波板とは
波板とは、名前の通り波の形状をした板です。
波形状にすることで平らな形状よりも強度が増し、軽くて壊れにくい特徴を有しています。また、波形状を重ねて施工することで、雨が降ったとしても水漏れがしにくく、かつ雨水が凹部に集まり排水がし易くなっています。
波板は屋根材として使われることが多いですが、壁面材としても使用可能です。そのため、波板で屋根と壁周が構成された仮設の建物や簡易な物置などを製作することができます。他の建築資材に比べて、コストパフォーマンスにとても優れている資材です。
波板の使用用途
波板は、軽量で強度が強いことから様々な用途に使われています。波板はポリカーボネート樹脂や塩化ビニル樹脂などの透明な樹脂製のものと、ガルバニウム鋼板などの金属製のものがありますが、それぞれの利点を生かした用途で使用されています。
1. 透明樹脂製波板
ポリカーボネート製や塩化ビニル製の波板は透明性が高いことから、住宅のテラスや庇、駐車場、駐輪場、物置などの屋根材、壁面材として使われています。樹脂製が選ばれる理由としては、一般的に住宅の敷地内にある施設は簡易的な造りになっていることが多く、もし重い屋根材を使ってしまうと柱に過剰な負荷が掛かる恐れがあるためです。
なお、樹脂製波板の主流になっている素材がポリカーボネートです。ポリカーボネートは透明性が高いだけでなく、耐衝撃性や耐久性が高いという利点があります。屋外で使用しても10年程度耐久性があるため、メンテナンスの手間もあまりかかりません。
2. 金属製波板
ガルバニウム鋼板でできた波板は強度が優れているだけでなく、耐久性や防食性にも優れています。ポリカーボネート製、塩化ビニル製とは異なり、不透明であるため、太陽光を透過させません。加えて、遮熱性を有していることから工場の屋根材としてよく利用されています。
金属製波板として代表的な素材は、ガルバリウム鋼鈑です。ガルバニウム鋼板製の利点は、簡易家屋などのサイディングに簡便に使用できるところです。海辺の牡蠣小屋や、養殖加工の作業小屋なども波板の仕事を目にすることがありますが、補修、増築改築しやすい素材という簡易な材質が重宝されています。
波板の特徴
長所
波板は、波状の形状であることで平らな形状よりも強度が強くなっています。平板で同じ強度を持たせるためには、厚みを分厚くする必要があります。ポリカーボネート製の波板の1平方メートル当たりの重量は1kg程度です。
波状にしている利点はそれだけではなく、屋根材として使用した時に雨水が早く集積し、流量も大きくなるので、片流れの傾斜が僅かにかかっているだけで水切れが抜群というメリットがあります。
波板の形状は波状の他、台形型、四角型など様々な金属加工のプレスバリエーションがあります。建材としてみるとこのように理にかなった合理性があり、昭和時代の文化を残す大量生産された家屋を支えた外壁屋根素材の1つです。
短所
波板は素材によって、耐久性が大きく異なります。塩化ビニル製の波板が最も耐久性が低く、寿命は1〜3年です。その代わりに、ハサミで切れるため加工度が高いと言えます。
そのほか、ポリカーボネートやガルバリウム鋼板などの素材があり、用途や使用環境に応じて適切なものを選択することが大切です。
波板のその他情報
1. 波板の切り方
波板にはプラスチック製から金属製まで様々な材質の製品があり、切断に使用する工具もそれぞれに合わせたものを選ぶ必要があります。まず塩化ビニル製の波板に対しては、ハサミの刃が波形状に合うようになっている専用ハサミが適しています。ハサミを使用して切断する場合には、切断作業時に波板の切り口にあたってケガをするおそれがあるため、作業用手袋が推奨されています。
一方、塩化ビニル製ですがガラスネット入りのもの、ポリカーボネート製の波板の切断には、ノコギリが適しています。もしガルバニウム鋼板やトランなどの金属製のものである場合には電動ノコギリの使用が適切です。また、切断作業に際しては、切りすぎや切断位置の誤りを避けるために、切断位置にあらかじめマーキングするなどの処置をしておくことが重要です。
切断時には、ハサミを入れる前にあらかじめアクリルカッターなどで切断するところに切り込みを入れておくことで、その後の切断作業が容易になります。波板にハサミを入れる場合には、ハサミの先端ではなく根元部分を使って切断すると、切断作業が容易になります。
2. 波板の取り付け方
波板を取り付けるためには、対象物と固定するための留め具を使用します。留め具には、留める下地にあわせて専用のビスや釘、フックボルトなどがあります。 波板を対象物へ固定する場合には、波板の山の頂点部分にドリルで穴をあけ、この部分に留め具であるビスや釘を打ち込みます。
波板を横方向に重ねて使用する場合には、波板の端部同士を少なくとも2.5山分 (波のピッチが大きい場合には1.5山分) の重ね代をつくった状態にして対象物に対して固定するのがポイントです。また、重ね代の部分は必ず留め具で対象物に対して固定するようにします。
なお、波板と対象物との固定手段にフックボルトを使用する場合には、フックボルトの引っかけ部分をアングルに引っかけ、ナットを締め付けるようにします。
参考文献
http://www.yaneyasan.net/yaneblog/
https://diyclip.roymall.jp/verandah-garage/874961
https://www.dcm-hldgs.co.jp/howto/guide/g_diy/20200512103021.html
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https://www.seikatsu110.jp/roof/ro_roof/192577/
https://www.companys.jp/yane/corrugated-sheet-cutting/