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ベーキング処理についての概要、用途、原理などをご説明します。また、ベーキング処理の25社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。
ベーキング処理とは、金属製品、特にめっき処理を施した製品に対して行われる熱処理のことです。
一般的には190℃から220℃程度の温度に加熱し、一定時間保持することで、製品内部に侵入した水素を除去する目的で行われます。水素は金属の強度を低下させる「水素脆化」を引き起こす原因となるため、ベーキング処理は製品の品質と安全性を確保する上で重要な役割を果たします。
ベーキング処理は、目に見える変化をもたらすものではありません。しかし、製品の信頼性を左右する重要な工程であり、特に高強度鋼などの水素脆化の影響を受けやすい材料に対しては、必要な処理となっています。ベーキング処理は、製品の寿命を延ばし、安全性を高めることで、最終的には製造業における品質向上とコスト削減を実現しています。
ベーキング処理の使用用途としてめっき処理後の水素除去、高強度鋼の水素脆化対策、溶接部の水素脆化防止、酸洗後の水素除去の4つを解説します。
一般的な用途は、めっき処理後の水素除去です。電気めっきや無電解めっきなどの工程では、金属表面に被膜を形成する過程で水素が発生し、素地となる金属内部に侵入します。特に亜鉛めっき、ニッケルめっき、クロムめっきなどは水素脆化の影響を受けやすく、ベーキング処理による脱水素が不可欠です。ベーキング処理を行うことで、めっき工程で侵入した水素を効果的に除去し、製品の強度低下を防げます。
高強度鋼は、自動車部品や航空機部品など、高い強度が求められる用途に用いられますが、その強度ゆえに水素脆化の影響を受けやすいという特性も持っています。製造工程や使用環境中で水素が侵入すると、予期せぬ破壊を引き起こす危険性があるため、ベーキング処理によって水素を除去し、製品の信頼性を確保する必要があります。
溶接は、金属同士を接合する際に熱を加えるため、水素が侵入しやすい工程の一つです。溶接部に水素が残留すると、溶接割れと呼ばれる現象が発生し、製品の強度や耐久性が著しく低下します。こうした状況を防ぐために、溶接後、特に高強度鋼の溶接においては、ベーキング処理を行い、溶接部に残留した水素を除去することが重要です。
金属表面の錆や汚れを除去するために行われる酸洗処理も、水素が発生する工程の一つです。酸洗液中の酸と金属が反応して水素が発生し、金属内部に侵入します。酸洗後にベーキング処理を行うことで、水素脆化のリスクを低減し、後工程でのトラブルを防げます。
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