トルクレンチとは
トルクレンチは、ボルトやナットをどれくらいの力で締付けているかを測定する工具です。
トルクレンチを用いることにより、適切な力でボルトやナットを締めることができます。ねじは、締めることによりわずかではありますが、伸長するため、ねじを締めすぎるとその後の挟む力が弱くなってしまいます。また、強い力を加えすぎることで部品やねじ自体の破損につながります。
したがって、トルク値を把握し適切な強さでボルトやナットを締めることが必要とされます。
トルクレンチの使い方
プレセット型のトルクレンチを用いる場合は、事前に対象とするボルトやナットのサイズに合わせて大きさや締める強さを調整します。あらかじめ設定しておいたトルク値に達するとレンチに振動が生じるため、ナットの締め終わり位置を知ることができます。
デジタル型を用いる場合は、現在締め付けているのがどれくらいのトルク値なのかが画面に表示されます。そのため、締め付けの微調節を行うことができます。プレセット型と同様に、設定しておいたトルク値で音や光などの合図を出すことも可能です。
トルクレンチの選び方
トルクレンチを選ぶ際に気を付けることは、以下の通りです。
- トルク値
トルクレンチは製品によって、測定可能なトルク値の幅が異なります。測定可能なトルク値を超えて使用した場合は、破損や精度の低下の原因となります。逆に測定幅に対して小さすぎるトルク値に対して使用したりした場合も測定精度が低くなります。 - 用途
トルク値が異なるさまざまなナットを締める作業に対しては、調整が可能なプレセット型が推奨されます。逆に、ホイールのナットの締め付けなど同じトルク値のナットを何度も締めるような作業においては、単能型のトルクレンチが推奨されます。 - 必要な精度
トルクレンチの精度は一般にデジタル型の方が高く、1 Nmの精度が出る製品もあるため、高精度な作業が求められる場合はデジタル型の使用が推奨されます。しかし、デジタル型は、プレセット型などに比べて高価で電池切れ等の心配があるといったデメリットがあります。