セメント抵抗器のメーカー5社を一覧でご紹介します。まずは使用用途や原理についてご説明します。
目次
セメント抵抗は、巻き線タイプの抵抗器や酸化被膜タイプの抵抗器をセメントに埋めた抵抗器です。
巻き線タイプの抵抗器は、金属の巻き線を抵抗の芯に巻き付けた抵抗器で、大電力と高精度の要求
に対応しています。酸化被膜タイプの抵抗器は、使用される材料によって、炭素被膜と金属皮膜が
あり、金属皮膜の方が高コストですが高精度です。これらの抵抗器をセメントに詰めて固めたものが、
セメント抵抗器となります。では何故、わざわざ一般的な各種抵抗器をセメントで固めるのかに
関する内容は、使用用途や原理の所で説明していきます。
セメント抵抗が使われる用途としては、大抵の場合、抵抗の温度が高い場合であったり、又は、
湿度が高く、抵抗器の劣化が激しい場合に使用されます。セメント抵抗は、抵抗の周りをセメント
で固められているため、耐熱性や耐湿性や耐振動性に対しても向上しているため、屋外の大電力
設備などで使用される電子基板に実装されています。但し、セメント抵抗を使用する際の注意点
として、巻き線タイプの抵抗器の場合、スイッチングノイズ吸収用スナバなどの高速動作を要求
されるような回路対応には適していないため、セメント抵抗を採用する際には注意が必要です。
セメント抵抗は、その採用目的が耐熱性の場合が多く、電力用として使われる場合が殆どですが、
精密対応のセメント抵抗も存在しています。また酸化被膜タイプのセメント抵抗もラインナップ
しているメーカもあるので、使用する環境に適したセメント抵抗の採用を検討する必要があります。
セメント抵抗自体は、通常の抵抗をセラミックなどのケースに閉じ込めて、セメントで封止する
だけの至って簡単な構造であり、耐環境性能は確実に向上するので、屋外で高温高湿度で振動が
激しいなどの劣悪環境において、使用されるケースが考えられます。セメント抵抗の主力は、
巻き線タイプの抵抗器になりますが、構造としてはコイルと同じになります。なので、インダク
タンス成分を有しています。この影響が高周波帯で影響されるため、高速スイッチングなどの
高速動作をしている回路では、想定外のノイズを発生する可能性があるため、採用すべきでは
ありません。あくまで、セメント抵抗は、抵抗をセメントで埋めている耐熱性や耐湿性を向上
させた構造なので、耐環境が厳しい条件で、安定した電力用回路として採用するのが適した
抵抗器と言えます。
参考文献
https://www.marutsu.co.jp/pc/i/2465/
https://akizukidenshi.com/catalog/c/csreg
社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社