電動サンダー

電動サンダーとは

電動サンダーとは、紙やすり (サンドペーパー) や布やすりを回転・往復または振動させて、木材や金属などを研削・研磨する電動工具です。

短時間で研削、研磨できるため、製造業や建築業、DIYなどで重宝されています。研磨の強さや研磨部の形などに種類があるため、作業目的に適したタイプを使用することで、期待した仕上がりにつながります。

また、電源式とバッテリー式があり、作業環境に合わせて選ぶと良いです。

電動サンダーの使用用途

一般的なDIYから、専門的な現場まで幅広く使用される工具です。紙ヤスリを使用して研磨することもできますが、作業範囲が広い場合などは電動サンダーを使うことによって、作業効率が抜群に上がるだけでなく、均一な仕上がりが期待できます。

木材は切り出したばかりでは、表面が粗く、傷や汚れがある場合があります。それを電動サンダーで研磨し、表面を滑らかに仕上げることによって、その後の塗装や仕上げ材ののりがよくなります。また、材料の面取りや削り出しなどにも使用される場合が多いです。

カンナは木材の表面を薄く切り取ることによって、表面を滑らかに仕上げますが、電動サンダーは、木材の表面をヤスリで細かく擦ることによって滑らかにします。仕上がり表面は液体が染み込むので、塗装や仕上げ材を塗る必要があります。

電動サンダーの原理

電動サンダーは基本的に、底面に紙ヤスリ (サンドペーパー) や布ヤスリを取り付け、そのヤスリを回転・往復または振動させて材料を研磨します。動力源は電動なので、手作業に比べ、作業労力を大幅に軽減することができます。

モーターの回転軸にプーリーが固定されています。プーリーとは、いわゆる滑車のことで、動力源であるモーターからベルトを利用して動力を伝える部品です。

プーリーはモーターの回転軸から中心を外した (偏心) 位置にあるので、小刻みに振動 (偏心運動) しながら回転します。

電動サンダーの種類

1. オービルサンダー

オービタルサンダーは、四角いパッドを振動させるサンダーです。主に柔らかい材質の物を研磨するのに適しています。

細かく振動するため、削りすぎを防止できます。パッドの面積が広く、大きなものを研磨するのに最適です。市販の紙ヤスリを使うことができます。

2. コーナーサンダー

オービタルサンダーと同じような構造ですが、接地面がアイロンのように先端が尖った形状になっています。細かい部分や狭い箇所の研磨、すでに組み上がったものを研磨するのに向いています。

3. ランダムサンダー

ランダムサンダーは、オービタルサンダーのように、モーターの回転軸にプーリーがついています。しかし、オービタルサンダーよりも大きく偏心しているので、より強力な振動を起こし、パッドが回転しているので、研磨力が強いのが特徴です。

また、オービタルサンダーよりも接地面が狭く、円形なので平らな表面だけではなく、緩やかな曲面の研磨にも適しています。ヤスリをスポンジやウールパフなどに取り換えることによって、つや出しやワックスがけにも使用可能です。

4. ベルトサンダー

ベルトサンダーは、前後のプーリー (滑車) に取り付けたベルト状のサンドペーパーを回転させて研磨するサンダーで、強力な研磨が行えます。研磨力が強いので、仕上げ作業というよりは、粗削り、塗装剥がしのような作業に向いています。

ベルトの幅は、細いタイプや幅広いタイプがあるため、細かな部品から大きな部品まで研磨できます。ベルトに指などを巻き込まれると危険なので、使用時は安全に配慮した服装と保護具の着用が必要です。

机に固定すると、卓上サンダーになるタイプもあります。

電動サンダーの選び方

電動サンダーを選ぶ際は、研磨の精度や対象の面積の広さなども考慮する必要があります。

1.  使用用途

  • 仕上げ用
    オービタルサンダー・コーナーサンダー・ランダムサンダー
  • 粗削りや塗装剥がし
    ベルトサンダー・ランダムサンダー
  • 曲面
    ランダムサンダー
  • 狭い箇所
    コーナーサンダー

2. 電源

電源コードで電源に接続するタイプと、バッテリータイプがあります。長時間使用するなら電源コードタイプ、取り回しを重視するならバッテリータイプが向いています。

3. 集塵機能

電動サンダーは、木や金属の細かな粉塵がたくさん出ます。ゴーグルやマスクをして使用することで粉塵を吸い込んだり、目に入ることを防ぎます。最近では、集塵機能付きモデルも多くあり便利です。

電動サンダーのその他情報

電動サンダーを使用する際の注意点

ヤスリの粗さを変えることで、粗削りから仕上げの研磨までを電気サンダー1台で行うことも可能です。電動サンダー使用時は、非常に強く振動します。災害防止をするために、スイッチを入れるのは、必ず両手で保持した状態で行う必要があります。

