制御盤

制御盤とは

制御盤

制御盤とは、産業用の生産ラインや機械設備を制御するための電気機器が集約された箱です。

一般的に金属製の堅牢な箱形状で製作され、錆、腐食、塩害などを防止する目的から、焼付塗装や紛体塗装が施されます。

制御盤の使用用途

制御盤は産業においてはあらゆる場面で使用されます。以下は制御盤の使用用途です。

  • 工場排水用ポンプの運転制御用
  • 上水道ポンプの運転制御用
  • 製品搬送設備の制御・操作用
  • エレベータの運転制御用
  • 製品加工設備の運転操作用

制御盤は生産ラインや機械設備の制御を担います。機械の制御機器を外環境から保護する目的で制御盤キャビネットに収納された一式が制御盤です。

日常生活では、上水・下水用ポンプなどのインフラ装置制御用の制御盤を街中で目にすることがあります。

制御盤の原理

制御盤は制御盤キャビネット、保護・駆動装置、制御装置などで構成されます。

1. 制御盤キャビネット

制御盤キャビネットは制御盤の外箱です。主に鉄製で、前面はハンドル付きの扉が取り付けられます。下部に接地用端子が付属しており、接地極と電線で接続されて接地されます。また、盤面扉には表示灯や表示計器などが取り付けられ、制御する機械設備の状態を表示している場合があります。

2. 保護・駆動装置

保護・駆動装置は電動機械を動作させる動力部品です。遮断器漏電リレーなどは保護装置で、電気回路で短絡・地絡事故などが発生した際に警報を発報したり安全に遮断したりします。電磁開閉器インバーターサーボアンプなどは駆動装置で、電動機械に電力を供給して駆動させます。

3. 制御装置

制御装置は電動機械などを制御する計装部品です。シーケンサリレーが該当します。計器からの情報を基に駆動装置へ指令を与え、機械設備をコントロールします。

制御盤のその他情報

1. 制御盤、配電盤、分電盤の違い

制御盤と配電盤分電盤は使われる筐体が同じでも、使用用途が異なります。ただし、それぞれに遮断器などの保護装置が使用され、短絡事故などの上位への波及を防止しています。

  • 配電盤
    電力会社などから送電される電源を降圧させて配り分ける装置です。キュービクルなどが該当します。
  • 分電盤
    配電盤から受電した電力をさらに分岐させて各機器へ分配させる装置です。一般家庭に配置されるブレーカが並ぶボックスは分電盤に当たります。また、制御盤は分電盤から電力を受電します。
  • 制御盤
    分電盤から受電した電力をモーターなどの産業機器へ分配する役割を持つ装置です。PLCなどの制御機器で運転状態を監視しつつ機械設備の運転を制御します。

2. 制御盤の設計

制御盤の設計は、電気設備を取り扱った経験が必要となります。低圧機器制御盤は多くの場合、主幹となるメイン遮断器を左上に配置し、右下に向かうに従って計装関係の部品を配置していきます。ただし、インバータやステッピングモーター用アンプなどのノイズを発生する装置はできる限り制御信号配線と遠ざけます。ノイズによる装置の誤作動を防ぐためです。

制御盤の負荷となる機器をあらかじめ洗い出し、それに応じて部品点数を決定します。その部品点数を基に人が組み立てる際に無理が出ないように配置していきます。メンテナンススペースとして、人の指が入る幅を確実に開けて部品配置の設計をします。

盤内の配線はカッチングダクトによって整理されて収納されます。ダクト内配線の占有率をあらかじめ決めておき、その占有率を超えないようにダクト幅を増減させます。制御盤下部には外部端子台が並びます。外部から敷設され、導入される配線を盤内配線と接続するための端子です。端子台では外部配線と内部配線を、ボルトやねじで接続します。大型のボルトで外部配線と接続される場合は、緩みを非接触で確認できるように合いマークを打っておきます。

制御盤の筐体はキャビネットボックスメーカーにより規格品が販売されており、規格品を使用できれば安価に済ませることが可能です。特殊な寸法の制御盤を設計した場合は板金加工で製作する必要があり、想定以上に高価となってしまう恐れがあります。

参考文献
http://www.jsia.or.jp/mamechishiki/seigyoban/
http://www.jsia.or.jp/
https://t-denso.com/archives/429

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