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【2021年版】位相差顕微鏡5選 / メーカー6社一覧

位相差顕微鏡のメーカー6社を一覧でご紹介します。まずは使用用途や原理についてご説明します。


目次


位相差顕微鏡とは

位相差顕微鏡

位相差顕微鏡は、光を透過したサンプルを拡大して観察する光学顕微鏡の一種です。

多くのサンプルは光を照射して対物レンズを通すと明暗や色の情報を観察することができます。これを明視野観察法といいます。一方で、生体細胞や微生物、細菌など無色透明のサンプルはこれらの情報を得ることができません。

無色透明のサンプルでも、サンプルを置いた部分は厚みが生じ、周囲とは屈折率が異なります。

サンプルを通過した回折光と、サンプルを通過しなかった直接光の波のタイミングの差(位相差Δ)を調整することにより明暗のコントラストをつけ、観察できるようにしたものが位相差顕微鏡です。

位相差顕微鏡の使用用途

位相差顕微鏡を用いずに明視野観察法で無色透明のサンプルを観察する場合、サンプルに色を付けて観察する手法が取られます。しかし、この方法では色を付けることにより生体細胞が死滅してしまうという欠点があります。

位相差顕微鏡ではサンプルに色を付ける必要がないため、生きたままの生体細胞の様子を観察することができます。

身近な使用用途として、歯科医院における歯周病細菌検査が挙げられます。生きたままの生体細胞を観察できるという利点を活かし、患者に自身の口腔細菌の様子を知ってもらうことで、口腔ケアに対するモチベーション向上に役立っています。

その他、生物学や医学分野において培養細胞の観察などに用いられています。

位相差顕微鏡の原理

無色透明のサンプルでは、サンプルが有るところと無いところで光の強さ(振幅)と色(波長)に違いはありません。一方で、屈折率は異なるため、サンプルが無いところを通ってきた直接光と比較してサンプルを通った回折光には遅れが生じます。この、光の通るタイミングの差が位相差Δです。

位相差Δは微小であり、回折光も直接光と比較して微弱です。そのため、直接光と回折光を足し合わせた結像光は直接光とほぼ同じような波の形になり、明暗のコントラストは生じません。

そこで位相差顕微鏡では、対物レンズと像面との間に位相板(Phase plate)を入れることにより、直接光の位相を1/4λ進めたり1/4λ遅らせたりします(λは波長を意味します)。同時に直接光が通る位置に、リング状のNDフィルターと呼ばれるグレーのフィルターを入れることで直接光の強さが弱められます。

これらの操作によって、直接光と回折光の位相差が1/2λもしくは0となり、干渉しあうことで明暗のコントラストが生まれます。

すなわち、操作された位相差が1/2λのときは直接光と回折光は弱めあうよう干渉するため、サンプルが置かれた部分は暗く観察されます。これを、ダークコントラストと呼びます。一方で、位相差が0のときは直接光と回折光は強めあうよう干渉するため、サンプルが置かれた部分は明るく観察されます。これをブライトコントラストと呼びます。

位相差顕微鏡と微分干渉顕微鏡の違い

微分干渉顕微鏡とは、光学顕微鏡の一種で、試料表面の凹凸を強調して観察することのできる顕微鏡です。光の波長よりも小さな凹凸を捉えることができ、一般の光学顕微鏡では観察できない透明な試料なども観察することができます。微分干渉顕微鏡と位相差顕微鏡で同じ試料を観察した場合、位相差顕微鏡では、試料の境界や点にコントラストが付くのに対して、微分干渉顕微鏡では試料の厚さの勾配にコントラストが付きます。また観察される像の特性としては、いずれの顕微鏡も明暗のコントラストは付きますが、位相差顕微鏡では厚い試料の場合、ハロー(試料の境界部分に現れる光の滲み現象)が目立ってしまうのに対して、微分干渉顕微鏡ではそのようなことは起きにくいとされています。観察に適したサンプルの厚さも、位相差顕微鏡では10 μm程度までなのに対して、微分干渉顕微鏡では数百μm程度までは可能とされています。

使用の際の注意点として、微分干渉顕微鏡ではプラスチック容器を観察に使うことができません。これはプラスチック自体が偏光を持つためであり、微分干渉顕微鏡では容器や蓋はガラス製のものを使用します。位相差顕微鏡ではプラスチック容器の使用は可能です。さらに、微分干渉顕微鏡では観察する試料やレンズに汚れがついてしまっていると、その汚れにもコントラストがついてノイズとなってしまうため、試料やレンズの汚れは予め取り除いておくことも重要です。

位相差顕微鏡によるアスベストの分析

位相差顕微鏡はアスベストの分析のためにも使用されます。アスベストの分析法は、公定法として「JIS A 1481」に定められており、この中の一つに位相差顕微鏡を用いた方法が記載されています。アスベストは吸入してしまうと、肺線維症や悪性中皮腫の原因となり、肺がんに繋がるリスクがあることが知られています。その毒性は、アスベストの繊維状の形に起因していることが知られており、アスベストを構成している特定の元素をターゲットとした分析法では、同定は困難とされています。