電動サンダーの類似品としてグラインダーがありますが、これらは砥石を回転させて「研磨・研削・切断」などを行う機器です。

ディスクグラインダー

ディスクグラインダーとは

ディスクグラインダー

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ディスクグラインダーとは、円盤状の砥石を回転させることによって金属の切断や木材・石材の研磨を行う工具です。

砥石は交換可能で、使用用途や対象とする材料に応じて選択できます。似たような名前の電動工具であるディスクサンダーとは異なり、材料の表面を平らに研磨する仕上げ作業は出来ないため、硬い素材の粗い研磨が主な用途です。

なお、木材は柔らかい素材であり、切断時に焦げてしまうためディスクグラインダーで切断できません。

ディスクグラインダーの使用用途

使用用途は、主に材料の切断と研削、研磨です。切断の対象となる素材としては金属、石材、コンクリートなどが挙げられます。先端のディスクが、砥石もしくはダイヤモンドなのかによって使用できる素材が異なります。

金属を切断する場合には、金属用の切断砥石が用いられ、石材やコンクリートの切断にはダイヤモンドカッターが使われます。研磨の対象となる素材としては、石材や木材、ステンレスなどが挙げられます。

研磨以外の用途として被覆や塗装剥がし、錆取りや面取りにも用いることが可能です。

ディスクグラインダーの原理

ディスクグラインダーは、毎分約4,000~12,000回転する軸に様々な種類のディスク (砥石) を取り付け、金属・木材・コンクリートなどあらゆる素材の研削・研磨・切断を行うことが出来る電動工具です。電源から電気を供給されることでモーターが回転し、その回転力を伝達してディスクを回転させます。

切断や研削・研磨などの作業の目的に応じて、ディスクを選択して使用します。材料を切断、研削・研磨するのかにより、適したディスクが異なります。

1. 切断用ディスク

切断用砥石、ダイヤモンドカッターなどがあります。切断用砥石は主に金属、コンクリートやレンガなどの石材を切断する場合はダイヤモンドカッターを使用します。ディスクグラインダーにディスクを取り付け、高速回転させたディスクの円周部を垂直に、対象物の切断したい部分を当てることで、切断します。

2. 研削・研磨用ディスク

オフセット砥石、多羽根ディスク、ナイロンディスク、フェルトディスクなど、粗削りから最終仕上げ用まで研削、研磨の目的によって様々なものがあります。高速回転させたディスクを研磨したい部分に当てることで、対象物を研削・研磨します。

ディスクグラインダーの選び方

ディスクグラインダーを選ぶ際に気を付けることは、以下の通りです。

1. 加工する素材

ディスクグラインダーは、木材や金属など幅広い素材に対して用いることができますが、目的に合ったディスクを選ぶ必要があります。使用対象ではない素材に対して切断や研磨を試みた場合、仕上がりが汚くなったり、破損したりなどの事故の原因になります。

2. 使用用途

ディスクグラインダーは研磨と切断の作業を行うことができますが、それぞれ異なったディスクです。例えば、砥石では切断用と研磨用の見た目が非常に似通っていますが、異なる用途に用いることはできません。

また、高速回転タイプの製品は金属の切断に、低速高トルクタイプの製品は研磨作業に向いています。

3. 動力源

ディスクグラインダーにはコンセントが必要な電源式と、充電して使えるバッテリー式のものがあります。電源タイプの製品では高い出力を安定して出すことができるため、金属の切断などの強い力が必要な場合に推奨されます。

ディスクグラインダーのその他情報

1. ディスクグラインダーの使い方

まず、ディスクグラインダーを使用する前には、必ず保護メガネや防塵マスクなどの保護具の着用が必要です。また、周囲に人や物がないことを確認してから作業を開始してください。

使用前に、ディスクが破損している箇所がないか確認してください。ディスクが破損すると、破片が飛散して危険です。ディスクの取り付け方や取り外し方も、正しい方法で行う必要があります。

2. ディスクグラインダーのメンテナンス

ディスクグラインダーは、定期的なメンテナンスが必要です。まず、ディスクグラインダーを使用した後には、必ずモーター部分やディスク周りの埃や汚れを拭き取ります。埃や汚れがたまると、モーターの冷却効果が低下し、故障の原因となるためです。

また、ディスクグラインダーのモーターブラシは消耗品です。モーターブラシが摩耗すると、モーターの回転力が低下し、故障の原因となります。定期的にモーターブラシの摩耗状態を確認し、必要に応じて交換が必要です。

