では、日系のリード付き抵抗器製造社が撤退を進めていく中で、弊社は日本でも引続き生産しておりますので、サンプルや短納期対応をはじめ量産における製造、サポート等をご提供しています。
RNV高電圧耐湿金属皮膜は独自のプロセスによって、耐熱性や耐湿性、耐圧性を高めた金属皮膜抵抗器です。
高温高湿の環境に長時間晒しても抵抗率の変化が少なく、高抵抗値まで安定した信頼性を保ちます。
外装には難燃性の塗料が使用されているため、万が一の際にも発火の危険性がありません。
インバータ回路やスイッチング電源、ACアダプタなど様々な装置に利用されている金属皮膜抵抗器です。
また、リード線を加工することで自立型の抵抗器として使用することもできます。
LM型抵抗器はシンプルな構造ながら超高精度を誇る平板抵抗器です。
使用可能温度は-55℃~+150℃であり幅広い温度で使用ができる上に、抵抗温度係数が小さいため温度による抵抗値の変化を小さく抑えられます。
また、耐湿特性が優れているため、湿度が高い湿潤な環境でも使用することができます。
さらに、高電圧負荷にも優れているため、高電圧の電圧検出を行う機械や充放電回路での使用が適している金属被膜抵抗器です。
角板形金属薄膜固定抵抗器は複雑な工程によって製造された超高性能抵抗器です。
高い純度のアルミナ基板の上に薄膜を作り、エッチングによるパターン成形技術を用いることで製造されます。
角板形の形状をしており絶縁型であるため、実装密度が大きいという特徴がある金属皮膜抵抗器です。
また、温度係数が小さいため温度変化による抵抗値の変化が少なく、電流雑音を小さく抑えることが可能で周波数特性にも優れています。
RFCシリーズは長年培った薄膜形成技術により超高精度化を実現したチップ抵抗器です。
抵抗温度係数±1ppm/℃、抵抗値許容差0.01%を可能にしました。
サイズは3216、2012、1608の他に様々なバリエーションを用意しております。
抵抗値は3216タイプで100Ω~800kΩの範囲を取り揃えております。
半導体製造装置やFA機器の電圧制御などに適しています。
抵抗温度係数が非常に小さいので、環境変化が有っても高精度を維持します。
RMP-50Uは定格電力が50Wの高電力抵抗器です。
0.02Ωから510kΩの広範囲の抵抗値を持っており完全な放熱設計が可能であるため、機器の小型化や耐震性を向上させることができます。
また、薄膜テクノロジーを利用したフランジ接合を用いているため信頼性が高く、無誘導抵抗体であるため高周波回路や高速パルス回路に適しています。
電源やモータだけでなく、電子付加装置や工業計器などのダンピング抵抗やゲート駆動抵抗としても利用されます。
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