位相差顕微鏡を使用した方法では、分散染色法が用いられます。これは、試料を特定の屈折率をもつ液に浸し、偏光をあてた際に発生する分散色を指標としてアスベストを検出する方法です。試料に含まれる粒子状物質中に存在するアスベストの繊維数の割合など、いくつかの判定基準が設けられており、それに基づいて有害な試料であるかどうかを判断します。アスベストの同定においては、その形や光学的な特性を肉眼で観察し、判断することが非常に重要とされています。

参考文献
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kenbikyo1950/38/1/38_1_29/_pdf
https://www.jstage.jst.go.jp/article/oubutsu1932/60/10/60_10_1030/_pdf/-char/ja
https://www.nsl.nikon.com/jpn/learn-know/microscope-abc/learn-more-microscope/about-phase-difference-observation#Anchor_2
https://www.jstage.jst.go.jp/article/perio1968/27/3/27_3_602/_pdf/-char/ja
https://www.olympus-lifescience.com/ja/support/learn/01/026/
http://www.jsac.or.jp/bunseki/pdf/bunseki2007/200704kaisetsu.PDF
https://asahigrp.co.jp/atr/?page_id=807

位相差顕微鏡のメーカー情報

位相差顕微鏡のメーカー6社一覧


位相差顕微鏡のメーカーランキング

社員数の規模

  1. 1 株式会社ニコンソリューションズ
  2. 2 株式会社ハイテック
  3. 3 メイジテクノ株式会社

設立年の新しい会社

  1. 1 株式会社ニコンソリューションズ
  2. 2 有限会社イポナコロジー
  3. 3 株式会社ハイテック

歴史のある会社

  1. 1 協和光学工業株式会社
  2. 2 メイジテクノ株式会社
  3. 3 株式会社ハイテック

位相差顕微鏡5選

広視野レーザ位相差顕微鏡

株式会社ハイテック

特徴

高度技術研究所の広視野レーザ位相差顕微鏡は、非侵襲に画像を測定できる顕微鏡です。

生きた細胞の核や縁から得られる屈折・散乱の高次回折光を生かして、深い深度で透明物を検出します。

本技術によって、細胞のような透明度の高いサンプルの像も鮮明に映るため、染色していない細胞でも細部までも三次元的な動画像で観察することができます。また、画像上のサイズ比はサンプルと一致するため、より正確な測定も行うことができます。

株式会社ハイテックの会社概要

  • 会社所在地: 三重県亀山市 関町会下1265-22
  • URL: http://hitec1990.com/
  • 創業: 1990年
  • 従業員数: 48人

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位相差顕微鏡

株式会社ニコンソリューションズ

特徴

ニコンの生物顕微鏡用対物レンズには、最先端の医学、生物学研究に対応する顕微鏡イメージング技術が備わっています。

独自のCFI無限円光学系レンズは、どんな倍率でも優れた解像度、透過率、イメージの明るさやシャープさを示します。

組織透明化イメージング、多光子イメージング、共焦点イメージング、超解像イメージング、ハイコンテントイメージング、病理検査といった種類があるため、使用用途に応じて最適な対物レンズを選択できます。

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位相差顕微鏡 Monte-武蔵

有限会社イポナコロジー

特徴

Monte-武蔵は総合倍率4200倍まで観察できるビジュアル位相差顕微鏡で、微生物の大きさによって切り替え可能なレボルバー変倍式が特徴です。

歯科医院や大学でよく使用されており、例えば、医学的用途では口腔バイオフィルムの塊、赤血球、Tリンパ球、好中球など、生物学的用途では紫露草の原形質流動などの観察に最適です。

本体には日本製DINレンズと高輝度LEDを採用しており、ダイレクトステージは360°自由自在な操作を可能にしています。

有限会社イポナコロジーの会社概要

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位相差顕微鏡 P-Scope PRO

有限会社アデント

特徴

P-Scope PROデジタル位相差顕微鏡は、総合倍率5800倍まで観察可能なデジタル位相差顕微鏡です。

例えば、10 µmの細菌を約6 cmの大きさで見ることができ、歯科医院などで利用実績があります。

ピント調整以外はフルオートなので、初めて操作する人でも取り扱いが簡単で、対物レンズを下げすぎるとレンズ部分がスプリングバックする構造になっており、スライドガラスやカバーガラスが割れにくいのも特徴です。

オプションの画像管理システム「VIS (Visual Infomation System)」と組み合わせれば、高画質画像をお手持ちのパソコンで観察することが可能です。

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位相差顕微鏡 MT5210L

メイジテクノ株式会社 位相差顕微鏡 MT5210L 画像出典: メイジテクノ株式会社公式サイト

特徴

メイジテクノのMT5210Lは、無限遠補正光学系の位相差顕微鏡です。

位相差の小さな物質(例:微生物や透明物質など)の検体観察に最適で、総合倍率は100から1000倍となっています。

検体と背景光の屈折率の差を利用して像の明暗コントラストを高める設計が施されており、無色透明の標本でも生きた状態で観察することが可能です。

また、ボールベアリング式5穴レボルバーが付いているため、スライドグラスの交換を容易に行うことができます。

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