電動カンナ

電動カンナとは

電動カンナとは、木材の表面に当てて削ることで表面を滑らかにするための電動式の工具です。

厚みを調整したり、木材の角をなくす面取り加工の際にも使用します。手動のカンナの場合、力のかけ方にコツが必要で効率も悪いが、電動カンナであれば作業スピードが一気に上がります。特に広い面をなめらかに削る場合などは効率よく短時間で作業することが可能です。

電動カンナの使用用途

電動カンナは手前から奥に滑らせながら木材の表面を削ります。

滑らせて表面を削りとる工程は手動のカンナと同じですが、木材を削る時の向きが異なります。手動のカンナの場合は奥から手前に引いて削るため、動かす方向を間違えると表面を削ることができません。そのため動かす方向には注意が必要です。

電動カンナの原理

電動カンナは2枚の刃のついたドラムが1分間に約15,000回転し、木材を削ります。

削る深さは調節ノブを回して変更できます。調節ノブを回すことによって前部ベースが上下に動き、刃・後部ベースの高さの違いが生まれ、削る深さになります。

手動のカンナでは、カンナ身やカンナ台を木槌などで叩いて経験と勘で刃の突き出し幅を調整しているのに対し、電動カンナではノブを回転させるだけで初心者でも簡単に削る深さを調整できます。

電動カンナの使い方

ここでは一般的な平削りの手順について記載します。

使う際は電動カンナの前部ベースを刃が木材に当たらない位置に置き、両手でしっかりと持ちます。片手でハンドルを握り、もう片方は調節ノブに手を乗せるのが基本的な持ち方です。

スイッチを入れて回転数が一定になったら、ベース部分を木材に密着させ、なめらかに水平に電動カンナを前へ押し進めます。削り始めは、前方に力を入れ、削り終わりは後方に力を加えるときれいに仕上がります。

より美しい仕上がりを目指すときは、最初は深め (0.7〜1.0mm) で荒削りし、次に浅め (0.2〜0.4mm) でゆっくりと仕上げ削りすることが大切です。

電動カンナの選び方

電動カンナを選ぶ際にチェックすべきポイントは以下の4点です。

1. 電源の種類

電動カンナにはコンセント式と充電バッテリー式の2種類があります。

コンセント式は、コンセントに繋いで使用するためバッテリー式に比べて高出力の機種が多く、持続的に使用可能です。作業スペースが狭い場合や様々な向きでカンナをかける場合にはコードが邪魔になる場合があります。

充電バッテリー式はコードがないため持ち運びやすく手軽です。しかしバッテリーの充電が必要で、残量が減るとパワーダウンします。コンセント式に比べて高額な商品が多い傾向にあります。

2. 刃の種類

刃の種類は、替え刃式タイプと研いでメンテナンスする研磨タイプがあります。

替え刃式タイプは、付属もしくは別売の替え刃を取り替えるだけで切れ味が戻ります。簡単なDIYや初心者が作業する場合、刃物を研ぐことが苦手な場合などに適しています。

研磨タイプは、刃を取り外し、磨いて取り付けることによって切れ味が戻ります。替え刃の購入費用がかからない代わりに、正確な角度での取り付けなど、上級者向きと言えます。

3. 切削幅

切削幅とは、電動カンナで一度に削ることができる刃の幅のことで、商品ごとに違いがあります。82mmが最も一般的で商品数も多いです。切削幅が広くなるにつれて電動カンナ自体の重さも増えるため、使い勝手の良いものを選ぶことが大切です。

4. 集塵方法

電動カンナで木材を削ると多くの削り屑が出ます。削り屑が周囲に飛び散ると清掃の必要性や作業する人への影響が出る可能性もあります。そのため電動カンナに取り付けて、削りクズを飛び散らせず集めるための集塵袋 (ダストバッグ) が付属品もしくは別売品で用意されているか事前に確認しましょう。

また大量に木材を切削する場合は、集塵機に接続できるアダプタやホースなども別売されているので、作業する量や空間にあわせて利用することが推奨されます。

振動ドリル

振動ドリルとは

振動ドリルとは、振動の力を使用してコンクリートやタイルなど、硬い素材に穴をあける工具です。

通常ドリルと聞くと、回転の力を使用するものを想像しますが、振動ドリルでは回転と振動の両方の力を利用します。これにより、硬い素材のものでも早く正確に穴をあけることが可能です。

振動ドリルの使用用途

振動ドリは、硬い材質に下穴を開ける際に使用します。代表的な硬い材質は、コンクリート・石材・タイル・モルタルなどです。

下穴はアンカーやプラグと呼ばれる、構造材や設備機器を固定する際に打ち込む部品のためにあります。回転ドリルでは回転する力しか無いので、いくら押し込んでも穴を掘り進めていく力が弱く、作業ができません。

振動ドリルの特徴

1. 木材には向かない

振動ドリルは、コンクリートなど硬い材質向けの工具です。木材や金属への穴あけは適していません。木材や金属は硬い素材ではないので、振動機能を使わずとも回転のみで穴が開きます。そのため、回転ドリルの方が適しています。

