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焼き入れ焼き戻しについての概要、用途、原理などをご説明します。また、焼き入れ焼き戻しの9社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。
焼き入れ焼き戻しとは、金属の硬さなどを調整するための加工技術を使用したサービスです。
焼き入れは金属を高温で加熱した後、急冷する加工方法です。加熱温度は700℃から1000℃程度であり、急冷することで金属の結晶構造が変化して硬くなります。ただし、焼き入れ後は金属の靭性が低下し、脆くなってしまいます。
焼き入れによって靭性が低下した金属に対して、焼き戻しはを実施して靭性・硬度を調整します。焼き入れ後の金属を再度加熱し、一定の温度で保持した後に冷却する工程です。焼き入れによって発生した内応力が緩和し、靭性向上と同時に加工性も良くなります。
この二つのプロセスを組み合わせることで、金属の特性を最適化し、用途に応じて性能を引き出すことが可能です。特に工具鋼や構造用鋼など、高い強度が求められる場合に広く使用されます。
焼き入れ焼き戻しは様々な用途で使用されます。以下はその一例です。
切削工具やドリルビットなどの製造において、焼き入れ焼き戻しは不可欠です。耐摩耗性と強度が求められるため、焼き入れによって硬度を高め、焼き戻しで靭性を改善します。これにより、工具の寿命が延び、効率的な加工が可能になります。
建設機械・重機や鋼鉄製構造物において焼き入れ焼き戻しが利用されます。負荷がかかる部品の強度を確保し、耐久性を向上させることが可能です。特にクレーンやブルドーザーなど、大きな荷重がかかる重要機器においては、構造部品の強度は重要な要素となります。
自動車においてはトランスミッションやサスペンションの部品など、耐摩耗性や強度が求められる部品に焼き入れ焼き戻しを実施します。特にギアやシャフトなどの機械的負荷がかかる部品では、硬さと靭性のバランスを最適化するために重要です。
これにより、自動車の機械寿命を延長しつつ、信頼性や安全性を向上できます。
家電製品に使われる金属部品、特にモーターなどの駆動部分において焼き入れ焼き戻しが実施されます。掃除機や洗濯機のモーターやヘアドライヤーのファンなどがその一例です。これにより、部品の強度や耐摩耗性を向上させ、製品全体の信頼性を高めることができます。
焼き入れは金属を高温に加熱し、その後急速に冷却する加工方法です。金属を700℃から1,000℃程度まで加熱します。これにより、金属の結晶構造が変化し、オーステナイトと呼ばれる相に変わります。
加熱後に金属を急速に冷却します。水や油などの冷却媒体を使用して急冷することにより、オーステナイトがマルテンサイトという非常に硬い相に変化します。ただし、この状態では内部に残留応力を生じさせるため、硬度が大幅に向上しますが、同時に脆さも増してしまいます。
焼き入れによって得られた硬いマルテンサイトを、焼き戻しと呼ばれる手法で再加熱します。150℃から600℃程度で再加熱することで、マルテンサイトの内応力を緩和し、より均一な組織になります。これにより、脆さが減少し、靭性を向上させることが可能です。
焼き戻しの温度と時間を調整することで、最終的な硬度を調整できます。用途に応じて適切な性能を有する材料へ変化させることが可能です。このように、焼き入れ焼き戻しは金属を熱処理することで、機械的特性を最適化する加工技術です。
焼き入れと焼き戻しのそれぞれに種類が存在します。以下はその一例です。
全体焼き入れは金属の全体を均一に加熱して焼き入れする手法です。材料内部の全体にわたって硬度を高め、強度や耐摩耗性向上に寄与します。特に鋼工具や構造用部品に適用されることが多く、鉄道のレールなどの高強度が求められる部品に使用されます。
表面焼き入れは金属材料の表面部分のみを加熱し、急冷する方法です。表面の硬度を高め、内部は比較的柔らかい状態を保つことができるのが特徴です。ボルトやギアなど、表面が摩耗しやすい部品に適用されます。
低温焼き戻しは150℃から300℃の比較的低い温度範囲で実施する焼き戻しです。硬さを多少減少させながらも靭性を向上させることを目的としています。
300℃から600℃以上の温度範囲で実施する焼き戻しです。高い温度で焼き戻しを行うことで、材料の靭性を大きく高めることができます。構造用鋼や重要な機械部品に適用されることが多く、鋼材を目的の性能に最適化するために実施します。
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