漏電リレーのメーカー6社・16製品を一覧でご紹介します。まずは使用用途や原理についてご説明します。
目次
漏電リレーは、ケーブルや回路素子の絶縁破壊によって電路と大地(アース)が短絡されることで生じた漏電を検出するための部品です。漏電リレーは地絡継電器(GR:Ground Relays)とも呼ばれます。漏電リレーには無方向性、方向性といったものが存在します。
漏電リレーは主に回路内における漏電の検出目的に利用されます。 漏電リレーは、主に2つのタイプに分類でき、使用設備や検出したい対象に合わせて選ぶ必要があります。 漏電リレーの使用例をご紹介します。
ここでは漏電リレーの原理について説明します。 漏電リレーは、漏電を検出する零相変流器(ZCT)と信号を送信するリレー部で構成されています。漏電検出機能のみで遮断機能を持たないため、漏電遮断器とは異なります。 漏電リレーには大きく分けて二つの種類があります。 比較的構成が簡単な'無方向性'、高圧送電などを対象とした方向性、といった漏電リレーがあります。どちらも零相変流器で零相電流を測定することで漏電の有無を判断し、回路に漏電の信号を送信する仕組みです。
1.無方向性 無方向性とは、零相変流器によって漏電した場合の事故電流を検出する仕組みで、地絡継電器(GR:Ground Relays)とも呼ばれます。 三相交流回路の電流は、各線に正相方向に流れる正相電流、逆相方向に流れる逆相電流、同相で流れる零相電流の3種に分けられます。 零相電流は通常ゼロ(発生しないもの)であり、零相変流器による電流ベクトル和の測定でもゼロとなりますが、漏電時には零相電流が流れるため、零相変流器でベクトル和を観測することで漏電していることが確認できます。
2.方向性 方向性とは、零相変流器と零相電圧検出器(ZPD)によって漏電した場合の事故電流を検出する仕組みで、地絡方向継電器(DGR:Directional Ground Relays)とも呼ばれます。 零相電圧検出器は零相電圧を検出するための機器で、具体的には機器内部のコンデンサによって零相電圧を検出します。 三相交流回路の電圧について、零相電圧は通常ゼロ(発生しないもの)ですが、地絡の場合に飽和状態が崩れ、電圧が発生します。この電圧を直列接続した角相コンデンサと検出用コンデンサによって分圧し、検出用コンデンサにかかる電圧をさらに変圧器で下げたものを検出しています。 送受電設備に多く使われている6kvの配電系統においては、微細なアース電流では負荷電流との見分けがつきにくいため、過電流継電器による検出ではなく零相電圧検出器による零相電圧の検出が採用されています。
参考文献
https://www.fa.omron.co.jp/product/special/protection_relay/basic/02/02.html
https://www.mitsubishielectric.co.jp/fa/products/lvd/lvcb/pmerit/elrly/index.html
社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
株式会社正興電機製作所の2段警報式漏電リレー(GD-W形)は比較的小さい漏電と大きな漏電にそれぞれ別々の動作を割り当てることのできる漏電リレーです。
これを使用すれば小さい漏電は警報だけとし、大きな漏電では漏電遮断器を動作させるなどの動作を割り当てることができます。
漏電で機器をいきなり停止したくない場合などには最適です。制御電圧もAC100〜240Vまで選択することができるので、日本国内の低圧回路であれば幅広く使用することができます。
光商工株式会社のLEG-107Lシリーズは色々なタイプを備え得ている漏電リレーです。
低圧回路用に設計されており、高周波対応もされているのでインバーターなどの機器が取り付けられている場合も使用することができます。
さらに復帰方法も手動タイプ、自動タイプから選ぶことができるので、用途に合わせた設計が可能です。
感度電流も本体で調整することができるので幅広い分野での使用が可能です。動作時間も0.3Sで更に短い製品を選択することも可能です。
漏電は火災などの原因になり、特に高電圧では人体にとっても非常に危険です。そのため各種漏電対策が施されます。
オムロン株式会社のK6ELはAC100/110VもしくはAC200/220Vの低圧回路に対応した漏電リレーです。非常に小型なので狭い制御盤の中でも問題なく設置することができます。
また、動作時間も0.8Sから高速型だと0.1Sで動作するので、漏電の危険から機器などを守ることができます。
ただし、400V以上に対応した製品はないので選定の際には注意が必要です。