2. ドリルビットの軸にも種類がある

ドリルビットの軸にも色々種類があります。使用する振動ドリルのメーカー、取付口をよく確認しないと、せっかく買ってきても取付できず、作業を行えない場合があります。

3.製品によって機能が異なる

振動ドリルを使用する際に、しっかり持たなければならないため、サイドグリップがついているタイプがあります。ここを持つと本体よりもしっかり掴めるようになるので、正確に作業することが可能です。また、振動機能のみをオフし、回転ドリルとしても使用できるタイプや、正転・逆転機能がついているタイプもあります。

振動ドリルの選び方

振動ドリルを選ぶ際に、注意するべき点として以下の4つが挙げられます。

1. ドリルの穴径

振動ドリルを選ぶ上で最も重要なのはドリルの穴径です。機種によって最大径が決まっています。開けたい穴の大きさが決まっていたり、頻繁に使う径があったりする場合は、対応しているのかカタログなどでよく確認しましょう。

2.打撃・回転数

振動ドリルのスペックに関わってくるのが打撃数や回転数です。これは大きければ大きいほど良いわけではありません。割れやすかったり、欠けやすかったりする素材に対しては、打撃数や回転数を抑えめにして作業する事が望ましいため、打撃数や回転数の調整幅があるものがおすすめです。

3. あける穴の直径

振動ドリルですが、穴をあけられる径が20mm~25mm程と限りがあります。振動ドリルでは対応できない大きさの穴径を開けたい場合、ハンマードリルを検討してみてください。ハンマードリルの方がより強力で素材を選ばず、対応するドリルビットの穴径も大きいからです。

4. コード式・充電式であるか

振動ドリルは一般的にコードタイプがほとんどでしたが、最近では充電式のコードレスタイプも販売されています。充電式でもコードタイプに劣らないパワーがあり、電源の確保がいらないことから使用場所の制限もないため、作業の効率化が期待できます。ただし、充電切れの恐れや、替えの充電池も購入しないといけないデメリットもあります。

振動ドリルのその他情報

振動ドリルの使い方

まず、使用する前にドリルビットを選択します。どの材質でも対応している訳ではなく、コンクリート用、タイル用、石材用などと用途が分かれています。用途を間違えると、穴が開かなかったり、穴の周りがボロボロに欠けしまったりする可能性が高いです。

実際に使用する際は、通常のドリルを使用する時よりもしっかり押し込み、振動ドリルをしっかり持つことが大事です。しっかり持っていないと、振動ドリルの振動が上手く伝わらなかったり、工具がブレて穴があかなかったりします。

振動ドリルを使用する上で、最も重要なのは、ドリルを当てる角度です。角度が曲がっていると、まっすぐ穴が空かず、アンカーやプラグなどが斜めになることもあります。より正確に穴を開けたい場合には、最初は回転を抑えめにしつつ、穴が深くなってきたら回転を早めて、目的の深さまでまっすぐに使用する方法がおすすめです。

なお、穴を開けた後は、開けた際に発生したコンクリートなどの粉が詰まっているので、ブロワーなどで穴の中を綺麗にする必要があります。

ヘッジトリマー

ヘッジトリマーとはヘッジトリマー

ヘッジトリマーとは、生垣や植木の剪定などに用いられる工具です。

英語のヘッジ (英: hedge) には「生垣」という意味があり、日本語では「生垣バリカン」とも呼ばれます。ヘッジトリマーを使うことで、剪定バサミを使うよりも作業時間を短縮できます。また、チェーンソーを使うよりも細かな作業が可能です。

刃にはさまざまな種類があり、目的とする刈り方によって選びます。ヘッジトリマーには燃料を用いるエンジン式のものと、バッテリーや電源を使用する電気式のものがあり、近年では電気式のものが主流です。

ヘッジトリマーの使用用途

ヘッジトリマーは、生垣や植木の剪定のほか、草刈りなどにも使用されています。一度に広範囲の枝葉を丸く剪定したり、平らにそろえたりできるため、生垣や植木の管理に有用です。剪定バサミによる手作業にくらべて、作業時間や手間を大幅に省けるのが特徴です。

使用後は布で刃を拭いた後、潤滑油を塗布することで切れ味を保てます。また、作業中においても1時間に1回程度の油の注入が推奨されています。

ヘッジトリマーの原理

ヘッジトリマーは、見た目はチェーンソーに似た細長い形状ですが、刃の形状と動きが異なります。チェーンソーはチェーン状の刃が回るのに対して、ヘッジトリマーはバリカン状の刃が往復します。

バリカン状の刃で挟むように剪定するため、チェーンソーのように太い樹木の伐採はできません。ヘッジトリマーの刃で挟めないような太い枝は、剪定バサミやノコギリで切断する必要があります。

ヘッジトリマーの選び方

ヘッジトリマーを選ぶ際は、以下の4点を考慮する必要があります。作業ニーズにあわせて、さまざまなタイプのヘッジトリマー存在します。

1. 動力源

ヘッジトリマーの動力源は「エンジン式」「バッテリー式」「電源式」の3タイプがあります。

エンジン式
燃料を用いるエンジン式は、バッテリー式や電源式にくらべてパワーがあり、コードがないため広範囲での作業が可能です。ただし、騒音や振動が大きく、排気ガスも出ます。また、混合燃料を準備したり、使用後に燃料を抜いて保管したりする手間があります。

バッテリー式
充電して使用するバッテリー式は、エンジン式よりパワーが少ないぶん騒音や振動が少なく、コンパクトで手軽に扱えるタイプです。コードレスなので広範囲で作業できますが、長時間の使用はバッテリーがもたないため、予備バッテリーを準備しておく必要があります。

電源式
コンセントにつなぐ電源式も、バッテリー式と同じく騒音や振動が少ないです。長時間の使用でもバッテリーが切れるおそれはありませんが、作業範囲がコードの長さに制限されます。

広範囲で作業する場合は延長コードが必要です。また、コードが作業の邪魔になったり、誤って切断してしまったりするリスクがあります。

2. ハンドルの長さ

取り扱いやすいヘッジトリマーは、本体にハンドルがついているハンディタイプです。背の低い生垣や植木を剪定するのに適しています。背の高い生垣や植木の剪定や草刈りには、ロングハンドルタイプが便利です。脚立を使用したり、腰をかがめたりする必要がありません。

また、ハンディタイプとロングハンドルタイプを兼ね備えた、ハンドルの長さを調節できる2WAYタイプもあります。

3. 刈り込み幅

刈り込み幅は、ヘッジトリマーの刃部分の長さです。小型のものは100mm、大型のものは700mmほどの刈り込み幅があります。

刈り込み幅が小さいほど取り扱いやすく、生垣や植木を丸く剪定するなどの細かい作業がしやすいです。作業スペースが広く、一気に広範囲を刈りたい場合は、刈り込み幅の大きいものを選んだほうが作業効率が上がります。ただし、大型のものは重量が重くなり、取り扱いが難しくなるため注意が必要です。

4. 防塵・防滴機能

水に濡れた生垣や植木を剪定したり、草刈りで土ぼこりが舞ったりする環境でヘッジトリマーを使用する場合は、防塵・防滴性能機能があれば故障のリスクを減らせます。

ハンマー

ハンマーとは

ハンマー

ハンマーとは、物を打ち付ける時に使う工具で、建築現場などでは欠かすことのできない道具です。

日本語では用途や素材などにより、槌 (つち) 、玄翁 (げんのう) 、とんかち、殴り (なぐり) 、掛矢 (かけや) などとも呼ばれます。「つち」は漢字でも明確に区別されていて、打撃部が金属製のものを鎚 (金偏) 、木製のものは槌 (木偏) と書きます。

ハンマーは古くから使われており、道具としての基本的な機能を提供するため、多くの文化や産業で重要な存在です。

ハンマーの使用用途

ハンマーは、様々な目的で使用される便利な道具で、プロの職人から一般の方まで幅広く使用されています。

一般的な使用例は以下の通りです。

  • 木材や壁などの釘打
  • 釘の引き抜き
  • 金属を叩いて伸ばしたり曲げたりする金属加工
  • 石割り、はつり作業などの石工作業
  • コンクリート構造物の強度確認
  • 車両点検
  • 溶接作業のバリ取り、カス取り

ハンマーの原理

ハンマーは、持ち手部分 (柄) と打撃部分 (頭) で構成され、頭部の重量が重いほど打撃力が強く、対象物を変形させることができます。ハンマーを使用するとき、柄を握る手の部分から肘までが回転の中心となり、柄から腕の部分がスイングします。

腕で振ることで発生する回転運動に、打撃部分 (頭) の重さが加わることで、対象部に力を加えることが可能です。ただし、柄の部分が長くなれば打撃力が大きくなりますが、頭部のコントロールが難しくなるため、正確な作業をするには、ある程度慣れる必要があります。

ハンマーの選び方

ハンマーには多くの種類があり、目的に応じた材質や重さのものがあります。それぞれの特徴を把握し選ぶことが重要です。

1. 種類

ネイルハンマー
西洋から入ってきたハンマーの一種で、片面が平らになっており、反対側に釘抜きが付いたタイプです。重心が打撃面に偏っているため、安定した状態で作業することができます。

片手ハンマー
打撃部分が、片側が平面に近い緩やかな曲面、反対側は球状になっています。釘やピンの打ち込みなどに使われ、打撃部が球状の方は鉄板などの曲げ加工などを行うことができます。

両口ハンマー
打撃部分が、片側が平面で、もう片方が少し膨らんだ曲面になっています。主に木材への釘打ちに使われますが、鉄工作業、土木作業、解体作業などでも使用されます。

仮枠ハンマー
仮枠ハンマーは、建築作業においてコンクリートを流し込む型枠を組み立てる、仮枠作業に使われるハンマーです。さまざまな障害物がある場所での仮枠作業を行いやすいよう、柄は長く、打撃面は柄に近くなるほど細くなるラッパのような形状をしています。

板金ハンマー
鉄板やアルミニウム板などを叩いて加工するときに使用するハンマーです。自動車の車体補修、屋根やダクトの板金、電気工事、金属製の工芸品制作などの現場で使われます。

電工ハンマー
電気工事に適したハンマーで、頭部の片側が打撃面で反対側が尖っている先切タイプと、両側とも打撃面のゲンノウタイプがあります。電工ハンマーは、柄の先端がソケット状になっているのが一番の特徴で、この部分でナットの付け外しを行うことができます。

コンビハンマー
ハンマー頭部の片側に金属を使い、もう片側には素材を傷めない樹脂素材を使ったハンマーです。1本で金属製ハンマーと樹脂製ハンマー両方の特性を兼ね備えており、非常に使い勝手が良いハンマーです。

ペグハンマー
ペグを地面に打ち込んだり、引き抜く時に使用するハンマーで、 金属製やプラスチック製のものがあります。片面が平らな打撃部になっており、反対側はペグに引っ掛けやすい形状をしています。

2. 素材

金属製
金属製は、ハンマーの素材の中では一番高い強度を誇り、釘などの打ち込みや板金加工などで使われます。

木製
材質が木製のハンマーで、金属製のハンマーと違い軽量なのが特徴です。主に木工製品の組み立てや、部品などに傷をつけたくない作業時に使用されます。

プラスチック製
ヘッド部分がプラスチック素材を使用しているハンマーです。対象物にキズ付けることなく打ち込めるのが特徴で、主に自動車やバイクの整備などで使用されます。重心部が金属製なのでしっかりと衝撃を与えることができます。

ゴム製
頭部がゴム製のハンマーです。叩いた箇所の傷や凹みを気にすることなく、強く打つことができるのが特徴で、家具の組み立てなどで使用されます。同様の特徴を持つ木製と比べた場合、ゴムハンマーの方が材料に傷をつけずに作業ができます。

3. 重さ

ハンマーは、製品ごとに形状やサイズ、重量が異なるため、一般的にはヘッド部の重さで分類されます。

標準的なサイズは375gで、日本で昔から使われていた重さの単位の100匁 (もんめ) に相当します。女性の方であれば、コンパクトで軽量なものがおすすめですが、石を割るときなどは重量があるハンマーでなければなりません。

目的に応じ使用するものが異なるため、実際に振ってみるなど確認し、最適な重さのハンマーを選ぶことが大事です。

ニッパー

ニッパーとはニッパー

ニッパーとは、はさみに似た形をした切断用の工具です。

鋭利な刃を持ち電線や配線を切断する際に使われています。ニッパーは切断用の工具として一般的なため、配線工事に限らずプラス/マイナスドライバーと同様に、家庭でも使われる機会が多い工具です。

正確な場所を切断することができるため、細かい作業に適しています。刃先の形や材質には様々な種類があり、それぞれ切断能力や切り口の断面、切断に適した材質から適した場面等が異なるため、用途に合わせた物を選ぶことが大切です。

ニッパーを使う際は、切断した破片が飛び散る恐れがあります。安全メガネを装着することが望ましいです。

ニッパーの使用用途

ニッパーは、主に金属の線を切断する際に使用されています。ただし、ニッパーと一口に言っても切断する対象は様々で、その用途は多岐にわたります。

金属以外の切断に特化したニッパーとして、プラモデルの切断に使われるプラスチックニッパーマスキングテープの糊が刃につきづらいマスパーなどが挙げられます。

基本的にニッパーは小さくて軽量であるため、一般家庭に保管されている場合も多いです。家庭でのDIYやハンドメイドの他に、電気工事や電気製品の修理などに使われています。

製品によって金額の幅も広いため、用途に合ったものを使用することが大切です。

ニッパーの原理

ニッパーは、てこの原理を上手く利用した構造で、切断する能力の高さを実現しています。ニッパーとはさみの形状を比較した場合、両者で大きく違う点は刃先の長さです。

はさみとニッパーの回転中心軸と刃先の長さをそれぞれ比べてみると、ニッパーの方が極端に短くなっています。てこの原理に当てはめると、支点がニッパーの回転中心軸、力点が手で握るグリップ部分、作用点がニッパーの刃の部分です。

力のかかり方として、始点であるニッパーの回転中心軸が刃先に近ければ近いほど、また力点であるグリップの柄が長ければ長いほど切断時に大きな力を加えることができるため、軽い力で容易ものを切断できます。

はさみで分厚いものを切る際、支点である回転中心軸付近、つまり刃の根本部分で切りやすいのはこのためです。

ニッパーの選び方

ニッパーを選ぶ際は、以下に挙げる3つのポイントを考慮します。

1. 切断するものに合った種類

ニッパーは、切断するものの太さや材質によって様々な種類が用意されています。代表的なニッパーは以下の通りです。

強力ニッパー

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強力ニッパーは針金や電線などの硬い材質を切るのに適したニッパーで、切断力が強いのが特徴です。切断面の滑らかさよりも切断する強さに重点を置いているため、切れ味は良いですが切断面は山形になるという特徴もあります。

電工ニッパー

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電工ニッパーは主に配線を切るために使われるニッパーで、硬い針金なども簡単に切断することができます。配線加工用に特化して配線の被覆を除去する機能が搭載された電工ニッパーもあるため、配線作業を行う際に適しています。

2. 刃の形状

ニッパーの刃には片刃と両刃の2種類があり、両刃は硬いものを、片刃は柔らかいものを切るのに適しています。

3. 刃の角度

片刃のニッパーにはストレート刃とラウンド刃の2種類があります。ラウンド刃が切れ味に重点を置いているのに対し、ストレート刃は切断面ができるだけ平になるよう設計されています。

どちらも刃の角度が急であるほど切れ味が良くなる一方、切断面が粗くなり刃の強度も下がるため注意が必要です。

ニッパーの種類

ニッパーの種類

画像出典元:Amazon

①ヒートニッパー②斜ニッパー③精密ニッパー
④プラスチックニッパー⑤エンドニッパー⑥マイクロニッパー

前述した通り、ニッパーには様々な種類があります。強力ニッパーと電工ニッパーの他に、代表的なニッパーとして以下のものが挙げられます。

ソケットレンチセット

ソケットレンチセットとはソケットレンチセット

ソケットレンチセットとは、主に一本のハンドルと複数のソケットがセットになった製品で、必要に応じてハンドルに装着するソケットを付け替えて使用します。

ハンドルやヘッドの形状、ソケットの大きさなど製品によって様々であり、用途に合わないものを購入すると使用できないというトラブルが発生するため慎重に選ぶ必要があるでしょう。

一つのセットで幅広い用途に使用できるソケットレンチセットは、車やバイクのメンテナンスなどを目的として常備されることも多いです。

ソケットレンチセットの使用用途

ソケットレンチのハンドルにはラチェット機構が搭載されています。ラチェット機構とは常に一方向にしか力を伝えられないようにする構造のことで、これによりソケットレンチは簡単に回転方向を切り替えることができるという操作性に優れた一面があります。

ソケットレンチセットは一つのセットの中に様々なソケットが入っていることに加え、ヘッドや持ち手の形状により幅広い作業環境に対応できるという特徴があります。そのため車やバイクのメンテナンスから家庭でのDIYまで幅広い用途で使用されています。

ソケットレンチセットの選び方

ソケットレンチセットを選ぶ際のポイントをご紹介します。

  • レンチの太さ
    ソケットレンチには様々な口径のレンチのものがあります。ソケットレンチの主な口径は1/4インチ、3/8インチ、1/2インチのものです。
    最も幅広く使われているのが1/4インチのソケットレンチです。ソケットレンチが使われる穴の多くは10mm以下の大きさであり、1/4インチのソケットレンチは14mmより小さな穴すべてに対応しています。
  • ヘッドの形状
    ソケットレンチのヘッドの主な形状には2種類あり、丸型と小判型があります。
    丸形ヘッドは狭い場所でも簡単に作業ができるためスペースが取りにくい場所での作業に適しています。
    小判型は狭い場所での作業には適していない一方、ラチェットギアが少なく回転を簡単に切り替えることができます。また回転の方向を確認しやすいという利点があるため、扱いやすいです。
  • レンチの形状
    ソケットレンチのレンチには六角と十二角の二種類があります。
    六角のソケットレンチはなめにくいため、ボルトを傷めにくいという特徴があります。そのため六角レンチは長く使用したい場合に適しています。
    十二角のソケットレンチは角が多い分ボルトを簡単にはめることができるため、視界の悪い場所で作業する場合に適しています。
  • ハンドルの形状
    ハンドルの形状にはラチェットハンドル、オフセットハンドル、スピンナハンドルなどがあります。
    ラチェットハンドルは最も扱いやすく、はじめてソケットレンチを購入する場合にはラチェットハンドルのものを選ぶとよいでしょう。
    オフセットハンドルは細長い形状をしており手の届きづらい場所にも差し込むことができるため、狭い場所での作業に適しています。
    スピンナハンドルはハンドルの先にピンが付いており、狭い場所に差し込めるうえ、強い力で締めることができるという特徴があります。

六角レンチ

六角レンチとは六角レンチ

六角レンチとは正六角形の断面をもった金属の棒状の工具で、正六角形の穴を持つボルトやネジを締めるのに使われる道具です。

六角レンチの持ち手の形状には種類があり、それぞれに特徴があります。六角レンチは穴の大きさにぴったり合うものしか使用することができません。レンチと穴の接する面積が大きいため、同じ穴を締める道具であるドライバーに比べてボルトが壊れづらく力を伝えやすいという特徴があります。様々な大きさの穴に対応できるよう、太さの異なる6~7本の六角レンチがセットになった製品も多く販売されています。

六角レンチの使用用途

六角レンチにはT型、L型、ドライバー型など様々な形状があり、また先端の太さにも様々なものがあります。各製品の形状によりその適した使用用途は異なります。

六角レンチとして最も一般的なのがL型の六角レンチです。L型のものは最も汎用性が高く、家庭などに常備しておく目的に適しています。T型のものは連続して長く使用する場合に適しており、ロードバイクの調整などに使われます。ドライバー型の六角レンチは強く締めることができるため、DIYなど安全性を重視したい作業に適しています。

六角レンチの選び方

六角レンチを選ぶ際に重要なポイントをご紹介します。

  • 持ち手の形状
    「六角レンチの使用用途」にあるように、六角レンチにはT型やL型などの持ち手の形状があり、それぞれ適した用途があります。六角レンチを選ぶ際には使用する場面に合った形状のものを選びましょう。様々な場面での使用が予想される場合はL型のものを買うとよいでしょう。
  • レンチの太さ
    六角レンチは金属棒が穴にぴったりはまらないと使用することができないため、穴の大きさに応じてレンチの太さを変えなければなりません。レンチを差し込むボルトやネジの穴には様々な大きさのものがあるため、必要な太さのレンチを選ぶようにしましょう。
  • レンチの長さ
    レンチ部分の長さにも様々なものが存在します。レンチ部分が長くなるほど強い力で締めることができるため、本締めをする際や硬いボルトを締める際にはレンチの長いものが適しています。一方レンチの短いものは持ち運びや収納が簡単であるという特徴があります。家庭で使う目的である場合はレンチが短く複数本がセットになったものを選ぶとよいでしょう。

トルクレンチ

トルクレンチとは

トルクレンチは、ボルトやナットをどれくらいの力で締付けているかを測定する工具です。

トルクレンチを用いることにより、適切な力でボルトやナットを締めることができます。ねじは、締めることによりわずかではありますが、伸長するため、ねじを締めすぎるとその後の挟む力が弱くなってしまいます。また、強い力を加えすぎることで部品やねじ自体の破損につながります。

したがって、トルク値を把握し適切な強さでボルトやナットを締めることが必要とされます。

トルクレンチの使い方

プレセット型のトルクレンチを用いる場合は、事前に対象とするボルトやナットのサイズに合わせて大きさや締める強さを調整します。あらかじめ設定しておいたトルク値に達するとレンチに振動が生じるため、ナットの締め終わり位置を知ることができます。

デジタル型を用いる場合は、現在締め付けているのがどれくらいのトルク値なのかが画面に表示されます。そのため、締め付けの微調節を行うことができます。プレセット型と同様に、設定しておいたトルク値で音や光などの合図を出すことも可能です。

トルクレンチの選び方

トルクレンチを選ぶ際に気を付けることは、以下の通りです。

  • トルク値
     トルクレンチは製品によって、測定可能なトルク値の幅が異なります。測定可能なトルク値を超えて使用した場合は、破損や精度の低下の原因となります。逆に測定幅に対して小さすぎるトルク値に対して使用したりした場合も測定精度が低くなります。
  • 用途
     トルク値が異なるさまざまなナットを締める作業に対しては、調整が可能なプレセット型が推奨されます。逆に、ホイールのナットの締め付けなど同じトルク値のナットを何度も締めるような作業においては、単能型のトルクレンチが推奨されます。
  • 必要な精度
     トルクレンチの精度は一般にデジタル型の方が高く、1 Nmの精度が出る製品もあるため、高精度な作業が求められる場合はデジタル型の使用が推奨されます。しかし、デジタル型は、プレセット型などに比べて高価で電池切れ等の心配があるといったデメリットがあります。